いんきんたむしとは、白癬菌(はくせんきん)という細菌による感染症の一種です。白癬菌は体のあらゆる皮膚で繁殖し、股部分に白癬菌が感染したものを一般にいんきんたむしと呼びます。
いんきんたむしでは強いかゆみがでることが特徴です。初めて症状が出た場合は、自己判断せずに病院で検査を受けることをおすすめします。
白癬菌が原因となっていることが判明している場合、市販薬も有効活用できます。いんきんたむしに効く市販薬はさまざまな種類が販売されています。しっかりと市販薬を塗り続ければかゆみの症状は約1週間ほどで治まります。
1週間ほど塗り続けても症状が改善しない、または症状が悪化する場合はすみやかに医療機関を受診してください。
陰のう・外陰部には使用しない!
いんきんたむしに効果ありと記載されている市販薬でも、陰のう・外陰部等には使用できない商品がほとんどです。
市販薬を使用する際は、薬の添付文書をしっかり読んで使用方法を守りましょう。
薬がしみるときの対処法:しみない薬の選び方は?
いんきんたむしの場合、強いかゆみのため患部をかき壊してしまい、薬がしみることがあります。特に股周辺の皮膚は、普段外気にさらされていないため痛みなどを感じやすくなっています。
患部がかき壊れている場合は、できるだけしみない薬を選びましょう。
■スプレータイプは避ける
スプレータイプの薬は刺激が強いことが多く、弱っている肌を痛めることがあります。また、肌が弱い人もスプレータイプの薬は避けたほうがいいでしょう。
■メントールが配合されていないものを選ぶ
患部に爽快感を与えるメントールですが、場合によってはしみてしまうこともあります。患部がぐじゅぐじゅとしている場合にはメントールの入っていないものを選びましょう。
この記事で紹介している薬のうち、メントールが配合されていないものは以下の通りです。
男性だけの病気じゃない!女性や子どもがかかる危険性も
いんきんたむしという名前のイメージから男性特有の病気であると思われがちですが、女性や子どもが感染する可能性も十分にあります。
原因菌である白癬菌は高温で湿度の多いところを好みます。女性は日常的にストッキングなど圧迫する衣服を身に着けることが多く、股部分の湿気が増え菌が繁殖しやすい状況であるといえます。
いんきんたむしの感染経路と予防方法は?
いんきんたむしの原因菌である白癬菌は、主に人から人へ感染します。
白癬菌に感染している人の皮膚には白癬菌が繁殖しています。感染している皮膚が剥がれ落ち、他の人に接触することで感染します。そのため、大浴場やスポーツジムなど、人が多く集まり薄着になる場所で感染することが多くあります。また、性交渉により感染することもあります。
■いんきんたむしの予防方法
白癬菌は高温で湿度の高い場所を好む菌です。大浴場での入浴やスポーツジムなどで着替える場合には、体をよく乾かしてから服を着ることが大切です。
また、人が集まり薄着になる場所に行った後などは、帰宅後にしっかりと体を洗い流すことも有効です。家族に水虫やいんきんたむしに感染している人がいる場合は、使うタオルやバスマットなどをわけることで感染する危険性を減らすことができます。
なお、自分の足の水虫の菌などが股部分に付着しいんきんたむしを発症することもあります。
しっかり塗り込む!軟膏・クリームタイプ
有効成分であるテルビナフィン塩酸塩が優れた殺菌効果を持ち、皮膚に住み着く白癬菌を除菌します。さらにかゆみを鎮めるクロタミトンや、炎症を抑えるグリチルレチン酸、角質を柔らかくし薬の浸透を助ける尿素などが配合されています。
1日1回塗ることで24時間効果を発揮するため、薬の塗りにくい股付近のいんきんたむしに効果的です。
メントールが配合されているため、塗るとスーッと爽快感があります。べとつかないクリームタイプで、特にジュクジュクしてしまった患部や、ひび割れてしまった患部に効果があります。
有効成分であるブテナフィン塩酸塩が優れた殺菌効果を持ち、いんきんたむしの原因である白癬菌を殺菌します。
