アテロームとは?原因と治療法
アテロームという言葉を聞いたことはありますか?顔や体などにできるしこりのようなもので、ニキビとはまた違う症状のことを言います。
アテロームができてしまった人はなぜ出来たのか?どうやって治せばいいのかなど気になることがたくさん。自宅でケアできるのか、それとも病院に行かなければ治らないのかなども気になる点ですね。
ここではアテロームの原因について、またアテロームの治療法を紹介します。アテロームが出来てしまっている人は気になると思うので、ここを読んで早速治療を開始しましょう!
アテローム(粉瘤)の原因
まずはアテロームがなぜ出来るのかについて紹介します。できる原因やアテロームは何なのかについて詳しく解説していくので、アテロームについて詳しく知ることができますよ。
アテロームとは皮膚の垢が溜まった袋
アテロームとは皮膚の良性腫瘍の一つで、皮膚の下に嚢胞という袋のようなものがある状態のことです。
嚢胞とは皮膚の下にある表皮にできる袋状のもので、中には古い角質や血液などが溜まっています。
嚢胞ができたばかりの時はまだ小さいしこりのように見えるので気付かないことも多々あります。
しかし角質などが蓄積していくことで嚢胞が肥大化し、皮膚がどんどん盛り上がっていきます。
多くのアテロームの原因は不明
アテロームのほとんどは原因が不明なので、これが原因!というものを探すことは難しいと言えます。
しかし原因として考えられる要因にはいくつかあるので、ここで紹介します。
①原因として考えられるもの:外傷
稀とは言われていますが、原因の一つとして考えられているのが外傷。
何らかのことで皮膚に傷がつき、皮膚の表面が肌内部に入り込んで袋状になることでアテロームが発生すると言われています。
傷なので毛穴などは関係なく、どこの部位にも発症する恐れがあります。
②原因として考えられるもの:毛漏斗
アテロームの原因で最も有力と言われているのが毛漏斗部が原因によるものです。
毛漏斗部とは毛穴の上の部分のことで、この部分が皮膚の中に入り込むことで袋状となり、そこに古い角質などが溜まってアテロームが発生するようです。
③原因として考えられるもの:体質
アテロームが多発しやすい人は、体質である可能性が高いと言われています。
一つ治療をしてもまた違う場所に再発…といったケースが多いので、アテロームが頻繁にできる場合は体質によるものの可能性が高くなります。
アテロームにストレスは関係するのか
ストレスがアテロームに関係するという説もありますが、これは原因の一節であり、医学的な文献などはないようです。
そのため確実にストレスが関係するとは言えませんが、ストレスは身体に悪影響を及ぼします。
ストレスにより肌のターンオーバーが遅れたり、ストレスが溜まって暴飲暴食をしたりすれば体のバランスが崩れるのでアテロームの原因になることも考えられます。
医学的な根拠はありませんが、ストレスが原因で出来る可能性もゼロではないようです。
アテローム(粉瘤)の特徴
アテロームはどんな状態なのかがわからないという人も多いのではないでしょうか?ここではアテロームの外見の特徴や、出来やすい部位について紹介します。
一度できたら消えない小さなしこり
アテロームは皮膚の下に嚢胞という袋状のものができ、それがあることで皮膚表面からは嚢胞の部分が盛り上がって見えます。
ニキビのように白くなったり赤くなったりしていないので、しこりやできもののように見えるでしょう。
顔・耳・お尻…身体中にできやすい
アテロームは顔・耳・お尻など体中に出来る可能性があるものです。
アテロームの原因として有力と言われているのが毛穴の上部分にある毛漏斗なので、毛穴がある部分ならどこにできてもおかしくありません。
しかしアテロームは外傷によってできることもあるため、その場合は足の裏などの毛穴がない部分にも発生することがあります。
ニキビとの違いは黒い「ヘソ」
アテロームは一見しこりのようにも見えますし、ニキビのようにも見えます。
ニキビと思ってしまうとニキビ対策をしてしまいがちですが、アテロームはニキビとは異なるためニキビケアをしても治ることはありません。
ニキビとの違いはしこりの中心に黒い点があることです。
この黒い点は開口部というもので、皮膚表面から見ると黒い点のように見えます。
アテロームには黒い点がありますので、ここでアテロームかニキビかを見分けることができますよ。
ヘソを押すとにおいのする白い汁
へその部分を挟んでニキビを潰すようにギュッとすると、へそから臭い白い液体が出てきます。これは嚢胞に含まれている古い角質などです。
臭いがするのは嚢胞に蓄積された古い角質や老廃物が出てくるからです。
