お知らせ・掲示板 - にいざわ皮ふ科

日々雑感:じんましん、キター!

【カテゴリ】 日々雑感 2013年05月29日

 この4月から5月は、じんましんで受診した方が特に多かったです。小さなお子さんから、『この年になって初めて』というご高齢の方までさまざまです。1日で10人以上がじんましんだった日もありました。
 じんましんの特徴は、とにかく痒いのに、受診時には皮疹が『消えている』ことです。典型的なストーリーとしては、夕方や夜になって体の一部が突然痒くなりだします。痒い部分を見ると地図のように真っ赤になっていたり、虫刺されのように盛り上がっています。これぞ蕁麻疹(じんましん)!大半は、長くても2時間程度でだいぶ引けてしまいます。この、跡形もなく消えることがじんましんの診断のポイントです。引っ掻き傷や湿疹が残っていたり、診察中に掻くとまた出たりはするのですけれど。
 じんましんの説明をすると、一様に、何を食べたっけ?とあれこれ考える方が多いですが、じんましんの大半は食事ともアレルギーとも関係がありません。最大の誘引は、疲れや、気温変動です。他に、食品添加物や飲酒、感染症(風邪や下痢)なども誘引となります。
 この4月から5月にかけては気温の変動が激しかったですね。長野でも、4月の上旬に気温が20度行ったかと思えば、長野マラソンの21日には観測史上初の積雪(!)。5月に入って、朝は10度未満(霜が降りた地域もあり)だったり、日中は30度超えの真夏日までありました。ここまで気温に振り回されると、体温調節を司る自律神経はくたくたです。という訳で、こういう条件で出るじんましんはアレルギーではなくて一種の自律神経失調症であるとご説明しています。
 実は私も4月に2回ほどじんましんになりました。夜寝る前に急にあちこち痒くなり、すでに赤みとみみずばれ(膨疹と言います)が・・・じんましん、キター!そう言えば、忙しかったので2日ほどコンビニのお世話になり(食品添加物多いよね)、飲酒もしたし、風邪気味だったし、ここまで揃えば仕方ないか。
 治療は抗ヒスタミン剤の内服に限ります。 最近は市販薬も色々出ていますので、まずは飲んでみてください。


日々雑感:今まで何ともなかったのに

【カテゴリ】 日々雑感 2013年02月20日

 日常診療で患者さんがよく発する言葉のひとつが、『今まで何ともなかったのに』です。
 初めて金属アレルギーと診断された。
 初めて化粧品にかぶれた。
 初めてじんましんになって皮膚科に来た。
 診断名と、その際推察される原因を申し上げると、この反応が返ってきます。
『今まで金属では何ともなかったのに』。
『今までと同じ化粧品なのに』。
『子どもの頃からじんましんなんか、かかった事なかったのに』。
 ご自分が何も悪いことをしてもいないのになぜ?というお気持ちは理解できます。
 しかし、皮膚の立場で言うならば、人の一生で皮膚の状態が常に一定ということはありええません。化粧品など、お使いの商品は変わらなくても、人の体は変わります。
 ちなみに、宝くじでもし大金が当たったら、『今までにものすごく良い事をしたから当たった』とは言いませんよね。単なる運と確率ですから。誰がどんな病気にかかるのかは大半が運ですし、人は自分で病気を選べません。本人の善悪や自己責任ではないのです。
 たとえば、化粧品アレルギーはどのように始まるかですが、化粧品(異物)が繰り返しお肌に塗布されるうち、皮膚にたまたま傷や湿疹があったとします。異物が皮膚のバリアを通過すると、体の免疫が『コイツはあやしい』と認識します。その物質に対して反応するリンパ球が作られ、血液にのって全身を巡回します(指名手配のポスターが配られるようなものです)。その期間は数日から2週間ほどかかります。準備が整ったところに、その物質が塗られるとすみやかにリンパ球が駆けつけ、突然に炎症反応(かぶれ)が起こるわけです。
 生まれて初めて接触した物質にアレルギーが起こることはありません。必ず準備期間があります。
 そして、誰がどのような物質にかぶれるかは予測できません。まったくかぶれない方もいれば、アトピー性皮膚炎などバリアの弱い方はかぶれの確率が高くなります。かさかさ肌や湿疹のあるところに色々塗ったり、合わないものを無理に使ったりすればそれも確率を高くします。
 今まで何ともなかった過去を惜しむよりは、起こってしまったことにきちんと対処するほうが大切ではないでしょうか。

