左右の横腹(ワキ腹)の痛み 病気やその原因について

横腹が痛いのは病気?

へそ側を中心に左右ぐるりと身体の中心にあるのがお腹。通常、腹痛といえば、わりと正面に痛みが走りますが、横の部分に痛みを感じることがあります。原因がハッキリしているなら問題ないのですが、思い当たることが全くないこともよくあります。

横腹やワキ腹の痛みと聞いて、最初に思い当たるのが急激な運動。ですが、何かの病気である可能性も否定できません。

■ 運動の痛みを解消したい

左脇腹(左横っ腹)が痛くなる原因はいくつもありますが、筆頭に挙げられるのが運動や悪い姿勢による「筋肉痛」でしょう。運動後の筋肉痛という単純なケースは除外します。ここでは、2つのケース「走っているときにいきなり痛くなる」「食後の運動で痛くなる」をカンタンに説明しますね。

走っているときにお腹が痛くなる理由

急激な運動でワキ腹が痛くなる原因は、大きく2つあるといわれてます。
1 横隔膜の痙攣
運動不足の人が、普段使わない筋肉を急に使ったことで「つる」ような感じになるもの。
2 脾臓(ひぞう)の収縮
脾臓の収縮が引き起こされるというもの。
脾臓は、血液を蓄える臓器です。じっとしていた身体を急に動かすと、酸素を供給しなきゃと慌てて活動します。溜めていた血液を送ろうと急激に収縮するため、左ワキ腹が痛くなるという考えです。運動で横腹が痛くなるあれです。

食後の運動で痛くなる理由

食事をすると、食べた物を処理(吸収)するために腸の活動が盛んになり、多くの血液が必要となります。この時に激しい運動をすると、筋肉のほう多量の血液が必要になるため、腸の側で使われてる血液の量が減らされます。活動したいのに、栄養と酸素を供給する血液が不足する。その結果、腸がケイレンを起こしてわき腹が痛くなってしまうのです。

ほかに、左脇腹が痛む原因として目立つのは、猫背・デスクワークで同じ姿勢をとり続ける・足を組むことで筋肉に負担……などがあります。こうした場合は、特に問題がないので、湿布を貼るなどして筋肉に対して対処すれば数日で和らぐはずです。ただし、姿勢の悪さが継続的だったりすると、痛みが慢性化していることも考えられます。整形外科や整骨院へ相談してください。

■ 左右では病気が違うお腹の痛み

ワキ腹の痛みは、上のような運動系のほかにも、臓器の不具合が原因になることもあります。すぐに痛みが消えるようであれば大丈夫ですが、疾患などの病気の場合は危険です。長く続く痛みをほっっておけば、病状が進んでしまい、気が付いた時には事態が深刻になっていることもあるわけです。

また、内臓の配置は、左右対称ではありません。肺や腎臓は2つづつありますが、心臓や肝臓のように一つずつの臓器がほとんどですし、胃腸は左から右へ蛇行しています。こうしたことから、脇腹の痛みも、左右どちらに痛みを感じるかで、病気も原因も大きく違ってくるのです。

内臓の集まるお腹の中で、左と右、それぞれの痛みについてです。

■ 左脇腹の痛みの原因

脇腹の痛みで怖いのが、内臓疾患などが原因になっている場合。左脇腹付近には、リンパ球や赤血球を作る脾臓、食べ物を消化する膵臓(すいぞう)のほか、少しずれて胃などが存在しています。内臓に優劣をつけるわけでけではありませんが、どれも大切な臓器。悪化すれば取り返しがつきません。

どの臓器が悲鳴を上げているのか? 痛みの感じ方により、ある程度、特定することが可能です。

痛みでわかる病気の可能性

・チクチクと痛む
胃潰瘍や十二指腸潰瘍
チクチク痛むのは粘膜がただれている状態を示しています。これは消化性潰瘍とも呼ばれます。主に、ストレス性の胃潰瘍、ピロリ菌などが原因で起こる十二指腸潰瘍などの可能性があります。

急性膵炎(すいえん)
腹痛に加えて、吐き気や発熱、食欲不振などが一緒に起こっているなら、急性膵炎の可能性があります。痛みの場所は、みぞおちから左上腹部ですが、しばしば背部にも広がります。痛みの程度は軽い鈍痛から、じっとしていられないほどの激痛まで。主な原因はアルコールや胆石です。

・ズキズキと重く痛い
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の疑い
ズキズキという重い痛みを感じる場合も、神経系疾患である胃潰瘍などの疑いがあります。

すい臓がんの疑い
「すい臓」は胃の裏側にある臓器です。ガンを患うとその痛みは、お腹だけでなく、背中や腰のほうにも症状が出てくる可能性があります。背中が痛むのは、病状が進行している証拠なので、早急に検査を受けるべき病気です。すい臓がんは1日でも早い治療が回復に繋がります。

