流行ダイエットは栄養素が偏ってしまう危険なダイエットだった
和田 宏美
2017/07/20
最近は摂取エネルギーを減らして痩せることを目的としたダイエット方法が流行しています。
「ダイエット=摂取エネルギーを減らして痩せること」というのは正解です。
しかし、摂取エネルギーを減らすことだけに注目してしまうと、体重は減っても身体が悲鳴をあげることに…
さてそれはなぜでしょうか?
さあ、流行しているダイエット方法や栄養素の観点から考えてみましょう!
注意!栄養素が偏ってしまう流行ダイエット
摂取する栄養素が偏ってしまうダイエットには次のダイエット方法があります。
また、スープダイエットも一時流行りましたが、これらのダイエット法には共通点があります。それは何だかお分りですか?
単品ダイエット
単品ダイエットとは、1日のなかで特定の食品だけしか食べないというダイエット法です。
食材としては、バナナやりんご、トマト、ゆで卵などがあります。
置き換えダイエット
一方、置き換えダイエットとは、1日3回の食事のうち1食だけを特定の食品やドリンクなどに置き換えるというものです。
置き換えダイエットの例でいうと、朝食と昼食は好きなものを食べて、夕食だけはこんにゃくや野菜スープなど低カロリーのものだけを摂るといった食事です。
流行ダイエットの共通点
最近流行している単品ダイエット、置き換えダイエット、スープダイエット。これらの共通点は以下の3つです。
- 摂取エネルギー少ない
- 方法が分りやすい
- 経済的
このように巷で流行しているダイエットは、簡単で分かりやすいため誰にでも取り組みやすいことや、短期間集中して摂取エネルギーをコントロールすることによりしっかりと結果を出すことができるのでとても魅力的に感じられます。
しかし、ダイエットは無理なく続けることができることが重要です。
その食事、一生続けることができますか?
“トマトだけを食べ続けて体重が減った!”“夜スープに置き換えたら簡単に痩せた!“などというすぐに簡単に痩せられるという魅力から、チャレンジされた方も多いのではないでしょうか。
しかし、ここで考えていただきたいのは、それらの食事を一生続けることができますか?ということです。
毎日3回いろいろな食品を食べていた生活をトマトに変えたら痩せたという事実。
であれば、トマトだけの食事から普段の食事に変えたら・・・?
せっかく食べたいものを我慢して耐えて結果が出せたとしても、それを一生続けることができなければ、食事を元に戻した時にまた同じ体型に戻ってしまいます。
さらに残念なことに、たとえ長い間続けたとしても、同じものしか食べないという食事は、摂取できる栄養素が偏るため、体への影響が心配です。
流行ダイエットの危険性
例えば、野菜スープばかり食べていれば、野菜は食材自体のエネルギー量が低いため、摂取カロリーが少なくなり痩せます。
しかし、炭水化物(ご飯やパン、めん類)や、たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品など)が不足することで、体にエネルギーやチャージできずに、パワーがでなかったり、頭がボーッとすることがあります。
また、体をつくる材料が不足するために『風邪をひきやすくなったり』『肌荒れを起こしやすくなったり』します。
食材のもっている主な栄養素には、それぞれ不足することにより体に様々な影響を及ぼします。
ビタミン・ミネラルも同様で、摂取が不足すると以下のような欠乏症がみられることがあります。
※あたらしい栄養学、食品成分データベースより作成
※あたらしい栄養学、食品成分データベースより作成
調査から分かった!流行ダイエットが続かない理由
ダイエットをしている場合、とくに不足しがちな栄養素が男女で異なりがちです。
それはダイエットに対する目的意識の違いにあると考えることができます。
実際に、JMAによる調査で現在ダイエット中の20代から50代の男女30名を対象としたダイエットに関する調査によると、ダイエットのきっかけは男女で異なり、男性では、「健康診断」「ウエスト周りが気になり始めた」が多く、女性では、「おしゃれしたい」「周囲からの指摘」といった見た目による項目が目立ちました。
ダイエットが継続できるポイントとして、自分がなぜダイエットをするのかという理由を明確になっていることが大切です。
例えば、“夏に◯◯の水着を着たいから◯月◯日までにウエストを◯cm減らす!”や、”“◯月◯日にあるパーティーでドレスを綺麗に着たいから体重を◯kg減らす!”
などといった期限が決まっている明確な目標は、理想とする姿がイメージしやすいため、行動目標も決めやすくなります。
一方、先ほどの同調査では、ダイエットは以下のようなサイクルを繰り返すことによりダイエットが続かない構造ができているといいます。
“我慢”→“食べる”→“反省”→“奮起”
※ Japan Marketing Agency ダイエットMROC調査 より 作成
上記の図をご覧いただくと、食事に対して“我慢する”ことがきっかけとなり、ダイエットが続かない状態が続くと考えられます。
つまり、ダイエット中の我慢を少しでも減らすことがダイエット成功の近道といえるでしょう。
そこで、日常の食生活を大幅に変える(単品、置き換え、スープダイエットなど)ということは我慢する気持ちが大きくなる可能性が高いため、普段の食生活を見直し、栄養バランスを整えることが最大のポイントとなってくるのです。
どうやって栄養バランスを整えればいいの?
