ニキビの原因、紫外線について
ニキビの要因は様々ありますが、毛穴に詰まった皮脂が原因となることはよく知られていますね。
しかし、これに加えて、ニキビを悪化させ、炎症にまで至らせるプロセスに、さらに拍車をかける要素があることをご存知でしょうか。
それが、紫外線です。紫外線と言うとシミのイメージが強いと思いますが、ニキビなどの肌トラブル全般を引き起こす大きな原因となりますので注意しなくてはなりません。
ここでは、ニキビ発生のメカニズムから、なぜ紫外線がニキビを悪化させてしまうのか、順を追ってご説明しましょう。
ニキビができるメカニズム、皮脂の毛穴つまりとは?
実は、ニキビができるメカニズムは、かならずしもすべてが明らかになったわけではありません。
ただ、毛穴への皮脂の詰まりと、ニキビとが、密接に関係していることは疑いようのない事実とされています。この皮脂の毛穴つまりについて、詳しく見ていきます。
そもそも皮脂の役目とは?
何かとネガティブなイメージの強い皮脂ですが、普段は、肌表面、ひいては人間のからだ全体を守る役割を果たしています。
まず、皮脂と汗からなる皮脂膜によって、肌表面に水分が保持されますし、また、皮脂を栄養素とするブドウ球菌やアクネ菌が、皮脂を分解して脂肪酸を生成するので、肌表面が弱酸性になります。
この弱酸性が、肌表面の病原菌を殺菌してくれるのです。ですから、皮脂の量が少ないと、乾燥肌となり、炎症やかぶれなどが起きやすくなります。
この、普段は身体にとって有効なはたらきをする皮脂は、食生活や、生活リズムの乱れ、さらには精神的なストレスや、間違ったスキンケアによって、とたんに増加してしまうことが指摘されています。この皮脂の増加が、ニキビの原因となります。
皮脂が多いのはTゾーン
顔にはもともと、皮脂分泌量が比較的多い場所があります。おでこから鼻にかけての「Tゾーン」と呼ばれる部分です。
ただ、子供のときを思い返して頂きたいのですが、このTゾーン部分は、なにも小さいときからベタベタであるわけではありません。小学生くらいまでは、外を走り回っても、額や鼻のベタベタは気にならなかったのではないでしょうか。
このTゾーンの皮脂量が急激に増加するのが、性ホルモンが活発化する思春期です。皮脂量は、この思春期から増加を始め、およそ30代前半でピークを迎えるとされます。
そして、思春期には、皮脂量の分泌が一気に増加する次期であるため、毛穴部分の代謝能力がおいつかず、Tゾーンやおでこのニキビに悩まされることになります。
大人になってニキビができやすいのはUゾーン
いっぽう、思春期を過ぎ成人を迎えて以降は、Tゾーンのニキビが減るかわりに、「Uゾーン」と呼ばれる下あご部分のニキビに悩まされることになります。
Uゾーンの部分は、Tゾーンに比べれば皮脂が少なく、冬などには粉を吹きさえする場所にもかかわらず、なぜかニキビが発生します。その原因は二つ考えられます。そのいずれにも、やはり皮脂が関係します。
一つには、肌の水分量が10代でピークを迎え、それ以降は肌が乾燥気味になるため、それを補うべく、Uゾーンでも皮脂分泌が時に増大すること。
そして、これに加えてもう一つの原因は、冒頭に述べた、食生活や生活リズムの乱れ、ストレス、間違ったスキンケアなどが、成人以降に顕著に生じるためです。これらはいずれも皮脂の分泌を促します。
つまり、普段は乾燥しているUゾーンに、多くの皮脂が集中的に分泌されることで、毛穴に皮脂がつまり、ニキビに発展してしまうというわけですね。
Tゾーンの毛穴は成長とともに大きくなるので、皮脂量が多くてベタつくことはあっても、年齢とともにつまりにくくなりますが、Uゾーンに関しては、毛穴は大きくありませんから、皮脂がつまってしまいます。
そのため、大人になると口元やフェイスラインのニキビができやすいという訳です。
紫外線がニキビに与える影響とは?
皮脂の詰まりに紫外線がプラスされることで、ニキビは悪化してしまいます。ここでは紫外線が与える肌・ニキビへの影響について見ていきましょう。
紫外線は、浴びすぎてしまうと皮膚ガンをもたらしたり、体内に活性酸素を生成させ、身体の老化を促すといった悪影響で知られています。
ただ、この紫外線がニキビ悪化の原因であるとは言っても、紫外線が単独でニキビを発症させる、というわけではありません。
ニキビはあくまで、毛穴への皮脂のつまりをきっかけとして生み出されます。その点は変わりません。そして、このたまった皮脂を栄養素として、本来は肌の状態をキープする役割を果たす常在菌であるアクネ菌が過剰繁殖してしまう、というところも同じです。
紫外線がニキビに悪影響をおよぼすのは、ここからです。毛穴にたまった皮脂を栄養素としてアクネ菌が繁殖するとき、アクネ菌は「遊離脂肪酸(ゆうりしぼうさん)」という物質を生成します。
遊離脂肪酸とは?
