サッポー先生サッポーです。
お肌のご機嫌はいかがでしょうか?すっかり季節が変わり、汗・皮脂が少なくなったからでしょうか?(10月半ば頃配信)
戸外で風に吹かれる心地よさが影響しているからでしょうか?肌の乾燥がきっかけの一つになっているのは間違いないようですが、この頃になると例年、どうもそれだけではない、肌の異変を訴えるちょっぴり憂鬱な相談が多くなります。
- 「何が憂鬱なの?」
痒いとか、肌荒れが……といった程度なら、しっかり保湿して、乳液やクリームでの保護を忘れないようにしていたら、「良くなりますよ、けっして掻いてはいけませんよ」などと通り一遍のアドバイスでちゃんと良くなります。
ちょっと肌が育ち度を上げるだけで良くなるのです。しかし、この時期に多い相談は、それだけでは埒(らち)があかないケースが多いのです。
様々な炎症反応(免疫反応)に結びついているからです。
肌が育つ邪魔をする炎症反応(免疫反応)
こんな症状が出るのは、例外なく肌の育ち度が低下し、未熟なバリアーの層になっている肌でもあります。しかし、だからといって、「肌が育つケアでしっかり育った肌に変えていきましょう」…では、これが済まないのです。
肌が育つと解決するのは間違いないのですが、肌が育とうとしても、その育ちを後退させたり、急ブレーキをかけて妨害する現象=炎症反応(免疫反応)が多発するようになっているからです。だから肌の育ち度が上がりません。
寝ずの見張り番…マスト細胞のありがた迷惑な働き
この肌が育つ妨害工作をしているのが、表皮層直下の毛細血管やリンパ管などの結合組織周囲に存在しているマスト細胞です。この細胞が発する信号が痒みの原因にもなっているのですが、一方で毛細血管やリンパ管にも信号を送り、白血球などの免疫細胞を漏出させ、炎症反応の準備・実行の仲介をしています。
痒い、赤みが出来る、赤い膨らみが、赤みのない膨らみが、湿疹が……等々、中にはニキビだと思い込んでいる人もいます。
こういった症状が現れたり、消えたりするのです。
そしてずーっと続きます。そして、なんだかよく判らない。
どうしたらよいか判らない。
お医者さんにいってもよくなったと思ったら、また元通り。ほらね、憂鬱でしょう。
マスト細胞のありがた迷惑な働き…どうしたらよい?
マスト細胞は血液やリンパのような結合組織周辺に存在しているだけではなく、粘膜組織にも存在しています。気管支喘息などの発作を起こさせるのもこの細胞が仲介役を果たしています。
アレルギー性の皮膚炎もこのマスト細胞が「おーい、何かよからぬものが侵入してきた!注意せよ!」という信号を出すため、毛細血管やリンパ管の透過性が高まり、白血球などの免疫細胞を呼び寄せ、戦いの準備をします(赤みの発生)。
オーバーランしたり、戦いが実際に始まると、赤みだけでなく、膨らみや、赤い膨らみ、湿疹が出来ます。
問題はアレルゲンの侵入だけでなく、無害なものにもマスト細胞が反応してしまうことが多くなっていることです。いつの間にかマスト細胞が神経質になって、過敏・過剰に働くようになっているのです。
よく育った角質の層がバリアーとなり、化粧品を初め汗や汚れなどが、生きた表皮層に侵入することはないとマスト細胞は信じているので、感知したものは全て異物とみなすからです。しかも今までいろいろなことがあったからでしょう、反応も過剰になってきています。
この疑い深く、神経質なマスト細胞によって免疫機能が働き、私達の、肉体の健康が守られているのですから、無碍(むげ)にすることは出来ません。
働かなくてよいと命令しても聞いてくれませんから、肌が少しずつ育ち度を上げていけるように、当面の間、何とか騒がないようにして貰うより仕方がないのです。
しかし、この“何とか騒がないように”がしばらくの期間、維持できると、マスト細胞は次第に安心し、余り過敏な反応はしないようになります。イザッという時だけ瞬時に活躍する本来の見張り番に戻るわけです。
また、マスト細胞が騒がず炎症反応(免疫反応)が減少すると、肌は順調に育ち度を上げていきます。マスト細胞が騒ぐ原因も実際に少なくなっていくわけです。ますます肌が育つ良い環境が整っていくようになります。肌が育つ好循環に入るのですね。
いかがですか?
