医薬品情報


添付文書情報


販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
Seroquel 25mg Tablets アステラス製薬 1179042F1020 38.3円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
Seroquel 100mg Tablets アステラス製薬 1179042F2026 131.5円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
Seroquel 200mg Tablets アステラス製薬 1179042F3022 245.2円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
Seroquel Fine Granules 50% アステラス製薬 1179042C1023 647.4円/g 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるので、本剤投与中は、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。(「重要な基本的注意」の項参照)

禁忌

次の患者には投与しないこと

昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]

アドレナリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

統合失調症

用法用量

通常、成人にはクエチアピンとして1回25mg、1日2又は3回より投与を開始し、患者の状態に応じて徐々に増量する。通常、1日投与量は150〜600mgとし、2又は3回に分けて経口投与する。
なお、投与量は年齢・症状により適宜増減する。ただし、1日量として750mgを超えないこと。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者[本剤は主に肝臓により代謝されるため、クリアランスが減少し、血中濃度が上昇することがある。少量(例えば1回25mg1日1回)から投与を開始し、1日増量幅を25〜50mgにするなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。(「薬物動態」の項参照)]

心・血管疾患、脳血管障害、低血圧又はそれらの疑いのある患者[投与初期に一過性の血圧降下があらわれることがある。]

てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させるおそれがある。]

自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者[症状を悪化させるおそれがある。]

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者(「重要な基本的注意」の項参照)

重要な基本的注意

本剤の投与により、著しい血糖値の上昇から、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の致命的な経過をたどることがあるので、本剤投与中は、血糖値の測定や口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行うこと。特に、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者では、血糖値が上昇し、代謝状態を急激に悪化させるおそれがある。

低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

本剤の投与に際し、あらかじめ上記1.及び2.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。

本剤の投与により体重増加を来すことがあるので、肥満に注意し、肥満の徴候があらわれた場合は、食事療法、運動療法等の適切な処置を行うこと。

本剤は、特に治療開始初期に起立性低血圧を起こすことがあるので、立ちくらみ、めまい等の低血圧症状があらわれた場合には減量等、適切な処置を行うこと。

本剤は主として中枢神経系に作用するため、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

前治療薬からの切り替えの際、精神症状が悪化する可能性があるので観察を十分行いながら前治療薬の用量を減らしつつ、本薬を徐々に増量することが望ましい。また、症状の悪化が認められた場合には、他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。

相互作用序文

本剤は複数の経路で広範に代謝される。本剤の代謝に関与する主なP450酵素はCYP3A4である。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

アドレナリン
(ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体の刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

併用注意

中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経抑制作用が増強することがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、慎重に投与すること。薬力学的相互作用を起こすことがある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤注)
フェニトイン
カルバマゼピン
バルビツール酸誘導体
リファンピシン
本剤の作用が減弱することがある。本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により、本剤のクリアランスが増加することがある。外国人におけるフェニトイン併用投与例において、本剤の経口クリアランスが約5倍に増加し、Cmax及びAUCはそれぞれ66%及び80%低下した。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
エリスロマイシン
イトラコナゾール
本剤の作用を増強するおそれがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、慎重に投与すること。本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を非競合的に阻害するため、クリアランスが減少する可能性がある。外国人におけるケトコナゾール併用例において、本剤の血漿中濃度が増加した。

副作用

副作用発現状況の概要

承認時までの臨床試験では、錠剤投与症例584例中365例(62.5%)に副作用が認められ、主な副作用は不眠(19.3%)、神経過敏(17.8%)、傾眠(14.2%)、倦怠感(10.8%)、不安(10.6%)であった。また、臨床検査値の異常変動は、ALT(GPT)上昇(8.3%)、CK(CPK)上昇(7.4%)、T4減少(7.1%)、AST(GOT)上昇(6.6%)、プロラクチン上昇(6.3%)、LDH上昇(5.5%)等であった。
市販後の調査では、1,158例中309例(26.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められている。主な副作用は傾眠(4.3%)、高血糖(3.3%)、便秘(1.9%)、肝機能障害(1.6%)、倦怠感(1.3%)であった。また、臨床検査値異常は、ALT(GPT)上昇(2.0%)、CK(CPK)上昇(1.9%)、体重増加(1.3%)、コレステロール増加(1.1%)、γ-GTP上昇(1.0%)等であった。(再審査結果通知:2010年3月)

以下の副作用は、上記の試験・調査あるいは自発報告等で認められたものである。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡

高血糖(1〜5%未満)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明注))から死亡に至るなどの致命的な経過をたどることがあるので、血糖値の測定や、口渇、多飲、多尿、頻尿等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、インスリン製剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。

低血糖

低血糖(頻度不明注))があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。

悪性症候群(Syndrome malin)

