紫外線は夏だけではなく、1年中降り注ぐもの。日焼け止めはもはや日々のお手入れの一部! ならばなるべく肌への負担が少ないものを選びたい......。

そこで、メイクアップアーティストであり、ナチュラル/オーガニックコスメ界きっての知恵袋である小松和子先生がナビゲート。余計なものを加えていない"ナチュラル&オーガニック"な日焼け止めを使いこなすコツを、①選び方、②塗る量、③塗り方の3つのポイントからレクチャー!

5年後、10年後の美肌のために、あらためて日焼け止めへの考え方を見直してみませんか?

小松和子(こまつ・かずこ)
メイクアップアーティスト、ナチュラルコスメプロデューサー。
現在はパーソナルサポートサロンを通じて、数十年間にわたるメイクアップとスキンケアの仕事で培った経験と知識を伝えている。

ナチュラル&オーガニックの日焼け止めの違いとは?

日焼け止めの効果を発揮する成分は大きく、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2つ。

ケミカルな日焼け止めは主に、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の両方を使用することが多く、ナチュラル&オーガニックの日焼け止めは紫外線散乱剤のみで紫外線をブロックしています。

ケミカル場合、①伸びが良くて塗りやすい、②汗に強く化粧崩れがしにくい、③近所のドラッグストアでも買え、価格も安価などのメリットがあります。

しかし紫外線吸収剤は、紫外線が当たると反応し、肌の上で化学反応を起こすことで効果を発揮しています。この反応に耐えられないとき、皮膚にトラブルが起きてしまうことが......。

ナチュラル&オーガニックな日焼け止めが主に使っている、紫外線拡散剤は、化学変化を起こすのではなく、肌の上からヴェールで覆うようにして、紫外線を跳ね返すことで、日焼け防止効果を発揮。

また、シリコンなどの被膜成分が使われていないため、石けんなどで落ちやすく、お化粧をしていないときはクレンジングを使う必要もなし。肌への負担が軽い。そもそも、「余計なものが入っていない」という安心感があります。

それだけ聞くと良いことずくめのようですが、ナチュラル&オーガニックコスメにももちろんデメリットが。それは、汗に弱いため、小まめな塗り直しが必要なこと!

現状、まだまだ汗に弱いものが多いのが、ナチュラル&オーガニックの日焼け止め。とはいえ、正しい量で、正しい塗り方をしないと、ケミカルだろうとナチュラル&オーガニックだろうと、期待できるほどの効果はないんです。

日焼け止めを塗っているのに日焼けしちゃった......という体験がある方は要注意。それはそもそも、選び方・量・塗り方が適切じゃないのかも。

そこで今回は先生に、日焼け止めの基本を教えていただきました!

1. なにを基準に選べばいい? 選び方のコツ

毎年たくさん店頭に並ぶ日焼け止め。そもそもどれを選んだら良いのか悩みますよね。

特に夏は、水で落ちちゃったら意味がありません。なにより重視してほしいのは、撥水性です。

人間は汗と皮脂が出るため、どうしても日焼け止めは落ちてしまうもの。汗を拭ったりしても、落ちていきます。一般的な日焼け止めも、必ず塗り直すよう明示されているのは、同じ理由から。

日本の高温多湿な夏の気候は、ただでさえ日焼け止めキープに不利な環境。ケミカル/ナチュラル&オーガニック問わず、塗り直しはなるべくしてほしいですね。

でもでもでも......! メイクをしていたら、その上から日焼け止めを塗り直すのは抵抗が......。

そうですよね。私の所感では、99%の方がやっぱり日焼け止めを塗り直しません。それにメイクの上から直接塗り直すと、ムラになったり、時には油分が過酸化皮質状態になり、かゆみが出てくる人もいます。

じゃあどうすればいいかというと、一度軽く濡らしたコットンやティッシュで拭いてから塗り直すのがオススメ。さっぱりしますし、汚れやホコリなどを取ることができます。

いや、でも先生......やっぱり、メイクを水で濡らすのも抵抗が......。

それが、ナチュラル&オーガニックなら大丈夫。水でティッシュオフしても汚くならないのが、ナチュラル&オーガニックコスメのメリット。ケミカルコスメだとヨレると思います。

ケミカルと、ナチュラル&オーガニックのファンデーションは、入っている成分の構造がぜんぜん違う、と先生。塗りやすさの面ではケミカルコスメに配合されるシリコンが一番。しかしシリコンはべったり張り付くため、塗り直す際にメイクがヨレる原因にもなっているのだそう。

一方、ナチュラル&オーガニックのファンデーションは、シリコンが入っていません。そのため、ケミカルのファンデーションよりヨレにくいというメリットがあります。
だから、ナチュラル&オーガニックなベースメイクならメイク崩れを怖がる必要はなく、日焼け止めを塗り直すときも、メイクの上からトントンと、叩いて伸ばしてOKです。

なるほど......! ナチュラル&オーガニックコスメでベースメイクを揃えておけば、肌への負担も少なく、長期的な視点では強力な味方になるってことですね!

