これを読んでいるあなたはもうすでに過食嘔吐ですか?
それとも、これからその世界に足を踏み入れようとしてるのかな?
「食べたいだけ食べて、太らない。」
過食嘔吐に足を踏み入れたとき、どれだけ食べても太らないそんな魔法を手に入れたと思っていました。
食べたら吐けばいい。軽い気持ちでそう思っていたけど
過食嘔吐は長引けば長引くだけ、
普通に食べ物を消化している人よりも太るリスクは大きくなります。
長期に渡って過食嘔吐とお付き合いしている人なら、身を以て実感しているはず。
「吐いているのに太るのはなぜ?」と。
今回はその理由を3つのカテゴリに分けて説明します。
過食嘔吐は魔法なんかじゃない、ほんとはとても怖い難病。
もし、あなたが「吐いて痩せるダイエット」に興味があるなら、これを読んで自分自身に問いかけてみてください。
「こうなるとわかっていても過食嘔吐に足を踏み入れたい?」
目次
1.体は乾いたスポンジ状態
2.吐 き 残 し
3.お腹いっぱいってなに?「足りない、もっと食べたい」
4.食べ物が「好き」で「嫌い」
5.それでも過食嘔吐に足を踏み入れますか?
1.体は乾いたスポンジ状態
食事制限のダイエット。誰もが一度は経験のあることではないでしょうか?
食事の量を減らすと、体は外から入ってくるエネルギーでは足りないので、蓄積している脂肪をエネルギーに変え、手を、足を、脳を動かします。
みなさんご存じのスタンダードなダイエットのカタチですね。
カロリー(エネルギー)を制限することで体内では「ケトン体」という物質が分泌されて蓄積された余分な脂肪を消費する。
でも、これが行き過ぎて、拒食(食べ物を受け付けない)または過食嘔吐(食べても吐く)になってしまうと?
最初はスタンダードなダイエットの仕組に従い、ケトン体が分泌されて体重は減ります。
でも長期に渡ると、体の中ではこんなことが起こりはじめます。
必要な栄養分が慢性的に不足した脳は「栄養不足」信号を出します。
それは、あなたに「食べてね!」と訴えかけるだけでなく、内臓たちにも訴えかけます。
「次、食べ物が入ってきたらしっかりと吸収すること!」
人は飢餓状態に陥ると、生命維持のために身体に入ってきた栄養素を無駄な溜め込もうとする。
その結果、高効率で栄養素が体内に蓄積されることになる。
乾いてカラカラのスポンジが、普通のスポンジより多く水分を吸収するのを想像してみてください。
この現象があなたの体の中で起きるのです。
「水を飲むだけで太る」わたしも経験したことがあります。それでさらに水分さえも取れなくなって・・・
それと反比例するかのように、脳は「食べろ!食べろ!!」と信号を送ってくる。
でも。
「食べたらすぐ体重が増えるのに、普通になんて食べられないよ!!!」
これが、過食嘔吐の代償の始まりでした。
2.吐 き 残 し
過食嘔吐には様々な「吐き方」があります。
手や物を使って嘔吐反応を起こす「指吐き」、大量の水分を取って腹筋を使って吐く「腹筋吐き」
それからチューブを使って吐く「チューブ吐き」。
わたしも一通り経験て、どの吐き方でも徹底的に吐きまくってましたが、最後まで色がついていたり小さなカスは出てきていたんですよね。
実はどんなに頑張って吐いて、吐いたあとの体重は減っても、吐き残しは必ずあるものなのです。
特にお米や卵など胃の中で沈みやすい物、消化のよいものの1/3は小腸に流れ消化・吸収してしまうのです。
さらに、食べる時間が長時間になればなるほど食べ物は小腸に流れていきます。
それは、なんと1時間という短時間でも!