 そういえば自分、この春はやたらに鼻がかゆいな、まさか花粉症?今まで何ともなかったのに!?


日々雑感:50℃洗い、やってみました

【カテゴリ】 日々雑感 2013年01月11日

 最近時々話題になる野菜の50℃洗い、やってみました。
 多めにお湯をわかしておき、大きなボウルに熱湯と水を半々くらいに注いで、温度計でなるべく正確に50℃に調整します。48から52℃くらいまでの範囲はOKだそうです。しなびかけた野菜を1分から2分ボウルにひたして引き上げるだけ。ぬるくなったら足し湯をして常に50℃を保つようにします。
 我家でも半信半疑でやってみました。驚いたことに、トマトはつやつやになり、大根もしゃきっとし、しおれかけたパセリやレタス、白菜まで張りがでて、そのままサラダでおいしくいただきました。今まではちぎって氷水にさらしていたのですが、何と氷水よりも50℃洗いの方がパリッとします。お湯だからしんなりしてしまうのでは、という予想は見事にはずれました。目からウロコです。
 その理由は、植物をこの温度にさらすとHSP(熱ショック蛋白)が作られるからだそうです。HSPとは、生物が様々な物理的・環境的なストレスにさらされると細胞内に発現される複数の蛋白質の総称です。HSPを多く発現すると、細胞は種々の傷害因子に対して強い抵抗力をもつことができます。このしくみは植物にも動物にもあるそうで、もちろん人にもHPSをつくる仕組みはあります。いわく、『生命が環境変化に適応して生命を維持するための重要な遺伝子産物』だそうです。
 一見しおれてくたびれた野菜たちも、50℃洗いでしゃきっとするということは、細胞が生きていたからなのですね。当然ですが、完全に枯れた植物や干した野菜では50℃洗いの効果はありません。トマトや白菜も、50℃洗いで全く復活しない部分があり、そこは組織として死んでいたわけです。この方法があれば、今までうっかり捨てていた野菜もレスキューできそうです。
 ちなみに、人間はくれぐれも50℃洗いしないでくださいね。人の場合は、38度の入浴を20から30分行うか、42度の入浴なら5分から10分までがHSPがつくられるめやすだそうです。毎日ではなく、週に2回で十分。熱いお風呂が好きな方は、入浴前にきちんと水分を補給しておく、脱衣所の温度に注意し、温度計と時計で温度や入浴時間を守てください。入浴後も水分を補給し、あたたかくして最低10分休むなど注意が必要です。
 熱い温泉に飛び込んで、のぼせるまで入り、入浴後はビールの一気飲み!はかえって抵抗力が落ちますのでご注意ください。


