一度なったら治らない!現代の生活習慣病「酸蝕歯」!
物質の酸性度を示す単位である「pH(ペーハー)」の高い、いわゆる酸性度の高い食べ物や飲み物に含まれる「酸」よって、歯の表面を覆うエナメル質が徐々に溶けてしまう症状を「酸蝕症」と呼び、「酸蝕症」を発症した歯を「酸蝕歯(さんしょくし・さんしょくば)」と呼びます。
酸蝕歯・酸蝕症は、症状が進行すると歯のエナメル質がどんどん薄くなってしまう為、虫歯になりやすくなったり、知覚過敏(冷たいものが歯にしみる)を引き起こします。
さらに症状が進行すると虫歯でなくても歯に痛みを感じる状態となり、虫歯同様に歯に詰め物やかぶせものをするといった治療が必要となります。
酸蝕歯は一度症状が悪化すると自力で治すのはほぼ不可能なので、以下の症状サインがあったら進行をしないように予防対策を行いましょう!最後の項目でもご紹介しています。(以下ご参照ください)
■酸蝕症・酸蝕歯の主な症状
- 他の健康な歯に比べて汚れて見えたり、黄ばんで見える
- 熱いものや冷たいものを食べたときに歯がしみる
- 歯のとがった部分が溶け、丸みがかって見える
- 前歯の先端部分など薄い箇所が透明ががって見える
- 歯の表面や尖った部分に細かな亀裂やざらつきを感じる
- 歯のかみ合わせの部分に、小さい窪みや凹みが出来る
参考:Google画像検索(酸蝕歯)
■酸蝕歯・酸蝕症は新しい生活習慣病
清涼飲料水や炭酸飲料といった酸性度の高い食品や飲料は、現代社会では日常にあふれており、摂取することも多く、酸蝕歯・酸蝕症は、ある種の生活習慣病とも言われています。
酸蝕歯・酸蝕症は、普段の生活の中で歯を大事にしている方、虫歯に十分気を使っている方でも発症してしまう可能性があります。
上述の通り、酸蝕歯・酸蝕症は、症状が進行すると、虫歯と同様の治療が必要となるため、酸蝕歯にならないよう、その原因を知り、予防を心がけることが重要です。
身近な生活習慣や体調が影響する酸蝕歯の原因
酸蝕歯の原因は主に「食生活」「労働環境」「体調」の3つの要因で引き起こされるといわれています。
■食べ物や飲み物に含まれる「酸」が歯のエナメル質を侵食する
清涼飲料水やスポーツドリンク、ワインといった、特に酸性度の高い飲み物を過剰に摂取したり、pH(ペーハー)が高い一部の果汁、炭酸飲料、ハーブティー等の過剰摂取が主な原因と言われています。
また、添加物として使用される「クエン酸」や「アスコルビン酸(ビタミンC)」なども酸蝕歯の原因となる可能性を指摘されています。
コーラなどの炭酸飲料が好きな方は特に注意が必要ですが、健康の為にと黒酢を毎日飲んでいたのが原因となって酸蝕症になってしまった例や、健康維持のためにスポーツをしている方が、スポーツドリンクの飲みすぎが原因で酸蝕歯になってしまった例なども報告されています。
■体調・病気などが原因で歯が侵食される
逆流性食道炎や拒食症、胃炎など、胃酸が口内に出やすく、歯のエナメル質が胃液に晒される状態が続く事で酸蝕歯となる事もあります。
また、唾液が十分に分泌されず口内が乾いた状態となるいわゆる「ドライマウス」だと、口内に入った食品や飲み物に含まれる酸が唾液で希釈・中和されず(唾液は弱アルカリ性)に歯を侵食する事もあります。
■労働環境や生活環境による酸蝕歯
特殊な事例としては、労働環境や生活環境に起因する酸蝕歯もあります。
メッキ工場やガラス加工工場などで構内で酸性のガスを就労中に吸引することが多い職場環境にある方や泉質が酸性の温泉地に住まわれている方で、温泉水を飲用されていたのが原因で酸蝕歯となったケースも報告されています。
酸蝕歯になったらどうやって治すの?
