馬渕知子先生による美しくなる処方箋コーナー。健康食品にもスキンケアにも精通した内科学・皮膚科学のスペシャリストが、体の内側と外側からの賢いケアを具体的に解説します。
毛穴対策は夏前からがベスト!
一年を通して「毛穴」を気にされている方は多いかと思いますが、実は夏に向けてのこの時期は、毛穴ケアにとって最も大切な季節と言えるのをご存知でしょうか?
これから夏にかけ湿度や気温が徐々に高くなっていくと、毛穴は開き、毛穴の開きやテカリがくっきりと浮き上がってくる可能性があります。また、毛穴に汚れも詰まり易くなり、黒ずみが目立つようになるばかりか、詰まった汚れや皮脂の影響でさらに毛穴が拡大する危険も高い時期なのです。さらに、新しい環境でのストレスや生活習慣の変化、食生活の乱れなどが拍車を駆ける可能性もあります。
つまり、春から初夏に向けてのこの時期が、毛穴の今後を左右するといっても過言ではないくらいなのです。この時期に毛穴ケアを怠れば、メイクでは隠せないぐらいの深刻な状況になりかねません。
毛穴は一度、目立つようになってしまうと、元の状態にするのは難しいもの。日頃からの毛穴ケアに加えて、この時期には、ちょっとしたアイテムや毛穴ケアの成分を上手く利用することが、いつでも毛穴の目立たない美しい肌を保つ秘訣のひとつになるはずです。
どうして毛穴は目立つようになるの?
歳を経るにつれ、存在感が大きくなる「毛穴」。毛穴はどうして目立つようになるのでしょうか?
顔には約20万個もの毛穴が存在しています。特にTゾーンと呼ばれる部分は、他に比べて7倍近くも毛穴が多いと言われています。
一般的には、ひとつひとつの毛穴の大きさは約0.2ミリ程度と見た目には分からないくらいの大きさです。しかし、様々な原因によって毛穴に詰まりができ、広がってくることで目立ってくるのです。
その中でも、毛穴の大きな原因として覚えておきたいのが「皮脂の過剰分泌」と「皮脂の排出低下」です。食生活の乱れやホルモンバランス、間違ったスキンケアなどで皮脂の量が増え、まずは毛穴が押し広げられます。また、皮脂が上手く排出されず溜まってくれば、ブツブツした角栓として目立ってくるだけではなく、ゴミや老廃物も一緒に溜まって黒ずみに。
さらに悪いことには、時間が経って酸化された皮脂が毛穴周囲の細胞にダメージを与え、細胞の成長に影響を与える可能性があるのです。皮膚細胞が上手く入れ代わらなければ、細胞の数は減りドンドンと毛穴が大きくなっていく危険性があります。酸化することで発生した活性酸素は、周囲のメラニン色素を刺激して黒ずみを悪化させてしまうことも考えられます。
つまり、皮脂の過剰な分泌を抑え、また、皮脂の排出を促すこと。そして、溜まった余分な皮脂は残さないことが大切なのです。
毛穴のタイプは大きく分けて3種類!
一言に「毛穴」と言っても、肌の状態や年齢で毛穴タイプも様々です。自分の毛穴がどんなタイプなのか知ることが、毛穴の予防&改善のための基礎でもあるので、ここで幾つかの代表的な毛穴をご紹介してみましょう。
≪詰まり毛穴≫
毛穴に詰まった白いポツポツしたものを「角栓」と呼びますが、この角栓が目立ってくるのが「詰まり毛穴」です。
角栓の多くは、毛穴部分の剥がれかけた角質に皮脂やお化粧品などの油脂成分が付着し、そのまま放置されたり酸化したりすることでできます。
年齢的には10代~20代前半、特に思春期などは性ホルモンのバランスの影響で皮脂分泌が盛んになり、詰まり毛穴が目立ってくることも多いです。
角栓をそのまま放っておけば、さらに角質やお化粧品などが付着。汚れも一緒になって黒ずむだけではなく、ますます大きな角栓へと成長していく可能性がありますから、小さなうちからしっかりケアしておくことが大切です。
≪開き毛穴≫
名前の通り、毛穴が大きく広がり目立つようになったのが「開き毛穴」です。
ある日突然、自分の顔をよく見たらボツボツと毛穴が目立っていた、などという声を聞きますが、開き毛穴は急にできるものではありません。
角栓をそのままにすることで、皮脂がどんどんと増えで毛穴を押し広げていきます。さらに、皮脂やお化粧品などの油成分は時間が経つことで酸化し周囲の細胞にダメージを与えます。ダメージを受けた肌細胞は成長やターンオーバーに問題が生じ後退していくことで、毛穴がさらに大きくなっていく可能性があるのです。
20代、30代は皮脂の分泌量も多く、毎日のお化粧、ストレスなど加わりも皮脂が蓄積されやすい年頃。それにも関わらず、若さで安心してしまう方、忙しさからスキンケアを怠る方を見かけますが、角栓が目立って来たころからの毛穴ケアが非常に重要です。
≪たるみ毛穴≫
毛穴をよく見ると楕円形やいびつな形をしていることがあるかと思いますが、これがいわゆる「たるみ毛穴」。特に、小鼻の脇から頬にかけて多く見られると言われています。
もともとの大きくなってしまった毛穴だけではなく、顔全体の毛穴が加齢によってたるんでいく肌に引っ張られるように広がってしまうのが「たるみ毛穴」の大きな原因です。
つまり、毛穴自体にも問題はありますが、老化現象のひとつとも考えられるのがたるみ毛穴です。
30代後半~40代以降は、気を付けていないと肌の張りを保っていたコラーゲンやエラスチンの新陳代謝や機能が低下してきます。さらに、乾燥しやすくなるなど、肌のたるみの要因は増えるばかり。
毛穴ケアに加えて、肌内部のメンテナンスも忘れないことが大切です。
正しい毛穴ケア知っていますか?
