女性にもある男性ホルモン

実は、女性ホルモンは男性ホルモン(テストステロン)が、卵巣で「アロマターゼ酵素」を介して、変換されて女性ホルモン(エストロゲン)が作られる仕組みになっています。
女性も少ないですが、男性ホルモンが分泌されています。そして、40代中盤から急に減少する女性ホルモンに比べて、男性ホルモンの減少は少ないため、だんだん、男性ホルモンの影響が表面化してくるようになります。具体的には、声が低くなる、髭が濃くなるなどです。

男性ホルモンと薄毛の関係について

男性型(AGA)脱毛症は女性には、関係ないのでしょうか?実は、人によっては、関係する方もいます。そのタイプの方は
  • 男性ホルモンが比較的多い方(髭や体毛が少し濃い方)
  • 男性的ストレス(競争ストレス)を強く受けている方
  • 更年期などで、女性ホルモンの量が減ってきている方
  • 遺伝的に薄毛の方が親族に多い方
では、その理由をご説明していきます。

よく、「男性ホルモン(テストステロン)が多いと薄毛になる」「薄毛は遺伝する」と言われますが、本当でしょうか?
実は、これは半分は正解で半分は少し事実とは異なります。
頭皮には、毛根があり、その中に、毛母細胞がいて、毛細血管から毛乳頭を通して栄養分を得て細胞分裂を繰り返すことで、髪は成長していきます。
しかし、ここで、毛根には「5a還元酵素」というものがいて、これが血液にのってきた「男性ホルモン(テストステロン)」と出会う「ジヒロテストステロン」という通常の男性ホルモンの5~10倍もの強い性質をもつ男性ホルモンに生まれ変わります。
そして、この「ジヒロテストステロン」毛母細胞の働きを強く抑制(更には、毛母細胞を完全に殺してしまうことも)することで、髪の成長がストップして薄毛になっていくのです。
ここから、まず「男性ホルモンが多いと薄毛になる?」という問いに対しては、半分は正解ですが、もう半分は、「5a還元酵素」が握っているということになります。
次に、「薄毛は遺伝する?」ということですが、「5a還元酵素」の量や「ジヒロテストステロン」への変換力は、遺伝的要素があることが分かってきています。ということで、「薄毛は遺伝する?」という問いに対しても半分は正解ということになります。

従って、はじめの女性でも男性型脱毛症になる可能性のあるタイプの方はどんな人かという問いに対しては、1.2.は、男性ホルモンが比較的多いかどうかを表し、3.女性ホルモンの発毛・育毛作用が低下していることを表し、4.「5a還元酵素」が多く・強い可能性があるかどうかを表しています。

男性ホルモン過多の脱毛症:女性男性型(FAGA)脱毛症

女性男性型(FAGA)脱毛症とは、男性型脱毛症(AGA)の女性版です。男性型(AGA)脱毛症は、男性ホルモンの影響によって、毛母細胞が侵されて薄毛になってしまいます。そのため、男性ホルモンが少ない女性は男性型脱毛症にはならないと言われてきました。しかし、40代中盤の更年期にさしかかる女性が、女性ホルモンが減少するなか、男性との競争などの社会ストレスを強く受けることで、体内のホルモンバランスが男性ホルモン優位に傾き、女性男性型(FAGA)脱毛症を引き起こすようになってきました。
<原因>
女性男性型(FAGA)脱毛症の主な原因は、以下のようなことがあげられます。
  • 老化:閉経後の女性ホルモンの低下、細胞の働きの低下
  • 男性的ストレス:交感神経優位による血行不良に加え、他との競争を意識するストレスが交感神経を優位にして男性ホルモンの分泌を高める
<特徴>
・右記の絵のように、部分的に脱毛する(女性に多い「瀰漫(びまん)性脱毛症」は全体的に髪が薄くなる)

男性ホルモンが増える原因

1.夜更かし
人は起きている間は、交感神経が優位な状態になります。交感神経は男性ホルモンの分泌を促すため、男性ホルモン過多の状態になってしまいます。
2.ストレス(特に緊張を伴う)
ストレスを受けると交感神経が優位になります。交感神経はストレス(外的や恐れなど)から身を守るために、身体を戦闘態勢へと変化させ内臓器官や抹消血管の活動を抑制(収縮)し、全身の血液を筋肉へと集中させ、いつでも最大筋力で動けるよう筋緊張状態を保ちます。この状態はまさに、男性ホルモンが優位な状態です。
3.糖質をとりすぎる
糖質を摂ると血糖値を下げるために出るインスリン。このインスリンが卵巣に入ると卵巣から男性ホルモン(アンドロゲン)が分泌されることが分かってきました。(しかし、まだわからないメカニズムもあり、現在研究が進められている状況です。)
4.卵巣の冷え
女性ホルモンは男性ホルモン(テストステロン)が、卵巣で「アロマターゼ酵素」を介して、変換され女性ホルモン(エストロゲン)が作られる仕組みになっていますが、このアロマターゼ酵素が卵巣の温度が低いと正常に働かず、女性ホルモンにうまく変換されず、男性ホルモンのまま存在してしまいます。

