アルバ Alba Rose 略号:A
ロサ・アルバを基本種とするグループ。
「Alba」はラテン語で「白い、白の」という意味で、花色は白またはソフト・ピンク。
ロサ・ダマスケナとロサ・カニナの交雑種と考えられている(諸説がある)。
灰緑色の葉を持ち一季咲き。
中でもロサ・アルバは女神アフロディーテ(ヴィーナス)の誕生とともに生まれたとの言い伝えもあり、またボッティチェリの描く「ヴィーナスの誕生」の絵にちりばめられた白いバラはロサ・アルバ・セミプレナであろうと考えられている。イギリスのバラ戦争でヨーク家が掲げた白バラはアルバ・ローズであるともいわれる。
アルバ・マキシマ、クイーン・オブ・デンマーク 他
Alba Maxima
エグランテリア 略号:E
ロサ・エグランテリアを親とする一連の系統で、スイートブライアー系統ともいわれ、葉に香りがある。
ヘーベス・リップ、リファルジェンス 他
ガリカ Galica Rose 略号:G
ロサ・ガリカを基本種とするグループ。最も古くからヨーロッパで栽培され、濃紅色の花色の先祖と考えられている。
ガリカの名前は、古代ローマ時代、現在のフランスを中心とした広い地域を呼んだ「ガリア」に由来している。これは、小アジア(または中近東)からヨーロッパへの渡来当時フランスで多く栽培されたためである。そのためフレンチ・ローズともいわれる。
1~3個の房咲きで一季咲き。
ロサ・ガリカ・オフィキナリス、カーディナル ドゥ リシュリュー 他
Cardinal de Richelieu
クライミング Climbing Rose 略号:Cl
蔓性になるバラ。つるバラ。
モダンローズにもクライミングはあるが、ヨーロッパでは古くからつるバラが利用されていることから、モダンローズ、オールドローズ両方のカテゴリに含めた。オールドローズの場合ほとんどはそれぞれの系統名で分類されている。
コルデシー 略号:K
ハマナシとテリハノイバラをもとにしてできあがったR.kordesiiをもとに育成された一連の系統。つる性で耐寒性のある丈夫なバラ。
ロサ・コルデシー 他
シュラブ Shrub Roses 略号:S
木バラとつるバラの中間的な系統の総称。仕立て方や剪定によって、つる状にも半つる状にもできるものが多い。オールドローズの多くがこのグループに含まれるが、それぞれの系統名で分類されている。
センペルビレンス
センパビレンス。
半常緑性のつるバラで、晩夏に非常に多くの花を付ける。
ダマスク Damask Rose 略号:D
ロサ・ダマスケナを基本にした系統をいう。
春だけの一季咲きのものをサマーダマスク、これに対して区別がつかないくらい似ているが秋にも少し返り咲くものをオータム・ダマスクと呼ぶこともある。
一説には、ダマスク・ローズの名はシリアのダマスカスからこのバラがもたらされたためといわれている。
ダマスク・ローズの香りはバラの中でも代表的なもので、ダマスク香と呼ばれ、現代バラもこれを引き継ぐものは多く香料の原料として栽培されている。
ロサ・ダマスケナ、セルシアーナ、イスパハン 他
Rosa damascena
ケンティフォリア Centifolia Rose 略号:C
センティフォリアとも読まれる。centiは「100あるいは非常に多い」、foliaは「葉がある」の意。その花の姿がキャベツと似ていることからキャベッジローズとも呼ばれる。
16世紀終わり頃(または17世紀初頭)から18世紀初頭にかけてオランダの育種家により開発され、オランダやフランドルの画家たちに競って描かれたため「画家のバラ」とも呼ばれている。
素晴らしい芳香がある。
ケンティフォリアはハイブリッド・パーペチュアルの一方の親となったり、モス・ローズの多くを生んだことなどでもバラ園芸に大きく貢献している。
ロサ・ケンティフォーリア、ファンタン・ラトゥール 他
Rosa centifolia
チャイナ China Rose 略号:Ch