毛穴ケアは、毛穴タイプによっても違ってきますし、洗顔や毛穴パックだけでは不十分。逆に、毛穴を悪化させる危険性さえあります。毛穴ケアは、洗顔~保湿まで、そして内側からのケアも同時にすることが大切なのです。そこで、幾つか毛穴ケアのポイントをご紹介します。
≪重曹パウダー配合化粧品≫
毛穴ケアで重要なポイントのひとつが「余分な皮脂を残さないこと」。そして「毛穴の洗浄」です。また、角栓が成長しないようにすることが毛穴ケアの基本ですから、毎日の洗顔などに角質除去効果の高い重曹パウダー配合化粧品を上手く取り入れることがオススメです。重曹は、量を間違える、つけっぱなしにするなどすると健康な肌細胞が痛んでしまうことがあるので、使うときは注意が必要。既に重曹パウダーなどが入っている洗顔剤などを選ぶと良いはずです。
重曹とは、炭酸水素ナトリウムと呼ばれる天然物質で、ベーキングパウダーやキッチンクリーナーなどにも使用されています。水に溶かすとアルカリ性を示し、酸化して古くなった皮脂やお化粧品などの油成分を中和しながら洗浄する働きがあると言われています。また、この中和作用はお肌の角質などにも働き、毛穴にこびりついた角質除去のサポート役として期待が持てます。
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≪植物性オイル≫
数多くの植物性成分がありますが、その中には毛穴ケアにピッタリの植物性オイルが幾つもあります。
例えば、角栓の予防に役立つアボカドオイル、肌の潤いを保ちながら酸化の予防にも役立つセサミオイルやグレープシードオイル、毛穴の開きやたるみ予防のサポートになるアーチチョーク葉エキスなどなど。
その他にも、植物性オイルやエキスなどには毛穴の予防や改善に期待が持てるものがたくさんあるので、自分に毛穴タイプにあった植物性成分をスキンケアに取り入れてみるのも良いでしょう。
≪運動≫
毛穴を掃除する良い方法の1つが「汗を流すこと」。汗は内側から毛穴を洗浄してくれます。また、古い角質を剥がし流すだけではなく、血行が良くなることで皮膚の新陳代謝を促すことにも期待が持てます。
毎日、ジョギングやヨガなどで汗を流すもの良いですし、お風呂やサウナなどを利用するのも良いでしょう。
≪食事≫
毛穴は肌の新陳代謝の低下や乾燥することでも悪化し目立つようになります。また、たるみ毛穴などはコラーゲンやエラスチンの減少や機能低下で目立つようになりますから、若々しい健康的な肌を保つための食生活は不可欠です。
毛穴が開いていることに悩んでいる方には、特にビタミンAやビタミンEなどの摂取がオススメ。ビタミンA(β-カロテンやリコピンなど)は皮膚の新陳代謝を高める働きが。ビタミンEは8種類ありますが、そのうちのトコトリエノールは、肌の表層の酸化を防ぎ、血行促進して代謝を促し、保湿もしてくれる優れた働きを持っていると考えられています。目立つ毛穴にも作用するだけではなく、シワの改善、しみを防ぐといった肌の美容美白効果もありますから嬉しいビタミンです。
食物では、緑黄色野菜やアボカド、ナッツ類、カボチャ、ゴマ、大麦油などに多く含まれています。
たるみ毛穴であれば、コラーゲンがオススメ。摂取したコラーゲンは材料となるだけではなく、肌の中でハリを保つために働いているコラーゲンやエラスチンを活性化させることでも、プルプル肌の維持とたるみ毛穴の予防に期待が持てるのです。
馬渕知子先生プロフィール
マブチメディカルクリニック医院長。内科医、皮膚科医。東京栄養食糧専門学校副校長。東京医科大学医学部卒業。東京医科大学病院に勤務後、マブチメディカルクリニックを開院。内科学・皮膚科学専門だが、あらゆる科との提携を結び、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。親しみやすい人柄でTV、雑誌など数多くのメディアで活躍中。