ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)
ターンオーバーという言葉は皮膚の新陳代謝を表すものとして使われています。
新しく生まれた皮膚の細胞は、時間の経過とともに体の表面に押し出されて【角質】となり、
やがて、はがれ落ちて体外へ排出されます。
この一連の流れをターンオーバーと呼んでいます。
すり傷などが出来ても次第に治ってしまうのは、このターンオーバーがおこなわれているおかげです。
ターンオーバーの目安は28日間
皮膚の細胞が生まれてから体外へ排出されるまでの日数は28日間を基準と考え、加齢や個人差その他の理由により変化します。
この28日間に何が起きているのか?
肌の奥深くで新しく生まれた細胞が、約14日間かけて成熟しながら皮膚の表面に押し出されて寿命を迎えます。
寿命を終えた細胞は、次第に角質細胞へと変化して角質層をつくり、
お肌のバリア機能として、約14日間はたらきます。
ここまでが28日間という訳です。
ここでは流れをご説明するために便宜上28日間としていますが、
個人差やその他さまざまな条件で期間は変わりますので、28日間というのはあくまでも目安程度にお考えください。
ターンオーバー周期について
加齢とともに新陳代謝は遅くなり、ターンオーバー期間は長くなります。
また個人差もあり、体の部位の違いでもターンオーバーの期間は違います。
このようなターンオーバーの周期の違いは自然現象なので問題とは考えません。
スキンケアではそれ以外で起きるターンオーバー周期の乱れについて考えます。
自分でターンオーバーが早くなっているのか?または遅くなっているのか?を判断するのは少々難しいものがありますが、実際にはほとんどの場合「ターンオーバーは早くなっている」ことで問題が起きています。
ターンオーバーの遅れ
実は、ターンオーバーが遅れて問題になっている人はそんなに多くありません。
年齢を重ねるにつれ、「新陳代謝機能が衰えているのではないか?」
と考えることで、ターンオーバーを早くした方が良いと勘違いしている方が多くいらっしゃいますが、
加齢によるターンオーバー期間が長くなるというのは自然な現象なので、ここでは問題だとは考えません。
一般的にターンオーバーの遅れと言われている現象は、
角質層の新陳代謝がうまくいかずに、古い角質が残ってしまうことを表しています。
古い角質が剥がれずにお肌に残ることでさまざまな問題を引き起こします。
古い角質が剥がれずに角質が厚くなる(角質肥厚)になると、
- 角質の厚みが増して乾燥するため、お肌のキメが粗くなる
- 毛穴が目立ってくる
- 角質が毛穴に詰まりやすくなり、ニキビの原因になる
- メラニン色素が排出されにくくなり、シミの原因になる
などの症状につながります。
角質層が厚くなる原因
角質層が厚くなる原因として、以下のようなものが考えられます。
- 化粧品の油分が、古い角質がはがれるのをじゃまする
- 肌を洗浄していない(皮脂が古い角質のはがれをじゃまする)
- 衣類との摩擦や肌ずれの刺激から肌を守ろうとして角質が厚くなる
(手足の皮膚が厚くなるのはこのような理由からです) - 紫外線から肌を守ろうとして角質が厚くなる
- バランスの悪い食生活
- ホルモンバランスの崩れ
厚くなった角質層の改善
厚くなった角質層を正常な状態にするためには、以下に配慮したスキンケアを行ってください。
正しい洗顔と保湿
原因の項目を読んで、
「化粧品の油分や皮脂をきれいに取り去れば良いのよね!」 とゴシゴシ洗顔したり、皮脂を完全に取り除くような洗顔をしてしまうと、ターンオーバーの改善につながるどころか、皮脂層にダメージを与えてしまい保湿バランスが崩れてターンオーバーに悪い影響を与えてしまいます。
とは、皮脂層にダメージを与えずに余分な皮脂や角質のみを取り除くための洗顔方法を指します。
角質層が健康な状態であれば、ゴシゴシ洗わなくても古い角質は簡単に洗い流せるものなので、古い角質が気になって一気に取り除くというのはやめましょう。
また、ターンオーバーがスムーズに行われるためにはがとても重要です。
ちゃんと保湿されていれば、角質もやわらかくなってスムーズに剥がれ落ちてしまいます。
ピーリング(古い角質を強制的に取り除く方法)については角質層のバランスを強制的に変えてしまうものなので、
クリニックに相談したり、専門家のアドバイスのもとで行うべきだと考えます。
ターンオーバーが早い
ターンオーバーが早いと、新陳代謝が活発で良いイメージがありますが、
実は、未熟な細胞がを生み出してしまう原因になっています。
落ちにくい化粧品を使ったり、化粧品をコッテリ使ったりすると、どうしても化粧品を洗い流しにくくなります。