吐いてるのに太る原因の多くはこれが原因。
あなたが食べた、大量のお米も、卵も、高カロリーのスイーツも1/3は吐き残しで体に残ります。
普通の量の食事で済むなら痩せることができるかもしれません。
でも、普通の量では済まないのです。
それはなぜ?次のカテゴリでご紹介します。
3.お腹いっぱいってなに?「足りない、もっと食べたい」
過食嘔吐になるまではみんなと同じ食事で腹いっぱいになっていた。
そんな私は、過食嘔吐になって「普通」の食事の量が分からなくなりました。
例えば、定食屋さんで出てくるご飯、お味噌汁、メインのおかず、小鉢、お新香。
これでは、まったく足りないのです。「これは前菜ですか?」状態。
どれだけ食べても全然足りなくて、「お腹いっぱい」が分からない。
そしてお腹いっぱいの状態になるために食べ続けると、胃がはちきれそうになってしまう。
それでも、なぜか満たされない。もう胃には入らないほど苦しいのに、足りない。
それは精神論ではなく、体の仕組みでそうなるようになっているから。
「お腹いっぱい」を感じる満腹中枢と食欲中枢は自律神経に支配されています。
自律神経の情報を伝達するための伝達物質が無理なダイエットなどで極端に不足すると、「お腹がいっぱい」という情報が伝達できなくなり、いつまでも食べ続け、気づいたときには物理的に「はちきれそう」になってしまうのです。
これはあなたの自律神経を狂わせさらに精神の状態を傷つけます。するとイライラしやすくなったり気持ちが落ち込んだり。
それだけでなく、金銭的にもあなたを苦しめます。
こちらをご覧ください
例えば一日平均2,000円と考えて(ほんとはそんな金額じゃ済まないけど)毎日1年間続けたら・・・
2,000(円)×365(日)=744,000(円)
わたしがこれまでに過食のために使ってきたお金は600万以上。
高級なものはなにひとつなく、とくにおいしくもないスーパーの値引きパンとか、半額お惣菜がほとんどで600万円です。
(もちろんそれ以外にもバイキングにも行ったり外食も。でも足りなくて家に帰ってまた食べて・・・わたしが一日で使っていたお金は平均3,500円でした。)
本当に、無駄なお金。
一日たった2,000円でも、年間で74万。
年間に80万円ほどのお金をトイレに流して、得るものは
怖いほど大食いの自分と、常に金欠で余裕のない精神状態だけなのです。
4.食べ物が「好き」で「嫌い」
過食嘔吐になると、頭の中は365日24時間ずーーーっと食べ物のことが頭から離れてくれません。
これはわたしたちが食いしん坊だから?いいえ、そうではありません。
食べ物を極度にしているとき(拒食はもちろん、過食嘔吐の時も)、体は飢餓状態のためケトン体が多く分泌され、脳に「食べてね!」という信号を送ります。(カテゴリ1で説明した内容ですね)
このとき、体はてっとり早くエネルギーを補給するために、糖分(甘いものや炭水化物など糖質に代わるもの)を強く要求します。
そして人間は命を守るために、その強力な信号に逆らうことができません。
そして一口、食べ始めると「糖分」を摂取した細胞は、インスリンというホルモンを分泌します。
インスリンは摂取した糖分をエネルギーとして体を動かすのですが、甘いものや精製された炭水化物を食べるとインスリンが過剰に分泌され体内の血糖値は下がり体は「低血糖の状態になります。
そして今度は低血糖から脳を守るために「食べろ!」という命令を起こし続け、自分の意志で食欲をコントロールすることができなくなるのです。
こんな研究結果があります。
心身とも健康な男性兵に24週間の摂取エネルギーの制限を行った研究では、神経性食欲不振症(拒食症)に酷似した心理・行動異常が認められ、終了後に異常な過食が起 こり、精神疾患の発症も認められました。飢餓の反動で食べ物のことばかり考えてしまい、行動も生活すべて食に執着して振り回されることになります。
料理雑誌を食い入るように見たり、自分は食べないのに調理して家族に強制的に食べさせたり、何も買わないのに、おいしくて、しかも太らない食品を物色 してデパートの地下の食品売り場をうろついたりします。
(きっと過食嘔吐のみんなは他人事には思えないはず。もちろんわたしも。)
これも、人間の遺伝子レベルの話。自分の意志でどうこうできるものではありません。
過食嘔吐や拒食などの摂食障害は精神疾患のある人ばかり、わたしは大丈夫だから、と思っていませんか?
研究結果の冒頭に「心身ともに健康な」と書いてあるように、体が飢餓状態・栄養不足になると誰でも起こり得ます。
過食嘔吐、本当に怖いし、つらいよ。
「食べたい、でも食べたくない。」「食べ物が好き、でも、きらい。」
異常な食欲、常に頭の中は食べ物食べ物。
過食嘔吐になってしまったわたしたちは、
本能がある限り、(言い換えれば)脳が体を動かしている限り、寝ても覚めてもこの恐ろしいほどの「食欲」から逃れることはできないのです。
5.それでも過食嘔吐に足を踏み入れますか?
あなたがもし、「痩せたい」という軽い気持ちで過食嘔吐に興味があるなら
自分は例外とは決して思わないでください。
自分ではコントロールできない、人間のからだのしくみによって誰もがかかる「過食嘔吐の罠」。
飢餓状態になった体は「痩せたい」という気持ちとは裏腹に、普通の人の何倍もの吸収率になり、
たとえ吐いても、1/3の吐き残しをどんどん吸収する。それは1時間にも満たない、超高速で。
さらに決して満たされない食欲と、食べ物への強すぎる依存と戦わないといけない。
過食嘔吐は最終的には痩せたりしない。あなたがもとめている「痩せている身体」は過食嘔吐では手に入らないのです。
過食嘔吐で最終的に行き着くところは、「痩せているからだ」ではなく、
「食べ物のことばかりに執着する、普通体型」
自分の意志では抜けられなくなると分かっていても、
それでもあなたは過食嘔吐に足を踏み入れますか?
★摂食障害に負けない
精神疾患があるからこそ
他人より、感性が鋭いわたしたちだからこそ
見えるものがあると思います。
精神疾患があっても、あなたの可能性を無駄にしないでほしい。
そんな思いを込めて、この情報が役に立てますように。