日々雑感:お風呂の目的

【カテゴリ】 日々雑感 2012年11月28日

 皆さんは毎日お風呂に入っていますか。
 こう質問すると、何を当たり前なことを、と逆に驚かれるようです。
 でも、地球上の人類で、毎日毎日入浴する習慣があるのは日本だけ。人類の歴史の上でも、こんなに毎日入浴したのは古代ローマ人と現代の日本人だけのようです。
 自分の子どもの頃(昭和30年代、三丁目の夕日の時代です)を振り返っても、冬の入浴はせいぜい週に1回か2回だったと記憶しています。家にお風呂がないと銭湯に行かなくてはなりませんが、まさか大雪や吹雪の中、毎日銭湯に通うなんてとても無理。お金もかかりすぎるし。冬はたいして汗もかきませんから、汚れてもいないのにお風呂は必要なし。家にお風呂ができても、燃料代がかかりますしとにかくお風呂場が寒いので、やっぱり毎日は入りませんでした。別にうちが特殊だったわけではなく、どこの家もだいたいそんなものでした。
 ちなみに江戸時代の贅を尽くした大奥でも、毎日お風呂に入る篤姫様は珍しい存在だったようです。身分の高い女性でも、入浴や洗髪は数日に1回程度。
 日本が豊かになり、住宅事情が良くなって、庶民が毎日入浴する家庭が多数派になりました。日本人の風呂好きは筋金入りですね。
 寒い季節には、家にお風呂があると大変ありがたいものです。体があたたまってリラックスできますね。最近は、入浴によって体にHSP(ヒートショックプロテイン)という物質ができると免疫力を高めることが注目されているようです。体の芯まであたたまるには、38から39℃程度のお風呂にゆったりと20分ほど入るのがいいようです。
 しかし、患者さんたちの入浴方法を伺ってみると、42から43度という熱いお風呂に入っている方が多く驚きます(私は猫舌なんで)。また、汗も皮脂もぐっと減る冬季は肌がほとんど汚れていないのに、入浴のたびにせっせとナイロンタオルやボディソープで垢すり、シャンプーも毎日。肝心の、湯船に入る時間を犠牲にしてまでせっせと洗う、これ、明らかにおかしいと思います。
 冬のお風呂の目的は、体を洗うことではなく温まること。洗う方は手抜きして、ぬるめのお風呂にゆっくりと、くつろいだ気分で入ってはいかがですか。あ、脱衣所もなるべく暖房して温度差にご注意くださいね。入浴後は、乾燥しやすいお肌を即保湿してください。


日々雑感:しもやけ、ゆきやけ

【カテゴリ】 日々雑感 2012年11月28日

 長野市出身で昭和一桁生まれの人に伺うと、長野では昔しもやけを『ゆきやけ』と呼んでいたそうです。しもやけは都会の人が使う言葉だったとか。長野も次第に都市化してTVも普及するにつれ、今では『しもやけ』が標準語になりました。
 近頃は雪焼けという言葉をを、スキーに行った後の日焼けの意味で使う若い方もいるようで、時代を感じます。
 しもやけは、寒冷はもちろんですが、湿った状況で強く誘発されます。長野県は地域によってかなり気候の差がありますが、寒さが厳しくても乾燥した中南地域ではあまりしもやけにならず、常に路上に雪が残っているような北信や新潟に近い気候ではしもやけがおきやすい傾向があります。現在は、昔とちがって完全防水のブーツがあり、暖房器具も発達していますから、しもやけは軽症ですむようです。
 そういえば、秋田にいたころ、職場(大学病院)に、関西方面の考古学者の先生から問い合わせをいただいたことがあります。文献でしもやけの記載が出てくるのだが、ご自分も周囲の人もしもやけをまったく経験したことがなく、どういうものか教えて欲しいとのことでした。凍瘡(しもやけ)と凍傷はどう違うのか?など、電話で一生懸命ご説明したものの、果たして理解していただけたかどうか。ちなみに凍傷は体質とは無関係で、雪山で遭難するなど長時間寒冷にさらされて生じる組織の損傷や壊死を言い、一種の外傷であり、やけどの逆バージョンです。
 しもやけの方へのアドバイスですが、靴は完全防水にする、靴下が湿ったらこまめに履き替える、手を洗ったらきちんと拭いて乾燥させる、外出には手袋を着用する、などが大事だと思います。
 


