医薬品情報
添付文書情報
| 販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|---|---|---|---|---|
| Giotrif Tablets 20mg | 日本ベーリンガーインゲルハイム | 4291030F1020 | 5840.7円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 | |
| Giotrif Tablets 30mg | 日本ベーリンガーインゲルハイム | 4291030F2027 | 8547.4円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 | |
| Giotrif Tablets 40mg | 日本ベーリンガーインゲルハイム | 4291030F3023 | 11198.5円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 | |
| Giotrif Tablets 50mg | 日本ベーリンガーインゲルハイム | 4291030F4020 | 12760円/錠 | 劇薬 , 処方箋医薬品 |
警告
本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、添付文書を参照して、適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った症例があること等に関する情報)を十分に説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。[「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
禁忌
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果及び用法・用量
効能効果
EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌
効能効果に関連する使用上の注意
EGFR遺伝子変異検査を実施すること。EGFR遺伝子変異不明例の扱い等を含めて、本剤を投与する際は、日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン」等の最新の情報を参考に行うこと。
本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
がん化学療法歴等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。
用法用量
通常、成人にはアファチニブとして1日1回40mgを空腹時に経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回50mgまで増量できる。
用法用量に関連する使用上の注意
副作用が発現した場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮し、休薬、減量又は中止すること。[「重大な副作用」の項参照]
| 副作用のグレード注1) | 休薬及び減量基準 |
| グレード1又は2 | 同一投与量を継続 |
| グレード2(症状が持続的注2)又は忍容できない場合)若しくはグレード3以上 | 症状がグレード1以下に回復するまで休薬する。回復後は休薬前の投与量から10mg減量して再開する注3)、4)。 |
1日1回40mgで3週間以上投与し、下痢、皮膚障害、口内炎及びその他のグレード2以上の副作用が認められない場合は1日1回50mgに増量してもよい。
食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため食事の1時間前から食後3時間までの間の服用は避けること。[「薬物動態」の項参照]
他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
使用上の注意
慎重投与
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性がある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
重度の肝機能障害のある患者[安全性は確立していない。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」、「薬物動態」の項参照)]
重度の腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
心不全症状のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
左室駆出率が低下している患者[症状が悪化するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
重要な基本的注意
間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。
ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
心不全等の重篤な心障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前には患者の心機能を確認すること。また、本剤投与中は心症状の発現状況・重篤度等に応じて適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率の変動を含む)を十分に観察すること。