嚢胞の中身を出してしまえばアテロームは治るんじゃ?と思いますよね。
確かに嚢胞の中身がなくなれば膨らみがなくなりますので、一見治ったようにも見えます。
しかし嚢胞がある限りは再度嚢胞に古い角質などが溜まっていきますので、時間が経てばまた膨らみ始めるのです。
嚢胞を取り除かなければ完治は出来ないと思っておきましょう。
アテローム(粉瘤)が辿る最悪コース
アテロームは良性の腫瘍なので放っておいても問題はないと言われています。しかし稀に悪化するケースがありますので、ここではそのケースについて紹介します。
放っておくと巨大化
アテロームの初期症状は小さいしこりのような状態です。そのため特に気付かずにそのまま放置してしまうという人も多いでしょう。
上記で紹介したように嚢胞には古い角質などが溜まっていますが、この古い角質はどんどん溜まっていきます。
嚢胞がある場所には嚢胞の中に溜まっていきますので、時間の経過とともにアテローム自体が巨大化していきます。
細菌感染し痛いと感じるように
アテロームにはへそと呼ばれる開口部が存在します。この開口部から肌内部に細菌が侵入すると、そこから炎症が起きてアテロームが炎症を起こすこともあります。
炎症を起こすと腫れが酷くなりますので、アテロームの部分が赤くなったり痛くなったりします。
細菌が侵入してくるとその細菌と戦うために白血球が出てくるのですが、戦った後は白血球の死骸が膿となってアテロームの部分に溜まります。
この膿が溜まることによっても腫れ・痛みが生じますので、腫れや痛みを感じたら早めに皮膚科に行って治療してもらいましょう。
しこりが破裂し体内に膿が侵入
古い角質などが溜まっている嚢胞は、開口部から細菌が入り込むことによって嚢胞自体が脆くなります。
嚢胞は皮膚で出来ていることが多いため角質などが溜まってもう破裂しにくいのですが、細菌が入り込んで炎症を起こすことで皮膚が脆くなってしまいます。
脆くなった状態でさらに古い角質などが溜まると嚢胞が破裂し、内部にある膿が体内に流れてしまう事も。アテロームがある場所によって様々な症状を引き起こすことになります。
破裂した場合に起こりうる症状を次で紹介します。
場所次第では腹膜炎やリンパ管炎など
アテロームは毛穴があるところだけでなく、原因によっては毛穴がない場所にもできるものです。
お腹などにも出来る可能性があり、出来た場所によっては腹膜炎やリンパ管炎といった症状が発症することもあります。
何らかの症状が出たまま放っておくと最悪死に至るケースもありますので、異常を感じた場合はすぐに病院に行って適切な治療を受けましょう。
アテローム(粉瘤)の治療法
アテロームができた場合はどうやって治療するのかを紹介していきます。病院に行って治療してもらう方法がメインなので、アテロームかな?というものがあれば医師に診てもらいましょう。
【1】自然と破裂して治るのを待つ
アテロームは嚢胞を取り除くことで完治が期待できる症状です。そのため自然に破裂することを待ってみるという人も多いのではないでしょうか?
しかし上記で紹介した通り、嚢胞は皮膚でできているため破れにくくなっています。細菌が入り込んで感染した場合は嚢胞も脆くなりますが、その場合は嚢胞の中に膿が溜まっている可能性があります。
肌内部で破裂して体内に膿が流れてしまうと腹膜炎などの症状が出ることがあるので、この段階まで放置しておくのはとても危険です。
放置すれば嚢胞は大きくなり、嚢胞が細菌に感染すれば自然と破裂することもあります。ですが破裂した時のリスクを考えると、自然に破裂することを待つのはおすすめできません。
【2】小さいしこりは摘出手術
しこりが小さい場合は嚢胞を取り除く摘出手術を行います。
しこりがある部分を小さく切開し、切開した部分から嚢胞を取り出すという方法です。
手術は短時間で済みますし、傷跡も目立ちませんよ。
【3】くり抜き法・へそ抜き法
くりぬき法・へそ抜き法は先に嚢胞に溜まった中身を出し、中身を出しきった嚢胞を取り除く方法です。
摘出手術よりも早く済みますし、こちらも傷跡が目立ちにくいと言われています。
【4】炎症・感染している場合はまず膿出し
細菌に感染し、炎症を起こしている場合はすぐに手術を行う事ができません。まずは炎症を起こしている部分の炎症を鎮める治療が優先されます。
炎症を鎮めるための治療としては抗生物質を点滴で注入する他、内服の服用で炎症を鎮めていきます。
炎症が酷く、膿みが溜まっている場合は炎症を起こしている部分を切開し、膿を取り出します。その後炎症を鎮めるために点滴や内服などを用いて治療を開始します。
ではアテロームの手術について次で詳しく解説します!
