不妊治療薬で処方されるカバサール錠薬は、高プロラクチン血症の症状である生理不順などに効果が期待できます。これから赤ちゃんを迎えるために治療は大切ですが、飲むことで本当に妊娠しやすくなるのでしょうか?
カバサール錠薬を飲む前に効果や副作用、飲み合わせの注意点などの問題点をひとつずつこれから解説していきます。
カバサール錠薬って?
カバサール錠薬は、ライ麦などのイネ科植物に寄生する麦角菌(ばっかくきん)に含まれる「アルカロイド」の働きを利用した製薬です。
麦角アルカロイドは、昔からヨーロッパで陣痛促進や産後の子宮回復などに利用されてきました。また、脳内の神経伝達物質のひとつであるドパミン受容体を刺激し、排卵障害を引き起こすホルモン・プロラクチンの分泌をおさえる効果が期待できます。
血液中に薬剤が約65時間も残ることから、少ない量の服用だけで効果が持続します。そのため、非麦角系のドパミン作用薬と比較すると眠気などの副作用が少ない特徴があります。ただ、ほかの副作用がありますので、体質や症状に合わせてカバサール錠薬は必要量だけを処方します。
どんな症状(病気)のときに処方されるの?
カバサール錠薬は脳内のドパミン減少をサポートする成分が含まれているため、これにより不調を引き起こす症状(病気)に処方されています。おもに処方される病気がこの2つです。
■パーキンソン病
ドパミンは神経系伝達物質のひとつなので、減少すると手の震えや筋肉の緊張などを引き起こし、パーキンソン病を発症します。
■高プロラクチン血症
ドパミンが減少すると脳下垂体から分泌されるホルモン・プロラクチンのコントロールがうまくできず、高プロラクチン血症を引き起こします。
プロラクチンが血液中に増えすぎると女性の場合、急に母乳が出たり無排卵を引き起こすなど、妊娠している状態と体が勘違いします。男性の場合、精力低下やDE(勃起不全)など不妊症へつながる影響があります。
カバサール錠薬が分泌量が低下するドパミンの代わりとなり、受容体を刺激することでパーキンソン病や高プロラクチン血症による排卵障害や不妊症を改善してくれます。
カバサールの効果って?
カバサールを飲みはじめてから、およそ1カ月ほどで効果があらわれます。効果までの時間や症状には個人差がありますが、服用することで本当に妊娠しやすい体質に変化するのか調べてみました。
カバサールで生理不順が治る?
女性の月経は女性ホルモン・卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つがコントロールされて起こります。これらのホルモンは脳の視床下部(ししょうかぶ)、脳下垂体(のうかすいたい)、卵巣の3つの器官によって調整されており、どれが1つでも弱ると生理が遅れたり止まるなどの症状が出てしまいます。
カバサールが生理不順を緩和するといわれているのは、脳下垂体のトラブルを解消する働きがあるからです。脳下垂体は成長ホルモンやプロラクチンなど、さまざまなホルモンを分泌する器官です。脳下垂体の働きを低下させるドパミン減少をおさえることで成長ホルモンが分泌され、排卵をコントロールする女性ホルモン値を整えてくれます。
カバサールで高プロラクチン血症が治る?
カバサールはドパミン受容体刺激薬とし視床下部のトラブル障害をコントロールすることで、プロラクチンの過剰分泌をおさえます。また、プロラクチン量を増やす下垂体腫をおさえる働きもあり、服用することで血中濃度を安定させます。
濃度を正常値に戻すことで、女性の排卵障害や男性の精力低下などを緩和し不妊改善をサポートします。
カバサールで妊娠しやすくなる?
血液中のプロラクチン量が多くなると体は、無排卵状態にしたり母乳を分泌させるなど“妊娠している”と勘違いします。このままでは妊娠しづらい体質が続くため、プロラクチンのホルモン量をおさえるガバサールを不妊治療では処方されることが多いのです。
しかし、カバサールを服用したからといって必ずしも妊娠するとは限りません。生理不順が緩和されても妊娠するには排卵のタイミンやパートナーの精子の質(濃度や運動量など)が関係するため、残念ながら人並み以上に授かりやすくなるとは言い切れません。
カバサールの副作用ってどんなの?
