BIO(オーガニック製品)のお勉強 |
こんにちは、高崎です。
突然ですがわたくし、BIO(フランスのオーガニック製品の総称、以下ビオにしますね)が大好きです。
体に良いものを食べたい、自然環境保護に貢献したい…という気持ちもありますが、理由はもっと分かりやすく「美味しいから」。
特に野菜・果物・食肉は、大量生産品と比べて明らかに、お味がよろしいように感じています。
野菜・果物は、甘みも苦みも渋みも瑞々しさも、味わいのあらゆる点がストレートに強調されている。お肉なら塩こしょうなしでも美味しく食べられるくらい、滋味があるのですよね。
農薬を使わない農法なので大量生産化が難しく、必然的に小規模生産者が多い=おらが作物に大変な情熱を傾けて面白いものを作ってくれる生産者に当たる確率が高い、というオマケもあり。
素材至上主義and非商業主義ベースな世界なので、お惣菜やソース類の味付けがイマイチの商品が多いのが、玉にキズですかねぇ。
ビオは大量生産品に比べてお値段が張るし、お出かけ先で入手不可能のときに血相を変えるのもなんなので、コテコテの原理主義者にならず「買える範囲でなるべく」というスタンスを心がけています。日常的に買えるようになったもの、我が家の経済力が落ち着いてきたここ10年ほどのことですしね。
生鮮食材は家の近くに出るビオ市場の生産者さん、保存品や加工品はこれまた近所のビオ専門スーパーを愛用していますが、最近は「カーフール」や「モノプリ」などの自社ブランドでもビオが増えて、ずいぶん買いやすくなりました。
ビオ 入門者のころは大手スーパーにはほとんど置かれていず、細々とやっている専門店を探さなくちゃ行けないくらいだったのに…ホロリ。
前置きが長くなりましたが、今日はこのビオの基礎知識を書いていこうと思います。
珍しくジャーナリストらしい、文字文字のお勉強エントリでっせ!私もやれば出来る子!
ちょっと長くなると思うので、気力とお時間のあるときにどうぞ〜。
*今回のエントリ、データはフランス農業省付属機関Agence Bio(フランス有機農法発展振興局)の資料(最新版は2012年データ)から引いています。http://www.agencebio.org
食材屋さんやコスメ関係のお店でよく見るこのマーク、ご存知の方も多いと思います。
フランス農業省の有機栽培(Agriculture Biologique) 由来製品の認可印で、いわゆる「ABマーク」というものですね。「100%有機農法・加工法由来のもの、もしくは材料の95%以上が有機農法・加工法由来のもの」につけられます。認可条件はかなり細かく規定されていますが、ざっくり言うと「農地に無用なダメージを与えない、農薬・化学肥料を極力排除した農法由来のもの」てことになります。
フランスのビオ認可制度は1980年代に法制化され、欧州各国の中でも基準が厳しいと言われてきました。各国の基準の違いは欧州でちょいと問題だったのですが、2009年、「ベースを欧州基準に合わせ、そこに各国で独自の基準を取り入れる」ということで決着したそうです。
ちなみにこちらが欧州基準のオーガニック認可マーク。輸入品はこちらのマークをつけているものが多いです。
このABマークの基準にも異を唱える生産者さんたちはいて、敢えてAB認証を取らず、自分が正しいと思う農法を追求する方達もいます。彼らはたいていNatureとかAgriculture Naturelleって言葉を使っていますね。
ちなみに減農薬農法もAgriculture Raisonnéeという旗の元に法定化されているのですが、こちらは「農薬を使うことを前提に、その量を減らす努力をしている農法」なので、ちょっとニュアンスが違うんですな…これもお題としてなかなか面白いので、何かのときにまた改めて。
フランスのオーガニックってどんだけ?
日本語で書かれたビオまわりの情報やビオ製品の宣伝文句なんかを見ると、「農業大国フランスが誇るオーガニック製品!」みたいに華々しく書かれていることが多いですが…実はフランスのビオ認定農地は農地全体の4.5%しかありません。しかもそのうちの3割弱は「転換中」の土地で、正式なビオ農地でもない。ヨーロッパのオーガニック先進国はデンマークを始めとした北欧、オーストリアを旗手にした中欧で、農地の割合ではフランスは上位10位にも入っていないのが現実。もうひとつ言ってしまうと、ヨーロッパで一番の農薬消費国もフランスという現実があります(ソースはこちら、フランス上院の報告書。http://www.senat.fr/rap/l02-215-2/l02-215-239.html ちなみに世界では3位で、1位はアメリカ、2位は日本ですわ〜涙)。畢竟、大手スーパーの自社ブランドは、スペインやイタリア、モロッコなんかで生産しているものが多くなったりして。「環境に出来るだけ負荷をかけない」のがビオの目的なのに、より多くの二酸化炭素を発生させる遠方輸送を使ってるのはどうなんだ…という意見も見られます。
でもまぁね、これでもビオは成長軌道にいるんだから、ちょっと大目に見てくださいな…と、個人的には思ってしまいます。だって2002年の作付け面積は全体の1.73%しかなかったんですよー!10年で倍以上、たいしたもんじゃあないですか!