その結果、洗いすぎてしまったり、若返りを目指して新陳代謝を活発にしなくちゃ!と角質除去をやった結果、未熟な皮膚細胞が角質層へ現れてしまうことになります。
新しく生まれた皮膚細胞は、次第に成熟して、角質細胞へと変化するのですが、この変化の中で皮膚をうるおす保湿成分( NMF – 天然保湿成分 や セラミドなど – 細胞間脂質 )を生み出しています。
しかし、十分に成熟していない細胞が角質層へと押し上げられてしまうと、保湿成分が十分に生み出されず、お肌は乾燥してしまいます。
未熟な細胞は非常に脆(もろ)くてはがれやすいので、洗顔で簡単にはがれてしまい、その結果ターンオーバーが早くなってしまうという悪循環に陥(おちい)るのです。
未熟な角質層ができてしまうと、お肌のバリア機能がうまく働かなくなるため、起きる問題としてはありとあらゆるスキントラブルが考えられます。
早くなる原因
ターンオーバーが早くなる原因として、以下のようなものが考えられます。
- 洗顔石鹸の洗浄力が強すぎる
- 顔をゴシゴシ洗う(洗いすぎ)
- 熱いお湯で顔を洗う
- クレンジング剤の洗浄力が強すぎる
- 化粧品の使い過ぎ
- 誤ったピーリングなどの角質ケア
- 紫外線
- バランスの悪い食生活
- ホルモンバランスの崩れ
早いターンオーバーの改善
早いターンオーバーを正常な状態にするために、まずはお肌のバリア機能の回復から始める必要があり、ある程度の時間が必要になります。
数ヶ月程度の時間がかかる前提で、気長に取り組んでください。
スキンケアを見直す
まず考えられる原因の最大の原因としては、誤ったスキンケアがあります。
洗顔などで皮脂膜を完全に洗い流してしまい、角質層もダメージを受けて、お肌のバリア機能がうまく働かなくなる。
このようなケースがとても多いことに驚きます。
化粧品を使っている場合は、使用する化粧品にも注意が必要です。
油分を多く使った化粧品は、洗い流すときに洗いすぎてしまう可能性が高く、皮脂層を取り除いてしまう恐れがありますので、化粧品を変えることも検討してください。
洗いすぎを防ぐ
洗いすぎは、皮脂膜にダメージを与えたり、細胞間脂質の流出につながりますので、洗顔を行う際には正しい洗顔方法で顔を洗うようにしましょう。
保湿
上記のバリア機能の説明では、すべての行程で水分が重要であることがわかります。
バリア機能と保湿は相互補完の関係です。
バリア機能が正常に働くためには保湿して皮膚の乾燥を防ぐことを心がけましょう。
保湿成分(NMFや細胞間脂質)は、死んだ細胞が角質細胞へと変化する際に生成され、ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)が乱れると十分な生成が行われないこともあります。
保湿して乾燥を防ぐということは、ターンオーバーが正常におこなわれる環境づくりにもつながります。
肌の活性化
お肌の正常な活動を促すように働きかけることは、ターンオーバーによる角質層の新陳代謝がスムーズにおこなわれることにつながります。その結果バリア機能も正常に保たれることになります。
食のバランス
上記でも触れていますが、保湿成分(NMFや細胞間脂質)の生成にはさまざまな栄養が必要となります。
バランスの良い食生活を心がけましょう。
正しい生活習慣
ストレスや睡眠不足などは、お肌のターンオーバーの乱れにつながりますので注意が必要です。
皮脂層・角質層のケアが正常なターンオーバーへと導く
お肌のバリア機能が正常にはたらかず、お肌の環境がくずれた状態になっているので、日常のケアでは皮脂層や角質層を整えることから始めます。
角質層が厚くなっているだけなら、しっかり保湿することで、次第に厚くかさなった古い角質細胞がはがれ落ちていきますが、ターンオーバーが早い状態の時は、皮膚の細胞が未熟なまま角質になってしまうのでバリア機能も未熟な状態です。
角質層を整えるスキンケアを続けても、「なかなか良くならない」と感じられない期間が続き、一時的には「悪化しているのでは?」と不安になることもあります。
しかし角質の下では、若い皮膚細胞たちがじっくり育ってきていますので、あせらないことが肝心で、健全な皮脂層と角質層をじっくりと作り上げるイメージでおこないましょう。
古い角質をため込まずに、かつ洗い過ぎないようにするためにで、しっかり保湿して、お肌の活性化をうながす。
あとはストレスをため込まないように、生活習慣を見直していくことで徐々にターンオーバーは正常化されていきます。
そもそもターンオーバーの期間だけでも数十日かかるのですから、ターンオーバーの正常化も気長に取り組んでいただく心がまえが肝心です。