化粧品犬です。
今回はラチェスカ 水クレンジングの解析の2回目です。
処方解析編になります。
前編の製品概要編はこちらです。
ラチェスカは2017/3/21発売のブランドで 全部で3 品目あるのですが、この製品はその中の一つです。
メイン商品であるホットジェルクレンジングは使うと温かくなる製品なのですが、この水クレンジングはそんなことはありません。至って普通のクレンジングウォーターです。
ホットジェルクレンジングは、既に取り上げています。
興味のある方は、以下のエントリーをどうぞ
さていつもの様に、裏面の処方を整理していくわけですが。
いつも何かと比較して解析する事が多いのですが、クレンジングウォーターは扱うのが初めてで比較するものがない(^_^;)
そこで、前出のラチェスカホットジェルクレンジングと並べて解析することにしました。
ジェルとウォーターで全く関係が無さそうですが、両者とも、ほぼ油が入っていないことが共通しており、けっこう似ています。
ではさっそく、裏面表示を整理してみましょう。
原料の配合順は裏面のまま変えずに、機能毎にパート分けし、共通の成分についてはできる限り近づけて書いていますが、場合によって近くに書けない場合もあります。
九通の成分は、共通欄に○印をつけました。
こんな感じになりました。
この2製品は全体的に似てはいるんだけど、水クレンジングの特徴は、乳化剤のパートにありますね。
原料数が多く、力が入っていることがうかがえます。
では上の方から見ていっきましょう。
まずは油性成分のパート。
両製品ともちょっとだけ入ってますが、これらは油溶性のビタミン類で値段の高い成分でもあるし、配合量も少量でしょう。
メイクを落とすための油ではありません。
次は乳化剤のパートです。
ここが、水クレンジングの重要なパートです。
見てみると5成分配合されていますが、うち2成分はホットジェルクレンジングと共通です。
共通している2成分(イソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル)も、いらない成分というわけでは無いのですが、どんなクレンジングにも配合されているような、透明なジェルを作るのに適している割とありふれた乳化剤です。
残り3成分のうち、PEG-11コカミドも、メイク落ちとはあまり関係ない乳化剤で、普通増粘剤として使われる事が多い原料です。
水クレンジングはあまり粘度は高くないですが。
残った2原料(PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、PPG-6デシルテトラデセス-20)がこの製品の核心というわけです。
まずPEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンですが、比較的新しい原料で、グリセリンの水酸基の部分(親水性の部分)に、エチレンオキシド・プロピレンオキシド・ブチレンオキシドの構造を入れ込んだような形をしています。エチレンオキシド・プロピレンオキシドの二つの構造を分子内に持つ乳化剤はプルロニック型と呼ばれ乳化能力が高いので有名ですが、その強化版のような乳化剤です。かなり大きい分子になるので肌を攻撃しにくく、安全性も良好なようです。
もう一つのPPG-6デシルテトラデセス-20は、まさにそのプルロニック型の乳化剤です。可溶化能力が高く微細な乳化滴が簡単に作れるので重宝されている、わりと有名な乳化剤なので、クレンジングウォーターには、適していると思われます。
この2種類の乳化剤が、この製品の核心であると考えて間違いないでしょう。
あとは簡単に行きますね。
まず防腐剤のパート。
水クレンジングはホットジェルクレンジングと違っていて、水が入っているので腐りやすく、そのためメチパラが配合されています。
最後は保湿剤のパート。ここはホットジェルクレンジングでは水の代わりにグリセリンが使われ、またジェル故に増粘剤((アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー)が使われたたわけですが、逆にそれ以外は結構似ています。エキス類も全く同じですし。
ただ水クレンジングの方にはポリクオタニウム-51が配合されてますね。
ポリクオタニウム-51はスキンケアではその生体親和性を生かして肌のケアに使われるのですが。
ここはヘアケアでカチオンポリマーの一種として使うときのように、コットンと肌の摩擦を低下させる効果のために、使われているのだと思います
解析はこれで終わりです。
最後にこの結果と、この製品の問題点である
・目が痛い
・メイク落ちがもう一歩