カバサールを服用する際、少なからず副作用の心配が考えられますので初めは少量から開始し、効果など様子を見ながら処方していきます。別の薬を飲んでいたりアレルギー体質の人は副作用を強くする可能性があるため、処方される前に医師に相談しましょう。
カバサールを飲むことでどんな副作用を感じるのか、考えられる症状をそれぞれまとめてみました。
カバサールの副作用で多い便秘症
カバサールは消化器系(胃腸)への副作用が多く見られます。そのため食欲がなかったり口が渇く、吐き気がする、便秘や下痢になるなどの症状が出る場合があります。
とくに、不妊治療薬として処方されるため、普段から便秘気味の女性が服用するとヒドい便秘に悩まされてしまう可能性があります。食物繊維が豊富な食材や水分補給などをし、腸内環境を整えておくことが大切です。
カバサールの副作用は眠気やめまいなどもある
カバサールは神経系への副作用が低いとされていますが、個人差によって頭痛やめまいなどの症状を感じてしまう場合があります。服用後、急に立ち上がったり運動するなどはできるだけ控え、しばらく体を休めてからゆっくり行動するようにしましょう。
カバサールの副作用でイライラすることも・・・
ドパミン受容体刺激薬なので、脳下垂体のホルモンバランスを整えるために一時的にイライラしたり鬱(うつ)に近い症状があらわれる場合があります。不眠や精神面が落ち着かず攻撃的になる場合は、医師や薬剤師に副作用について相談してみましょう。
カバサールの副作用で肌や尿の色が変わる
ほとんど感じられない副作用のひとつですが、まれに肌や尿などがいつもと違う色となる場合があります。
- 肌が赤くなったり発疹ができる
- 白目が黄色く見える
- 尿が茶褐色など
カバサールの副作用とはいえ突然の体の変化にびっくりしますが、このような症状もあることを覚えておいてください。
カバサールの注意点は?
カバサール錠は製薬なので、飲み忘れや飲み合わせなど考えていかなくてはいけません。どんなことに注意していけば良いのか、これから服用を考えている人や医師に聞けなかった人のために注意点をいくつか説明します。
飲み忘れたらどうなる?
カバサールは治療する症状や年齢などによって服用量が違います。初めは効果の低い0.25mgの錠剤が処方され、不妊治療を目的とする場合は毎週1週間に1回ずつ就寝前など時間帯をしっかり決めて飲みます。その後、少しずつ上限量を増やし最終的には1.0mgを服用します。
風邪薬のように1日3回/食後30分以内などとは違うため、飲むタイミングがうまく計れず飲み忘れてしまう場合もあるでしょう。そんな時も慌てず、飲み忘れに気付いたのが1日程度なら翌日の同じ時間帯に移動し、次回飲むタイミングを1週間後にするなど調整しましょう。
ただ、あまりにも飲むタイミングが遅れてしまうと効果が変わってくるので、処方してもらう医師へ相談しましょう。
飲み合わせなど考えたほうがいい?
カバサール錠は心臓弁膜症や肝臓病、妊娠・授乳中などの服用は注意が必要です。事前に現在の持病や状況を問診で聞かれますが、処方される前にエコー検査などをして確認する場合があります。
カバサールは高血圧で処方される薬と一緒に飲むと、降圧作用が強くなる可能性があります。また、フェノチアジン系やブチロフェノン系などの安定剤との相性があまり良くないため、一緒に飲むと薬の効果がどちらも弱まる場合があります。
独断で飲み合わせを判断するのではなく、現在の健康状態や服用薬をしっかり医師に伝えてから飲みましょう。
カバサールを服用中はお酒は飲んでも大丈夫?
カバサールとお酒の相性の関係性は研究報告されていませんが、どちらも副作用の心配があることから服用中はできるだけ禁酒をおすすめします。
もしかすると、顔が赤くなったり肌が痒くなる、頭痛がするなどの症状が強くなる可能性があります。しかし、これは普段飲むお酒でも似たような症状が出る場合があり、どちらの副作用なのか判断ができなくなってしまいます。
しっかり不妊症を改善していきたいなら、お酒を飲まずに治療に専念することが理想的です。
カバサールを飲むときは断乳しないといけないの?
母乳はプロラクチンの分泌量により分泌されるため、カバサールを服用してしまうと止まる可能性があります。母乳には赤ちゃんにとって大切な栄養が含まれているので、卒乳や何らかの事情で断乳しないのなら服用を避けなければいけません。
産後すぐはプロラクチンの分泌により排卵もおこなわれませんが、しばらくして妊娠を望むなら断乳をしてカバサールを服用する必要があります。
まとめ
カバサール錠は排卵障害である月経不順や不妊の原因へ効果が期待できます。少し副作用の心配もありますが、飲み方や飲み合わせなどを注意することで妊娠しやすい体質へ改善します。
即効性はありませんがホルモンバランスを整えてくれる治療薬なので、これから飲み始める人は途中で止めずにしっかり服用していきましょう。