大人の美容
2017/05/09

顔のたるみを今すぐリフトアップする方法

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エステのリフトアップメニューでは、顔のたるみ改善は期待できないこと、皆さんご存知でしょうか? リンパや血流を改善することで滞っていたリンパが流れることで顔はすっきりしますし、顔色もよくなります。しかし、一時的に引き上げた皮膚の組織が重力で元の位置に戻っただけで、皮膚の構造自体には何も変化はないのです。エステ業界では一般的にこれをリフトアップと呼んでいますが、顔のたるみを改善させるには、本来はその原因であるコラーゲンの質・量の低下を改善させる必要があります。ここでは、顔たるみ撃退してリフトアップを促す実践法を皮膚科医の小林智子先生に伺いました。

メソッド1:セルフケアでたるみ顔をリフトアップ

表情筋を鍛える舌回し

おすすめは舌を使ったエクササイズです。やり方は単純で、口を閉じたまま舌を、歯茎をなぞるように回すだけ。最初は10回くらいから始めて、少しずつ回数を増やしてみてください。表情筋が引き締まることでたるみの解消になります。

リフトアップに効果的なリンパマッサージ

リンパの経路は基本的には顔の中央から外側の方向に流れます。特に耳の後ろや顎のラインはリンパ節が多く存在しているため、流すだけでなく少し強めの圧で押すとより効果が高まります。必ずクリームをたっぷりつけて、摩擦を極力少なくするように心がけてください。

メソッド2:たるみに効果的な化粧品の成分を知る

アンチエイジングを謳う化粧品では、その成分に着目してみてください。ブランドやイメージだけで商品を選ぶと、お金の無駄遣いになってしまう可能性があります。

たるみに効果が期待できる代表成分は「レチノール」

レチノールはビタミンAの一種で、レチノールの他にレチナール、レチノイン酸(トレチノイン)、パルミチン酸レチノールなどの形態があります。いずれもメラニン色素を排泄させるとともに、線維芽細胞に働きかけてコラーゲンヒアルロン酸を増やす効果があり、たるみだけでなく、シミやシワ、ニキビ痕も改善します。効果が強いレチノイン酸は医師の処方箋が必要ですが、レチノールであれば市販の化粧品にも配合されています。

ビタミンCもコラーゲン生成を促進させる

コラーゲンを直接塗ることで数が減ったコラーゲンを補うことができれば一番手っ取り早いのですが、残念ながらコラーゲン配合の化粧品を真皮まで届けることはできません。コラーゲンは表皮において保湿成分として作用します。コラーゲン配合だからたるみに効くわけではないので注意が必要です。

アメリカで主流のたるみケアは「ペプチド」配合化粧品

ペプチドとはアミノ酸がつながってできたもので、いわばタンパク質を構成するブロックのようなものです。例えば、レチノイン酸と同等の効果があることが確認されて人気が出た「マトリキシル」や、塗るボトックスと謳われる「アルジルリン」などです。日本でも検索するとこれらが配合された化粧品を見つけることができますが、アメリカと比べるとまだまだ少ない印象です。今後の研究でさらに効果の高い成分が発見されるかもしれません。

美容界が注目するイチョウ成分

コラーゲンを生成させる効果や、抗酸化作用があることが明らかになり、イチョウの成分が注目を集めています。外用する分には特に副作用もなく、保湿効果もあります。初めて使用するときは美容液から始めると使いやすいと思います。

年齢やお悩み問わず、まず保湿

たるみと同様、シワもコラーゲンの質や量の低下によって形成されるため、たるみとシワはセットで多くの女性の悩みの種となります。深いシワになってしまうと対策が難しいですが、浅いシワの場合は保湿によって改善が期待できる場合があります。保湿をすることで、肌の表皮の外側にある角層が持つバリア機能を高め、外からの刺激から守ってくれます。より高い保湿効果を得るためには「セラミド」や「コラーゲン」配合のものがおすすめです。

メソッド3:食生活を整えることがリフトアップにつながる

食生活が様々な病気に影響を及ぼすことは多くの研究で明らかになっており、生活習慣病だけでなく、たるみについても食生活は無視できません。

1. 活性酵素を無効化する抗酸化物質:リコピン

積極的に取り入れられるメニューの中でもおすすめはミネストローネ。抗酸化物質のひとつであるリコピンを豊富に含むトマトを始め、パプリカ、人参、ブロッコリー、玉ねぎなどから、抗酸化物質を大量に摂取できます。
リコピンはカロテノイドのひとつで、体内でビタミンAとして働きます。他に抗酸化作用を有するビタミンC、ビタミンEと合わせてエース(ACE)と呼びます。赤パプリカや人参はビタミンA、ブロッコリーはビタミンC、黄パプリカはビタミンEが多く、玉ねぎにも抗酸化物質であるケルセチンが多く含まれるため、これらを一気に摂取することができるミネストローネはたるみの強い味方です。パプリカは東欧などでよく食べられる食材ですが、ソースにしても美味しくいただけます。鶏肉や白身魚などに添えて召し上がってください。

小林先生のリコピンたっぷり抗酸化メニュー

<パプリカソース>
○材料(2人前)
・パプリカ 2個(150g)
・トマトソース 50g
・玉ねぎ(みじん切り) 1/4個
・にんにく 1片
・生クリーム 40ml
・オリーブオイル 大1
・塩こしょう 少々
・乾燥バジル(あれば) 少々