相互作用序文
本剤はP-糖蛋白(P-gp)の基質である。また、in vitro試験において、本剤は乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であること、及び本剤の代謝への肝薬物代謝酵素P-450の関与は低いことが示唆された。[「薬物動態」の項参照]
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
薬物代謝酵素用語
併用注意
| P-糖蛋白阻害剤: リトナビル、イトラコナゾール、ベラパミル等 | 本剤20mgの投与1時間前にP-糖蛋白の阻害剤であるリトナビルを投与したときの本剤のAUC0-∞及びCmaxは48%及び39%上昇した[1]。一方、本剤40mgとリトナビルを同時併用したとき、AUC0-∞及びCmaxの上昇はそれぞれ19%及び4%、本剤投与6時間後にリトナビルを併用投与したときにはそれぞれ11%及び5%であった[2]。 本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が高まるおそれがあることから、P-糖蛋白阻害剤と併用する場合は、本剤投与と同時又は本剤投与後に投与すること。 | 本剤はP-糖蛋白の基質であり、本剤服用前にP-糖蛋白阻害剤を投与すると、併用により本剤の血中濃度が上昇することがある。 |
| P-糖蛋白誘導剤: リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort)等 | 本剤40mg服用前にP-糖蛋白の誘導剤であるリファンピシンを投与したとき、本剤のAUC0-∞及びCmaxは、それぞれ34%及び22%低下した[3]。 本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがある。 | 本剤はP-糖蛋白の基質であり、併用により本剤の血中濃度が低下することがある。 |
副作用
副作用発現状況の概要
化学療法未治療のEGFR遺伝子変異を有する非小細胞肺癌患者を対象とした国際共同第III相臨床試験において、安全性評価対象229例(日本人54例を含む)中228例(99.6%)に副作用が認められ、主な副作用は、下痢218例(95.2%)、発疹141例(61.6%)、爪囲炎130例(56.8%)等であった。(承認時)
化学療法既治療の非小細胞肺癌患者を対象とした国内第I/II相臨床試験の第II相部分において、安全性評価対象62例中全例(100.0%)に副作用が認められ、主な副作用は、下痢62例(100.0%)、発疹52例(83.9%)、爪囲炎42例(67.7%)、口内炎40例(64.5%)等であった。(承認時)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
間質性肺疾患(3.1%)
間質性肺疾患(間質性肺炎、肺浸潤、肺臓炎、急性呼吸窮迫症候群、アレルギー性胞隔炎等)があらわれることがあり、死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。
重度の下痢(27.3%)
重度の下痢があらわれることがある。また、重度の下痢に伴って脱水症状をきたし、急性腎不全に至った症例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うとともに、本剤の休薬・減量又は投与中止を考慮すること。
重度の皮膚障害(22.7%)
重度の発疹、ざ瘡等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬・減量等の適切な処置を行うこと。なお、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること。
肝不全(頻度不明注5))、肝機能障害(6.3%)
ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、肝不全により死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の休薬・減量又は投与中止など、適切な処置を行うこと。
心障害(0.8%)
左室駆出率低下があらわれ、心不全等の重篤な心障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明注5))
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑等の重篤な水疱性・剥脱性の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
消化管潰瘍、消化管出血(頻度不明注5))
消化管潰瘍、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
急性膵炎(頻度不明注5))
急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
非小細胞肺癌患者を対象とする臨床試験において日本人患者に認められた発現頻度に基づいて記載した。
注5)海外臨床試験にて報告された副作用あるいは国内自発報告であるため頻度不明
その他の副作用
| 10%以上又は頻度不明 | 1%以上10%未満 | 1%未満 | |