尿管結石の疑い
「腎臓結石」とは、腎臓の中に石ができること。その石が尿管内に引っかかってしまうのが「尿管結石」です。腎臓結石が尿管に入り込むと、耐えがたい痛みが生じます。結石の侵入に反応して尿管が収縮することで、側腹部や腰背部にけいれん性の激しい痛み(腎仙痛または尿管仙痛という)が生じます。その痛みは、しばしば鼠径部(そけいぶ)や、男性では精巣(睾丸)にも及びます。

尿路結石の疑い
上記の「尿管結石」に類似している「尿路結石」というのもあります。尿路結石とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道のうちいずれかにできる結石のこと。痛みがある・血尿が出るといった共通症状がありますが、程度など細かい部分は違っています。

一番面倒なのが「腎臓結石」です。自覚症状が少ないので、自分から病院へ行く人はいません。人間ドックや健康診断などで偶然見つかったというケースが多くを占めているほど。特に腎杯結石の症状はほぼ皆無。腎盂結石でも鈍痛か腰から背中のあたりが重く感じる程度です。

ただし、石が成長して尿路が塞がれたり、腎盂尿管移行部に移動したりすると強い腹痛や血尿に襲われます。

婦人病の疑い
女性の場合、子宮や卵巣トラブルによる婦人病の可能性もあります。子宮や卵巣や卵管による、横腹の痛みには、決まった痛み方はないようです。続くようなら、婦人で診断してもらいましょう。

・下痢や便秘をともなう
すい臓疾患の疑い
下痢や便秘だったり、食事の後に痛むなら「すい臓系疾患」が疑われます。特に、油っこい食べ物を食べた後にはその傾向が強くなります。膵液は、マルトース(麦芽糖)、タンパク質、脂肪を分解します。膵臓の機能が低下するとこの膵液が十分に分泌されなくなります。その結果、下痢や便秘などの便通異常が出てくるわけです。

・呼吸を吸うと痛む
肋間神経痛や胸椎椎間関節症
呼吸をすると肺が膨らみ、肋骨など全体が動かされます。横腹が痛むのは、肋間神経痛や胸椎椎間関節症などといった、神経痛がおこるわけです。ただし、内臓疾患からくる場合もあるため要注意です。

■ 右脇腹の痛み 原因と病気との関係性

お腹は複数の臓器がひしめき合って存在してます。そのため、ほんの数センチ痛みがずれるだけで、原因が全く変わってきます。それだけでも厄介なのに、胃腸などの内臓系や、ストレスなどが原因になる神経系など、その原因には様々な要因があります。詳細については、検査を受けてみないとハッキリ知ることはできません。それでも、痛み方によって、部位がわかることもあります。

右脇腹の痛みの原因

右脇腹の辺りにも多くの臓器が存在しています。大腸、盲腸、腎臓、胆嚢(たんのう)、肝臓などです。主だった病気・疾患を挙げますね。ちなみに、単純に痛みの部位とイコールにならないこともあるので、左側が痛むケースと病気がかぶることが多々あります。

胆石
コレステロールなどが固まって胆石となり、痛みを生じます。胆石は、成人の約8%が持っているといわれてます。

大腸がん 肝臓がん 胃がん
右脇腹が長期に渡って痛むのなら、大腸や肝臓のがん、または胃がんという可能性があります。数あるガンの中では比較的治療しやすい部位です。現代ではガンは不治の病ではないのですが、依然として死亡原因のトップにあります。早期なら完治する病気なので、早めの受診が大切です。

腹膜炎
腹膜とは腹腔内(ふくくうない)を覆っている膜のこと。本来は無菌なんですが、この腹膜に細菌感染や物理的・化学的刺激によって炎症が起こるものを腹膜炎といいます。この腹膜に炎症が起こるのが腹膜炎です。急性腹膜炎と慢性腹膜炎があり、とくに急性は命にかかわります。

胃潰瘍 十二指腸潰瘍

胃や十二指腸の内側の粘膜は、胃酸や胃液をガードようになってます。ところが、ピロリ菌・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:エヌセイド)などによって、この防御機構が傷害をうけることがあります。粘膜が傷ついて、胃液の攻撃にさられて、粘膜や組織の一部がなくなる病気が、「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」です。

膀胱炎 尿管結石

膀胱に炎症が起こって、尿を溜めたり、排尿するという膀胱の働きに支障が出てしまう病気です。原因のほとんどは、細菌の感染によるものです。女性に多い病気で、「何度もトイレに行きたくなる」「排尿後に痛みがある」「残尿感」「尿が白く濁ったり、血が混じることがある」などの症状があります。

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