トーンキュンストラー + 佐渡裕

Musikverein Gro・・er Saal 2015年5月16日 19時30分~21時30分


Tonk・・nstler-Orchester Nieder・・sterreich

指揮 Yutaka Sado

ピアノ Nobuyuki Tsujii


Claude Debussy (1862-1918)

 “Pr・・lude ・・ l”apr・・s-midi d’un faune” (1892-94)

Sergej Prokofjew (1891-1953)

 Konzert f・・r Klavier und Orchester Nr. 3 C-Dur op. 26 (1917-21)

Ludwig van Beethoven (1770-1827)

 Symphonie Nr. 7 A-Dur op. 92 (1811/12)


佐渡裕氏がトーンキュンストラーの来期の首席に決まってからの

トーンキュンストラーのはしゃぎ方が普通ではなくて


プログラムは日の丸だらけだし

佐渡さんの顔が日の丸の影から見えているどでかいポスターは町中にあるし

地下鉄の中のウィーン公共交通機関の出している雑誌の表紙にもなってるし


いったいどれだけ宣伝費使ってるの ??!!!


トーンキュンストラーとしては

日本人指揮者を迎えて

エキゾチックに売って、もっと知名度を上げたいというのと

日本からの観光客をもっと取り込みたい、という意図だろう。


昨今、オーケストラの維持がなかなか大変な事もあるし

ビジネスとして見込めそうなマーケットだし

それはそれで立派なもので

マーケティング戦略としては、さすがトーンキュンストラー。

(知名度の高いオーケストラはそこまでしなくても客は集まる(笑)

 でもウィーン交響楽団もフィリップ・ジョルダンで同じ事したし(爆笑))


佐渡裕氏は、以前にウィーン放送交響楽団で

バーンスタインのエレミアか何かを演奏したはず。

(残念ながら2008年以前のようで記事は紛失している)


その後、トーンキュンストラーで

バーンスタインの「不安の時代」とショスタコーヴィッチの5番。

(これは記事がある)


それでは、申し訳ございませんが

佐渡裕さんファンの方と

辻井伸行さんファンの方は

これにてお引き取り下さい。

(本気です)


***********************



日本人の反感を買うだろうから

あまりあからさまには書かなかったが

今まで、佐渡裕の指揮によるオーケストラを聴いてみて

一番目立った特徴って


暑苦しい・・・・


いや、これ、本当に好みですから。

ワタクシ、感受性ゼロに近くて

割に冷血で

だから理性的に聴く現代音楽とか好きなので

佐渡さんのような、暑苦しい 情熱的な演奏を好む聴衆が多くても

それはそれで正しいと思う。


就任コンサートは10月に予定されているが

その前のトーンキュンストラーの定期公演で

辻井伸行のピアノでのコンサート。


ビジネス的には大々的にプロジェクトを立ち上げたかったのだが

パートナーの会社が、アーティスト・オフィスと色々やっているうちに

何と、同じ日にライフ・バルが行われる事になってしまい

ウィーンのホテルは満杯、という・・・(涙)


こほん、まぁ、仕事の話は置いておいて・・・(汗)


さて、このコンサートだが


いったいどういうプログラミング????


牧神の午後への前奏曲

プロコフィエフのピアノ協奏曲3番

ベートーベンの交響曲7番


・・・どういうドラマツルギーなのか全くわからん。


色々な音楽を聴きましょうね、という幕の内弁当か。

いや、それならそれで良いんだけど

こちらもドビュッシーからプロコフィエフ

その後、リズムだけのベートーベン7番への頭の切り替えがちょっと・・・

(プロコフィエフの3番もリズムだけだから

 その意味ではベートーベン7番に繋がるのか。う~ん)


牧神の午後への前奏曲については省略。

一部、美しくフランス的な音色は出ていたけれど

すみません、この曲、もっと素晴らしい演奏を

山ほど聴いた事があるので

(いや、ソリスト頑張ってましたけど)

トーンキュンストラーで聴かんでも良い。

それにトーンキュンストラーの音色が活きる曲でもない。


さて、出ました、日本では大人気のピアニスト、辻井伸行。

トーンキュンストラーも

会員を映画館に招待して

ドイツのテレビが撮った、辻井伸行のドキュメンタリーを見せたりして

また宣伝費を多いに使ったようで

トーンキュンストラーの定期にしては、かなり観客が多い。


ついでだが、その辻井伸行のドキュメンタリー

私、DVD 買って見たけれど

どういうメソッドで習ってきたかとか

普通のレッスンに比べてどういう点で違っていたかとか

そういう私の興味ある事は一切省略で


ご両親やアーティストやマネージメント会社のスタッフが

辻井伸行は人格的にどれほど優れているか、というのを

延々と話す映画になっていて

全然面白くない(すみません、好みの問題です)


私はアーティストの人格などには、ほとんど興味がないのであって

人格が破綻していても芸術的に天才という人はいるし

その意味では身体障害者でも

サヴァン症候群でも

別にその人そのものへの興味はなくて

そこから出てくる「芸術」そのものにしか関心がない。

(ご存知の通り、彼氏モドキは全く反対の立場である。

 人間的に素晴らしい人の芸術しか素晴らしくないそうなので

 それはそれで別の観点なので、認めているから、それでよろしい。

 モーツァルトは革命児とか言って手放しで賞賛するのだけには参るが)