過敏に反応するようになった肌の、再生ストーリーを思い描けるようになりましたか?多少のダメージを受けて肌が少々壊れても、すぐに回復し何事もなかったように美しさと強さを取り戻すようになっているのですから……。
読者の皆様もこの状態を作り、維持されるようにしてください。- 「??……それで、具体的にはどうしたらよいの?」
一つは、肌の育ち度を上げ、よく育った角質のバリアーを作っていくことです。
次に炎症が起きるようになった過敏な肌を改善していくケア手順を簡単に紹介します。
参考にして自分の肌に合わせ、あてはめてみましょう。
マスト細胞をおとなしくさせる取組
肌の洗浄
- すすぎ洗顔のみ
- 肌を湿らせ(顔を洗い)十分に肌表層が水分を含み柔らかくなってから、クレンジングクリームで優しいマッサージを行い、すすぎ洗顔する
- クレンジングクリーム+すすぎ洗顔
- クレンジングクリーム+石けん洗顔+すすぎ洗顔
(クレンジングクリームはサッポータイプであることが必須条件)
肌の様子を見ながら、このようなステップで洗浄のレベルを上げていきましょう。特に4.のステップに上げていく時は慎重に判断します。もし過敏な反応が見られたら、すぐに元へ戻し、再びステップアップの機会をうかがいます。
1.のすすぎ洗顔のみでしばらく過ごし、肌がある程度安定してきたら、次に2.のようにして試してみましょう。ある程度肌をふやかして使用すると、異物も侵入しにくいのです。
肌の保湿と保護のケア
最低備えたいスキンケア製品- 化粧水
- 乳液(orクリーム)
- ワセリン(乳液やクリームの代替品)
- プロテクトベース(サッポーの日焼け止め下地)
マスト細胞の騒がしい肌は、肌が育つ環境を意識して作ってあげないと、肌は自力で回復する力が弱い段階にあります。また化粧品がバリア層を超えて肌内部に入りやすい状態なので、いつ炎症反応を起こすかわかりません。反応すればマイナスが大きくなり、反応しなければ早い回復の助けとなります。
反応(赤みや強い刺激等)が少しでも見られたら、直ちに使用をやめ、ワセリンだけを試してみましょう。大丈夫なら、当分ワセリンだけで保湿・保護のケアとします。そして、化粧水や乳液等が利用できるように、ステップアップの機会をうかがいます。
また紫外線に対する対処が必要です。
サッポーの製品でいえば、プロテクトベースが使えたら、これを使用します。しかし、使えない場合は、紫外線を物理的に避ける工夫をします。
このように、肌が育つ環境作りを肌の過敏なマイナス反応に注意しながら、少しずつケアレベルを上げていく方法が、着実で改善期間を短縮する方法です。
以上は、スキンケア対応でした。
しかし、マスト細胞の神経質さは、異物の侵入に対し、信号を発するだけではありません。
冷気や熱・乾燥に紫外線、そして物理的な力の刺激にも反応して信号を出してしまうようになっているケースがあります。とにかく、騒がしいマスト細胞というのは、人一倍神経質だということを意識して付き合う必要があります。
あなただって神経質な怒りん坊さんには、腫れ物に触るように、気を遣うのではありませんか?何と言っても、彼らは正義の戦いをしているつもりなのですから、気障りなことをしてはいけないのです。
元はといえば、あなたがマスト細胞が過敏に働くようにし向けたそもそもの責任者なのですから……。「これくらいなら、文句は言わないだろう」…ではいけません。
今までの判断基準を見直して、「病気になっている肌なんだ!」くらいの気持ちを持って、接してあげることです。
微妙な差が効果を発揮します。冷気や乾燥、そして紫外線や物理的な力の加わりなどは、説明しなくても対処法はお解りですね。
ここでは意外に気づかない、熱に対するマスト細胞の反応を紹介しておきます。それはお風呂です。
入浴する湯温、シャワーの湯温です。
普通読者の皆さんが利用している湯温は、低いケースで40℃、高めだと41℃、高い人は42℃くらいのお湯に浸かっています。断言しておきます。
マスト細胞が過敏に働くようになった肌において、40度を超える湯への入浴やシャワーの利用を続ける限り、けっしてマスト細胞は大人しくなりません。
ここは思い切って、健康法でよく紹介される半身浴に倣い、38~39℃のお湯に浸かる/シャワーを使用するようにしましょう。顔まで浸かるわけではないから、大丈夫!…などと思っていたら、大間違いですからね。
身体で暖められた血液は、顔をめぐるときに冷やされ、体温の異常な上昇を防いでいるのです。
顔に拡がる密な毛細血管網は、熱を集め冷やす為に大働きしているのです。
つまり、その周辺にいるマスト細胞達にとっては、雷や地震に火事が同時に発生したようなものです。マスト細胞の気持ちが少しはわかりましたか?
冬になってから、いきなり38~39℃のお風呂に…とは少し言いにくいのですが、今ならまだ大丈夫ですね。
実行してみたら、38~39℃でも十分に暖まることを発見されると思います。しかし、風邪をひいてもサッポーは責任を持ちません。
自己責任でよろしくお願いします。
2015年6月26日 更新