もし、酸蝕歯・酸蝕症になってしまった場合、当たり前のことですが基本的には自然に元に戻ることはありません。
まだ症状が軽いからと油断して放置すると、痛みが出てきたり、かみ合わせが悪くなったり、最悪の場合、歯の神経を損傷したりと、虫歯と同様に放っておくとさらなる重大な症状を招く可能性があります。
酸蝕歯・酸蝕症の疑いを感じたら放置せず、早めに医師に相談、治療を受けることが重要です。
■酸蝕歯の主な治療方法
比較的症状の軽い酸蝕歯は、歯の再石灰化を促す薬剤を塗布するなどの軽い治療で済みますが、エナメル質が溶け、穴が開いてエナメル質の下にある象牙質が露出した状態ともなれば、詰め物やかぶせものといった欠損部分を修復する治療が必要となります。
さらに症状が進み、重度の酸蝕症となれば、歯の神経を取ったり、抜糸する必要が出るなど、いわゆる虫歯と同等の処置が必要となります。
酸蝕歯・酸蝕症にならないように予防するには?
■食後直ぐに歯を磨くのは×
一昔前は、食後すぐに歯を磨くことが推奨されていましたが、現在は様々な研究により食後直ぐの歯磨きは、避けるべきとの意見が多く見受けられます。
アメリカのAGD(総合歯科学会)による実験で、象牙質のサンプルを被験者たちの口内に装着し、それぞれ異なったタイミングで歯磨きを行い、そのダメージの度合いを観察したところ、食後30分以内に歯磨きをした被験者の象牙質にダメージが確認され、20分以内に磨いた被験者の象牙質にはさらに著しいダメージが確認されるとの結果が確認されています。
また、この実験結果を受けてAGD学長のハワード・ギャンブル医師は、「食後直ぐに歯磨きをすると、食べ物や飲み物に含まれていた酸を歯のより深い部分へ、より早く浸透させることになり、歯磨きによって歯の腐食が促進されてしまう」とコメントしています。
上記の実験結果からも分かるように歯磨きは食後30分以上経過してから行うのがベストですが、時間が無い場合など、どうしても30分以内に歯磨きを行う必要がある場合は、水で口の中をゆすいで口内のpHを中性に近づけてから行うようにしましょう。
■柔らかい歯ブラシをつかう
ある程度堅さを感じた方が歯がきれいになった気がするなど、固め歯ブラシがお好みの方もいらっしゃるとは思いますが、飲食後の歯のエナメル質は酸により通常より柔らかくなっています。
この状態で堅い歯ブラシでゴシゴシ擦ると歯のエナメル質に傷がついてしまい、酸蝕歯の原因、促進につながってしまいます。
使用時の力の入れ具合も重要な要素ですが、あまり堅い歯ブラシを使用するのは避けましょう。
■でも当然ながら歯磨きしないのが最も×
ここまで歯ブラシ、歯磨きに起因する酸蝕歯の発生、促進について触れてきましたが、もちろん最も酸蝕歯となる原因は、酸性度の高い飲食物を摂取した後、うがいや歯磨きをせずに放置することです。
果汁を含むジュースやコーラなどの炭酸飲料、ワインなど特に酸性度の高い飲食物を摂取した後は、口内pHが中性に近づくのをまって歯磨きを忘れずにしましょう。
■体調管理も大事です!
他項で触れたとおり、逆流性食道炎やストレスによる胃炎など、歯が胃酸に晒されることが多くなることで酸蝕歯になるケースもあります。
酸蝕歯の予防には体調面や精神面(ストレス)の管理も重要です。
■酸蝕歯・酸蝕症予防効果のある歯磨き粉を使う
酸蝕歯より歯をガードするには、以下、3点を満たす成分を配合した歯磨き粉選びが重要です。
1.歯が酸に影響を受けづらい環境を作る
2.歯のエナメル質の再石灰化を促す
3.低研磨剤で歯のエナメル質を傷つけない
歯が酸の影響を受けないよう保護し、歯質を高める成分として有名なのは「フッ素」ですが、上記1.2の「酸から保護し、歯の再石灰化を強く促す」効果のあるものとして、最も有効と考えられているのは、「芸能人は歯が命」で有名なアパガードの成分として知られる「薬用ハイドロキシアパタイト」です。
この成分は歯のエナメル質とほぼ同じ成分となっており、エナメル質になじみやすく、歯を滑らかにしたり、再石灰化を促すことによって白く丈夫な歯を作るのに効果を発揮します。
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