悪性症候群(1%未満)があらわれることがあるので、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加やCK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。

横紋筋融解症

横紋筋融解症(頻度不明注))があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。

痙攣

痙攣(1%未満)があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

無顆粒球症、白血球減少

無顆粒球症(頻度不明注))、白血球減少(1〜5%未満)があらわれることがあるので、血液検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肝機能障害、黄疸

AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害(1〜5%未満)、黄疸(頻度不明注))があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

麻痺性イレウス

腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウス(1%未満)に移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

遅発性ジスキネジア

口周部等の不随意運動(1%未満)があらわれ、投与中止後も持続することがある。

肺塞栓症、深部静脈血栓症

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症(いずれも頻度不明注))等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注)国内自発報告の副作用のため頻度不明。

その他の副作用

 5%以上1〜5%未満1%未満頻度不明注)
精神神経系不眠、易刺激性、傾眠不安、頭痛、めまい焦躁感、鎮静、幻覚の顕在化、健忘、攻撃的反応、意識レベルの低下、昏迷、神経症、妄想の顕在化、リビドー亢進、感情不安定、激越、錯乱、思考異常、自殺企図、人格障害、躁病反応、多幸症、舞踏病様アテトーシス、片頭痛、悪夢、うつ病、独語、衝動行為、自動症、せん妄、敵意統合失調性反応、協調不能、レストレスレッグス症候群
錐体外路症状 アカシジア、振戦、構音障害、筋強剛、流涎、ブラジキネジア(動作緩慢)、歩行異常、ジスキネジア、嚥下障害ジストニア、眼球回転発作、パーキンソン症候群 
血液  顆粒球減少、好酸球増加症、貧血、血小板減少 
循環器系 頻脈、起立性低血圧、心悸亢進、心電図異常低血圧、高血圧、徐脈、不整脈、失神血管拡張
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇ビリルビン血症 
呼吸器系  去痰困難、鼻炎咳増加
消化器系 便秘、食欲不振、嘔気食欲亢進、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、胃炎、胃不快感鼓腸放屁、消化管障害、吐血、直腸障害
  瞳孔反射障害弱視、結膜炎
代謝・内分泌 高プロラクチン血症、T4減少、高コレステロール血症T3減少、月経異常、甲状腺疾患、高脂血症、高カリウム血症、肥満症痛風、低ナトリウム血症、水中毒、多飲症
過敏症  発疹血管浮腫、そう痒
泌尿器系  排尿障害、排尿困難、尿失禁、尿閉、BUN上昇持続勃起、射精異常、インポテンス、頻尿
その他 倦怠感、無力症、CK(CPK)上昇、口内乾燥、体重増加意欲低下、多汗、発熱、体重減少、胸痛、筋痛、舌麻痺、しびれ感、背部痛、浮腫、末梢浮腫、ほてり、歯痛、関節痛顔面浮腫、頸部硬直、腫瘤、過量投与、骨盤痛、歯牙障害、関節症、滑液包炎、筋無力症、痙縮、悪化反応、偶発外傷、耳の障害、味覚倒錯、ざ瘡、脱毛症、薬剤離脱症候群(不眠、悪心、頭痛、下痢、嘔吐)
注)外国の副作用及び国内自発報告の副作用のため頻度不明。

高齢者への投与

高齢者では少量(例えば1回25mg1日1回)から投与を開始し、1日増量幅を25〜50mgにするなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[高齢者では非高齢者に比べてクエチアピンの経口クリアランスが30〜50%低く、AUCは約1.5倍であり、高い血中濃度が持続する傾向が認められている(「薬物動態」の項参照)。また、海外臨床試験において非高齢者と比較し、起立性低血圧の発現頻度が増加する傾向が認められている。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット及びウサギ)で胎児への移行が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。]

授乳婦

授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

過量投与

症状

主な症状は傾眠、鎮静、頻脈、低血圧等である。まれに昏睡、死亡に至る症例が報告されている。

処置

本剤に特異的な解毒剤はないため維持療法を行うこと。早期の胃洗浄は有効である。呼吸抑制があらわれた場合には気道の確保、人工呼吸等の適切な処置を行うこと。低血圧があらわれた場合には輸液、交感神経作動薬の投与等の適切な処置を行うこと。ただし、アドレナリン、ドパミンは、本剤のα-受容体遮断作用により低血圧を悪化させる可能性があるので投与しないこと。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

国内臨床試験において、本剤と因果関係が不明の心筋梗塞、出血性胃潰瘍が報告されている。また、申請時に用いた外国長期投与試験において、急性腎不全が報告されている。

外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、本剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

イヌで長期大量(100mg/kg/日を6及び12カ月間)経口投与により、コレステロール合成阻害によると考えられる三角状後白内障が認められた。しかし、カニクイザル(最大225mg/kg/日を56週間)及びげっ歯類に投与しても白内障は認められなかった。また、臨床試験においても、本剤と関連した角膜混濁は認められなかった。