男性ホルモンを抑える対策

骨盤と体幹を温める

卵巣で「アロマターゼ酵素」の働きを活性化し、男性ホルモンが円滑に女性ホルモンに変換されるようにする。そのためには、骨盤内と体幹を温めることが重要です。骨盤内が温まることにより、酵素の働きが活発になり、また、血液の流動性が上がることで、男性ホルモンを円滑に女性ホルモンに変換することができます。加えて、体幹を温めることで、性腺刺激ホルモンや女性ホルモンを円滑に脳や各器官に届けることが出来るようになります。
以下の左のグラフは、タンパク質でできている消化酵素が、40℃近くまで温度が上がることで酵素としての働き(タンパク質や糖質を分解する力)が高まることをしめしたものです。また、リンパ球の働き(抗原に対する抗体を作り出し抗原を除去する力)も温度があがると活発になります。
上記の写真は、温度を上げる(35℃→39℃)ことで、リンパ球がガン細胞を除去する能力が向上した結果です。
(NHKためしてガッテン 熱ショックタンパク質の効果より引用)
また、以下のグラフは、血液の温度と粘度を示したものです。温度が低くなると粘度が高くなり流動し難くなることが分かります。
(理工学研究院 分子科学部門 「論文:血液の流動と凝固」より引用)骨盤やお腹を温めるためには、です(※ただし、締めすぎて血行不良が起こるものはNG)。これは、体幹部だけでなく、足やくるぶしも冷やさないためより有用です(足から上がってきた血液がお腹を冷やしてしまうため)。
また、夏でもです。(「骨盤湯たんぽ」は常時使って頂いても良いですが、ホットマットは、面積も広いため逆上せてしまったり、暖め過ぎになることもあるので、1日1~2時間に留めておきましょう。

男性ホルモン過多となる悪習を止める

交感神経優位となって男性ホルモン過多となる悪習慣には、以下のようなものがあります。なるべく避けるようにしましょう。
  • 睡眠不足、夜型の生活(早起き・早寝)
  • 喫煙
  • 運動不足、また、激しすぎる運動・過度な筋力トレーニング
  • 過度のストレスや過労

有酸素運動で「ジヒロテストステロン」を下げる

軽い有酸素運動は、ストレス解消・汗とともに「ジヒロテストステロン」が出ることで、薄毛の要因を軽減すると言われています。

軽いウォーキングなどで良い(但し、股関節を伸ばすことを意識して大股で歩く)ので、週に3日、できれば毎日、30分は運動をする。
体幹を鍛え、骨盤周り含め全身の柔軟性を上げるヨガもお勧めです。
骨盤の血流が上がると、男性ホルモンから女性ホルモンへの変換が正常に行われ卵巣からの男性ホルモンの分泌が減ります。
※筋力トレーニングや有酸素運動でも激しいもの(マラソンなど)は、逆に男性ホルモンを増やしてしまうので注意

自律神経を整える生活を送る

女性ホルモンは、脳の視床下部から性腺刺激ホルモンが出されることで、それを受け取った子宮から女性ホルモンが分泌されますが、もうひとつ、視床下部がコントロールするものとして「自律神経」があげられます。
つまり、女性ホルモンのバランスがくずれれば、自律神経も乱れ、逆に、自律神経が乱れれば、女性ホルモンのバランスも崩れるのです。
(特に、更年期になると女性ホルモンが低下し、自律神経にも乱れが生じ、更年期障害の症状として女性に「自律神経失調症」が多いと言われるのは、このためです。)
自律神経を整えるのに簡単で効果的なのは、以下のようなことを気にして生活してみると良いでしょう。
  • 早寝早起き(12時までに寝て、7時には起きる)※毎日、同じ時間に寝起きする
  • 起きてすぐに日の光を浴びる(副交感神経→交感神経に切り替える)
  • 朝食を食べる(朝食を食べないと、午前中は脳にブドウ糖が届かず交感神経が優位になりません)
  • ストレスを感じたとき、夜リラックスしたいとき深呼吸する(深呼吸をすると副交感神経や優位になります)
  • 夜、湯船につかる(温まると副交感神経が優位になります。)※上がった後は、温まっているうちに床に就く
  • 朝、ストレッチをして全身に血を巡らせる(ラジオ体操でOKです)

心を落ち着かせるアロマ精油を活用する

マージョラム:不眠症改善、リラックス、消化不良改善
ネロリ:リラックス、不眠症改善
ラベンダー:リラックス、肩こり改善、消化不良改善、痒み緩和
オレンジスイート:リラックス、不眠症改善、便秘解消
イランイラン:リラックス、消化不良改善、不眠症改善、筋肉痛緩和、高血圧改善

<使い方>
※品質が保証されているケモタイプ精油をお使い下さい。
※初めは、少量から試してみて下さい。(アレルギー症状が出た場合、すぐに洗い流して使用を止めて下さい。)
  • アロマキャンドル・超音波式アロマディフューザー:1~2滴
  • お風呂の入浴剤:全身浴5滴、半身浴3滴