日々雑感:汗でかゆい時は

【カテゴリ】 日々雑感 2012年08月04日

 猛暑と節電の夏。汗との戦いの日々でもあります。
 人間は汗をかくことで体温調節をしていますから、もし汗をかかなかったら熱中症になってしまいます。生きていく上で汗は大切。
 汗には、皮膚を保湿する役目もあります。冬は汗をかきにくいので皮膚はカサカサしがちですが、夏は自前のうるおいでしっとりする仕組み。また、最近汗の成分には自然の抗菌タンパクが含まれていることも発見されています。汗は単なる老廃物ではなく、出た後も大切な役目があるのです。やたらに嫌わないでください。
 そうは言っても過剰な汗はべとべとだしかゆみすら伴います。汗をふくときは、乾いたハンカチやタオルでなく、水道水でしぼってふきましょう。それも、拭く(こする)のでなく、しっとりと当ててぬぐう程度で。完全に取りきらず、心なしか残るくらいがいいのです。こすって拭くと皮膚のバリアが痛み、次の汗でさらにぴりぴりします。私は日本手ぬぐいを愛用。タオルだと暑くて。
 日々の入浴やシャワーは、ご自分が気持ちいいと感じる温度まで下げてみませんか。温水プール並みの34度程度でも気持ちいいと思います。短時間でいいので朝にぬるいシャワーを(汗をかいていたら頭皮も)ざっと浴びると、シャンプーやボディソープなしでもずいぶんと体臭が違います。
 シャワーを浴びるたびにシャンプーやボディソープを使っている人がいますが、かえって肌の乾燥やかゆみのもとになるので、あくまでぬるま湯をメインにした方がいいですよ。
 それでも、赤みやがさがさ、ぶつぶつなど汗で湿疹がおできてしまったら、ステロイドを塗って治します。こすらないで、そっと乗せるように塗るのがコツ。
 最近、毎日のように『あせもができました』と来院する方が絶えませんが、大半は汗で悪化した湿疹であり、あせもではありません。あせもとは、幼児や肥満の方、かなりの高温多湿環境で仕事をする方などで、汗が一気に大量に出るときに、皮膚から出られなくて細かい水疱や汗の穴に一致した赤いぶつぶつ(数が数えられるくらいの大きさ)を言います。あせもにしても、上記の汗対策は共通です。
 赤ちゃんのオムツもとにかく暑い!たっぷりおしっこをしたら、さっとぬるいシャワーを浴びて、1時間くらいは下着のみ着せて、オムツなしで過ごさせてあげてください。


日々雑感:こするなキケン!

【カテゴリ】 日々雑感 2012年06月13日

 せっせとお顔の手入れをしているのに、美白剤や美容液も高いものを使っているのに、なぜかお顔がちっとも『垢抜けない』し、くすんでいるのでは?とお悩みの方へ。
 それって、たぶん顔のこすりすぎです。垢をこすってお肌をいじめると、くすみ、色素沈着(しみ)、乾燥もひどくなってこじわまで増えますよ。
 生きた皮膚の表面は、死んだ角質層でおおわれています。この角質があるお陰で、皮膚は紫外線の大部分をはねかえし(散乱)、異物の侵入を防ぎ、皮脂とのコラボでできる酸外套が常在菌を育成して病原菌から肌を防衛してくれています。
 さて、この大切な角質を『垢』と呼んでせっせとこすり落としたらどうなるか?角質の水分保持機能が損なわれてお肌はかさかさ、大切な角質の損傷を補充するため表皮細胞はあわてて細胞分裂をしますが急ごしらえの間に合わせになってしまい、ターンオーバーが乱れます。きめの粗いお肌になる上に、バリア機能も不十分。
 もっと深刻なのが炎症後色素沈着です。摩擦ダメージで目に見えない炎症(赤み)を繰り返すと、その沈静化のためにメラニンが動員され、なんとしみが濃くなっていきます。摩擦によってニキビも悪化することがわかっています。
 というわけで、顔(特にほほ)が黒ずんで乾燥している人が、目の周りや首のお肌は白く正常の皮膚である場合、その差は明らかに摩擦によって起こっています。
 化粧かぶれも、本当の意味での成分アレルギーはむしろ少なくて、ほとんどが誤ったスキンケアで起こっている刺激性皮膚炎です。高い化粧品だともったいないから量は少しで、よくしみこむようにとゴシゴシすりこんでいると、とんでもないことになりますよ。
 洗顔も、顔をふくときも、基礎化粧品も、絶対こすらないでください。タオルはやさしく押し当てて、基礎化粧品は乗せる感じで、わからなければ絹ごし豆腐で練習したらよろしいです。マッサージはどうかって?うーん、私はしたくないですね。足の裏ならしますけど。


