アトピー肌の保湿にはワセリンを効果的に使おう!

安価で優秀、ワセリンの魅力とは?

ワセリンは石油からつくられた“鉱物油”です。

石油が原料と聞くと、「そんなものを肌に塗って大丈夫なのか?」と考える方もいらっしゃると思います。
実際、大正から昭和の鉱物油の精製技術もそれほど高くなかった頃に、石油由来の化粧品で肌トラブルを起こす人が多かったことから、今でも石油から精製されているものに良い印象を持てない方もいるでしょう。

ですが、現在は技術も進歩しており、純度の高いワセリンは顔に塗っても安全になり、絶大な保湿効果をもたらしてくれるのです。
今回はそんなワセリンについて紹介します。

4種類のワセリン、何が違うの?

ワセリンは精製度の差によって大きく4種類があり、精製度が高い順にサンホワイト、プロぺト、白色ワセリン、黄色ワセリンに分類されます。

一般的に、精製度が高いワセリンの方が純度が高く、肌への刺激が少なくなっています。
そのため、肌に余計なダメージを与えることなく、高い保湿効果を得ることができるのです。

精製度が高くなるほど値段も高くなってしまいますが、肌トラブルも起きにくいので、デリケートな肌トラブルで悩んでいる方は、黄色ワセリンのような純度の低いものではなく、サンホワイトやプロペトなどの純度が高い商品を使うようにしてください。

ワセリンを肌に塗って安全なの?

昔、ワセリンの使用により肌トラブルを起こした方が多くいた時期がありました。
しかし、その多くの原因はワセリン自体の成分ではなく、ワセリンの精製時に混ざってしまう“不純物”や“石油防腐剤”によって引き起こされる接触性皮膚炎でした。

しかし、現在では規制も厳しくなり、ワセリンに不純物や石油防腐剤などが入らないように厳重にチェックされ、安全性もぐんと高まっています。
そのため、近年では正しく使うことができれば、ワセリンを肌に使ってもトラブルを起こしてしまうことは少ないです。

ワセリンがもたらす絶大な保湿効果

一般的に保湿剤としてしようされるものは、セラミドや尿素のような肌を潤わせる成分が含まれていることが多いです。
その一方で、ワセリンには潤い効果はなく、肌に新しく水分を与えることはありません。

それなのになぜワセリンが高い保湿効果を発揮するのかというと、皮脂の代わりに肌の表面に膜を張ることで、身体の水分を外に出さないようにしてくれるからです。
つまり、実際には肌の含水率が高まるわけではありません。ワセリンの効果は、あくまで“肌に水分を保つこと”です。

そのため、ワセリンは入浴後の肌が潤っているときなどに使うことで高い効果を発揮します。

ワセリンを使うメリット

肌に水分を取り込ませ、潤いを与える保湿剤はたくさんあります。
それらに比べて、肌を潤わせることができないワセリンを使うことには、どんなメリットがあるのでしょうか?

まず、大きなメリットとして、水をはじく効果が挙げられます。

例えば、保湿クリームのほとんどは、塗ったあとに水仕事などをすると、水に触れることでせっかく保湿した肌から流れてしまいます。
しかし、ワセリンは“油”なので水をはじいてくれるため、手を洗っても流れ落ちることがなく、ずっと水分が体外に出ていくのを防いでくれます。

また、一般的に天然由来の保湿剤は大量生産が難しく、合成保湿剤よりも値段がかかってしまいます。
しかし、ワセリンは石油からつくられる天然の鉱物油でありながら、とても安価で手に入れることができます。

天然由来でどこでも手軽に購入ができ、長持ちするという点でほかの保湿クリームと比べ、ワセリンが優れていると言えるでしょう。

ワセリンを正しく塗って効果的な保湿を

肌に塗ることで絶大な保湿効果を発揮してくれるワセリンですが、実は使い方によっては、まったく効果を発揮しない場合もあります。
きちんと効果を発揮させるため、ワセリンを上手に使うポイントをご紹介しましょう。

①薄く均等に塗る

ワセリンは塗りムラがないように、均等に薄く塗ることを心がけてください。
厚く塗ってしまうと、それが肌トラブルの原因になったり、洗い流す際にワセリンが肌に残ってしまうことがあります。

また擦るように塗るのではなく、やさしく塗るようにしましょう。
特に、アトピーの方は肌が敏感になっているため、刺激を与えることで症状が悪化してしまうこともあるので注意してください。

②手で温めて柔らかくしてから塗る

気温が低くなるとワセリンは硬くなる性質があります。
そのため、そのまま塗ろうとすると保湿剤が伸びにくく、塗りムラになったり、肌に刺激を与えたりしてしまう恐れがあります。