アテローム(粉瘤)の手術について
ここではアテロームの手術について詳しく紹介します。摘出手術とくりぬき法の内容、ダウンタイムの有無や手術にかかる費用をお教えします。
摘出手術の流れ
①切除予定部分にマーキング
粉瘤のサイズ、切除する部分をペンでマーキングします。開口部を中心にひし形のような形になります。
②局所麻酔
次に局所麻酔を打ちます。アテロームがある場所によって麻酔の種類も変わりますし、切除時に痛みを感じないよう数回打つこともあります。
注射を打つ時に痛みを感じますが、麻酔が効いてくると切除時に痛みを感じません。この時だけ痛みを我慢しましょう。
③マーキングに沿って切開
麻酔が効いたらマーキングした部分に沿って切開していきます。
局所麻酔なので痛みはありませんが、場所によっては切っている感覚もわかります。切開している場所は見えないと思いますが、不安な人は目を閉じて手術が終わるのを待ちましょう。
④嚢胞を隔離しながら袋ごと取り出す
皮膚を切開したら嚢胞を皮膚内部から取り出します。
⑤皮膚を縫合(所要時間15分~30分)
嚢胞を取り除いたら後は皮膚を縫合します。縫合し終わったら縫合した部分を洗浄し、ガーゼなどを貼って手術終了です。
手術にかかる時間は15~30分となっているので、長い間苦痛に耐えることもありませんよ。
⑥約一週間後に抜糸
術後は抗生剤などを処方されますので、それを服用しながら様子を見ます。
お風呂に入ることももちろん可能ですが、患部を清潔に保つ必要があるのでガーゼの貼り替えなどは怠らないようにしましょう。
経過が順調であれば約一週間後に抜糸となります。術後は傷跡が多少目立ちますが、徐々に目立たなくなっていきますよ。
くり抜き法の流れ
①局所麻酔
摘出手術同様、粉瘤のサイズをペンでマーキングした後に局所麻酔を打ちます。
②パンチで穴あけ
丸い穴をあけることができる特殊なパンチを使って粉瘤に穴をあけます。
③内容物を絞り出す
粉瘤に圧をかけて内容物を絞り出します。
④粉瘤がしぼんだら袋の壁をとる
内容物を全て出したら嚢胞の壁を取って完了です。切開するわけではないので縫合をしないケースが多いようですが、縫合する場合もあります。
⑤手術時間は5分~10分
手術自体は5~10分ほどで済みます。摘出手術に比べると手術時間を大幅に削減できるので、早めに終わらせたいと考えている人はこのくりぬき法での手術がおすすめです。
アテロームの症状によってどの手術を行うかが変わりますので、まずは医師に診てもらいましょう。
術後の痛みとダウンタイム
術後は抗生物質などの内服薬や痛み止めを処方されます。それをきちんと服用することで痛みを抑えることができますので、医師から処方された薬は必ず指示通りに服用するようにしましょう。
手術の後に縫合した場合は約一週間ほどで抜糸ができますが、縫合しなかった場合は皮膚がくっつくまで2~3週間ほどかかります。
術後直後は傷跡も多少目立ちますが、半年~1年程度で傷跡が薄くなって目立たなくなりますよ。
アテローム手術の自己負担額
アテロームの手術は保険診療と自由診療の二つがあります。皮膚科などの場合は保険診療、美容外科や美容皮膚科などで自由診療を受ける事ができますよ。
手術費用は顔などの露出部か背中などの露出部以外の場所かによっても変わりますし、アテロームのサイズによっても変わります。
露出部の方が露出部以外に比べて費用が高くなり、サイズが大きければ大きいほどさらに高くなります。
| 部位 | サイズ | 点数 |
|---|---|---|
| 露出部 | 直径2cm未満 | 1,660点 |
| 露出部 | 直径2cm以上、4cm未満 | 3,680点 |
| 露出部以外 | 直径3cm未満 | 1,280点 |
| 露出部以外 | 直径3cm以上、6cm未満 | 3,230点 |
※点数は1点=10円。
例えば顔に1cmのアテロームがある場合は「露出部の直径2cm未満」に該当しますので、点数は1,660点となります。
自由診療の場合は全額自己負担なので手術費だけで16,600円。保険診療の場合は3割負担なので4,980円となります。
これに初診料・再診料・検査料・薬の費用などが加算されますので、5,000~20,000円程度はかかると思っておきましょう。
アテロームのサイズ・できている部位によって費用が変わるので、病院に行って医師に診察してもらった上で費用を確認しても良いですね。
再発の可能性について
アテロームは嚢胞を取り除かない限りは何度でも再発の可能性があると言われています。そのため摘出手術などで嚢胞を取り除く手術を受けましょう。
アテロームが化膿している場合は化膿を抑え、膿を出すという施術も行われます。膿を出すだけでは嚢胞は残ったままなので、いずれまた元通りに。
化膿を抑えて症状が落ち着いたら嚢胞を取り除く手術を受けて再発を予防してくださいね。