中国原産のコウシンバラと呼ばれるロサ・キネンシスの系統。
18世紀末~19世紀初めに中国からヨーロッパへ渡り、四季咲き性など、さまざまな優れた特質を園芸品種のバラ育種にもたらした。
これらの性質が取り入れられて19世紀にはポートランド、ブルボン、ノワゼット、ティー、ハイブリッド・パーペチュアルなど多くの系統が賑やかに花開き、現代のハイブリッド・ティー・ローズ(四季咲き大輪)へ発展する。
粉粧楼、ロサ・キネンシス・ビリディフローラ 他
Rosa chinensis viridiflora
ティー Tea Rose 略号:T
ロサ・キネンシスとロサ・ギガンティアの自然交雑種と考えられるロサ・オドラータを発祥とする系統。
チャイナ・ローズの四季咲き性と、その名の由来ともなっている優雅で豊かな紅茶の香りを持つ。
今日のバラの主流であるハイブリッド・ティー・ローズの交雑親の一つで、現代バラ(モダン・ローズ)への道を切り開くことになった歴史的に重要な種。
デュシュス・ド・ブラバン、レディ・ヒリンドン 他
Lady Hillingdon
ノワゼット Noisette Rose 略号:N
ノワゼットまたはノアゼット。
アメリカのサウスカロライナ州チャールストンにフランスから植物園の管理人として来たフィリプ・ノワゼットが作出し、パリに住む兄のルイ・ノアゼットが品種改良し、広めた。
強い芳香を持ち、遅咲き性、四季咲き性が合わさって長期間咲き続ける。
つる性。
ブラッシュ・ノワゼット、チャンプニーズ・ピンク・クラスター 他
Blush Noisette
ハイブリッド・スピーシーズ Hybrid Species
野生種を親にした原種交雑種。
ロサ・ルゴサ(ハマナシ)を親にして改良したものはハイブリッド・ルゴサ(HRg)、ロサ・モスカータを親にしたものはハイブリッド・ムスク(HMsk)などと呼んで系統分けをしている。
◆ハイブリッド・エグランテリア
Hybrid Eglanteria Heg
交雑親:ロサ・エグランテリア(ロサ・ルビキノーサ)
◆ハイブリッド・カニーナ
Hybrid Canina Hcan
交雑親:ロサ・カニーナ
◆ハイブリッド・グラウカ
Hybrid Glauca Hglau
交雑親:ロサ・グラウカ
◆ハイブリッド・コルデシー
Hybrid Kordesii Hkor
交雑親:ロサ・コルデシー
◆ハイブリッド・スピノシッシマ
Hybrid Spinosissima HSpn
交雑親:ロサ・スピノシッシマ
◆ハイブリッド・セティゲラ
Hybrid Setgera Hset
交雑親:ロサ・セティゲラ
◆ハイブリッド・フォエティダ(ハイブリッド・フェティダ)
Hybrit Foetida HFt
交雑親:ロサ・フォエティダ(ロサ・フェティダ)
◆ハイブリッド・フゴニス(ハイブリッド・ユーゴニス)
Hybrid Hugonis Hhug
交雑親:ロサ・フゴニス(ロサ・ユーゴニス)
◆ハイブリッド・ブラクテアータ
Hybrid Bracteata HBc
交雑親:ロサ・ブラクテアータ
◆ハイブリッド・フルテミア
Hybrid Hulthemia
交雑親:フルテミア・ペルシカ
◆ハイブリッド・マクランタ
Hybrid Macrantha Hmacrantha
交雑親:ロサ・マクランタ
◆ハイブリッド・ムスク
Hybrid Musk HMsk
交雑親:ロサ・モスカータ
◆ハイブリッド・ムルティフローラ
Hybrid Multiflora Hmult
交雑親:ロサ・ムルティフローラ(ノイバラ)
◆ハイブリッド・モエシー
Hybrid Moyesii Hmoy
交雑親:ロサ・モエシー
◆ハイブリッド・ラエウィガータ(ハイブリッド・レヴィガータ)
Hybrid Laevigata Hlaev
交雑親:ロサ・ラエウィガータ(ロサ・レヴィガータ)
◆ハイブリッド・ルゴサ
Hybrid Rugosa HRg
交雑親:ロサ・ルゴサ(ハマナシ)
