ウェブブラウザのJavaScript(ジャバスクリプト)の設定が無効になっています。Javascriptが無効になっていると、サイト内の一部機能がご利用いただけません。 傷つけられたのは、どっち?2013年3月24日 08:13休日の朝。前の夜の激しさとは対照的な優しい時間…に、ちょっと獣要素+。子虎と飼い主的なあまやかし『いんざべっと』多分、恋人になってそんなに時間がたってないだろうから14話くらいな気がします。傷つけられたのは、どっち?虎徹が目を覚ますのは、大抵、バーナビーになにかされて、だ。触れられた感触と一緒に、なだれこんでくる気配。泣きそうな、なにかに、本能が引っ張られる。「バニー?」呼べば返ってくるのは、震え。(答えになってないし?それでも、触れてるし)触れてるって、それは、気持ちが。「どった?」ふわふわした気持ちをもてあますように問えば、また、触れてくる。(ゆびさき?)すこしつめたいソレが、唇をなでて。「うわっ!!」はむ、っと咥えると上がる、わりと大きな、声。目を開ければ、真っ赤になってるバーナビーがこちらに身を乗り出していた。はむはむ、と食べれば、指をひこうとする。許さない、と甘噛みを強めると、困ったようにバーナビーがメガネを直す。「ごめんなさい。はなしてください、虎徹さん」(いーやーっ!!)指を咥えたまま横をむくと、バーナビーの自由な手が頭を撫でてくる。「おねがい」小さく言われて、バーナビーを見上げる。ほんとに困ってるらしいバーナビーを見て首を傾げる。顎から力を抜いて、指を解放してやると、バーナビーが腰を降ろした。ベットの上、虎徹の隣。脇に入れられた腕に逆らうことなく、身体から力を抜く虎徹を抱き上げて。うしろから、だっこ。「はよ」「おはようございます」ぬいぐるみを抱きしめるように、バーナビーが腕を伸ばす。ふわふわの、バスローブは、素肌に優しい。虎徹を起こすためだけに着ているソレを、撫でてやる。バーナビーが、ふわりと笑うのを、感じる。(さっきより、機嫌、いい)切なさはまだ残ってるけど、楽しそう。虎徹がなでなでをするのと同じだけ、バーナビーが、虎徹を撫でる。眦と、頬と、顎と……そっと触れているのは確かめているからだろうか。くすぐったい振りをして、バーナビーに背を押し付ける。(トリミング、みたい)バーナビーのものになってる、と思う。虎徹が目を細めて、バーナビーにくっつくと、バーナビーが微笑む。「ごきげんですね」「ばにちゃんもね」ぎゅってだきしめられた。しばらく、抱きしめられていると、虎徹にも判る。バーナビーが、荒れてた、原因。傷ついてるのは、バーナビーの方だ。「ごめん」ちいさく謝ると、バーナビーが首を振る。でも、答えはない。「そんなに、怖い?」聞くと、返ってくるのは、小さな頷き。バーナビーらしくないソレが、ホントの彼の、ほんとの気持ち。虎徹はソレを知っているから、手をとって、告げる。「呼べば、戻ってくるって」いやいやをするようなバーナビーに、思わず、笑みがこぼれる。「あまえんぼさんだなあ」おもいっきり、うん、と頷いたバーナビーが、室内着のボタンを外す。片腕を抜いて、脱いだ片手で逆の腕を抜く、その間も、虎徹は自分からバーナビーに身を寄せている。(甘えてる)体温に癒されてる。ふわり、と前にかけられたそれに目を閉じる。「バニーに、抱かれてる、みたい」ふわりと香る体臭が、優しくて。……とろん、としてしまう。虎徹が身体の力をぬくと、バーナビーが袖を通してくれる。触れている全てが、優しくて『バニー』「……ん……」満たされてる、みたい。「あなたは……」真っ赤になったバーナビーが困ったように言う。「………素直ですね」「っだ?」メガネだけを身につけたバーナビーが、虎徹の腿までの長さのバスローブのすそまでを、撫で付けて着せ付ける。「全部、僕に預けてくれる」「ん……それは、だって……バニーだし」優しくて、甘くて……まあ、とっきどき?意地悪になることはあるけど。「ベットでは、紳士、だろ?」「で、ありたいとおもってますが」不意に、哀しみに似たものが、生まれて、バーナビーを包もうとする。ソレが虎徹を、あせらせる。「俺が、しんじなきゃ、駄目だし。俺が……。うん」ふわり、と微笑む。思わず浮かぶ光景では、バーナビーが真剣に自分を見てる。中に受け入れたままで、ソレを見上げる自分を満たすあの気持ち。「……ほしいって」ほしい、ほしい、ほしい。まるで、子供みたいに、虎徹は思う。「いらない、なんて絶対思えない。圧倒的な……なんだろ、引力?重力?」「でも、苦しかったでしょう?」バーナビーが、自分の背に手を伸ばすのを、虎徹は感じる。ガウン越しに撫でられた場所に覚えがある。心臓の裏側。「爪を立てるくらい」「傷つけた?」バーナビーが、頷いて、虎徹の背を撫でる。