| 皮膚及び皮下組織障害注6) | 全身性発疹・斑状丘疹性及び紅斑性皮疹(88.3%)、爪囲炎(74.2%)、皮膚乾燥(38.3%)、ざ瘡(19.5%)、そう痒症(10.9%) | 爪の障害、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚剥脱、皮膚亀裂、ざ瘡様皮膚炎、ひび・あかぎれ、過角化、嵌入爪、色素沈着障害、皮膚色素過剰、皮膚潰瘍、脱毛症、多毛症 | 膿痂疹、脂漏性皮膚炎、紅斑、後天性魚鱗癬 |
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 筋痙縮 | 背部痛、筋力低下、肋骨痛、肩痛、筋肉痛、シェーグレン症候群、開口障害 | |
| 神経系障害 | 味覚異常(16.4%) | 頭痛、感覚鈍麻 | 振戦、末梢性感覚ニューロパチー |
| 眼障害注7) | 結膜炎(14.8%) | 角膜炎、眼乾燥、眼脂、白内障、眼瞼炎、睫毛乱生 | 硝子体剥離、結膜出血、角膜びらん、後天性涙腺炎、眼痛、眼瞼障害、虹彩毛様体炎、網膜変性、霧視 |
| 耳及び迷路障害 | 耳鳴 | ||
| 精神障害 | 不眠症 | 不安、激越 | |
| 胃腸障害 | 下痢(98.4%)、口内炎(71.1%)、悪心(28.9%)、口唇炎(26.6%)、嘔吐(20.3%) | 舌炎、歯肉炎、口唇症、口内乾燥、胃炎、腹部膨満、上腹部痛、腹痛、消化不良、肛門周囲痛、肛門の炎症、痔核 | 口唇乾燥、口唇腫脹、食道炎、腹部不快感、心窩部不快感、腸炎、小腸炎、大腸炎、肛門周囲炎、便秘 |
| 生殖系及び乳房障害 | 萎縮性外陰腟炎 | ||
| 代謝及び栄養障害 | 食欲減退(46.9%) | 脱水、低カリウム血症、高尿酸血症 | 低ナトリウム血症 |
| 心臓障害 | 上室性期外収縮 | ||
| 血管障害 | 高血圧 | 低血圧、ほてり、血栓症 | |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 鼻出血(23.4%)、鼻の炎症(14.1%) | 発声障害、鼻漏、しゃっくり、口腔咽頭不快感 | 鼻閉、鼻乾燥、口腔咽頭痛、湿性咳嗽 |
| 腎及び尿路障害 | 腎機能障害注5) | 蛋白尿、尿中血陽性 | 排尿困難、血尿 |
| 感染症及び寄生虫症 | 膀胱炎、蜂巣炎、毛包炎、感染症(皮膚、尿路、鼻、咽頭、気管支、耳、爪)、真菌感染症(皮膚、足部) | ウイルス感染、帯状疱疹、鼓膜炎、敗血症 | |
| 血液及びリンパ系障害 | 白血球減少症、リンパ球減少症、好中球減少症、好酸球増加症、貧血 | 鉄欠乏性貧血 | |
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 疲労(25.0%)、粘膜の炎症(20.3%) | 発熱、倦怠感、浮腫、末梢性浮腫、粘膜乾燥、粘膜障害 | 胸部不快感、悪寒、顔面浮腫、炎症 |
| 臨床検査 | 体重減少(25.8%)、肝機能検査値異常(AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等)(11.7%) | 血中クレアチニン増加、総蛋白減少、尿中白血球陽性、CK(CPK)上昇、血中ビリルビン増加、血中乳酸脱水素酵素増加、血中尿素増加、血中アルブミン減少 | アミラーゼ増加、トロポニンT増加、血中アルカリホスファターゼ増加、CK(CPK)-MB上昇、心電図T波逆転 |
| 傷害、中毒及び処置合併 | 挫傷、創し開 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[「薬物動態」の項参照]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、妊娠可能な婦人には、適切な避妊を行うよう指導すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験で黄体数、着床数及び生存胎児数の減少並びに着床後胚損失の増加(ラット)、胎児体重の減少、矮小児、四肢の弯曲、大動脈弓及び右又は左頚動脈における過剰血管並びに矮小精巣等の変異(ウサギ)が認められている。]
授乳中の婦人には投与することを避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験で乳汁中へ移行することが認められている(ラット)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
海外の第I相臨床試験において、本剤160mgを1日1回3日間及び本剤100mgを1日1回14日間経口投与したときの主な副作用は、皮膚症状(発疹/ざ瘡)と消化管症状(特に下痢)であった。本剤360mgを単回経口投与したときの主な副作用は、悪心、嘔吐、無力症、浮動性めまい、腹痛、アミラーゼ増加であった。
本剤の過量投与に対する特異的な解毒剤はない。過量投与が認められた場合には、本剤を休薬し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
本剤は湿気と光に不安定なため、未使用の場合はアルミピロー包装のまま保存し、開封後は湿気と光を避けて保存すること。また、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
その他の注意
細菌を用いた復帰突然変異試験において、陽性が認められているが、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験、Mutaマウスを用いた遺伝子突然変異試験並びにラットを用いた小核試験及びコメットアッセイでは陰性であった。
