何を食べても口の中が塩辛い味しかしないなんて、憂鬱ですよね。
ご飯が美味しくないし、悲しくなります・・・
最近では原因が複雑にからみ、年代を問わず口の中がしょっぱく感じる人が増えています。
口の中のしょっぱさを改善するにはどうしたら良いのでしょうか?
中には深刻な病気もあるので注意が必要です。
味覚障害って?
味覚障害は、「味物質の味蕾への到達」「味蕾での知覚」「中枢への伝達」のどこかに異常があると引き起こされます。
舌に原因がある
舌そのものが原因となっているケースです。
舌炎
口の中がしょっぱい原因として、まず考えられるのは舌が炎症をおこしている舌炎です。
味蕾が赤く炎症してしまって、本来の味を感じにくくなります。
熱い飲み物を飲んだ後、舌が軽い火傷状態になってしまい、次に食べる味がよく分からないというのは多くの人が経験していますよね。
噛み合わせが悪くて舌を噛んでしまった時も同じで、舌の表面の状態によっては味の感覚が鈍くなることもあります。
ドライマウス
口の中の水分が少なくて常に渇いている、いわゆる舌の砂漠化。
水分が足りないと舌が荒れやすく、ちょっとした刺激で炎症するので、味がわかりにくくなります。
お年寄りや口呼吸をする人、ストレスが多い人、生活習慣病のある人に多く見られ、薬の副作用でも口が渇くことも。
舌苔
舌を出してみて、厚くて白い苔が目立つようであれば舌苔が味覚を阻害しているかもしれません。
舌ブラシなどを使って優しくなでるように取ってみてください。
力を入れてごしごし擦ってしまうと舌を傷つけてしまい、血が出ることもあるので気をつけましょう。
舌苔を取ることで口の中のしょっぱさが改善する方もいるので、試してみる価値はありそうですね。
神経系の病気
味覚とはあまり関係のなさそうな、糖尿病や脳の神経に異常がある場合、しょっぱさを感じることがあります。
糖尿病
糖尿病はインスリンの分泌が悪く、慢性的に血糖値が高い病気です。
自覚症状がないので気が付いたらかなり進んでいた、ということも珍しくありません。
糖尿病で怖い合併症の1つが、味を伝達する神経に異常がおきて口の中がしょっぱくなるというもの。
糖尿病が進むと腎臓の機能も弱まり、糖尿病性腎症になってしまうと体の中の亜鉛が尿に必要以上に出てしまいます。
亜鉛が不足して口の中がしょっぱくなってしまうのです。
脳梗塞や脳出血などの脳の病気
脳の病気で味覚を感じる神経に障害がおこることで、口の中がしょっぱくなることもあります。
脳梗塞は脳の血管に血栓ができて血管がつまり、脳出血は脳の中の血管が破れて脳組織を破壊する危険な病気。
脳の病気で味がわからなくなるのは、味覚を伝える神経が破損するため、味を正しく伝達できなくなるからです。
その他の原因
腎臓病
腎臓は血液中の老廃物を取り除き、体内の水分量を一定に保つなどの働きがありますが、上手くいかなくなると腎不全になります。
腎不全になると尿として出されるはずの老廃物が体にたまり、尿毒症を引き起こします。
尿毒症になると、だるさ、倦怠感、食欲不振、味覚障害などを引き起こします。
急性腎不全は短期間で症状が進み、治療によって良くなる可能性がありますが、慢性腎不全は自覚症状がないまま、数ヶ月から数年にかけて徐々に機能が低下していきます。
慢性腎不全は慢性糸球体腎炎によるものが多いですが、最近では糖尿病で高血糖が続くことによる糖尿病性腎症が多くなっています。
薬の副作用
薬の中には利尿剤のように、亜鉛を体の外に出してしまう作用を持っているものがあります。
がんの化学療法を受けている方も、かなりの頻度で味覚障害があらわれます。
治療に効果的なお薬でも副作用のリスクはいつもあり、服用期間が長ければ、それだけリスクも高まることに。
味覚障害の原因となる薬は多いですが、以下のようなものがあります。
- 降圧薬
- 精神疾患薬
- リウマチ治療薬
- 利尿薬
- 抗生剤
- 血管拡張薬
- 鎮痛薬
- 非ステロイド性消炎鎮痛薬
- ホルモン剤
- 抗アレルギー剤
- 消化性潰瘍治療薬
- 頻尿治療薬
- 抗高脂血症薬
- 抗けいれん薬
- 糖尿病治療薬
- 痛風治療薬
- 骨粗しょう症治療薬
- 免疫抑制薬
- 抗結核薬
- 抗真菌薬
- 冠血管拡張薬
これらの薬を服用していて味がおかしいと感じた時は、薬の量や種類を変えると良くなることもあるので、まずはかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。
心因性のもの
強いストレスで落ち込む日々が続くと亜鉛が消費されてしまい、味覚障害になってしまいます。
亜鉛は精神を安定させる効果もあるので、不足するとうつ病になることもあるのです。