そうです! ただし、ベースメイクが汗・皮脂で落ちてしまったら元も子もなし。だからこそ、ナチュラル&オーガニックの日焼け止めは、撥水性を最重視して選ぶのが重要です。


ナチュラル&オーガニックの日焼け止めの場合、撥水性は特に店頭でチェックしたいところ。店頭では手に伸ばし、水を霧吹きで吹きかけて、落ち具合を確認できる。


落ちやすいものだと、(右)のようにみるみる落ちてしまうので要注意!

また、ほかにも選ぶポイントには次のようなものがあるそう。

・日焼け後の肌をいたわるなら......ザクロエキスやビルベリー葉エキス、ローズヒップや、ハマメリスなどのエキス類、カロテノイドやポリフェノールを多く含む抗酸化作用のある成分が配合されているもの。
・ブルーライトが気になる人は......ルテインやセリウムが入っているものが注目。

ナチュラル&オーガニックにこだわるなら、レジャー用のものは多少使いにくい印象があっても、SPF50などの高い値のものを選んでしっかり防御しつつ、ふだん使いには、SPF20〜35くらいの使いやすいものを選ぶとOK。

しかし......。

SPFは、30までは効果が上がっていきますが、30以上のものはあまり大きく変わりません。しかし、塗る量が少なければSPF30だと足りません。おおよその方の塗る量が足りてないと感じているので、SPF50でSPF30くらいの効果になっているのではないでしょうか。

それはもったいない! ということで、次は、正しい塗る量を教えていただきます!

2. 足りなかったら意味がない! 正しい「塗る量」

自分に合うナチュラル&オーガニックの日焼け止めを見つけたら、早速塗っていきたいところ。しかし、塗る際にもふだん見落としていることが......。

みなさん、日焼け止めを塗るときは、どのくらいの量を塗っていますか? 日焼け止めの塗る量が適切でなければ、表示されている効果は発揮しません。でも、必要な量より少なく塗っている人が多いんです。

と、先生。確かに、そもそも日焼け止めの適切な量を知らないぞ......。

まず、紫外線対策の試験で、使われる基準量は、1cm²あたり2mg。メーカー各社、この基準に基づいて開発しています。日焼け止めに表示されているSPFやPAなどの値は、この量を使ったときの値です。

では、実際にどのくらいの量が必要なのでしょうか? ナチュラル&オーガニックな日焼け止めには大きく、リキッド、クリーム、パウダータイプがあるので、それぞれの1回量を実際見てみましょう!

分かりやすくするため、顔の面積を400cm²とすると、400×2mg=800mg(0.8g)が必要です。

リキッドタイプ

クリームタイプ

パウダータイプ

どうでしょうか。予想より多かったか、少なかったか。実際に規定面積に対して塗ってみるとこんな感じ。

パウダーに関しては尋常ではない量。さすがにこれだけ塗れないので、パウダーだけで日焼けを防ごうとするのは危険!

そもそも塗る量が足りないのに塗り直しをしないから、「日焼け止めを塗っていても焼けてしまう」ということが起こります。正しい使い方をマスターしないと損ですよ。

ということで、「量」と「塗り直し」の重要性分かったけれども、適切な量全部をうまく塗れなかったり、外出先で、日焼け止めを塗り直すのは難しかったり。

そこで最後のコツとして「塗り方」をレクチャー◎

3.最後のミソ! 塗り方のコツ

最後のコツは、「塗り方」。正しく塗ることで、日焼け止めの効果をきちんと引き出すことができます。

ポイントは、皮脂分泌が少ない部分への2度塗り。

Tゾーンなど、顔の中心にシミができる方は少ないですよね。シミができると言えば、目の下や目元周り、そして頬。

Tゾーンなど、皮脂の分泌が盛んな箇所は、塗り直しができなくてもそこまで大きな問題はないはず。というのも、皮脂は天然のSPF効果があるから。

でも、目の周りから頬周りは皮脂の分泌量が少ないので、紫外線を蓄積しがち。シミを作らないようにするためには、この「逆Tゾーン」への塗り方がポイントです。

外出前に塗るときも、この目の周り〜頬周りの「逆Tゾーン」に重ね塗りするのがポイント。

STEP1. 顔全体にしっかり塗り込む

まずは全体に塗り込みます。揉み込むようにすることで、隙間なく埋めることができます。量も多めに取って。


①しっかり全体に塗り込む。

STEP2. 逆Tゾーンに叩き込む

プラスアルファで、逆Tゾーンに重ね塗り。コツは「叩き込む」こと。このとき、頬の端までしっかり二度塗りしましょう。


②目の周りは皮膚が薄く、皮脂も分泌が少ない。つまり紫外線をダイレクトに受けてしまう。目の周りから顔の輪郭に沿って顎までは、二重に叩き込んで。

「外出先でも、この部分だけは塗り直しておくと安心ですよ」と、先生。

せっかく日焼け止めを使っても、間違った使い方では、思うような効果も期待できません。

これからは正しく使って、日焼けをしっかり防ぎましょう!