瘀血のはなし

瘀血のはなし

瘀血とは?

 瘀血という言葉をご存じですか?
 瘀血とは、一言でいえば「血液の粘度が高くなり、血の流れが悪くなった状態」です。

 私たちのこころや体をのびやかに保つためには、きれいな血液がいきいきと全身を流れていることが必要です。血液は人間の生命を支える重要な物質なのです。

ところが、この大切な役割を担っている血液が、体の各所に不調をもたらす元凶になってしまうことがあります。体に害を及ぼすように汚れたり、滞ったり、固まりやすくなったりした血液のことを、中国漢方では「瘀血」と呼んでいます。

瘀血とは血液の流れが悪くなった状態です。


瘀血の原因は?

 運動不足、偏った食事、不規則な生活・・・瘀血の原因もさまざま。現代はまさに「瘀血の時代」といえます。なかでも現代人にとって一番の大敵は、精神的なストレスです。血液の質と量を管理し、新陳代謝を行い、血液の貯蔵、循環をつかさどっているのは肝臓です。ストレスは肝臓の働きを悪くして瘀血の大きな原因になります。さらに、食事が肉食に偏ると血液はネバネバとしますし、運動不足や過労も血流を悪くして瘀血の原因となります。

ストレス、運動不足、偏食など現代人の生活には瘀血の要因がたくさんあります。

瘀血の原因は?('瘀血の原因はこんなことがあげられます。)
・生活環境の異常
・心身の過労
・ストレス
・病気(長引く場合)
・虚弱体質
・食事の不摂生
・運動不足



あなたの瘀血度は?

瘀血度チェックリスト

 あなたの体内に瘀血があるかどうかは、瘀血の三大症状である「痛む、しこる、黒ずむ」があらわれているかどうかをチェックしてみれば分かります。8つのポイントを利用して、ご自分の「瘀血度」をチェックしてみませんか。8つのポイントすべての合計点があなたの瘀血度です。

さまざまなサインを見逃さないで!

頭・肩
・肩や首すじが凝る     3点
・手足が冷える       2点
・物わすれしやすい     2点
・頭痛           3点

皮膚
・顔色がどす黒い      5点
・歯ぐきが暗赤色      5点
・皮膚が硬化しざらついている(さめ肌) 5点
・打撲によるうっ血がある   5点
・目にくまができる      3点
・シミ・ソバカスが多い    3点
・手のひらに紅班がある    3点
・アザができやすい      2点

痛み
・関節痛がある        5点
・手足がしびれる       3点
・リューマチ         3点
・胸に刺すような痛み、あるいは
 しめつけるような痛みがある 5点


・裏側の静脈が暗紫色に腫れている 5点
・舌の色が暗赤色、または紫色のシミがある 5点

生理
・月経の色が黒ずんでいたり、塊が混じる  5点
・生理痛           3点

血管
・唇が紫っぽい        5点
・腹や足の静脈が浮き出ている 3点


・痔がある          2点
・タール状の黒便       3点

内臓
・内臓にポリープや腫瘍がある 5点

 瘀血症状判定基準 ●

3〜 6点   瘀血傾向
7〜11点   瘀血
12点以上   瘀血が進んでいる

*ただし5点の症状が一つでもある場合は、瘀血と判断してよい。


瘀血と病気

 人間のからだは血液が運ぶ酸素や栄養によって生き生きと保たれています。この大切な役割を担っている血液の流れが悪くなると、酸欠や栄養不足となり、内臓や脳の働きを悪くし、いろいろな成人病を引き起こします。

思考力も落ち、モノ忘れも多くなります。皮膚はつやがなくなり、シミやアザができるようになります。さらに、筋肉がこわばり、肩こりや筋肉痛の原因ともなります。

瘀血がひどくなると、極端な場合、血管をふさぎ血の流れをとめて、狭心症や脳梗塞をもたらすこともあります。病気が長引くと血液が悪くなり、瘀血となり、ますます回復が困難になります。

血栓が形成されるプロセス
・正常な血流:赤血球・白血球・血小板が血管の中を勢いよく流れています。

・血流がゆるやかになると:白血球と血小板は中心から離れて壁の近くを流れます。

・血管内皮に傷があると:血小板がこの部分に付着し、血栓が形成されます。


 中国漢方には、「未病を治す」という重要な考えかたがあります。日頃の養生によって病気を未然に防ぎ、体調を崩す一歩手前の段階でくい止めようというものです。

 現代の西洋医学では、検査のデータが優先するあまり、体調の変化や自覚症状だけではなかなか病気として認めてもらえないところがあります。検査データにはあらわれない病気の前段階、つまり「未病」の人には多くの場合、瘀血の傾向がみられます。

中国漢方で「瘀血」の考え方が重視されるのは、体の不調をいち早く見つけだすための、貴重な手がかりとなるためです。

瘀血は高血圧や脳梗塞などの循環器疾患を中心に、さまざまな病気の引き金となります。};