ラットに24カ月間経口投与したがん原性試験において、20mg/kg/日以上の雌の投与群で乳腺腫瘍の発現頻度の上昇が報告されている。これらの腫瘍の所見は、げっ歯類においてプロラクチンと関連した所見として報告されているが[1]、ヒトではプロラクチン濃度の上昇と腫瘍形成の関連性は明確にされていない。

薬物動態

血中濃度

統合失調症患者にクエチアピンを1回用量25〜100mgの範囲で漸増して1日2回反復経口投与した。100mgの用量で7回反復投与した後の血漿中クエチアピン濃度推移及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりである[2]
非高齢者では、投与約2.6時間後に最高血漿中濃度(平均397ng/mL)に達した。血漿中からのクエチアピンの消失は速やかであり、半減期は3.5時間であった。また、高齢者における血漿中濃度は非高齢者よりも高く推移し、高齢者のAUC0-12h(平均2.59μg・h/mL)は非高齢者(平均1.69μg・h/mL)の約1.5倍であった。(錠剤投与時のデータ)

図1 統合失調症患者にクエチアピン100mgを1日2回反復投与時の血漿中クエチアピン濃度推移
(平均値±標準誤差、非高齢者:n=12、高齢者:n=11)

表1 統合失調症患者にクエチアピン100mgを1日2回反復投与時の薬物動態パラメータ

nCmax(ng/mL)Tmax(h)AUC0-12h(μg・h/mL)t1/2(h)CL/F(L/h)
非高齢者12397±572.6±0.71.69±0.193.5±0.267.1±7.1
高齢者11483±962.9±0.32.59±0.543.6±0.350.9±6.7
(平均値±標準誤差)

外国人統合失調症患者にクエチアピンを1回用量25〜250mgの範囲で漸増して1日3回反復経口投与した。1回用量を75mg、150mg及び250mgとしたときの定常状態における薬物動態パラメータは表2のとおりである。血漿中クエチアピン濃度は用量に比例して増加し、男女差は認められなかった。(錠剤投与時のデータ)

表2 外国人統合失調症患者にクエチアピンを1日3回反復投与したときの定常状態における薬物動態パラメータ

用量Cmax(ng/mL)Tmax(h)a)AUC0-8h(μg・h/mL)t1/2(h)CL/F(L/h)
75mg tid277±541.0(0.5-3.0)1.07±0.192.7±0.1b)89±12
294±411.0(0.5-3.0)1.20±0.173.4±0.3b)86±16
150mg tid625±1211.0(0.5-4.0)2.30±0.333.0±0.3b)78±10
572±631.5(0.5-4.0)2.41±0.344.4±0.8b)73±8
250mg tid778±1081.5(0.5-4.0)3.38±0.465.8±0.3c)87±10
879±721.5(1.0-3.0)4.08±0.536.6±0.8c)72±9
(平均値±標準誤差、n=11〜13)a)中央値(範囲)、b)投与後3〜8時間の半減期、c)終末相の半減期

健康成人男子にクエチアピン25mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは表3のとおりである[3]。(細粒剤投与時のデータ)

表3 健康成人にクエチアピン25mgを単回投与したときの薬物動態パラメータ

Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUC0-24h(ng・h/mL)t1/2(h)
65.29±31.430.72±0.19172.0±77.12.88±0.59
(平均値±標準偏差、n=38)

肝障害の影響(外国人データ)

肝障害患者(アルコール性肝硬変)にクエチアピン25mgを単回経口投与したところ、クエチアピンのCmax及びAUC0-∞は健康成人よりも高く(約1.5倍)、t1/2は健康成人よりも長かった(約1.8倍)[4]。(錠剤投与時のデータ)

表4 外国人肝障害患者にクエチアピン25mgを単回投与したときの薬物動態パラメータ

被験者Cmax(ng/mL)Tmax(h)a)AUC0-∞(μg・h/mL)t1/2(h)CL/F(L/h)
肝障害患者78.5±14.41.0(0.5-1.5)0.386±0.0775.5±1.079.4±10.7
健康成人53.0±3.51.25(0.6-3.0)0.248±0.0203.1±0.2105±8
(平均値±標準誤差、n=8)a)中央値(範囲)

吸収及び食事の影響

クエチアピンの経口吸収性は良好であり、クエチアピンのCmax及びAUCに及ぼす食事の影響は認められなかった。(錠剤投与時のデータ)

蛋白結合率

ヒト血漿中におけるクエチアピンの蛋白結合率は83.0%であった[5]