消費の方を見ると、市場規模は40億ユーロ。1999年から2011年で約4倍に成長しているそうな。さる市場調査によると、ビオを定期的に買っている人の65%は大規模スーパーで購入しているんですって。フランスのビオの成長には大規模スーパーが一役買っていて、その製品は他国産も多くって…てのが、無視できない現状なんですな。
フランス政府が行う環境総会(Grenelle de l'environnement)では一応、2020年までにビオ農地の割合を農地全体の20%にする、という目的を掲げていますがいかに。あと6年ですよ〜…。
ビオってどんだけ高いの?
価格の比較データがあまり見つからなかったので、ひとつだけ。団体食(学校給食、病院食、など)の食材をビオに切り替えようとすると、コストが23%上がるんですって。うーん、そりゃ大変だ。
日常買っている身としては、野菜果物は非ビオ製品の1.2〜1.5倍くらい、肉・魚は1.5〜2倍くらい高い感覚がありますが、これは客観的なデータではないのでご参考までに。
でもね、それくらいの差だったら、食べる全体量を少し減らしてもビオを食べたいな〜…と思うくらい、お味が違うと思うんですよねー。
ざっくりですが、フランスのオーガニックの現状はこんな感じです。
賛否両論いろいろあれど、やっぱり美味しいし環境にも良心にも優しいので(お財布には厳しいですが)、これからも「なるべくビオライフ」を続けて行こうと思います。
長いエントリを最後まで読んでくれた方へ、お礼の代わりに私が頼りにしているビオアドレスをちょろっと。どこも美味しく楽しいですよ〜。
●市場
ブローニュのビオ市:第1・第3土曜日 Route de la Reine沿い、Rue de L'ancienne Mairie付近にて。野菜は一番地味なリュックさんの屋台で。ここの根菜類とサラダ菜類は刮目ものの美味しさです。キャディ一杯買って30〜40ユーロと、泣けるお値段設定も嬉しい。
パリ17区バティニョールのビオ市:毎週土曜日午前、Boulevard des Batignollesで。パリでは6区Renne通りのビオ市が有名ですが、全体的にどうにもスノッブでお値段もドッヒャー!な高さ。17区のほうが雰囲気がフレンドリーで心持ちリーズナブルです。あ、16区のイエナの朝市もありますが、まーここはセレブ向けってことで…。
●専門店
Nouveaux Robinsons:老舗のビオ専門スーパーチェーン。お値段も他よりちょっとだけ安めです。
http://www.nouveauxrobinson.fr
Hedonie : パリ6区にあるビオ食材屋さん。見目もよい品が多いので、お土産探しに重宝します。
http://www.hedonie.fr
●物産展
Marjolaine : フランス中からBIO生産者が参加するパリ開催の物産展。地方の熱血生産者さんとお話しできる、貴重で楽しい機会です。
http://www.salon-marjolaine.com
●レストラン
Boco : 三つ星シェフのレシピを瓶詰めで販売するレストラン。イートインもテイクアウトもあります。個人的には、Anne-Sophie Picさん、Gille Goujonさん、Régis Marconさんのものがおすすめ。
http://www.boco.fr
CIBVS : ビオ食材を使ったイタリア料理店。16席しかない、ものすごくチャーミングで美味しいお店です。私のパリのイタリアンはここ一択…。高めだし待ち時間が長いときもあるけれど、とにかく美味しいし魅力的なんですわー。ほんとうはナイショにしておきたいお店なので(ってファッション系の方などにはもはや有名ですが)、店名から検索してみてくだされ!
Arpege:パリで食べられるビオ野菜ガストロノミーといえばやはりここでしょう…三つ星なので気軽に行けるところではないし、恥ずかしながら私ももう何年も行っていませんし、他にもお野菜の名手のお店はあるのでしょうが、それでもやっぱり。夢見るように美味しい野菜の塩竈焼きが忘れられません。ああ、食べたい。お野菜はシェフの自家農園で作られてます。
http://www.alain-passard.com