HSpn : Glory of Edzel
HFt : Soleil d’Or
HMsk : Ballerina
Hmoy : Nevada
HRg : Sarah Van Fleet
ハイブリッド・パーペチュアル Hybrid Perpetual Rose 略号:HP
オールド・ローズがモダン・ローズに移行する最終段階の系統。
さまざまな雑種起源系統が交雑され育成されたもの。
別名ハイブリッド・ルモンタン(またはルモンタン・ローズ)。ルモンタンは2度あるいは数度咲くという意味のフランス語。
19世紀後期~20世紀初期にかけてよく栽培され、現代バラ(モダタンローズ)のハイブリッド・ティー・ローズの交配親の一つである。
ポール・ネイロン、ウルリッヒ・ブルナー 他
Paul Neylon
ブルーソー Boursault Rose 略号:Bslt
ブルソーまたはブルーソールまたはブールソール。
パリのバラの栽培家で19世紀の初めにこの系統を作り出したブルーソー氏の名が系統名となっている。
香りがなく花形もきわだってよいともいえない、小さなグループをなす系統。
アマディス、エレガンス、モーレティ 他
ブルボン Bourbon Rose 略号:B
インド洋に浮かぶブルボン島(現在のレユニオン島)で発見されたことからこの名がある。その後フランスで栽培され改良された。
花は大輪、抱え咲き、四季咲きで強い香りがあり、オールド・ローズのなかでも人気が高く、現在も広く栽培されている。
ハイブリッド・パーペチュアルの交配親の一つとなる。
アダム・メッセリヒ、ルイス・オディエ、マダム・イザク・プレール 他
Louise Odier
ポートランド Portland Rose 略号:P
イタリアのナーサリーでポートランド公爵夫人マルガレートが発見しイギリスに持ち帰った(といわれている)ものがフランスへわたり、バラ育成家アンドレ・デュポンによって「ダッチェス(デュセッス、ドゥシェス)・オブ・ポートランド Duchess of Portland」と名付けられた。この第1号花名をとって系統名とする。
四季咲き性とダマスク香を持つ。
ハイブリッド・パーペチュアルの交配親の一つとなる。
コンテ・ドゥ・シャンボール、ジャック・カルティエ 他
Comte de Chambord
ポリアンサ Polyantha Rose 略号:Pol
ポリアンサまたはポリアンタ。
「ポリアンサ」はギリシャ語で「たくさんの花」という意味。日本原産のノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)と中国原産のチャイナ系(ヒメバラ。ロサ・キネンシス・ミニマ?)が交配されて作り出された。
小中輪房咲き、四季咲き。
オルレアン・ローズ、よろこび、イヴォンヌ・ラビエ 他
Yorokobi
ミセレイニアス Miscellaneous 略号:Misc
雑多な交雑系統。
(用いられることは少ない。)
モス Moss Rose 略号:M
Mossは英語で苔の意。苔バラと訳される。
花首から萼にかけて繊毛が密集してまさに苔で覆われたように見える。
ケンティフォリアから派生した系統のものが多いが、ダマスク系から派生したのものもある。
コンテス・ドゥ・ムリネ、ウィリアム・ロブ、シャポー・ド・ナポレオン 他
William Lobb
ランブラー Rambler Rose 略号:R
つる性のバラはクライミング(つるバラ)とランブラーとにおおよそ分けられる。この両者の間の違いは曖昧な場合もある。
クライミングと同じように這い上がるが、もっとしなやかで美しく垂れてくる。とても育ちがよく、大きな房に小さな花をたくさん付ける。一季咲き。
フランソワ・ジュランビル、ブルー・マゼンタ、ガーデニア 他
Bleu Magenta
ルゴサ Rugosa Roses
日本原産のハマナシ(ロサ・ルゴサ)の交雑種。
ハイブリッド・スピーシーズのハイブリッド・ルゴサと同義。