さきほど各栄養素の働きや欠乏症状についてご覧いただきましたが、1つひとつの栄養素をそれぞれ摂ろうと思うと、とても大変だと思います。
毎日3回、常に栄養素ごとに考えていると、せっかくの楽しいお食事の時間が“栄養素を摂らなければならない”とつらい気持ちになってしまっては残念でなりません。
そこで、気軽に栄養バランスを整えるための3つのポイントをご紹介させていただきます。
栄養バランスを整える3つのポイント
伝統的な和食で一汁三菜を心がける
一汁三菜とは、ご飯、汁もの(一汁)、おかず三品(主菜1品、副菜2品)(三菜)で構成された献立のことをいいます。
主食であるごはんから炭水化物、おかず3品のうち主菜からたんぱく質、副菜からビタミン、ミネラル、汁物から水分を摂取することができます。
そのため、「一汁三菜」と意識するだけで自然と栄養バランスが整います。
また、お皿の数が多くなるため、視覚からも満足度が高まるといううれしい効果も。
外食の際は単品より定食を選ぶ
食べたいときに食べたいものを食べたいだけ食べることができる時代になったからこそ、外食の際にも選び方に意識することが大切です。
うどんやそば、丼、ラーメン、パスタといった単品ものは、ごはんの量が多く、トッピングされているものには脂質が多く含まれることが多いため、糖質と脂質の過多とビタミン・ミネラルの不足の可能性が高いです。
そのため、自由に選べるときは、単品ではなく定食になっているものを選ぶことで、ごはんの量がお茶碗1杯分と適量であるため、糖質の摂りすぎの心配もなく、サラダがついていてビタミン・ミネラルが摂取できます。
食材の色が鮮やかになるように心がける
ダイエット中であっても、辛い我慢をしていると続けることが難しくなってしまいます。
単品メニューを作ったり、外食先で選んだ場合でも、「色鮮やかに」と心がけるだけで栄養バランスは整い、太りにくい食事にすることができます。
“パスタ”の場合どうなるのでしょうか?
ペペロンチーノだと一般的に使われている材料は、ニンニク、唐辛子、オリーブオイル、塩です。
写真をご覧になってもお分かりのとおり、色がほとんどパスタの一色です。色が乏しいということは、それだけ栄養バランスが偏っているという証拠。
一方、魚介のトマトパスタであれば、イカやタコ、アサリ、エビといった低脂肪高たんぱく質の食材がたくさん入っています。
また、きのことサーモンの和風パスタであれば、サーモンからたんぱく質をとれるうえ、血糖値の急上昇を抑える働きのある食物繊維が豊富なきのこも入っています。
Point
パスタは具材のたくさん含まれているものを選ぶことで、たんぱく質や食物繊維などもしっかり摂ることができ、栄養バランスが整いやすくなります。
“丼ものの場合”は?
カツ丼や天丼は揚げているため油を大量に吸っており、カロリーがとても高くなります。
また、油ものが彩りを少なくしています。丼であれば、揚げておらず、かつ様々な食材が使われている海鮮丼やばくだん丼、中華丼がおすすめです。
Point
丼はごはんの量が多い分どうしてもカロリーは高くなりがち。
ですが、トッピングの具材をどのようにするかで栄養バランスが整いやすくなります。できるだけ色鮮やかになるものを選びましょう。
今まで流行ってきたダイエット法には簡単で取り組みやすいというメリットがある一方、非日常の食事を続けることでリバウンドする可能性が高く、摂取できる栄養素が偏り必要な栄養素が不足する危険性があります。
我慢を少なくし、ダイエットを続けられるためには、普段の食事を見直し、栄養バランスを整えることが大変重要です。
ダイエット中の食事はとくに栄養バランスを整える3大ポイントを意識して健康に減量していきましょう!
次回の記事では、食事サポートの面からみるダイエットジムの選び方について詳しくお話させていただきます。お楽しみに!
《参考文献》
- あたらしい栄養学 吉田企世子、松田早苗 著 2013.9 高橋書店
- 文部科学省 食品成分データベース
- Japan Marketing AgencyホームページJMA「ダイエットに関するMROC調査」TOPIC
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和田 宏美
ダイエットジムコンシェルジュ唯一の管理栄養士ライター。 現在、特定保健指導や企業向け栄養セミナー、栄養コラムの執筆等を行っている。 ダイエットに悩んでいる人に、コラムを通して正しい栄養の知識をわかりやすく伝え、読者が実際に毎日の生活に取り入れようと思えるきっかけ作りができるように心がけている。