足の付け根の「しこり」は【悪性リンパ腫】の可能性あり!
2017/03/19
お風呂でシャワーを浴びてて「あれっ? こんな所にしこりがあったかな?」
そんな経験をされた方も意外と多いかもしれません。
私の父はお風呂で首を洗っているときに「しこり」を見つけ、少しずつ大きくなるので診てもらったら【悪性リンパ腫】でした。
しこりは時に重大な病気のサインになることも。
今回は足の付け根の「しこり」、良性・悪性の見分け方を中心に、鼠径部にできるしこりについて分かりやすくご紹介させていただきます。
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1 足の付け根の「しこり」、良性・悪性の見分け方
足の付け根にできるしこりに「鼠径リンパ節」(そけいりんぱせつ)が原因のものがあり、良性、悪性があります。
まず先に、足の付け根にある鼠径リンパ節についてご紹介いたします。
<鼠径リンパ節とは>
鼠径リンパ節は、鼠径部のVラインの近くにあります。
筆者作成
人体には血管とは別にリンパ管が全身をめぐっています。
リンパ管にはリンパ球を含むリンパ液が流れていて、古くなった細胞を運んだり、体に入ってきた菌やウイルスの処理を行っています。
このリンパ管は、ところどころ集積合流していて、その合流点がリンパ節。
豆くらいの大きさで、全身に600ヶ所程度あり、鼠径リンパ節もその1つです。
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<足の付け根の「しこり」、良性・悪性の見分け方>
足の付け根にできる「しこり」の殆どは良性のリンパ節の腫れですが、まれにリンパ節が癌化する悪性リンパ腫が発生することがあります。
下の表は、ご自分でしこりに気づいた時に、「これはもしかして悪性?」と疑った方がよい特徴についてまとめたものです。
また「しこりの可動性」とは、しこりを横から押したときに、少し動くような感じがするということで、これも個人差もあって分かりづらいかもしれません。
「しこりの硬さ」については、自分で触ってこれが硬いのか、軟らかいのかの判断がしづらいかしいかもしれません。
左右両側の鼠径リンパ節が同じくらいに腫れている時は、良性の可能性が高いようです。
しこりが徐々に大きくなる場合は注意が必要です。
上記の特徴はあくまでも目安としての特徴ですので、自己判断で終わらせずに、専門医療機関の受診をおすすめします。
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2 悪性リンパ腫とは【動画付】
悪性リンパ腫とはリンパ球が何らかの原因で癌化したものです。
発病すると首やわきの下、足の付け根などにあるリンパ節にしこりができたり、腫れたりします。
日本での年間発症患者数は約1万人とされ、女性4に対し男性6と男性に多い傾向があります。
悪性リンパ腫の概要がわかる動画をご用意しましたので、ご覧ください。
悪性リンパ腫の原因はまだ解明されていませんが、疑われる要因として、
- ウイルス感染
- 放射線
- 殺虫剤
- 除草剤
などが関係しているのではないかと考えられています。
他のがんと同じく、早期発見、早期治療が大切です。
3 足の付け根にできる「しこり」の種類
前述の悪性リンパ腫はまれなケースですが、足の付け根にできる一般的な「しこり」をご紹介いたします。
1 粉瘤
2 リンパ節の腫れ
3 脂肪腫
4 鼠径ヘルニア
5 変形性股関節症
6 梅毒
7 ヘルペス
それでは個別に見ていきましょう。
<3-1 粉瘤>
粉瘤(アテローム)とは袋状になった皮下組織に古い角質や老廃物がたまってしこりになったものです。
粉瘤は脇の下やおしり、耳たぶなどによくできまが、足の付け根にもできます。
皮膚の古い角質は、普通「垢」として皮膚の表面から落ちますが、まれに毛穴の奥にできた袋状組織にたまることがあり、そこが腫瘍・しこりになります。
粉瘤は良性腫瘍。
通常は痛みを伴わないしこりですが、袋状組織内に菌が入り込んで化膿してしまうと赤く腫れ、痛みが出ます。
初期症状はかゆみを感じ、その後しこりができるケースが多いようです。
粉瘤ができる原因はまだ解明されていませんが、要因として
- 外傷
- 打撲
- ストレス
- 疲労
などが関係しているのではないかと言われています。
このしこりは自然に消えることはなく、放っておくと徐々に大きくなります。
またごく稀に癌化するケースもあるとのこと。
痛みを伴う場合はもちろんですが、あまり大きくならないうちに整形外科か皮膚科で診てもらうことをおすすめします。
治療法は日帰りできる簡単な手術で、垢がたまった袋状組織を取り除きます。
<3-2 リンパ節の腫れ>
足の付け根にできるしこりの原因で多いのが鼠径リンパ節の腫れです。
リンパ節の腫れによるしこりの特徴は、触ると比較的軟らかい感触で、動くような感覚があります。
人体にはリンパ管が張り巡らされていて、リンパ管が合流するリンパ節では、細菌やウイルスなどを排除しています。