クエチアピンは複数の経路で広範囲に代謝され、クエチアピンの代謝に関与する主なP450酵素はCYP3A4であった。

ヒト血漿中の主要代謝物は有意な薬理活性を示さなかった。

In vitro試験において、未変化体及び代謝物はCYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4活性に対して弱い阻害作用を示したが、ヒトでの血漿中濃度の約10倍以上の濃度でみられる作用であり、薬物相互作用の惹起を示唆するものではないと考えられた。

排泄

健康成人男子にクエチアピン20mgを単回経口投与したところ、尿中への未変化体の排泄率は投与量の1%未満であった[7]。(錠剤投与時のデータ)

外国人統合失調症患者に14C標識クエチアピンを経口投与したところ、尿及び糞中への放射能排泄率はそれぞれ投与量の72.8%及び20.2%であった。また、尿糞中放射能に占める未変化体の割合は1%未満であった[8]。(錠剤投与時のデータ)

臨床成績

二重盲検比較試験(2試験)を含む、国内で実施された総計553例における臨床試験において、最終全般改善度の改善率から、本剤は統合失調症の治療に有効であることが証明された。(錠剤投与時のデータ)結果は以下のとおりである。

統合失調症553例に対する中等度以上の改善率は42%(232/553)であった。また、二重盲検比較試験の2試験において、統合失調症に対する本剤の有用性が認められた[9][10]

治療抵抗性患者を対象としたオープン試験で、本剤は中等度以上の改善率40.9%(9/22)を示し、この群の患者に有効であることが示唆された[11]

また、海外における二重盲検比較試験により、本剤は1日2回投与でも有効であることが示された。これは、統合失調症患者を対象に、海外で実施されたポジトロン放出型断層撮影(PET)試験で、作用発現に重要な5HT2受容体及びD2受容体に対するクエチアピンの占有が、最大12時間持続したことからも証明される[12]

薬効薬理

薬理作用

受容体親和性

ラット脳組織を用いたin vitro試験で、ドパミンD1及びD2受容体、セロトニン5HT1及び5HT2受容体、ヒスタミンH1受容体、アドレナリンα1及びα2受容体に対して親和性を示したが、ムスカリン受容体及びベンゾジアゼピン受容体に対してはほとんど親和性を示さなかった。また、ドパミンD2受容体に比して、セロトニン5HT2受容体に対する親和性は高かった[13]

ドパミン及びセロトニン受容体拮抗作用

ドパミン作動薬のアポモルヒネにより誘発した行動(リスザルの瞬目反応、マウスのよじ登り運動及び遊泳障害)[13]並びにセロトニン作動薬のキパジンで誘発した行動(ラット首振り運動)[14]を、用量依存的に抑制した。

錐体外路系に対する作用

サルにおけるジストニア惹起作用及びラットにおけるカタレプシー惹起作用は、ハロペリドールに比べて弱かった。ラットでの電気生理学的試験では辺縁系に対し選択的な作用を示し、錐体外路症状との関連が深いとされる黒質線条体系に対しては作用を示さなかった[13]
また、統合失調症患者を対象とした海外のプラセボ対照二重盲検比較試験において、錐体外路障害の発現頻度には、プラセボ投与群との間に有意な差を認めなかった。

血漿中プロラクチンに対する作用

ラットにおいて、血漿中プロラクチン濃度推移はハロペリドールと異なり、持続的な上昇を示さなかった[13]。また、統合失調症患者を対象とした海外のプラセボ対照二重盲検比較試験において、プロラクチン濃度には、プラセボ投与群との間に有意な差を認めなかった。

本薬の薬理学的特徴はドパミンD2受容体に比してセロトニン5HT2受容体に対する親和性が高いこと、及び種々の受容体に対して親和性があることであり、これらが臨床における作用に寄与しているものと考えられている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名クエチアピンフマル酸塩
一般名(欧名)Quetiapine Fumarate
化学名2-[2-(4-Dibenzo[b,f][1,4]thiazepin-11-ylpiperazin-1-yl)ethoxy]ethanol hemifumarate
分子式(C21H25N3O2S)2・C4H4O4
分子量883.09
融点約174℃(分解)
性状クエチアピンフマル酸塩は白色の粉末である。メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
分配係数(1-オクタノール/水系)
pH3.0 0.35
pH5.0 30.85
pH7.0 389.70
KEGG DRUG

包装

25mg錠

100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1,000錠(バラ)

100mg錠

100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1,000錠(バラ)

200mg錠

100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、500錠(バラ)

細粒50%

100g


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作業情報


改訂履歴

2014年4月 改訂
2016年6月 第26版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内報告書につきましても下記にご請求下さい。
アステラス製薬株式会社
103-8411
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
0120-189-371

お問い合わせ先

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アステラス製薬株式会社
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業態及び業者名等

製造販売
アステラス製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号

提携
AstraZeneca UK Ltd