日々雑感:皮膚科医が蚊に刺されたら

【カテゴリ】 日々雑感 2012年05月05日

 世の中には、とことんよく蚊に刺される人たちがいます。家族といても、友人たちといても、真っ先に刺される上一人で何ヶ所も刺されたり。アウトドアでは他の人に対する虫除け対策として重宝されるような(T_T)役回り。
 私も蚊に好かれ続けた人生で、武勇伝(?)には事欠きません。
 同じように刺されて困る方々への、ささやかなアドバイスを。
1)虫除けスプレーは効くか?
 結論;有効です。刺されやすい人は必ず持ち歩きましょう。
 虫除けスプレーを自分の全身に、顔までしっかり噴霧してみたことがあります。さすがにスプレーした部分は刺されませんでした。ところが唯一噴霧し忘れた耳たぶを刺されて、耳だけ真っ赤に腫れ上がりました。耳なし芳一(小泉八雲の怪談です)ですね。
 虫除けスプレーの成分はDEETと言い、生後6ヶ月までは使えませんし、小児には注意書きを守ってお使いください。
2)やぶ蚊はゲリラ
 日本庭園を散歩していて、ものの5秒ですねを十数ヶ所も刺されたことがあります。やぶ蚊は集団で潜んでいて、ゲリラのように襲ってくるというのは、この体験で学びました。山歩き、アウトドアではナマ足を出さないように、着衣は長袖長ズボンが基本です。
3)刺されたら治療は何がいい?
 断然ステロイド外用です。蚊に刺されて辛いのは、あとから襲ってくる赤み・腫れ・かゆみ。これは蚊が皮膚に残していった唾液成分に対するアレルギー反応です。ステロイドはアレルギー性の炎症を和らげてくれます。長期間使うものではないので、しっかり強めランクを選ぶのがおすすめです。
 ちなみにやぶ蚊に十数か所刺された私は、痒いし腫れるし、薬局に飛び込んで『ステロイドの一番強いのくださいっ!』と叫びました。応対してくれた薬剤師のおばさんは、『アナタね、いいこと、ステロイドっていうのは怖いのよ・・・』と説明を始め、自分が皮膚科医だとも名乗れずえんえんとお説教を聴くはめに。
4)腫れすぎてステロイド外用も効かないとき
 ほとんどの場合、人生の試練ということで我慢していただきます。
 例外としては、瞼を刺されて片目が開かない、指先や足底を刺されて物が持てなかったり歩けなかったりなど、生活や仕事に支障をきたす場合。さすがに、こういう時は、年齢や健康状態を考慮してですが、ステロイドの内服を処方します。
 私も片目を刺されてお岩さん状態になったことがありました。普通の抗アレルギー剤はまったく効かず、ステロイドを内服したらやっと目が開きました。

 まあ、笑い話ですめばいいのですが、蚊は様々な病気を媒介するやっかいな存在でもあります。近年はジェット機や船で地球上どこでも移動できるため、海外の病気が蚊とともに紛れ込んでくる危険性は常にあります。脳炎、マラリア、デング熱、蚊が媒介する病気は沢山あるのです。さされない対策を常に念頭に置くべきでしょう。
 という訳で、携帯用虫除けスプレー、強めのステロイド、夏でも長袖は欠かさず携帯しているおばさん皮膚科医でございます。