薬物動態
血中濃度(日本人のデータ)
単回投与及び反復投与
日本人非小細胞肺癌患者12例に本剤20、40、50mgを空腹時(服薬前2時間及び服薬後1時間は絶食)単回経口投与若しくは1日1回28日間反復経口投与したときの血漿中未変化体の薬物動態パラメータ及び血漿中未変化体濃度推移を以下に示す。AUC0-∞及びCmaxは、本剤20〜50mgの範囲で用量比をわずかに上回って増加する。投与開始後8日目には定常状態に到達していると考えられ[4]、本剤の累積係数はAUC0-∞では2.8、Cmaxでは2.1であった。
表 本剤経口投与後のアファチニブの薬物動態パラメータ
| 単回投与 | 反復投与 | ||||||
| 幾何平均値(% gCV)a) | 20mg N=3 | 40mg N=3 | 50mg N=6 | 幾何平均値(% gCV)a) | 20mg N=3 | 40mg N=3 | 50mg N=5 |
| AUC0-24[ng・h/mL] | 147(84.5) | 299c)(6.01) | 539(59.0) | AUCτ,ssd)[ng・h/mL] | 409(16.5) | 1240(9.73) | 1010(71.5) |
| Cmax[ng/mL] | 12.4(101) | 18.9(45.8) | 44.4(60.6) | Cmax,ss[ng/mL] | 26.9(24.9) | 83.3(30.1) | 66.8(71.6) |
| tmaxb)[h] | 3.87(3.00-4.98) | 4.05(2.00-8.95) | 3.00(2.02-4.95) | tmax,ssb)[h] | 3.97(2.92-4.95) | 2.97(1.98-4.02) | 3.00(0.983-5.03) |
| t1/2[h] | 21.3(63.1) | 37.9c)(24.9) | 14.8(20.0) | t1/2,ss[h] | 38.5(14.4) | 40.4(11.9) | 33.5(22.2) |
図 本剤経口投与後の血漿中アファチニブ濃度推移(算術平均±SD)
食事の影響(外国人のデータ)
固形癌患者に本剤40mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与に比べてAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ39及び50%低下した[5]。
分布
ヒトにおけるin vitro血漿蛋白結合率は95%であった[6]。本剤はヒト血清アルブミン及びα1-酸性糖蛋白(AAG)と結合し、AAGとの結合は蛋白質濃度に依存していた[7]。また、ヒトin vitroにおける14C標識アファチニブの血球移行(Cc/Cp)は、1.02〜2.21であった[6]。また、in vitroにおいて本剤はP-糖蛋白(P-gp)及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であることが示唆されている[8][9][10]。
代謝
アファチニブはin vivoにおいて酵素を介する酸化的代謝はほとんど受けず、血漿中の主要な代謝物は蛋白質との共有結合付加体であった[11]。
排泄(外国人のデータ)
14C標識アファチニブ15mg溶液を健康成人に経口投与したとき、投与放射能の85.4%が糞便中に、4.3%が尿中に排泄された[12]。回収された放射能の約88%(糞便中:85.6%、尿中:2.5%)が未変化体であった[11]。
肝機能障害(外国人のデータ)
軽度(Child-Pugh分類A)又は中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害者に本剤50mgを単回経口投与したとき、健康被験者と比較して曝露量に有意な変化はみられなかった[13][14]。重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者における薬物動態は検討されていない。
腎機能障害
中等度並びに重度腎機能障害被験者(各8例)に本剤40mgを単回投与した場合、腎機能正常被験者(各比較対象群に対してそれぞれ8例)に比べて中等度腎機能障害(eGFR:30〜59mL/min/1.73m2)を有する群ではAUC0-lastは22.2%(90% CI:95.7、156.0)、Cmaxは1.2%(90% CI:72.9、140.3)の上昇が認められ、重度腎機能障害(eGFR:15〜29mL/min/1.73m2)を有する群では、AUC0-lastは50.0%(90% CI:105.3、213.7)、Cmaxは21.7%(90% CI:90.8、163.2)の上昇が認められた(外国人のデータ)。
また、本剤単独投与を受けた癌患者927例(血漿中アファチニブ濃度4460時点)を対象に母集団薬物動態解析を実施し、内因性要因及び外因性要因が本剤の薬物動態に及ぼす影響を評価した[13][15]。癌患者927例のうち、軽度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス50mL/min以上80mL/min以下)は528例(2051時点)、中等度の腎機能障害患者(30mL/min以上50mL/min未満)は161例(554時点)、重度の腎障害患者(30mL/min未満)は10例(21時点)であった。クレアチニンクリアランスが79mL/min(中央値)の患者と比較して、60mL/min及び30mL/minの患者ではAUCτ,ssはそれぞれ13%及び42%の上昇、90mL/min及び120mL/minの患者ではそれぞれ6%及び20%の低下が示された。
