すそわきがとは?スソガとは?特徴や症状、意味について

すそわきがとは、陰部周辺の毛根に開口しているアポクリン汗腺から出る汗が常在菌の活動によって分解されることで、ワキガと同じような臭いが陰部周辺から発生する臭汗症のことをいいます。
正式には外陰部臭症(がいいんぶしゅうしょう)といい、俗に「スソガ」や「下わきが」「トベラ」とも呼ばれます。

すそわきがの特徴

すそわきがは、別名「外陰部臭症」という陰部付近が臭う症状を指します。※肛門周辺に発生するものは「ケツガ」とも呼ばれます。

女性に多く見られますが男性にも見られる腋臭症の一種です。

ただし陰部が臭うというだけでスソワキガなのではありません。

その名の通りワキガと同じメカニズムで臭いが発生し、ワキガと同じような独特の臭いを放つのがすそわきがの特徴です。

すそわきがは単にそうかそうでないかで考えられることが多いのですが、実際には軽度から重度まで程度があり、必ずしもどちらかに区別できるとは限りません。

つまり、すそわきがでない人もいれば、軽度のすそわきがの人もいるし、中には重度の人もいるというイメージです。

また、すそわきがは自分では判別しにくいという特徴もあります。

陰部の臭い、特に女性は様々な要因の混合臭となっていますが、中度くらいまでのすそわきがの臭いは陰部の混合臭の中に埋もれていることもあって「どうもよく分からない」というケースが多いのです。

【陰部の臭い】

  • エクリン汗由来の臭い
  • アポクリン汗由来の臭い ワキガ臭 ⇒ すそわきがの臭い
  • 皮脂腺からの分泌物の臭い
  • 性器からの臭い(尿・恥垢・性病)
  • 膣からの分泌物(膣液・オリモノ・経血)

すそわきがとワキガの関係

すそわきがはワキガと発生部位が違うだけですから、その特徴はワキガの特徴とほぼ一致します。

そして、ワキガもすそわきがもワキガ体質の人だけが発症する症状です。

ワキガ体質とは、体の特定の場所(外耳道、ワキ、乳首周り、ヘソ周辺、陰部)の全て、または一部に能動性のあるアポクリン汗腺を持つ体質です。

しかし、陰部のアポクリン腺はワキにあるそれと比べると一般に退化が進んでおり、ワキガの人が必ずしもすそわきがになるわけではありません。

ワキガ研究で有名な、故・稲葉益巳先生の調査によりますと、ワキガの人232人中、26人がすそわきがだったというデータがあります。(下グラフ)

わきがとすそわきがの関係に関する調査

つまり、ワキガの人のうち約10%の人がすそわきがということになります。
※ただし、ここでいうスソワキガとは自覚できる中程度以上を指すと考えられます。

逆にすそわきがの人はワキガを併発していることが多く、すそわきがだけという人は非常に少ないとのことです。

すそわきがの発生場所は性器周辺

すそわきがは性器自体からではなく、性器周辺の陰毛のある部分で発生します。
アポクリン汗腺は必ず毛根に開口しているからです。

女性の場合は、外陰部で最も強く発生し、股の部分や恥丘でも発生します。
男性の場合は、陰嚢(睾丸袋)や股の部分、恥丘でも発生します。

ワキガより臭いは弱いが悩みは大きい

一般的にすそわきがはワキガより臭いのレベルは弱く、職場や学校など普段の生活の中ではそれほど大きな悩みにつながることは少ないでしょう。

しかし一番気になるのは性交渉を考えた時です。
陰部に顔を近づけたり口にしたりするため、弱い臭いでも強く感じてしまいます。場合によっては二人の関係が行き詰まり、大きな悩みへと発展するケースもあります。

特定の臭気発生メカニズムとは?