この遊離脂肪酸は、肌表面の角質層の新陳代謝を促す重要な物質ではあるのですが、これが過剰に生成されてしまうと、毛穴の奥から開口部に向かって徐々にせり上がっていく新しい角質層が、はやすぎる代謝のせいで毛穴の開口部をふさいでしまいます。
このことによって、ニキビの毛穴はさらに密閉されてしまい、ニキビの症状が悪化してしまうのですが、このアクネ菌が生成する遊離脂肪酸というのは、紫外線を吸収することで、次のように、さらにニキビの症状悪化に貢献してしまうのです。
それというのは、この遊離脂肪酸、語尾に「酸」とついているように、その構成元素のなかに酸素が含まれています。そして、血中の酸素が紫外線を受けて活性酸素になってしまうように、この遊離脂肪酸も、紫外線を吸収して「過酸化脂質」という脂質に姿を変えます
紫外線と遊離脂肪酸との反応によって生まれたこの過酸化脂質は、細胞組織を傷つける強い毒性をもつ物質であり、ニキビにとってはかなりのクセモノとなります。
つまり、毛穴周囲の組織を傷つけることによって、それに対する免疫反応が生じ、血管の拡張と、白血球の出動がうながされ、ニキビの炎症と化膿をもたらしてしまうというわけです。
これが、紫外線がニキビを悪化させてしまうメカニズムなのです。
そのようなわけですから、日頃の食生活や生活習慣をただすことで皮脂の分泌をおさえ、適切な洗顔と化粧水によるスキンケアによってニキビの芽を摘んでしまうことが何よりも大切であることは言うまでありません。
一度ニキビが出来てしまったなら、その患部を紫外線にさらさないことが、ニキビの炎症を回避するために、必要不可欠となります。
ニキビがある時の紫外線対策
紫外線によってニキビが悪化し、ニキビ跡として肌に残ってしまうリスクが高まってしまいます。その為、ニキビケアと同時に紫外線対策は重要なポイントになります。
ここでは、ニキビがある時の紫外線対策を紹介したいと思いますが、その前に紫外線について正しく理解しておきましょう。
UV-Aとは?
紫外線にはいくつか種類があります。私たちに直接影響を与えているのがUV-AとUV-Bです。
UV-Aは肌の奥、真皮層にまで到達する紫外線で、肌ハリや弾力を生み出しているコラーゲンを破壊する力を持っており、しわやたるみといった肌トラブルを引き起こします。
UV-Aは、窓から透過する特徴がありますので、紫外線が強くなる春や夏は室内にいても紫外線対策に気をつけなくてはなりません。
UV-Bとは?
UV-Bは、日焼けした後に肌が炎症を起こすように、肌表面で起こる肌トラブルの原因となります。その為、ニキビがある方はこのUV-Bに注意しなくてはなりません。
また、UV-BはUV-Aの600倍もの有害性があると言われていますので、ニキビに限らず健康のためにも、日々の紫外線対策は重要になってきます。
ニキビ肌の日焼け止めの選び方
ニキビやニキビ跡を悪化させないためには、SPF値に注目して日焼け止めを選びましょう。
SPF値とは、肌表面にダメージを与えるUV-Bを防止する効果を表したものです。(一方、PAとは、UV-Aを防止する効果を表したもの)
とは言え、SPF値は高ければ高い程よいという訳ではありません。紫外線を防止する効果が上がれば、それだけ肌への負担も大きくなります。
特に、ニキビ肌の場合は日焼け止めの成分や刺激によって余計に悪化してしまう可能性もありますので、下記のポイントを踏まえた上で選ぶと良いでしょう。
・紫外線吸収剤を含んでいないもの
・オイルフリー
・SPFは最大でも30
また、無香料・無着色も忘れてはならないポイントです。余分な成分が入っていないノンケミカル処方のものが良いですね。
日焼け止めにも種類は様々ありますが、低刺激で成分にこだわったものは比較的高くなっています。
毎日使うものだから、出費が気になるところではありますが、ドラッグストア等に売っている安すぎる日焼け止めには注意しましょう。
ニキビ肌や敏感肌専門に作られたUVケア商品は高品質でおすすめですよ。
日焼け止めの塗り方
ニキビ肌に限らず、日焼け止めは1回で塗ろうとせず、薄く伸ばして何度か塗り重ねるのが基本です。
ニキビ肌の場合は、刺激を与えないように、患部とその周囲は優しくチョンと乗せるように塗りましょう。夜は日焼け止めを肌に残さないように、しっかりとクレンジングして洗い落としてくださいね。
UV対策グッズも忘れずに
日焼け止め以外にも、効果的なUV対策グッズは様々あります。
・日傘、帽子
最近では若い人達の間でも日傘を使っている方を見かけるようになりました。多くの方がシミ・美白対策だと思いますが、ニキビ対策にも非常に有効です。
ニキビの炎症がひどい時、日焼け止めを塗ることで悪化してしまう場合がありますから、そんなときは日傘やツバの広い帽子を利用して紫外線をブロックしましょう。