ニキビ跡の赤みを氷などで冷やす効果は?
冷やすと治りやすくなる?
ニキビ跡の赤みに悩んでいて色々と調べてみると、氷などでマッサージをして肌を冷やすことでニキビ跡が薄くなったという話を聞いたことがあるかもしれません。
確かに、ニキビ跡の赤みも炎症によるものですから、なんとなく冷やした方が治りやすいような気がしますよね。
一般的にぶつけたりした場合など、腫れを伴うような炎症を引き起こす怪我をしたときはまず冷やすイメージがありますよね。
でも、実際には炎症はすべて冷やせばよいものではなく、時期によっては温めた方がいいのです。
そして、肝心なニキビ跡の赤みについては冷やすことによるメリットはあるのでしょうか?
また、どんな時に冷やすべきで、ニキビ跡についてはどうするべきなのか?ということについてもぜひ知っておいて頂ければと思います
炎症を起こしたら冷やすのはどうして?
私たちは今までの経験上、炎症を起こしている部分は冷やした方がいいというイメージを持っていますよね。
でも、実際には炎症が起きている初期段階では冷やした方がいいのですが、ある程度の時間が経過すると今度は温めた方が治りやすくなるのです。
ではどうして炎症が起きると冷やすというのが一般的になっているのでしょうか?
炎症の概要については「ニキビ跡の赤みを引き起こす炎症とは何か?」という記事で紹介しましたが、もう少し細かく言うと実は炎症には2つの時期があり、急激に腫れや痛みを伴う「急性期」と、痛みなどのない「慢性期」というものがあるのです。
そして、私たちが経験上冷やすべきだと思っているのは「急性期」の方なんですね。
冷やすべきなのは急性期の炎症
スポーツの経験がある方なら経験があると思うのですが、打撲や捻挫などをすると初めにその部分が腫れてきますよね。
この腫れという症状は患部に無理な力が加わったことによって細胞が傷つけられたり、一部が死滅したりしてしまったために、これ以上同じようなダメージを繰り返さないように警告として現れる反応なんです。
もう少し細かく説明すると、細胞に異常なダメージが加わると、ダメージによって死んでしまった細胞を片付ける役割の白血球、さらに警告として痛みを発生させるための物質が分泌されます。
これらは血液中の水分である血漿(けっしょう)と呼ばれる液体と一緒に細胞へと送られるのです。
そのため、患部の周辺には血液が集まって赤くなり、細胞間に白血球や痛みを発生する物質が送られるために水分が溜まって、腫れてや赤み、そして痛みを感じるようになります。
このような作用を炎症と呼ぶのですが、炎症反応によって私たちは異常な状態に気づいて保護しようとするわけですね。
しかし、このような腫れや赤みを伴う初期の炎症反応は自己防衛のための警告として役立つものなんですが、警告の強さも人それぞれで、必要もないのに激しい痛みや腫れを引き起こすことも多いのです。
よって、炎症が起こり始めた時は身体からのメッセージは受け取るものの、激しい痛みや腫れは不要なことがほとんどであるため、炎症の初期は氷などで冷やすことによって、毛細血管を収縮させて血液の流れを悪くして、痛みを発生する成分や腫れの原因となる水分の流出を抑えてあげることが重要になるのです。
簡単に言えば、炎症の初期は体がびっくりして過剰なメッセージを訴えてくるので、冷やすことで落ち着かせつつ、メッセージだけは冷静に受け止めて安静にしたりすることが大切になるわけです。
この炎症の初期段階を急性期と呼びは、症状が出始めてからだいたい1週間以内に起こり、4週間くらいで治まるものを指すことが多いようです。
慢性期は温めた方がいい
初期の炎症が治まって腫れなどが引いてくると、今度はダメージを受けた細胞を修復する段階に入ります。
これを慢性期と呼ぶのですが、急性期と比べると進行がゆっくりと長く続くため、腫れなどは引くのものの赤みなどは残り続けます。
修復するために必要な栄養などを普段よりも多く届ける必要があるため、血管が広がったり、新たな血管ができたりして血流が増えるため、患部はしばらく赤みが残ってしまうのです。
この段階では、修復するための栄養を届けたり、痛みの原因となる物質を回収したりするために、血行を促進してあげることが大切なんですね。
そのため、慢性期には冷やすのではなくしっかりと温めて血行を促進することが必要になってくるのです
以上のように、炎症はすべて冷やせばよいと思いがちですが、実は腫れや痛みの強い初期は冷やすべきで、症状が落ち着いてきたら温める方がいいのです。
では、これを踏まえてニキビ跡の赤みを冷やすことの意味を考えてみましょう。
ニキビ跡の赤みは急性期と慢性期どっち?