憂鬱な日々が続くのであれば、精神科などで薬をもらうことも考えるかもしれません。
しかし、抗うつ剤には逆に亜鉛を排出してしまうものもあります。
安易に抗うつ剤などの薬に頼る前に、亜鉛をしばらくとってみて様子を見てみるとよいかもしれません。
貧血
貧血は特に女性に多く、意外にも初期症状が味覚障害ということがあります。
過度なダイエット中の人や生理で出血量が多い人は、鉄分が不足しがちで血液中のヘモグロビン量が減少し、貧血になってしまうことも。
鉄欠乏性貧血がひどくなると体がだるく、体力が続かず疲れやすくなり、めまいで倒れてしまうこともあります。
舌の表面がつるつるして赤っぽいのであれば、貧血予備軍かもしれないので、チェックをしてみましょう。
ホルモンバランスの影響
更年期障害でホルモンバランスが崩れることで自律神経に影響し、味を感じにくくなることがあります。
ただしずっと続くものではなく、更年期を過ぎると良くなっていくようです。
更年期の味覚障害は亜鉛不足が原因ではないため、亜鉛を補給しても効果がありません。
そうはいっても長期間続く場合は辛いと思いますので、味覚障害外来などを受診してみて下さい。
口の中の出血
歯肉炎や歯周病などで出血した場合も、しょっぱいと感じます。
出血している自覚がなくても、歯茎から血がにじみ出ていることもあります。
また、歯周病で膿が出ている時もしょっぱさや苦味となって感じるので、一度念入りに口の中をチェックしてみて下さい。
亜鉛欠乏の味覚障害が7割も!
舌そのものが原因だったケースを除き、口の中のしょぱさに大きくかかわっているのが体内の亜鉛不足です。
他に原因がなければ亜鉛しかない!
亜鉛は、新しい細胞が生まれ変わるための大切な栄養素で、意識しないとストレスですぐに減ってしまいます。
これほど大事なミネラルにもかかわらず、普段の食事からたっぷりとれないのがとても悩ましいところ。
亜鉛が不足すると健康な舌の細胞(味蕾)ができず、口の中が塩味がしたり、食べ物をおいしく感じなくなってしまいます。
現代人はかなり不足気味
亜鉛が不足した生活を送っていないかチェックしてみましょう。
- コンビニのお弁当を食べる
- ファーストフードやスナック菓子が好き
- レトルトやインスタント食品をよく食べる
- アルコールをよく飲む
- ストレスが多かった時期がある
- 特定の薬を長期間服用している
- ベジタリアンで肉類をあまり食べない
- 食べ物の好き嫌いが激しい
- ダイエット中
当てはまる人は亜鉛不足に要注意!コンビニの加工食品やインスタント食品は添加物をたくさん使っています。
食品添加物には亜鉛の吸収を邪魔するものが多く、加工食品を作る際にはわざわざ亜鉛を取り除くことも多いのです。
いくら食事を取っていても、亜鉛が少ない食事ばかりでは必要量には届きません。
亜鉛不足になると多くの病気を発症しやすくなる
実は亜鉛が不足すると、考えられないほどたくさんの病気が絡んできます。
ここに挙げたものは、一部です。
- 口の中がしょっぱくなるなどの味覚障害
- 糖の代謝が弱まり、糖尿病になる
- 風邪を引きやすく、免疫機能が落ちる
- 感染症にかかりやすい
- にきびがよくできる
- 皮膚のバリア機能が弱くなる
- うつになりやすい
とはいえ、毎回亜鉛たっぷりの食事を作るのは難しいですよね。
特に亜鉛は食べ物の中にあまり豊富に含まれていませんので、食生活からは取り入れるのが難しいという問題が・・・
亜鉛は体外に排出されるのが多く、体にとどまる量はわずかなのです。
サプリメントというのは、このような時のためにあります。
亜鉛のサプリメントを摂る注意点
ドラッグストアなどに行くと、安い亜鉛の錠剤などが売られているのをよく見ますよね。
ただ、合成の亜鉛を単体で長期的に摂ると、銅が不足して今度は銅欠乏性貧血になってしまうので注意して下さい。
自然界にある、亜鉛が豊富な食材として圧倒的なのが牡蠣。
牡蠣の亜鉛をたっぷりとって、口のしょっぱさから開放され、美味しいご飯を味わえるようになったら最高ですね!
牡蠣に含まれる亜鉛は、もともと亜鉛と銅のバランスが非常に優れているので、そのようなことを心配する必要はありません。
さいごに
口の中がしょっぱくなる病気の中には重篤な病気もあるので、注意して下さい。
今は歩けばコンビニがあちこちにある、便利な生活が手に入ります。
コンビニ食を続けると口の中がしょっぱくなる味覚障害にとどまらず、生活習慣病のリスクも高まってしまいます。
バランスの取れた食事を毎日作るのは難しいかもしれませんが、健康は積み重ねなので意識することを心がけてみてくださいね。