※承認された用法・用量は、「通常、成人にはアファチニブとして1日1回40mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回50mgまで増量できる。」である。[「用法・用量」の項参照]
臨床成績
国際共同第III相臨床試験成績(LUX-Lung 3)
化学療法未治療のEGFR遺伝子変異(Exon19の欠失変異(Del19)、Exon21のL858R変異等)陽性の非小細胞肺癌(腺癌)患者を対象に、本剤40mgを1日1回空腹時(食事の1時間以上前又は食後3時間以降)投与した際の有効性及び安全性について、ペメトレキセド+シスプラチン(PEM+CDDP)の併用療法を対照として評価した。有効性評価対象例は345例(本剤群230例、PEM+CDDP群115例)であり、このうち83例(本剤群54例、PEM+CDDP群29例)が日本人であった[16]。
主要評価項目である独立判定委員会判定による無増悪生存期間(PFS)の中央値は、本剤群で11.1カ月、PEM+CDDP群で6.9カ月であり、本剤群のPFSはPEM+CDDP群と比較して有意に延長した(ハザード比0.58、95%信頼区間:0.43-0.78、p値=0.0004、両側層別ログランク検定)。また、EGFR遺伝子変異の種類(Del19、L858R、その他)別による部分集団解析の結果は、下表のとおりであった。
図 無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
表EGFR遺伝子変異の種類別によるPFS(中央値)の結果
| EGFR遺伝子変異 | 本剤群 | PEM+CDDP群 | ハザード比 | 95%信頼区間 |
| Del19 | 13.7カ月 (n=113) | 5.6カ月 (n=57) | 0.28 | 0.18-0.44 |
| L858R | 10.8カ月 (n=91) | 8.1カ月 (n=47) | 0.73 | 0.46-1.17 |
| その他 | 2.8カ月 (n=26) | 9.9カ月 (n=11) | 1.89 | 0.84-4.28 |
副次評価項目である全生存期間(OS)(2013年11月14日データカットオフ)の中央値は、本剤群で28.2カ月、PEM+CDDP群で28.2カ月であった(ハザード比0.88、95%信頼区間:0.66-1.17)。
薬効薬理
抗腫瘍効果
本剤は、in vitro試験において、EGFR(ErbB1)遺伝子野生型を有する非小細胞肺癌由来H1666細胞株、EGFR遺伝子のL858R変異を有する非小細胞肺癌由来NCI-H3255細胞株及びL858R変異とT790M変異を有する非小細胞肺癌由来NCI-H1975細胞株の増殖を抑制した[17][18]。
作用機序
有効成分に関する理化学的知見
包装
ジオトリフ錠20mg
14錠(7錠×2)PTP
ジオトリフ錠30mg
14錠(7錠×2)PTP
ジオトリフ錠40mg
14錠(7錠×2)PTP
ジオトリフ錠50mg
14錠(7錠×2)PTP
| Jungnik A.et al., 社内資料 リトナビルとの相互作用 |
| Giessmann T.et al., 社内資料 リトナビルとの相互作用 |
| Brand T.et al., 社内資料 リファンピシンとの相互作用 |
| Sarashina A.et al., 社内資料 国内第I/II相試験(LUX-Lung 4) 薬物動態の検討(第I相) |
| Stopfer P.et al., 社内資料 海外第I相試験 食事の影響 |
| Fuchs H., 社内資料 非臨床薬物動態試験(血漿蛋白結合) |
| Engelmann P., 社内資料 非臨床薬物動態試験(血漿蛋白結合) |
| Floetotto T., 社内資料 非臨床薬物動態試験(トランスポーター) |
| Ishiguro N.et al., 社内資料 非臨床薬物動態試験(トランスポーター) |
| Kishimoto W., 社内資料 非臨床薬物動態試験(トランスポーター) |
| Ebner T.et al., 社内資料 in vitroにおける代謝の検討 |
| Stopfer P.et al., 社内資料 臨床薬物動態試験 |
| Freiwald M.et al., 社内資料 母集団薬物動態解析 |
| Koenen R.et al., 社内資料 肝機能障害者における薬物動態の検討 |
| Freiwald M.et al., 社内資料 母集団薬物動態解析 |
| Jones H.et al., 社内資料 国際共同第III相試験(LUX-Lung 3) |
| Solca F., 社内資料 薬効薬理の検討(EGFR変異株に対する阻害作用) |
| Li D.et al., Oncogene, 27 (34), 4702, (2008) |
| Meel Jv., 社内資料 薬効薬理の検討(受容体結合実験) |
| Solca F., 社内資料 薬効薬理の検討(EGFR、HER2キナーゼ等に対する作用) |
| Solca F., 社内資料 薬効薬理の検討(種々の蛋白質キナーゼに関する選択性) |
| Solca F., 社内資料 薬効薬理の検討(HER4キナーゼアッセイ) |
作業情報
| 改訂履歴 | 2016年4月 改訂 |
| 文献請求先 | 主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 |
| 業態及び業者名等 | 製造販売 |