ここまでの説明で、炎症には冷やすべき急性期と温めるべき慢性期があることは分かりましたね。
では、ニキビ跡の赤みというのは急性期でしょうか?それとも慢性期でしょうか?
それさえわかれば冷やすことがニキビ跡にとっていいのかどうかがわかりますね。
基本的に痛みも腫れも治まっているのであれば慢性期と言っていいでしょう。
先ほどの炎症の説明を振り返ると、急性期は腫れや痛みを伴うものでしたが、これはまさに赤ニキビの症状と一致しますね。
ニキビというのはアクネ菌や皮脂による刺激によって異常を察知した肌が炎症を起こしたものであるため、初期の段階ではぷっくりと膨らんだり、痒みや痛みを伴うことがあるのです。
しかし、時間の経過とともに腫れや痛みが治まって、私たちはニキビが治ったと認識するわけです。
それなのに、いつまでたっても赤くなった跡が消えないというのことは、まさに炎症が慢性期に入った状態で、ニキビのダメージを修復する段階に入った状態と考えられるわけです。
このような状態のニキビ跡の赤みを氷で冷やすとどうなるでしょうか?
当然ながら皮膚の温度が下がることによって毛細血管が収縮するので、ダメージを修復するために必要な血液が流れにくくなってしまいますね。
別の記事でも紹介している通り、ニキビ跡を早く治すためには肌のターンオーバーを促進して、ダメージの受けた細胞を新しい細胞に生まれ変わらせることが重要で、そのためには血行を促進することも大事であると説明してきました。
それなのにわざわざ氷でマッサージしたりして冷やして血行を悪くするということは、ターンオーバーの促進と全く逆のことをしていることになると考えられるのです。
よって、結論としては
という可能性が高いのです。
ただ、赤ニキビの初期段階であれば炎症の急性期になので、冷やすことによって腫れを抑えたりニキビの症状を緩和することも期待できるでしょう。
急性期には冷やすべき、慢性期には温めるべきというのは覚えておいて損はないと思います。
氷マッサージは肌にいいんじゃないの?
ここまでの話で、ニキビ跡の赤みを冷やすことは血行不良を招き、結果的に治癒を遅らせる可能性があると言ってきました。
しかし、氷マッサージは肌にいいという噂を聞いたことがある方もいるかもしれません。
確かに、あるときテレビで一部の芸能人や美魔女として有名な方などが、氷でマッサージすることが美の秘訣であるというようなことを紹介して話題になったことがありました。
その時言われて氷マッサージのメリットとしては、血行が良くなるというものでした。
肌を冷やすと一時的に血行が悪くなるけど、生理現象として体温を維持するためにその後血流が増し、代謝がよくなるために血行が良くなるということらしいのです。
冷やせば当然血行不良を起こしますが、その後に血管が拡張することは寒冷血管拡張反応(CIVDと略されます)と呼ばれるもので、生体反応として実際にあるものです。
しかし、拡張すると言っても冷やす前よりも血行が良くなるわけではなくて、冷やす前と同じ状態に戻るだけなのです。
つまり、冷やすことによって冷やす前よりも血行が良くなるということではないのです。
氷で冷やすことによって血行が良くなると書いているサイトもあるようですが、その裏付けがしっかりと書かれているサイトはないのではないでしょうか?
もちろん、試してみることに反対はしませんが、急激な温度変化を繰り返すと皮膚が温度変化に敏感になり寒い地域の子供のようにほっぺが赤くなってしまったり、氷や氷を入れた袋などの摩擦が肌トラブルを招いてしまうリスクがあることも考慮して、実施してみて下さい。
まとめ
これまで説明したことをまとめると
- 炎症には「冷やすべき急性期」と「温めるべき慢性期」がある
- ニキビ跡の赤みは炎症の慢性期なので冷やす効果は見込めない
- 氷マッサージの効果は科学的な裏付けはない
ということになります。
テレビなどで芸能人などの綺麗な方が「○○がいいらしい」という話をするとついつい信じてしまう気持ちはわかりますが、「誰が行ったか」よりも「どうして効果があるのか」をしっかりと考えて調べたり、自分で検証したりすることが大切です。
(もちろんここに書かれている内容もあなたなりに咀嚼して納得できない部分は切り捨てるべきです)
また、基本的にニキビ跡の赤みに悩んでいるならば、炎症を悪化させないためにもターンオーバーを正常化すべく生活習慣を整えたり、正しいスキンケアをするようにしましょう。
ニキビの再発やひどい炎症がある場合には、ただ血行を促進するだけでなく、抗炎症作用のあるビタミンC誘導体やプラセンタなどを配合したコスメなどでケアをすることも合わせて実施にしてみて下さい。