○作り方
1. パプリカをフライパンで表面を焼き、取り出して冷ましてから皮を剥く
2. 同じフライパンにオリーブオイルを中火で熱し、にんにくを加えて香り付けをし、玉ねぎを加えて炒める
3. 2とパプリカとトマトソース、生クリームを加えてミキサーにかける
4. フライパンに戻し弱火で 煮詰め、最後に塩こしょうで味を整える
(1人前:188kcal、タンパク質2.1g、脂質15.3g、炭水化物10.9g、食物繊維2.0g)

2. 活性酵素を無効化する抗酸化物質:ビタミン & 必須脂肪酸

朝食や間食にはベリー類とナッツがおすすめです。ベリー類はビタミンCが、ナッツはビタミンEが豊富で抗酸化作用が期待できます。ナッツにはオメガ3脂肪酸も多く含まれています。オメガ3についてはコラーゲンのシグナルを整える作用があると言われていますが主には保湿に効果があります。それがナッツは美肌にいいと言われる所以です。

3.老化物質《AGE》対策の食事作法

AGEの生成に関わるのが血糖値の急激な上昇。調理法や食べ方などのちょっとした工夫でAGEを抑えることができます。AGEについて詳しくはこちらをごらんください。

・ 食物繊維を多く摂り、食事の最初に食べる
・ お酢やレモンを使う
・ ‘揚げる’‘焼く’よりも‘茹でる’‘蒸す’

これらを意識した食事内容にするといいでしょう。個人的には低温調理がおすすめです。AGEの生成を減らすだけでなく、食材が柔らかくジューシーに仕上がります。レシピとしては、低温料理のサーモンのソテーなどがおすすめです。サーモンはオメガ3を豊富に含み、肌の状態を整えてくれます。食べるときはゆっくり食べることも血糖の上昇を緩やかにするのでAGE予防として大切です。

小林先生の対AGE低温調理メニュー

<サーモンソテー・ブロッコリーソース>
○材料(1人前)
サーモン(皮付き)50g
オリーブオイル  大2
※ ブロッコリー 50g
※ 生クリーム 15ml
※ ホワイトビネガー 大さじ1/2
※ 白ワイン(なければ酒) 大さじ1/2
※ 塩こしょう 少々

○作り方
1. サーモンに塩こしょうで下味をつけ、ジップロックにオリーブオイルを入れて、その中に投下する。
2. 鍋で湯を沸かし45℃前後になったら1を中に入れ、空気を逃しつつ封をする。とろ火でかき混ぜながら役30分、低温調理を行う。(温度を50℃近くまで上げてからジップロックを投入し、鍋の蓋をして30分放置しても良い)。
3. その間にブロッコリーを塩茹でしておき、フードプロセッサーにソースの材料(※)を全て入れて軽く攪拌する。その後塩胡椒で味付けする。
4. サーモンをジップロックから取り出し、皮面のみ軽くソテーする。お皿にソテーしたサーモンとソースを添えて出来上がり。
(1人前:カロリー248kcal、たんぱく質11.5g、脂質19.9g、炭水化物2.5g、食物繊維1.1g)

皮膚科に頼るという選択肢

即効性を求めるのであれば、美容皮膚科での施術が最も効果的です。
美容皮膚科では、気軽に受けることができるレーザー治療の人気が近年高まっています。レーザーはラジオ波を真皮(レーザーの種類によっては皮下組織)まで届けることでそこに熱を与え、コラーゲンを産生させる仕組みです。一般的にラジオ波が奥に届くものほど施術金額も高額になります。レーザーはダウンタイムと言って肌が赤くひりひりするようなこともほとんどなく、施術直後からお化粧ができる気軽さが人気ですが効果が緩やかです。
他にも、ヒアルロン酸をたるみによって凹んでしまった部位に注入することで目立たなくさせることもできます。内出血などの副作用がありますがダウンタイムも短いです。糸でたるみを引き上げるフェザーリフトもあります。従来の手術によるフェイスリフトと異なり、皮膚を切開せずに溶ける糸を使用するため、手術は怖いけれど劇的な効果が欲しいという方に人気です。

リフトアップに最も速攻性があるのは?

たるみについては、その原因からも分かるように残念ながら速攻で効くケアとなると皮膚科での治療が必要になってしまいます。もちろん化粧品や食生活も重要ですが、これらは効果が出るまでに時間がかかり、劇的な効果となると期待できないでしょう。リフトアップで言うと舌エクササイズやリンパマッサージ、頭皮マッサージが効果的です。フェイスカラーやハイライトシェーディングなどをうまく使い、たるみを化粧で目立たなくすることも有効です。

お話を伺ったのは…

小林智子先生

皮膚科医。日本医科大学卒業後、名古屋大学大学院皮膚病態学にてアトピー性皮膚炎について研究。2015年よりNorthwestern大学でポストマスターフェローとしてアトピーなど小児フィフカの臨床研究に従事。食事と健康に関してレシピや情報などを医学的な立場から発信する「ドクターレシピ」の監修を行う。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)

取材・文:曽根由佳