次のような非常に多くの病気と「瘀血」はかかわりをもっています。

 1・神経痛、リウマチ、関節炎、筋肉痛
 2・冷え症、肩こり
 3・皮膚瘙痒症(アトピー性皮膚炎、乾性湿疹、慢性じんましん)
 4・外傷性疼痛(ねんざ、打撲)
 5・血管神経性頭痛、脳外傷後遺症の頭痛、半身不随
 6・動脈炎、静脈炎、血栓性血管炎
 7・動脈硬化症、高脂血症、高血圧症
 8・月経困難症(生理痛)、不妊症
 9・慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胆嚢炎、胆石症
10・腫瘍、できもの、前立腺肥大、慢性前立腺炎
11・慢性腎炎、ネフローゼ、浮腫
12・性機能障害(不妊など)
13・肝炎、肝硬変
14・健忘、不眠、イライラなどの精神障害



瘀血を予防する

中国漢方には「活血化瘀」という素晴らしい血行改善法があります。

 体に発生した瘀血を除去する方法を、中国漢方では「活血化瘀」と呼んでいます。これはドロドロになった血液をサラサラに変え、うっ滞を取り除き、スムーズに流れるよう改善するものです。漢方薬の中には、血液の汚れを除去し、生き生きとよみがえらせる働きをもった活血化瘀の薬がたくさんあります。

この活血化瘀の薬は、血液が滞るのを阻止する力をもった各種の生薬で構成され、できてしまった瘀血を取り除くのはもとより、瘀血お発生予防にもすぐれた効果を発揮します。

最近は肉食中心の食生活で血管の老化が早まり、若い人にも成人病が増えています。人は血管とともに老いるといわれます。活血化瘀の方法で血液を生き生きと流れるように保つことは、老化防止にもつながります。


食養生

運動、食事など日々の生活のなかで予防に努めましょう。

'瘀血の予防は毎日の生活が基本です。適度は運動を行い、ストレスがたまらないよう心がけましょう。さらに、十分な睡眠をとり、いろいろなものをバランスよく食べ、生活環境(特に冷暖房)に注意することが養生法となります。

運動
散歩、健康体操、ストレッチ運動・・・。その人の体力に見合った適度な運動は、血行を促進し、体の抵抗力を高めます。日々の生活の中にスポーツをとり入れ、体全体の筋肉を動かすことで新陳代謝を活発にすることが、血流の改善にはとてもよいのです。寝たきりの人には、軽いマッサージをしてあげるだけでも血行促進効果があります。リハビリが必要な方には、機能回復運動とともに血流をよくするツボや経絡を刺激します。押えて気持の良いところを指圧、マッサージするだけでも効果はあります。

精神面
精神面のアンバランスは「気」の流れを悪くし、「気」に乗って流れている「血」にも影響します。イライラしないよう、気持を常にリラックスさせることです。緊張状態が長く続くような時には、趣味や親しい人とのおしゃべりなどによって気分転換をはかりましょう。気や血のエネルギーが、体のすみずみにまでのびやかに行き届くようなイメージをもつことです。

食事
イワシやサバ、アジなどの青魚、シシトウ、サヤインゲン、ホウレン草、トマト、シソなどの野菜には、血液をサラサラにする働きのあることがわかっています。旬のころのイワシなら、毎日70グラム食べると血栓や動脈硬化の予防につながります。これに予防効果のある野菜を組み合わせます。血液をサラサラにする効果は持続しません。毎日少量でもとってください。


中国漢方 

Q:老化を防止する方法はありませんか。

:秦の始皇帝が求めた不老不死の薬は無理ですが、老化を遅らせたり、寝たきりや認知症を防止する方法はあります。中国漢方では、老化の主な原因を腎機能衰え、「腎虚」にあると考えます。腎の働きが低下すると、足腰の衰え、性欲減退など多くの老化現象が現れます。腎虚を治す方法を「補腎」といい、中国漢方には抗老防衰のための補腎薬が豊富です。

次に血液の質と量の管理です。人は血管とともに老いると言われます。血管の老化は現代医学でも防ぐことが難しく、血管病を阻止するためにも、瘀血を取りのぞき、血液を若々しく保ち、体内をのびやかにめぐらすことが大切なのです。補腎と活血化瘀によって若さを維持することができます。


Q:中国漢方では、病気の原因を徹底的に追及し、個人の体質に基づいて薬が決まるそうですが、活血化瘀の方法も同じですか。

:その通りです。ひとくちに瘀血症といってもいろいろなタイプがあります。虚弱体質で病気がちな「気虚タイプ」、顔色がすぐれず健忘、不眠などを伴う「血虚タイプ」など、個々の体質を十分把握したうえで症状に見合った薬を、活血化瘀薬と一緒に併用していただくのが普通です。


Q:漢方薬は長く服み続けても、副作用の心配はありませんか。

:中国漢方には副作用がないと思われがちですが、副作用がゼロというわけではありません。その大半が薬の使い間違いによるものです。どんなに良い薬でも、使い方を誤ると、効果がないばかりか。逆効果になることもあります。安全に中国漢方を服用していただくために、中国漢方のルールに基づいた指導のできる薬局・薬店にご相談ください。