「自然療法フットケア」は、ドイツ式フットケアでもシューフィッターでもない、
足・靴・歩行の3方向から根本原因を正すフットケアメソッドです。
ドイツ式フットケア(フスフレーゲ・ポトロジー)との違い
ドイツ式フットケア(フスフレーゲ、ポドロジーとも呼ばれます)は、ドイツで古くから普及している足のケア法全般の通称です。
硬くなった足の皮膚(角質・タコ)を削り取る施術がメインの技術で、それに巻き爪の処置、魚の目の芯を取る処置、テーピング、インソール、フットマッサージなどが加わることがあります。
自然療法フットケアとの違いを、ポイント別にまとめてみましょう。
硬くなった皮膚(角質・タコ)を削るか、削らないか
皮膚の角質層は人体のいちばん外側にあって、外部からの衝撃から人体内部を保護するようにもともと厚くなっています。
足は全体重の負荷で硬い地面に押しつけられている上、3点アーチの低下、ハイヒール・ピンヒールの常用、足に合わない靴で歩くたびにかかとが浮く、といった理由から足の同じところに強い圧力や摩擦が与えられ、人体を守ろうとする一種の防御反応として皮膚が硬く肥厚しがちです。
この肥厚した皮膚を、機械的に削ってしまおうというのがドイツ式フットケアで、いかにきれいに衛生的に削るかの技術を磨いてきました。
一方で、皮膚は約4週間サイクルで新陳代謝しており、肥厚した皮膚も自然に消失していくので、無理に削ることはない、むしろ皮膚を傷つけるのでなるべく足は削らずに余分な圧力や摩擦を取り除くことの方が有効だ、と考えるのが自然療法フットケアです。
足を削ってしまうのは、典型的な対症療法です。
ガサガサの足が短時間でツルツルになるものの、しばらくするとまたガサガサになってしまう。いつまで削ればいいの?という疑問も生まれます。
一方、足を根本的に直すには数週間単位の時間と努力が必要です。
客観的に判断しますと、新陳代謝の力が著しく低下した高齢者や病気を患っている方には、硬くなった皮膚を削って新陳代謝を助けることは非常に有益と考えます。
一般の方なら、自然療法フットケアの方が皮膚の健康のみならず、足とからだ全体へのメリットが大きいと言えるでしょう。
外反母趾・内反小趾、巻き爪、魚の目
早く結果が欲しい場合は、外科的処置が含まれる可能性がありますので、ドイツ式フットケアではなく、皮膚科などの医療機関を受診しましょう。(ただし、再発のリスクは残ります。)
外科的処置を望まない場合や、足・靴・歩き方からケアに取り組む余裕がある場合は、自然療法フットケアが適しています。
(ただし、それなりの時間と努力が必要です。)
インソールの作成
ドイツ式フットケアも自然療法フットケアも、インソール(靴の中敷)を作成して低下したアーチを支え足の機能を補完するという目的があります。
違いは、インソールの作成システムにあります。
もっとも伝統的なドイツ式フットケアのインソールは、1枚のコルク板を削って作る「足底板」と呼ばれる一体型の分厚いインソールです。これだと底の深い専用のコンフォートシューズに装着するのが前提となります。
一方、自然療法フットケアで採用しているのは一体型ではなく、数種類の機能性インソールパーツを靴の中敷の下に貼り込んで作成するシステムです。
そのため、パンプス、サンダル、ブーツなど、女性が好む靴にも装着が可能となり、実際的なケアの実効性が大きく高まりました。
その他、いろいろなインソールのシステムがありますので、個々に比較して特徴をご確認ください。
フットマッサージ(レッグトリートメント)
リラクゼーション目的の軽いマッサージから、リフレクソロジー、アロママッサージ、リンパマッサージなど、さまざまなフットマッサージが行われています。
自然療法フットケアのレッグトリートメントは、疲労で硬くなった足裏からふくらはぎの筋肉をほぐし、筋肉の質(柔軟性)を回復することを主目的としたオリジナルの手技です。
シューフィッターとの違い
シューフィッターは、靴の販売に携わる方のための資格です。
「シューフィッターのいる店」という風によく使われ、一般の方への認知度も比較的高い資格です。
靴の販売店で3年以上の実務経験があること、2日間の講習会に出席して所定のホームワークを提出すること、 などが資格取得の条件です。
シューフィッターと自然療法フットケアの講座では、 以下の部分が共通した内容となります。
- 靴の選び方と靴のサイズ選びの理論
- 足と靴のフィッティング調整技術
- 足の採寸、フットプリントの取り方と評価法
自然療法フットケアではさらに、
- 外反母趾・開張足のテーピング
- 低下した3点アーチをサポートするインソール作成
- 姿勢・歩行の矯正レッスン、レッグトリートメント
など、より幅広く「足・靴・歩行を正す」フットケア技術を学びます。
シューフィッター
シューフィッターは、靴を販売する側の視点に立った資格。
足を良くするというより、悪い足でも楽に履ける靴の提供とアドバイスを行います。
自然療法フットケア
自然療法フットケアは、足の悩みを軽減する視点に立った資格。
足・靴・歩行を正しくするためのフットケア技術の提供とアドバイスを行います。
このように、根本的な視点や目的に違いがあります。
シューフィッターは、靴の販売に長く携わりたい方におすすめです。
一方の当校の講座で習得する「自然療法フットケア」は、最新のヨーロッパのフットケア理論と東洋の手技の良いところを融合させた、足・靴・歩行を三位一体としたトータルフットケアメソッドになります。
メディアフットケアとの違い
メディカルフットケアとは、病院などの医療機関で行われる医療的なフットケアを指す通称です。
- 糖尿病・腎臓病患者さんの足病変ケア
- 看護師による高齢者の足の爪切り
- 看護師による角質・タコを削る施術
- 魚の目の芯を取り除く外科的施術
- 巻き爪の治療
- 技師装具師による足底板の作成
などを含めることが多いようです。
また、足のトラブルに関する医療的な治療として、
- 外反母趾、内反小趾の治療(主に手術)
- 変形性膝関節症の治療(サポーター、リハビリ、手術)
- 静脈瘤・リンパ浮腫の治療(医療ストッキング、手術)
などが行われています。
医師や看護師による「靴の選び方の指導」「正しい歩き方の指導」といった予防的なサービスへのニーズは高いものの、
- 医師・看護師の靴・歩行に関する知識の不足
- 時間の不足
- 保険診療制度の問題
などがあり、実際に行われている医療機関はきわめて例外的なのが実情です。
メディカルフットケア
「メディカルフットケア」は、足病変が進行した患者さんへの医療的ケア。
「対症療法」が中心で、主に手術や外科的施術を用いるケア方法になります。
痛みなどに即効性がありますが、再発防止のための対策が必要です。
自然療法フットケア
足・靴・歩行を正しくすることから自然回復力による改善を図るケア法です。
足のトラブルが病的な段階にまで進行していない方には、手術の回避を。
手術が必要な方には、術後の再発予防のためのケアとして機能します。