アテローム(粉瘤)は予防できない
アテロームは一度出来てしまうと手術をしなければ完治しないのでとても厄介なもの。ではこのアテロームを予防する方法があるのかについて紹介していきましょう。
自分では防ぎようがない
上記で紹介したように、アテロームができる原因は不明な場合が多くなっています。皮膚が外傷や毛漏斗部が毛穴に入り込むことで嚢胞ができ、それが膨らんでアテロームになると言われています。
これらのことを防ぐことはとても難しいことです。特に外傷などは気を付けていてもいつのまにか出来ていたという事も多いので、アテロームもいつの間にか出来てしまうことが多いからです。
これをすれば大丈夫!という予防法がないので、残念ながら自分では防ぎようがありません。
生活習慣や食事療法は関係しない
アテロームは生活習慣や食事などでできるものでもありませんので、規則正しい生活習慣をしている・バランスの整った食事をしているということでも防げません。
ただアテロームと見た目が似ているおでき・ニキビといった肌トラブルの予防としてはおすすめです。
質の良い睡眠をしっかりととることで自律神経が整いますので、ホルモンバランスの乱れなどによってできる大人ニキビの予防ができます。
また食事は肌を健康的に整えるビタミン群などを積極的に摂ることで肌トラブルのない健康的な肌を維持できますよ。
重症化しないよう発見しだい病院へ
アテロームは重症化してしまうと巨大化し、痛みを伴います。化膿すればじっとしていても痛みを感じると言われているので、アテロームを見つけたらすぐに病院に行くようにしましょう。
化膿していてもそのままにしておくと嚢胞が破れて内容物が体内に流れ込み、別の病気を発症する恐れもあります。
早期発見でアテロームの炎症・別の病気の発症を防ぎ、小さいうちに摘出手術などを受けることで手術費用も安く済みます。
おできやニキビに似ていて、しこりの中心に黒い点があるできものを見つけたらすぐに病院に行きましょう。アテロームであれば早めに摘出しておくことをおすすめします。
動脈にできるアテロームについて
アテロームは動脈にできることもあります。ここでは動脈にできるアテロームについて詳しく紹介します。
アテローム性硬化症(粥状硬化症)とは
アテローム性硬化症とは血管内のコレステロールが一部に溜まってアテロームとなり、肥大化していくことで動脈を狭くしていく病気です。
体内でも太い動脈に起きやすいと言われています。
血管の内側が何らかの理由で傷つくと、傷ついた部分にマイクロファージ(白血球の一種)が入り込んで血液中のコレステロールを取り込みます。コレステロールをどんどん取り込むことでその部分が肥大化。
さらに損傷した部分の血液を凝固させるために血小板がつくのですが、この血小板が集まることによってもその部分が肥大化します。
体内のコレステロールが多ければ多いほど取り込む量も多くなるので、取り込んだ分だけアテロームは大きくなります。
アテロームが大きくなるとコレステロールなどを含んでいる膜が破れ、破れた部分に血栓が形成されます。アテロームができる→肥大化する→膜が破れる→血栓を作るを繰り返すことで動脈が硬くなり、動脈が硬くなることで血液が流れにくくなります。
悪化すると脳梗塞や認知症のおそれ
上記で紹介した動脈が硬くなる症状を動脈硬化症と呼びますが、この動脈硬化症が進行すると脳梗塞・心筋梗塞・狭心症と言った症状に繋がる恐れがあると言われています。
また高血圧などの生活習慣病になる恐れもあり、生活習慣病を発症すると認知症になるリスクが高くなるようです。そのため死に繋がる恐れのある病気にならなくても、認知症になってしまうこともあります。
コレステロール値を下げることが先決
アテローム性硬化症は血管内のコレステロールを取り込むことによって血管の内側にアテロームができる症状です。
コレステロール値が高い人ほど発症しやすくなりますので、コレステロール値が高い人はコレステロールを下げるようにしましょう。
コレステロール値を下げるには運動・食事といった日頃の生活習慣が何よりも大切です。毎日適度な運動をし、栄養の偏った食事を止めて栄養バランスが整った食事を食べるようにしてくださいね。
粉瘤は手術で完全除去するのが一番
アテロームは自然治癒することがない症状です。良性腫瘍とは言っても細菌がへそから細菌が入り込むと化膿してしまいますので、化膿する前に手術を受けて嚢胞を取り除くことをおすすめします。
完全に取り除いてしまえば再発を防ぐことはできますが、アテロームは原因がしっかりとわかっていないのでまた別の部位にできることもあります。
大切なのは早めに発見して手術を受け、完全に除去してしまう事です。
症状が悪化すると痛みを伴いますし、手術費用も高くなってしまうので早めに病院に行きましょう。