冬などにワセリンが固くなってしまった場合は、人肌程度の温度でもやわらかくなるので、塗る前に指先で練って温め、十分にやわらかくなってから塗るようにしましょう。

また、外出先から帰ったあとなど、手に雑菌が残っている状態でワセリンを塗ると、それが肌に塗ったワセリンでそれが繁殖してしまい、肌トラブルの原因になる可能性があります。
ワセリンを患部に塗るときには、入浴後や手を洗ったあとなど、清潔な手で塗ることを心がけてください。

③肌が潤っているときに塗る

ワセリンは肌に潤いを与えてくれるのではなく、潤いを逃がさないように蓋をしてくれるものです。
そのため、ワセリンはお風呂上がりなど、肌が潤っているときに使いましょう。

もし、肌が乾燥している状態の場合は、化粧水などを使って肌の水分を十分に補い、その上からワセリンをごく少量手に取って、膜を張るように塗ると、高い保湿効果を期待できます。

赤ちゃんの肌にもワセリンは使える?

石油由来の商品であることから、赤ちゃんや子供にワセリンを使うことに抵抗があるひも多いと思います。
しかし、純度の高いワセリンであれば、赤ちゃんのデリケートな肌に使うこともできるのです。

赤ちゃんの肌はとてもデリケートなので、乳児湿疹やアトピーになりやすく、肌のケアや保湿はとても大切です。そのため、最近では子供に使用することを前提に開発された、さらに刺激を抑えたワセリンも販売されています。
そのような製品であれば、万が一赤ちゃんがワセリンを舐めてしまっても、身体に害がないようにつくられているので、安心して使えるのが魅力です。

赤ちゃんの肌にワセリンを使うときは、お風呂上りなどのタイミングにやさしく塗ってあげてください。
使う量はごくわずかにし、触ってみてベタつかない程度に薄く塗ることが望ましいです。

ワセリンにもデメリットはあるの?

ワセリンは皮膚に蓋をしてくれるため、水分が蒸発することを防いでくれます。
しかし、肌に蓋をしている分、そこに熱がこもりやすくなってしまい、肌にかゆみを覚える場合があります。

また、ワセリンはかなり粘りが強いため、使ったときに患部がとてもベタベタしてしまいます。
ワセリンはとても便利な商品ですが、このベタベタを嫌がって使うことを避けている方もやはり多いです。

以前は、ワセリンを塗った箇所に紫外線が当たると油やけが起こるという話もありましたが、精製技術が進歩した今では、そのようなことはほとんど起こらなくなりました。
ですが、古くなって酸化したワセリンを使うと、油やけが起こる可能性もあるので、保管方法には十分注意してください。

保湿だけじゃないワセリンの用途

肌に塗ることで高い保湿効果を発揮するワセリンですが、実は保湿以外にも、さまざまな場面で活躍してくれます。
ここからは、ワセリンの保湿剤として以外の使い方をご紹介したいと思います。

傷口の止血とバリアに

切り傷や擦り傷などの小さく浅い傷口であれば、ワセリンを多めに塗れることで、止血効果が望めます。
また、ワセリンを塗ることで水はじいてくれるほか、細菌の侵入も防ぐことができるので、きちんとした治療を受けるまでの応急処置として使用すると、症状の悪化を防ぐことができるでしょう。

また、火傷や切り傷を負った際に塗ることで、感染症や破傷風の予防が期待できます。

花粉症を予防するフィルターに

春先などに悩む人の多い花粉症にもワセリンを有効活用することができます。
花粉の時期になったときに、ワセリンを鼻の穴に塗っておけば、鼻の粘膜に花粉が付着するのを防ぐコーティング効果を期待することができます。

もし、特定の季節にくしゃみや鼻水が止まらないなどの花粉症の症状を覚えている方は、その季節にワセリンを試してみると、劇的にその症状を緩和してくれる可能性があります。

靴擦れ防止に

靴と足の摩擦によって起こる靴ずれの予防にも、ワセリンが効果を発揮してくれます。

ワセリンはその粘りによって摩擦を軽減する効果があります。
そこで革靴やヒールなどを履く前に、靴擦れを起こしやすいかかとやくるぶしの辺りにワセリンを薄く塗っておくと、靴擦れ防止の役目をしてくれるでしょう。

ワセリンを上手に使って効果的なアトピーケアを

さまざまな場面で活躍してくれるワセリン。
アトピーや乾燥肌に対する保湿ケアだけでなく、これだけたくさんの用途があるのならば、一家に一つワセリンを置いておくと、便利かもしれません。

また、ワセリンは薬ではないので、肌との相性に個人差ありますが、基本的に副作用が起こる心配はありません。
そのため、お医者さんの診断がなくても安心して使うことができます。

ワセリンは使い方次第で肌トラブルへのとても強力な味方になってくれます。
上手に使うことでアトピーなどの症状が緩和されると良いですね。