陰毛の毛根部分にあるアポクリン汗腺から出た汗が、皮膚の常在菌により分解されて独特の臭いを放つというもので、ワキガと同じ原理です。

すそわきがは生まれつきのもの

すそわきがの主原因であるアポクリン腺の数は、生まれた時から決まっています。
なので、後天性のすそわきがというものはありません。

ただし、発症するかしないかということとは別の話で、計算上はワキガ体質のうち 7~8% の人が実際にすそわきがを発症することになります。

すそわきがは病気ではない

すそわきがは病気ではありません。身体的特徴とするのが一般的です。

すそわきがは遺伝する

すそわきがもワキガと同じ体質要因ですから遺伝します。
ワキガ体質は両親がワキガの場合は80%、片方の場合は50%の確率で優性遺伝します。

すそわきが率は10%ですから、単純に考えると両親がワキガの場合は8%、片方の場合は5%の確率でスソワキガになると考えられます。

すそわきがには発症期間がある

すそわきがもワキガと同様の発症傾向があるといわれています。
つまり、思春期の頃に発生しやすく、壮年期後半あたりから徐々に弱まっていきます。

ただ、陰部のアポクリン腺はワキの下のそれとは違って一般に弱々しい活動ですから、ワキガよりも活動期間は短いとも考えられます。

すそわきがは女性に多い

すそわきがは女性の方が多いというのが通説です。
アポクリン腺の数や分布、大きさでも女性の方が勝っているといわれています。

また女性の場合は男性より陰部の臭いの原因が多く、臭いを感じやすいことが悩みを大きくしていることもあります。

すそわきがは100人に1人

日本人の10人に1人がワキガだといわれています。

すそわきが率はワキガの人の10%なので、単純に考えると日本人の100人に1人がすそわきがということになります。

すそわきがはうつらない

すそわきがは、生まれつき決まるアポクリン腺の数とその活動状態によって決まります。
性行為などによって人から人にうつったり、伝染したりすることは決してありません。

すそわきがは男性も女性も同じ

すそわきが自体には男女の違いはなく基本的には同じです。
性ホルモンのアポクリン腺への影響などの違いがあるものの、すそわきがの原因としては根本的な違いはありません。

しかし、陰部の臭いという意味では性器を中心とした周辺構造の違いにより大きく異なるのはいうまでもありません。

すそわきがは性ホルモンの影響を受けやすい

すそわきがは男女とも性ホルモンの影響を受けやすいといわれています。

一般に、性的興奮、月経、性交、妊娠により、すそわきが臭が強くなる傾向にあります。
性的興奮は交感神経を介してアポクリン汗腺を刺激します。

すそわきがは食事の影響を受ける

すそわきがの強さは食生活にも影響を受けます。アポクリン汗自体に脂肪分が含まれていますし、周辺の皮脂腺からの分泌も増えるためです。

また、脂肪分を多く摂る人ほどアポクリン腺も活発に活動しているといわれています。

すそわきがは対策できる

すそわきがはどうしようもないということはありません。
正しく対策すれば臭いを抑えることができます。

ただ、すそわきがは一般に性交渉などのスキンシップ時に大きな悩みとなりやすく、パートナーの理解と協力が必要なこともあるでしょう。

すそわきがは治療で治る

すそわきがは、治療・手術で完治させることができます。

ワキガに比べるとアポクリン腺が小さく切開しての手術療法が難しいため、電気凝固法やビューホットなどの非切開治療(保存療法)が主流となっています。

すそわきがの症状

すそわきがの症状をまとめました。

独特の臭いがする

ワキガと同じ独特の臭いがします。

ただ、陰部はワキの下とは違って他の臭いも強く、それらとの混合臭となることでさらに別の臭いになることもあります。

  • 玉ねぎの臭い
  • ツン、ツーンとした臭い
  • 鉛筆の芯ような臭い
  • クミンのような臭い
  • チーズに似た臭い(他との混合臭)

下着に黄色が付く

アポクリン汗には、蛍光物質やリポフスチンという色素が含まれています。
この色素によって下着に色が付くことがあります。

ただ、必ずしも色がつくとは限らずワキガ臭だけがする場合もあります。

なお女性の場合は、膣からの分泌物など別要因によっても黄色く残ることがありますから誤認に注意が必要です。

耳垢が湿っている

ワキガやすそわきがといったワキガ体質の人は、ほぼ100%耳垢が湿っているといわれています。

これは、すそわきがの症状というより、ワキガ体質の特徴といえるものですが、広く知られていることなので、一応挙げておきます。

すそわきがの意味

すそわきがの意味について、二つの観点から解説します。

すそわきがの語源

すそわきがは、以前は「下ワキガ」とも呼ばれていましたが、最近では「スソガ」とも呼ばれています。

この「すそわきが」には、特に決まった語源説はないようなんですが、考えられなくもないので勝手に推測してみると以下のようになります。

昔よく使われていた「下ワキガ」は、下の方(股間)のワキガという意味であり、これはそのままの表現なので普通に理解できますね。

一方で「すそわきが」を漢字で書くと「裾腋臭」や「裾わきが」となります。

「裾」には下の方という意味があり「ズボンの裾」でいう「裾」が持つ意味と同じです。

つまり元々、下の方(股間)のワキガとして「下ワキガ」と呼ばれていたものが、なぜだか「下」の代わりに同じ意味を持つ「裾」が使われるようになり、「裾わきが」「すそわきが」となって、今ではそれがなまって「スソガ」も登場してきた・・・と考えらます。

すそわきがの存在意義

ワキガはフェロモンの名残り、もしくはフェロモンそのものという説があります。

同じくすそわきがもフェロモンの名残りとされており、正常な性器周辺のほのかな匂いは限りなく異性を魅了するという文献もあります。

ここで疑問なのは、「ワキガって必要?なんでスソワキガがメインじゃないの?」ということですよね。

一説によれば、人類の祖先が四足歩行だった頃は、フェロモンを分泌するのに都合の良い位置は股間付近だったのが、二足歩行になって嗅覚が上の方になったため、それに合わせてフェロモン分泌器官も上の方に移動して、今のワキガになったということらしいです。

とすると、ワキガに比べてすそわきがの方が退化しているという話にも説明が付くのですが・・・本当のところはどうなんでしょうか。