日々雑感:日本手ぬぐいノススメ

【カテゴリ】 日々雑感 2012年03月13日

 汗をかく季節が近づいてきました。
 汗の処理に、私は日本手ぬぐいをおすすめしたいです。
 首筋の汗の処理には、手ぬぐいを首に当てるとさらっと涼しくて乾きが早いですね。タオルを首に巻くと暑くありませんか?手ぬぐいなら外出先で濡らして使っても、夏などすぐに乾いてしまいます。
 洗面所で洗顔するとき、髪をまとめるのに重宝です。昔のお掃除当番みたいに、手ぬぐいの端をうなじで結ぶだけ。洗顔のあとはほどいて、そのまま顔も拭けてしまいます。我が家では常時6?7枚の手ぬぐいを使いまわしております。
 小さな風呂敷の感覚で、お弁当袋やテッシュカバー、ラッピングとしても使えます。海外へのおみやげとしても人気とか。
 手ぬぐいは高温多湿の日本で長く愛されてきたすぐれものです。洗濯してもすぐに乾くし、柔軟剤もいらないエコ素材。収納もタオルよりはるかにコンパクトにしまえて、どんどん使って洗って、古びたら最後は縫って雑巾にしちゃいます。
 今の若い世代の方には、モダンな柄や可愛い柄の手ぬぐいは、ハンカチやタオルよりも新鮮でいいかも。お洋服に合わせてコーディネイトも楽しそう。
 手ぬぐい売り場、のぞいてみてはいかがでしょうか。


日々雑感:皮膚から始まる食物アレルギー

【カテゴリ】 日々雑感 2011年12月29日

 某お茶石鹸による小麦アレルギーが問題になっています。実は、洗顔料・シャンプー・化粧品で皮膚トラブルやアレルギー湿疹がおきることはよくあり、決して珍しくはありません。ただ、そのようなアレルギーは、該当する商品や原因となった成分の使用をやめればすむことでした。今回の大きな問題は、原因となった石鹸の使用をやめても、日常食べる小麦粉製品に食物アレルギーが続いてしまうことです。このアレルギーになってしまったら、ラーメン、トースト、ピザなどを食べたあとに、顔がはれたり全身に蕁麻疹が出たり、ひどい場合は嘔吐や呼吸困難まで起こしかねません。
 実は、小麦粉による食物アレルギーは以前からあったのです。特に、小麦粉を食べて数時間以内に運動すると、激しいアレルギー症状が起きることは、FDEIA(食物依存性運動誘発性アナフィラキシー)として警告されていました。ただしそのような症例はまれで、感作(アレルギーの成立)経路は、胃腸に直接入った食べ物によると考えられていました。
 それが、経皮感作、つまり皮膚ついた小麦成分によってもアレルギーが成立してしまったことが最大の驚きでした。通常、皮膚の表面からアレルギーが成立する場合、分子量が1000以下の小型の化学物質(ハプテン)が表皮を通過してはじめて免疫システムが作動するからです。小麦粉のような分子量の大きなタンパクが、まさか洗顔石鹸でアレルギーを起こすとは極めて予想しにくいことでした。おそらく、目や鼻の粘膜や、皮膚のささいな傷、肌荒れなどから侵入したのではと言われています。今回の騒動は、アレルギーというものの不思議さをまたひとつ立証する教訓となりました。
 とはいえ、企業や行政の対応は遅きに失し、アレルギーになってしまった方たちがどう対処すればいいのかは、今後の問題です。
 食べて大丈夫なものは皮膚に塗っても安全・・・とは言えなくなりました。以下、私の勝手な想像ですが、今の主要先進国でアトピーやアレルギーが極端に増加しているのは、ひとつには皮膚を過剰に洗浄(シャンプー・ボディソープ)して常にバリアを傷つけるライフスタイルが大きな誘引になっているのでは。健康な角質に守られた皮膚は、本来小麦粉ごとき通過するはずがないのです。洗いすぎず、適当に皮膚を放っておくくらいがちょうどいいのではないかと思ってしまうのです。