先々週、グラクソさんの“ザイザル”の説明会・講演会で、京都府立医大の加藤先生によるアトピー性皮膚炎の講演会に参加しました。
角質層バリアのなかで、角質細胞どうしを接着する“コルネオデスモゾーム”という接着分子と、それを分解するプロテアーゼ、さらにそのプロテアーゼの働きを阻害するLEKTI(プロテアーゼ阻害物質)が存在します。アトピーの方では、そのうち、プロテアーゼ(角質接着分子を分解するもの)が増加していたり、LEKTI(プロテアーゼ阻害物質)が減少したりしていることが分かってきました。それにより角質接着分子を分解する働きが進みすぎてしまい、角質細胞の接着が弱くなって様々なアレルゲンが侵入しやすくなってしまうのです。
乳幼児では、首や関節部などのしわに汗やヨダレなどがたまって炎症が起こったり、その炎症によって角層のバリアが障害された皮膚から食べ物のアレルゲンが侵入して感作され、乳児の食べ物アレルギーを起こすといわれています。
乳幼児の頃から、しっかりと保湿スキンケアをするだけでなく、皮膚の炎症をコントロールして角層のバリアを乱さないことが重要なのではということでした。
また、アレルギー疾患がない子供でただ皮膚がカサカサしている状態であってもIgE値の上昇がみられたり、6年間follow upしたデータでは、カサカサ肌の子のうち、8%がアトピーを発症し、39%がアレルギー鼻炎を発症するそうです。このような、ただのカサカサ肌の子供にスキンケア指導をきちんと行うことによって、将来のアレルギーを予防出来るのでは、と思われます。
以前、“脱ステロイド・脱保湿”をうたう皮膚科の先生の本を読んだことがありますが、様々な意見があり患者さんが惑わされやすい現代の中で、皮膚科医がきちんと正しい情報提供・また指導をしなければ、と、講演を聞いて改めて気を引き締めました