鼠径リンパ節の腫れは、足のケガなどで入ってきた異物を白血球が排除する免疫反応によるもので、この時に足の付け根のリンパ節が腫れてしこりになるのです。
ですので原因のケガや炎症が治まれば、しこりも徐々に消えていきます。
もしケガなどが治って数日たってもしこりが無くならない様でしたら、悪性リンパ腫の可能性もありますので、内科の受診をおすすめします。
<3-3 脂肪腫>
脂肪細胞がしこり状に増殖してできた腫瘍で、40代~50代の女性に多い良性腫瘍です。
肩や背中などに多い脂肪腫ですが、足の付け根にできることもあります。
大きさは豆粒くらいから10センチ超えまで。
通常、痛みはありませんが、大きくなりすぎたり神経の近くにできると痛みを伴うこともあります。
子供のころにでき始める人もいて、少しずつ大きくなります。
脂肪腫に似た疾患に脂肪肉腫(悪性)があります。
良性では数年単位で増大するのに対して、悪性では月単位で急速に増大することが通常である。
引用:軟部腫瘍診療ガイドラインより
file:///C:/Users/%E4%B8%80%E6%88%90%E7%94%A8/Desktop/Downloads/123_231.pdf
(2016/05/04)
治療法は皮膚科もしくは形成外科での摘出手術が主で、しこりが小さく、痛みを伴わない場合、経過観察になることもあります。
<3-4 鼠径ヘルニア>
鼠径ヘルニアは一般的に脱腸(だっちょう)と呼ばれています。
通常お腹の中にある腸や腹膜が飛び出して、しこりのようになる病気です。
50代~60代の男性に多い傾向(80%)がありますが、女性の患者は20代~30代に多いとされています。
原因は加齢に伴い、お腹の内臓を支えている筋肉や筋膜(きんまく)が弱くなり、足の付け根近くにある鼠径管(そけいかん)と筋肉との間に隙間ができて、そこから腹膜や腸の一部が飛び出してしまうことにあります。
便秘症やお腹に力を入れることの多い方がなりやすいそうです。
痛みもなく、横になると引っ込んでしまうので放置してしまう方が多いようですが、場合によっては腸閉塞や腹膜炎を起こす可能性がありますので、足の付け根に軟らかいしこりがでたら早目の受診をおすすめします。
鼠径ヘルニアは自然に治ることはありません。
成人鼠径ヘルニアに自然治癒はなく、方針は手術で治療するか経過観察していくかしかない。
引用:鼠径ヘルニア診療ガイドライン2015より
http://jhs.mas-sys.com/guideline/sokeibuhernia_guideline2015.pdf
(2016/05/04)
最近では腹腔教(内視鏡)を使った方法もあります。
<3-5 変形性股関節症>
変形性股関節症とは、歳を重ねて長年股関節に負担をかけたり、ケガなどで軟骨がすり減ることによって起きる病気です。
変形性股関節症とは,股関節に発生する変形性関節症であり,①非炎 症性であること,②関節軟骨の変性があること,③周囲の骨と滑膜組織に変化が生じて股関節の変形が惹起されること,などが一般的な概念である。
変形性股関節症ガイドラインより
file:///C:/Users/%E4%B8%80%E6%88%90%E7%94%A8/Desktop/Downloads/122_159.pdf
(2016/05/04)
40歳以上の女性に多く、初期症状は足の付け根に「こわばり」がでてきて、次第に痛みを感じるようになります。
私の母も発症しました。
症状が進むと歩きにくさや痛みが増してきて炎症が起こり、リンパ節が腫れてしこりができることがあります。
放置すると日常生活に支障がでるようになります。
症状が出たら早目に整形外科や股関節の専門医療機関を受診されることをお勧めします。
<3-6 梅毒>
梅毒とは梅毒トレポネーマという細菌によって、人から人に感染する病気です。
近年増加傾向にあり、女性患者も増えています。
発症すると感染した部位に小豆くらいのしこりや湿疹がでます。
しこりに痛みは無く、軟骨のような硬さです。
一か月くらいでしこりが消えて治ったようにみえますが、菌が残っていると、3~12週間後に全身にリンパ節の腫れや赤い発疹が出ます。
治療が遅くなると、脳に障害がでたり、臓器腫瘍が発生する場合があります。
現在は早期の治療であれば治りますので、思い当たるふしがありましたら、直ぐに病院へ行きましょう。
<3-7 ヘルペス>
ヘルペスはヘルペスウイルスに感染して起こる病気で、発症すると足の付け根にしこりができたり、部位に小さな水ぶくれができます。
しこりにかゆみや痛みを伴うこともあります。
治療は主に抗ヘルペスウイルス薬を使います。
一旦症状が治まっても、菌が残っていると再発を繰り返すこともありますので、そのままにしないで病院で診てもらいましょう。
今回は足の付け根のしこりについてご紹介しましたが、他にもしこりを見つけやすい場所はあります。
しこりは自分で触って見つけられる病気のサインです。
日頃からお風呂などで触って探す習慣をつけるのも良いかもしれませんね。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。