有効成分を含む7種類の成分が含まれており、皮膚の深いな症状をしっかりと治します。かゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩やジブカイン塩酸塩、クロタミトンや、スーッとした爽快感を与えるメントールが配合されています。
皮膚にしっかりと留まるため、1日1回の使用で効果があります。
【指定第2類医薬品】ネクストクリーム24
有効成分であるミコナゾール硝酸塩が白癬菌を殺菌し、いんきんたむしの症状を改善します。また、患部のかゆみを抑えるクロタミトンやリドカイン、炎症を抑えるグリチルリチン酸二カリウム、薬の浸透を助ける尿素が配合されています。
患部にしっかりと付き、とどまって浸透するあめ、1日1回の使用で効果があります。メントールは配合されていません。
抗真菌成分であるブテナフィン塩酸塩が患部の角質に浸透し、白癬菌をしっかりと殺菌します。患部にしっかりと届くため1日1回の使用で効果があり、リドカインが配合されているためかゆみを的確に抑えます。メントールは配合されていません。
さらっとしみこむ!液体タイプ
【指定第2類医薬品】ラミシールプラス液
殺真菌成分ミコナゾール硝酸塩を主成分とし、しっかりと原因である白癬菌を殺菌します。
皮膚を柔らかくするサリチル酸や、二次感染の予防に効果のあるイソプロピルメチルフェノールが配合されており、いんきんたむしの症状をしっかりと抑えます。
かゆみをおさえるリドカインなども配合されており、皮膚の不快感全般に効果的です。メントールは配合されていません。
手を汚さずに塗れる!スプレータイプ
【指定第2類医薬品】ラミシールプラススプレー
【指定第2類医薬品】ダマリングランデアイススプレー
タムチンキのパウダースプレータイプです。じゅくじゅくした患部を乾燥させて治す効果のあるパウダータイプで、直接患部に噴射できるため手が汚れません。
主成分クロトリマゾールがいんきんたむしの症状をしっかりと治します。メントールは配合されていません。
いんきんたむしをしっかりと治すためには、薬の塗り方にいくつかのポイントがあります。
塗り方のポイント
■クリームタイプはお風呂上りが効果的
クリームタイプの薬の場合、塗るのはお風呂上りが効果的です。入浴後は肌も清潔であり、角質も柔らかくなっているため、薬が浸透しやすい時間です。薬を塗る場合は入浴後に塗るようにしましょう。
■患部より広めに塗る!
かゆみや炎症が起きている皮膚の部分より少し広めに塗るようにしましょう。いんきんたむしは菌が原因であるため、周りの皮膚についた菌も殺菌でき、症状の広がりを予防することができます。
■症状が消えたあとも塗り続ける!
かゆみなどの症状が消えたからと言って薬の使用をやめると、再発の危険性が高まります。いんきんたむしの原因は菌なので、かゆみなどを起こす皮膚の表面の菌がいなくなっても、皮膚の奥にはまだ菌が繁殖しています。
症状が消えたあとも2~3か月塗り続けることで、皮膚の菌を殺菌することができます。
いんきんたむしにステロイドは逆効果?!
皮膚の炎症の治療に使用されるステロイドですが、いんきんたむしに使用すると逆効果の場合があります。
ステロイドは皮膚の免疫力を下げる作用があるため、ステロイドを塗ることで皮膚の白癬菌が増え、いんきんたむしが悪化してしまうのです。
皮膚科では炎症が深刻な場合は一時的にステロイド薬を処方することがありますが、個人の判断でステロイドを塗ることは危険です。
市販のいんきんたむし用の薬では対処できないほど炎症が深刻な場合はすみやかに皮膚科を受診するようにしてください。
おわりに
なかなか病院にいきにくい病気であるいんきんたむし。しかし放置しているとどんどん症状が悪化し、色素沈着の原因になります。
病院に行くのが恥ずかしい場合は早めに市販薬で対処し、1週間ほど市販薬を塗っても効果がない場合はすみやかに皮膚科を受診しましょう