全身にできる皮膚疾患 - 急性湿疹・帯状疱疹・痒疹など
広範囲になるとじんましんと間違いやすい
アレルギー性接触皮膚炎
発生箇所は全身です。原因となる物質が皮膚に繰り返し触れることにより、炎症を起こします。毒や酸が皮膚に触れる一次刺激接触皮膚炎とは異なり、特定の人にのみに起こる皮膚病です。
初期症状はかゆみとともに紅斑ができます。原因物質との接触を避ければ、初期症状のみで済みますが、接触を繰り返すと痛みや熱感を伴い、悪化しやすくなります。
一般的に原因物質に気付くまでに時間がかかるため、無意識に接触を続けてしまい、症状が悪化する人が多くいます。
一次刺激接触皮膚炎
発生箇所は全身です。銀杏などの毒性を持った植物や強い酸や昆虫が出す体液などが主な原因です。これが皮膚につくと、その部分が炎症を起こします。症状の初期段階ではかゆみが起こり、紅斑ができます。
毒性が弱いと初期症状で済みますが、毒性が強いと丘疹や水泡があらわれて、痛みや熱感を伴います。毒性が非常に強力な場合は皮膚の皮が剥け潰瘍になり、治療にも時間がかかります。
イボ(尋常性疣贅)
発生箇所は全身になります。医学的にイボは尋常性疣贅とも呼ばれ、ヒト乳頭腫ウイルスが小さな傷から皮膚に入って増えた皮膚病です。
感染症であることから触って数が増えますし、人から人へも感染し、特に自分の皮膚に移る性質がありますが、基本的には心配いりません。イボはいじらないことが大切です。
治療は基本的にはヨクイニン剤を長期服用したり、皮膚科で液体窒素を使って患部を急激に冷やし、イボと一緒に菌まで殺傷する治療が有効です。
黄色腫
発生箇所は全身になります。血液中の中性脂肪やコレステロールが異常に増えて、皮膚が黄色くなる病気です。
これは皮膚の一部に脂質が沈着することで起こりますが、肝臓や腎臓の病気、糖尿病などが隠れていることがあります。血中脂質の増加が続くと心筋梗塞、動脈硬化、血栓症の原因となります。
貨幣状湿疹
発生箇所は全身、特に手足や背中になります。一般的に中年を過ぎた人に見られる環状の湿疹で、かゆみを伴います。
赤茶色の皮膚炎で、形が貨幣の大きさになることから貨幣状湿疹と呼ばれていて、少し汁が出ることのある皮膚炎です。特に腕時計などの接触アレルギーや静脈瘤から起きることがあり、感染するとジュクジュクしてきます。
急性湿疹
発生箇所は全身、特に手足や背中です。急に発症した湿疹のことで、全般的にかゆみが強く、湿っていることが特徴です。
初期症状はかゆみがあって皮膚が赤くなり、まもなく赤いブツブツができます。症状が進行すると丘診の突出した部分に、水ぶくれが現れます。
また、あせもが悪化すると急性湿疹になりやすいです。症状が悪化した場合は黄色の濁った膿が発生したり、薄皮が剥けてかさぶたができます。
急性湿疹の治療は原因を特定することをベースであり、治療は主に軟膏、クリーム、ローションなどの外用薬を使用します。かゆみが強い場合は、副腎皮質ホルモン入りの外用薬を塗ります。
黒あざ・青あざ
発生箇所は全身です。黒あざは母斑細胞という特殊な細胞が増えることで発症します。黒あざの表面が滑らかだったり、イボ状など形はさまざまです。
ほくろもその一種であり、大部分は心配ありませんが、まれに悪性腫瘍に変化することがあります。黒あざが急に大きくなったりして変化した場合は専門医の診察をおすすめします。
一方、青あざは女性に多いあざで皮膚、眼球、鼻粘膜、口腔粘膜にも生じます。黒あざとの違いはそこまでありません。
紅皮症(剥脱性皮膚炎)
発生箇所は全身になります。全身の皮膚が赤くなり、肌が乾燥します。細かいぬかのような鱗屑が付いたり、鱗状に皮が剥けたりする皮膚病です。
また、発熱と寒気、リンパ節腫脹、浮腫などを伴い、循環不全や低タンパク血症などを併発することがあります。紅皮症は入院をして、原因を詳しく調べてから治療していきます。
さめ肌(魚鱗癬)
発生箇所は全身であり、特に胴体、肩、胸の側面、尻、手足に多いです。さめ肌は遺伝的要素が強く、同一家族中に多発します。
症状は生後1年以上してから現れます。まずは胴体、肩、胸の側面、尻、手足の伸びる側の皮膚が乾燥します。網状の裂け目ができて、魚の鱗のように見えるために「魚鱗癬」とも呼ばれます。
じんましん
発生箇所は全身になります。じんましんは皮膚の浅い層に大小様々なむくみや膨疹が現れ、強いかゆみを伴う症状です。
むくみは数分から数時間後に次第に消えてなくなりますが、数時間後から24時間くらいで再発を繰り返すことが多いです。