プロコフィエフのピアノ協奏曲3番。

まぁ、派手な曲を選んだものだが

陰鬱な2番より私は好きなので、それはそれで楽しい。


指は動く。

テクニックはスゴイ。


聴いている位置の問題もあるけれど

オーケストラの音響に埋もれて

ピアノの音そのものが「立って」出て来ない。


鑑賞者によっては

それが「絶妙なバランスとアンサンブル」になるのだろうが

私の好みから言えば、ソリストによる自分の主張がない。


最初から最後までテクニック(まぁ、そういう曲ではある)

でも、それやるなら

ランランかユジャ・ワンの方が個性的。


ピアニストが盲目であろうが身体障害者であろうが

チケット代金を取る舞台にいったん乗ったら「プロ」なのであって

「盲目のピアニスト」ではなく、私は「ピアニスト」として聴く(断言)


全国の辻井伸行ファンの皆さま、ごめんなさい。

好みですよ、好み。


このピアノ協奏曲を聴いている限り

子供が「ほらほら、僕、こんなに指が速く動くの」という

スポーツ・レベルしか聴こえてこないのである。


スポーツとしてなら、スゴイ。

アスリートとしてならスゴイ。

しかも、盲目という要素を考慮すれば、もっとスゴイ。


ソリストを聴いていると

ああ、この音楽性なら、あの曲の方がもっと良いかも、とか

別の曲を、同じソリストで聴いてみたくなったりするのだが

こと、このピアニストに関しては

何もそういう連想が出て来ない。


指が目にも止まらぬ速さで正確に動くだけであれば

ハイドンもベートーベンも意味がない。

(はい、これ、ランランにも通じるところ)


この人、周囲から「巧いね、スゴイね」と持ち上げられて

そのまま、子供のままで大きくなった人なのか・・・


ピアノのテクニックはあるけれど

まだ力が足りていない部分が多くて

(だからオーケストラに埋もれてしまう)

テクニック的に完璧に弾いても

自分が、自分が、という主張もないし

(まぁ、これが出過ぎるとイヤミだが)

何かなぁ、機械みたいなピアノで、全然感動しないんだが

それは、きっと私の感受性がゼロに近いからである。すみません。


アンコールの曲だって

ただキレイに弾いただけで

何か全然深みがなくて

表面的に「ほらキレイでしょ」としか聴こえて来ない。

不思議な事なのだが

人間的な痛みとか悩みとか(別にそんなもん、なくても良いけど)

心の底に触れてくるような要素が見事に欠けているのだ。


まぁ、好みですから、それはそれで。


さて、全然ドラマツルギー的な関連がなくて

ちょっとビックリするのだが

後半はベートーベンの交響曲7番。


ベートーベンの交響曲の中でも

ワタクシ的には、もっとも音楽性に欠けていて

リズムだけでロックンロールに押し切っちゃうという曲(笑)


リズミカルに動く佐渡さんの指揮だが

まだオーケストラが慣れておらず

アインザッツに微妙な揺れがあるのは

まぁ、仕方ない。

明日はもっと良くなるだろう、きっと。


で、ノルんですよ、ノッてるんですけど

佐渡さんって、何であんなに熱いんですか。


いや、もう、最終楽章なんて

指揮者だけが熱くなってノッてノッてノリまくりで

ロックだから別に構わないけれど

昨今のすっきりしたベートーベンを聴き慣れた耳には

まぁ、新鮮と言えば新鮮だけど

力任せの一人ノリノリをずっと見ていると

ちょっとシラケるんですけど(すみません)


ベートーベンをモダン・オーケストラで鳴らす場合は

私の好みとしては

ある程度の抑制が効いていないと

何となく聴いていて気恥ずかしい。


それを平気でやっちゃうクリスティアン・ティーレマンという指揮者も居るが

ティーレマンの場合は、それに加えて

とんでもない緩急や強弱をつけて

ティーレマン節全開になるから

それはそれで、一種、個性的な演奏になるのだが


佐渡裕マエストロが独りで熱くノッていて

聴衆も熱くなる人が多いのだろうが

まぁ、ホールに1500人居れば

その中の300人くらは、あれなんだ?とかシラケる人が居ても良い。


私がここで書いているのは

あくまでも個人の鑑賞・印象記であって

万人に受けるものではないし

音楽なんて好みの問題だから

同感する人も反感をおぼえる人も居て正解だし

批評なんて一切する気はない事を

もう一度、ここで書いておく。


この間、ちょっとプロの友人と話をしていた時に

佐渡裕は音楽的にはブレがないから良い指揮者だけど

オロスコ・エストラーダの後だとキツイだろうね、という言及があって

確かに、ここ数年で

オロスコ・エストラーダのもとで

オーケストラの実力とレパートリーがかなりアップしたのだが


これから佐渡裕カラーが出てくると

このオーケストラ、どう変わって行くのか

色々な意味で(良い、悪い部分両方含めて)

ちょっとドキドキではある。


(註 すごい言い方になるけれど

 オーストリアって、オーケストラ多いし

 今、最も私が注目しているのは

 フィリップ・ジョルダン首席になったウィーン交響楽団なので

 トーンキュンストラーがどうなっても

 実は私の音楽ライフにはあまり関係ない。

 あっ、スゴイ事言っちゃった。ごめんなさい!!!!)


音楽ファンの反感を買う事を厚かましく書いてしまったので

1クリックをお恵み下さい、と本日はお願いできません。

それでも、1クリックしてやっても良いか、という方だけ

よろしくお願いします。





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  • 2017.07.29 Saturday
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