を考え合わせてみましょう。
目が痛いのは、防腐剤であるメチパラのせいかな?(^_^;)
そんなに量は多くないと思うけど、AHAであるリンゴ酸・クエン酸も怪しい。
DPGのせいでない事は、前編で確認済みだし。
メイク落ちがもう一歩な件については、はっきりは分からないのですが、なかなか良さそうな新規素材を使ってたりする事から考えると、案外「乳化剤の配合量が少ない」とかの単純なことが原因かも。
だとすれば処方が熟成してくれば直ることもある。これはリニューアルに期待したいところ。
あと解析とは関係ないんだけど、この製品はもう少し特徴付けないとね。
いまのままでは、]コスパの良さしか特徴が無い(^_^;)
ラチェスカはメイン製品のホットジェルクレンジングに匹敵する特徴を、ちゃんと全品につけなきゃダメでしょ(^_^;)
あとは、パート毎の成分についてコメントを書いていきます。
油性成分
・テトラヘキシルデカン酸アスコルビル:油溶性にすることで、安定を高めたビタミンC誘導体。経皮吸収性が高く、美白効果、抗酸化作用・コラーゲン合成促進等に優れる。
・トコフェロール:別名ビタミンE。抗酸化性に優れる油。ただし感触はべったり系。
乳化剤
・PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン:グリセリンの骨格にエチレンオキシド・プロピレンオキシド・ブチレンオキシドの構造を持たせた、新しい乳化剤。水にも油にも溶けやすく、グリセリンと同等の高い保湿効果を有する。安全性も高い。
・PEG-11コカミド:起泡力や洗浄力のある乳化剤で、増粘剤として用いられることが多い。水に溶けやすい。
・PPG-6デシルテトラデセス-20:可溶化能力が高く、低温安定性にも優れてた乳化剤。HLB11で水に溶けやすい。
・イソステアリン酸PEG-20グリセリル:トリイソステアリン酸PEG-20グリセリルと似た性質の乳化剤であるかHLB = 13であるためより水となじみやすく、特に油の可溶化能力などに優れる。
・トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル:クレンジングオイルやクレンジングジェルにに使われる事が多い汎用乳化剤。HLB=8.0でやや水に馴染みやすい。クレンジング以外では主にスキンケア製品に使われる事が多いが、ヘアシャンプーに使われることもあり、特にコーセーではオレオドールやジュレームなどに使われたことがある。
防腐剤
・メチルパラベン:比較的低刺激な防腐剤。ただし、環境ホルモンや蓄積性の点で叩かれることも多い。環境ホルモンについては多くは根拠の無い噂であるが、蓄積性についてはファンケル社が学会で報告し、報文を出している。(ただし、防腐剤の蓄積による影響は、可能性レベル)
保湿剤
・水:精製水のこと。化粧品では通常、イオン交換水が用いられている事が多い。
・DPG:汎用的な保湿剤。各種成分を溶かす能力も高い。やや抗菌性がある。ネットでは安全性について疑問の声もあるが、ほぼ誤解だと思われる。詳しくは以下のエントリーに書きました。
・BG :多価アルコールとも呼ばれる、グリセリンの親戚のような保湿成分です。若干の抗菌性があります。
・アーチチョーク葉エキス:NF-κB阻害による抗炎症効果や色素沈着抑制効果があり虫除け、また毛穴改善効果があるとされている。
・セイヨウハッカ葉エキス:セイヨウハッカの葉から取られたエキス。メントールが多く清涼感がある。また抗炎症効果やかぶれの改善にも効果がある。
・ポリクオタニウム-51:ポリクオタニウム-51は日本油脂さんが販売している、比較的新しい化粧品原料です(商品名リピジュア)。肌に対して親和性が高く、肌の上に保湿性の高い膜が出来るということで、スキンケアでよく使われています。最近は理美容師絵品やコーセーのジュレームなど、ヘアケア製品に使用されることも多いです。
・エタノール:エタノールです。過去には変性剤を加えた変性アルコールが使われていましたが(変性すると酒税が回避されて安くなった)、税制が変更されて変性アルコールが値上がりしたため、現在は変性アルコールは使われず、ただのエタノールを使うのが主流になっています。
・クエン酸:pH調整剤。実はクエン酸はピーリング効果のあるAHAの一種でも有り、濃度やpHによっては、ピーリング効果を発揮する。
・クエン酸Na:pH調整剤。キレート剤。
・リンゴ酸;通常はpH調整剤として使われる。花王によると、ドライヤーの熱から髪を守り効果もあるとのこと(花王のスタイリング剤である、リーゼの説明より)。AHAの一種でも有り、濃度やpHによっては、ピーリング効果を発揮する。