じんましんの症状自体は数時間で治まる急性じんましんが多い一方で、いつまでも治りにくい慢性じんましんもあります。
白なまず(尋常性白斑)
発生箇所は全身であり、白い斑点で大きさは様さまざまです。原因はメラニン色素を作る細胞の働きが弱くなるために起こるとされています。
治療には紫外線照射や軟膏を使います。効果があると白斑の中に点状の色素斑ができてきます。元の肌に戻るまでの期間は人にもよりますが、2カ月~数年はかかります。
帯状疱疹
発生箇所は全身、特に胸、腹部、顔になります。水疱瘡と同じ水痘や帯状疱疹ウイルスなどに感染して起こります。
また、体の左右いずれか一方が神経痛に似た痛みを帯びることもあり、ウイルスが神経の付け根に沿って水疱を作り、帯のような形に並ぶことから帯状疱疹と呼ばれています。
重症になると40℃近い高熱も出ることもあります。治療には約3週間かかり、再発はほとんどありません。
茶あざ(扁平母斑)
発生箇所は全身に発生して、褐色のまだら模様ができます。これ自体が肥大することはありませんが、6個以上あると「レックリング病」という病気の疑いがあります。
治療はドライアイスや液体窒素を使った凍結手術で母斑の表面を剥がし、取り除くとともに母斑の表面を瘢痕化させます。あざの茶色は薄くなりますが、完全には元の色には戻らないことが多いです。
日焼け・日ぶくれ
発生箇所は全身です。日焼けになる原因は太陽からの紫外線を受けて、皮膚がメラニン色素を作るためです。メラニン色素が集まることで肌が濃くなります。
日焼けや日ぶくれの防止策としては、肌を衣服で覆い、紫外線を当たらないようにすれば、肌も元の色に戻ります。
海水浴などで短時間で紫外線を浴びると、真皮に炎症が起き、皮膚が火照って、赤くヒリヒリと痛むことがあります。症状がひどい場合は水疱ができることもあります。
痛みが引かないときは専門医の治療が必要ですが、通常は時間が経てば、自然と痛みは治まります。日焼けは繰り返すことで、シミ、小じわ、皮膚がんの原因にもなるため、過度の日焼けは避けましょう。
ほくろ(黒子)
発生箇所は全身になります。ほくろはほくろ細胞が局所的に多く集まった結果の症状です。医学用語としては「母斑細胞性母斑、色素性母斑、黒子」などと称されます。
ほとんどは良性腫瘍ですが、手足の裏にあるものや急に大きくなったほくろは悪性腫瘍に変化することもあり、専門医の診察をおすすめします。
ほくろの細胞自体は生まれたときから皮膚の中にあり、普通は小さく見えません。子供のうちはほくろは少ないです。
しかし、日焼けやにきびなどの炎症をはじめ、何かの刺激が加わって細胞がメラニンを産生するようになると、小さい色素の斑点として、肉眼でも見られるようになります。
3~4歳頃から出現することが多いのですが、成人以降、30~60代にかけて、急に発生することもあります。
疱疹性湿疹(カボジ水痘様発疹)
発生箇所は全身、特に背中になります。アトピー性皮膚炎の子供に起きやすいです。アトピー性皮膚炎や湿疹の患部に感染し、小水疱とともに膿を発生させながら、ただれを起こします。
同時に高熱、頭痛、下痢などの風邪に似た症状を併発し、脳炎や気管支炎を起こして死亡したケースもあります。
最も多い原因としては母親の口唇ヘルペスからの感染です。治療は入院を必要とし、抗生物質の投与、軟膏の塗布が行われます。
薬疹
発生箇所は全身で、治療で使用した薬によりできる発疹です。薬剤の中でも原因物質によくあげられるのが、抗生物質、鎮痛剤、解熱剤などです。
ある特定の部分に同じ形の症状が現れたり、全身に発疹が出ることもあり、同じ薬でも人によって、症状が異なります。
痒疹(ようしん)
発生箇所は全身です。強いかゆみとともに水疱性の丘疹が体の広範囲にできます。手足は特にかゆみが強いです。
急性と慢性があり、慢性化すると1年以上続きます。長期間かきむしるため、皮膚が厚ぼったくなります。
虫さされの後にできることもあり、子供が虫さされの後にできる痒疹を「小児フトロフルス」と呼びます。
老人性疣贅
発生箇所は全身、特に上半身になります。中年すぎの人に見られるイボで上半身によくできます。褐色や黒色で、丸く盛り上がったり、1~2cmまで大きくなるものまであります。
悪性ではないので治療の必要はありませんが、がんと間違えるケースもあります。老人性疣贅は判別が難しいために、専門医の診察を受けることをおすすめします。
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更新日 2015.07.14
Kirito Nakano