皆さん「福祉車両」という車をご存知ですか? 怪我や体力の低下など、様々な理由でクルマの乗り降りが困難になった方をサポートする目的で販売されている車両です。国産メーカーから販売されている福祉車両は回転シートや車いすのまま後部スペースへの乗り降りを可能にするスロープ仕様車などが一般的です。しかし、対応車種は少なく、限られた選択肢の中で選択せざるをえないのが現状です。車を買い替えるとなると出費もかなりの額になってしまうのも問題ですしね。
欧州事情
アダプテーションという考え方
では海外の場合はどうでしょう? さまざまなサービスが充実しているスウェーデンを始めとするヨーロッパ諸国では、福祉車両というジャンルのクルマは存在していません。もともと所有しているクルマや自分が選んだクルマに対して必要な機能を追加する“アダプテーション”という考え方が一般的で、自分や家族に合わせてクルマをアップグレードすることがとても身近なんです。そして2014年11月、ミニの世界でもこの”アダプテーション”が山梨県甲府市のMINI甲府でスタートしました。MINI甲府のグループ企業の株式会社ファイブスターにアダプテーション事業部が設立され、ミニの世界でもヨーロッパのような“アダプテーション”がついに可能になったんです。
福祉車両は介助される側、介助する側、両方の負担軽減になります
この記事を読んでいる皆さんの中で、今すぐ福祉車両を必要とする人は多くないとは思います。ただ万一、皆さんやご家族に福祉車両が必要になった際に「今、乗っているミニを福祉車両に改造することもできる」ことを覚えておいてください。また、福祉車両は重いハンディキャップを負っている人のためだけのモノでもありません。足腰が不自由になってきた家族をサポートするため、車の乗り降りをサポートしている方は身近にいませんか? 介助の際に腰を痛めてしまう方が非常に多いのですが、後ほど紹介する回転シートを使用すれば車の乗り降りのサポートが非常に楽になり、介助される方のストレスも軽減されます。
福祉車両への改造
ミニに限らず、今、所有している車を福祉車両に改造できるサービス
今回紹介するアダプテーションはミニだけを福祉車両に改造するサービスではありません。ご自宅にある他の車を改造することも(すべての車に対応しているワケではないですが)可能です。「車を買い替えるより手頃な値段で福祉車両に改造することができる」、「必要な機能を取捨選択」したり、「それぞれの状況に合わせて」福祉車両を作ったりできる…それがアダプテーションです。
オートアダプトは福祉大国、スウェーデン生まれの企業です
ファイブスターが提供するアダプテーションは「オートアダプト」という企業の製品をベースにサービスを提供しています。オートアダプトは1996年にスウェーデンで創業された福祉車両製作のための器具や製品を開発しているメーカーの名前です。その製品は世界50ヶ国で販売され、オートアダプトの製品が採用された数多くの福祉車両が世界中で走っています。車のシートを回転させ、乗降しやすくする製品や、運転席にそのまま乗り降りできる特別な車いす、上半身だけで車の操作ができるコントロールシステム、車いすに乗ったまま車両後部を乗り降りできるシステムなど多岐に渡ります。当然のことながら、福祉車両に改造した車は日本国内の法律にも適合していますので、車検対応となります。
ミニの福祉車両では助手席を回転シートに改造するのが一般的
オートアダプトはあらゆる状況に対応した製品を開発、販売しており、大型車であればどのような状況にも対応できる福祉車両が製作できるでしょう。ただし、車のサイズや室内空間、ドア形状によって製作できる福祉車両の仕様に制限がでてきます。たとえばミニの場合、ボディサイズがコンパクトだったり後部シートが一体型だったりするため、後部座席を回転式シートにするのは難しい状況です。
また、後部座席を取り外したとしても、車いすのまま後部から乗降するのも天井の低さから現実的ではありません。そのため、ミニで福祉車両を製作する際に一般的なのは運転席や助手席を回転式シートにして、乗降しやすくすることです。今までは乗り降りが困難になると他のクルマへの乗り換え、もしくはクルマに乗ること自体を諦める方が多かったと思います。しかし、この後付けできる回転シートシステムのおかげで愛車を末長く、もしくは諦めかけていた憧れのクルマに乗ることも夢ではなくなってきました。下半身が不自由な方がミニの運転席に乗り、運転を楽しむことも、足を使わず両手のみでの運転を可能にするハンドコントロールシステムを導入すれば可能です。オーダーする方の状況に応じて、可能な限り対応を考えてくれるサービスなので、どんなことでもまずは相談してみてください。
ミニへの取り付け
回転シートへの改造には助手席に一定のスペースが必要
今のところ、ミニで福祉車両の製作実績があるのはミニ3ドアとクロスオーバーとなっていますが、おそらく5ドアも可能でしょう。その他、モデルの場合も相談してみてください。介護が必要な方の状況や体格にもよりますが、クーペやロードスターでも可能かもしれません。ミニ3ドアで福祉車両の製作が可能なのは驚きかもしれませんが、ミニ3ドアはミニ5ドアより運転席や助手席のスペースが広く、ドアも広く作られています。そのため、助手席を回転シートにした場合の乗り降りはミニ5ドア以上に余裕を持たせることができます。
また、クロスオーバーより車高が低いため、乗り降りの際の介助も楽だという話もあります。シート高がある車両の場合、回転シートを回しても地面に足がつかないこともありますからね。ちなみに、回転シートを取り付ける際には車体に穴をあけるなど、特別な加工は行いません。そのため、車両を売る際でもノーマルシートに戻せば下取り査定には響きませんし、一部パーツを取り替えれば製作した回転シートを他の車に移すことも簡単です。
回転シート式の福祉車両を製作できるかどうかのポイントは、「シートを回転させることができる充分なスペースが確保できるのか」です。これは座席のスペースだけではなく、ドアの形状の問題も出てきます。ミニの場合、Bピラーから下へと下りるドアフレーム形状が直線に近く、フレームが乗り降りの際に邪魔になることはありません。こういった車の場合は回転シートを取り付けることができますが、ドアフレームの下部が曲線を描いている場合、乗り降りが難しくなることもあります。車の種類によって、どのような改造ができるのか、まずは相談してみてください。オートアダプトは既成品を組み合わせて福祉車両を手頃な価格で製作できるサービスですが、ほとんどの場合オーダーメイドの作業が行われています。
また、福祉車両は今、お住まいの地域によっては行政から補助金を受けることができる場合があります。補助金の条件や内容は地域によって違いますが、福祉車両が必要になった場合は最寄りの行政機関に確認してみてください。
作業工程
ミニ3ドアの助手席を回転シートに改造する作業工程が下記で確認できます。どのような作業を経て製作されるのか、どのように回転シートが動くのか、映像でご確認ください。
上記、回転シートの製作費は
- 手動回転シート:483,000円~
- 電動回転シート:594,000円~
オートアダプトの相談窓口
株式会社ファイブスター 福祉車両事業部
というわけで、BMW・ミニの購入を検討している方は、実際にディーラーへ行く前、またはディーラーですでに試乗、見積りをした後でも、ネットで愛車の無料下取り見積りをしておくとよいでしょう。
BMWやミニは性能も立派ですが、価格も立派ですからね。
下取額はしっかり吟味しておきたいものです。
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