(撫でられるだけで、満たされるのは、なんなんだろう)虎徹は目を閉じて、背をそらせた。頭が、バーナビーの肩に触れる。「中に入れてるとさ。ぎゅってするだろ?こっちが」「え?あ、はい」背を逸らされたことで崩れたバランスをとるかのように回された腕を、虎徹が取る。右腕を、右腕で。その手の薬指の指輪をもてあそぶのは、虎徹のくせ、だ。「いてえんだろうな、とか、ちょっと思う。瞬間的にな?」「……いたい、ですけど。一瞬です。で……快感に変わる」くるり、と回された指輪を、バーナビーも見つめる。「顔しかめるんだよ、バニー。オトコっぽく」「え?」虎徹が、ぼそぼそっと続ける。「すっげ、なんつの?……紳士なお前の、そうじゃない感?野獣っぽいとこ?オトコくせえ感じ?ぎゃあ!!って思う」「ぎゃあ?」指輪を思いっきり嵌められたバーナビーが、呆然と問い返す。「俺、バニーに抱かれてるよ!的な?我にかえっちゃう、ような?」「……締め付けてるときの、あなたってそんなこと考えてた?」「感じてんの。考えてなんか、ねえ」ぎゅうぎゅうと指輪を嵌めてくる虎徹が、あまりに可愛くて。バーナビーは、気が抜ける。左手で、虎徹を抱きなおして、引き寄せる。密着した背と胸の間で、切なさが弾けた気がした。広がるのは、優しい、おもい。「こてつさん」「てれくせくて、つめたてた、気がする。ごめん」あやまる理由も、かわいすぎる。バーナビーは、首を振って、抱きしめた。自分が一番大切にしたい、最愛の、存在。「……こてつ、さん。それは……あやまることじゃない」「傷つけたのに?……バニーを、だよ?」きっと、今、虎徹はあの顔をしてる。バーナビーは見えなくても判る。【何にも、傷つけられない、鏑木虎徹という存在】バーナビーが愛してやまない、ほしくてたまらない、人。「気を失って、呼んでも答えないあなたを前にしなければ、傷つけない」「あー……やっぱ、そっちか」がく、っと腕の中で倒れた虎徹を、若干あせりながら、抱きとめる。そして、胸に抱きしめる。全ての力を抜いたままの虎徹を、いとおしく。守るように。「だって、ほしくてほしくて……ばにい」「はい」だだっこのように、言う虎徹をバーナビーがそっと抱きしめる。腕の中で、虎徹が振り向いて言う。「傷つかないで」「……それは無理」答えに、虎徹は両手を伸ばす。バーナビーの首に回されたそれは、ぐいっと引き寄せようとする。背に走った痛みに顔をしかめるバーナビーが、一瞬だけ固まると虎徹は腕の中から抜け出していく。ベットの外に下りた虎徹が、振り返って左手をつく。乗り出してきた虎徹が、狙ったのは、バーナビーの背。狙われたバーナビーは、背をベットにつけることで、防御に回る。乗り上げた虎徹は、バーナビーを組み敷くことになる。「……こういうこと、じゃね?」「なに……あっ!」脚を脚で押さえつけられたバーナビーの、紳士な部分をもてあそんで。虎徹はにやり、と笑って見せた。「あれだよ、あれ。戦略的撤退ってやつ」「っ!!」追い立てようとするわけでもなく、虎徹はソコから手を離して、キスをくれた。落とすような吐息にまざる愛おしさが、バーナビーを癒していく。「……前向きにさ、好き放題、とか」「気絶してるあなたを揺さぶって何が楽しいんですか……」呆れたようにいうバーナビーを、呆れ顔の虎徹が見る。「起きてたら、俺、ぜってえ、もっとって言う」「……そう……でしょうね……」脱力したバーナビーが、自分の上で、猫のように丸くなっている虎徹を撫でる。「ってことはだよ?バニーが好きな、ちゃんとすること?できてよくない?」「ちゃんとすること?」「だあって」虎徹が、うーっと唸るのも、バーナビーには、可愛く見える。「やっぱ、腹下すとか、つらいし。かといって、ぐてぐての身体を自分で」「あ」飛び起きようとするバーナビーに全力で抗う虎徹は、かわいいなにかを出している。それにやられているとしか思えないバーナビーが、呻く。「でも、する前は、ちゃんとしてるぞっ!!ちゃんと!!」「つけさせてくれれば」「んな暇あるかああ!!」ぎゃあ、とばかりに顔を上げた虎徹が、見つめていたバーナビーを見つける。「………あゆときは、ない」その優しい目に捕らわれたまま、それでも、反撃すると。「駄目だな」虎徹はバーナビーに優しく、睨まれてしまう。野獣な目なのに紳士なバーナビーは虎徹を微妙に傷つける。「……あなたに逆らえない」「うっそでええ」虎徹は、あっけらかん、とバーナビーを傷つけるようなことを言う。「……俺がお前に逆らえない、だろ……。お前、ぜってえなんか出してる」「はい?」「好きにさせすぎだ、ばかバニー」バーナビーは、目をまるくして、それから、笑った。その微笑みは、虎徹にも、うつる。休日の朝は、そんな風に傷を癒していく大切な時間。傷つけられたのは、どっち?