犬が人間の顔や口元をなめてくることってよくありますよね。
物凄くしつこかったり、何か言いたげに1・2回だけだったり、何かしらの気持ちを伝えたいのだろうけど本当は何が言いたいんだろう?と不思議になる時もあります。
今回は犬が顔や口元をなめる理由と意味をケース別に、そして顔や口元をなめることを止めさせる方法なども御紹介していきます。
犬が顔や口元をなめてくることに困っている飼い主さんは、是非参考にしてみて下さい。
犬が顔や口元をなめる理由
犬が人間の顔や口元をなめる理由は犬の祖先であるオオカミの習慣の名残から、大きく分けて2つあると言われています。
オオカミは群れで生活をする為、自分より上位のオオカミの口元をなめることで敵意が無いことや親愛の情などを示してコミュニケーションをはかっていたという『オオカミ流の挨拶』からくるものと、子オオカミが母オオカミも口の中に蓄えてある食べ物を吐き出してもらう為の『食べ物をねだるしぐさ』からくるものです。
この2つの習慣の名残が少し意味を変えながら現代の犬にも残っており、犬が人間の顔や口元をなめるという行動に繋がっていると考えられています。
そしてこの様な理由から犬が顔や口元をなめるという行為は、犬が飼い主さんのことをリーダーや保護者として認め、頼り敬っているという気持ちの表れであると解釈されています。
犬が顔や口元をなめる意味
犬が人間の顔や口元をなめる理由には様々な意味がありますので、何に対してどの様な意味があるのかをケース別に見ていきましょう。
同じ様なケースであっても、犬の性格によって何を意味しているのか異なってきますし、色々な意味が複合的に含まれている場合もありますので、愛犬に照らし合わせて考えてみて下さい。
挨拶
●コミュニケーションを取る時
●初めての人や動物に会った時
犬の祖先のオオカミの習慣の名残として1番強いものがこちらになります。
現代では自分より立場が上の相手に対してだけでなく、広く挨拶として顔や口元をなめる犬が多いようです。
初めて会う人に対しても顔や口元をなめている際は、立場などの上下関係ではなく『初めまして』という様な友好的な意味になります。
お腹が空いている
●空腹な時
●もっと食べたい時
こちらもオオカミの習慣の名残から、犬が自分の母親的な飼い主さんに食べ物をねだっているしぐさになります。
お腹が空いたことをアピールしていたり、食後などの場合はもっと食べたいということを訴えているのです。
ストレス・不安
●苦手・嫌い・初めての人や動物に会った時
●苦手・嫌い・初めての場所に行った時
●苦手・嫌い・不慣れ・初めてのことをしなければいけない時
●何かしらのストレスが強く重なっている時
上記の様な状況の場合は、飼い主さんに助けを求めていたり、何かが嫌だと訴える為に顔や口元をなめてその気持ちを伝えようとしている可能性が高いです。
少し顔色を伺いながらどこか不安そうな表情で顔や口元をなめてくる様でしたら、何らかのストレスを感じている可能性もあります。
また、その不安や緊張などの落ち着かない気持ちを、顔や口元をなめることで気持ちをまぎらわせて落ち着かせようとしている場合も有り得ます。
●心の病気
ここでひとつ気を付けて頂きたいのが、この不安そうに顔や口元をなめる行為をいつまでも止めない犬の場合です。
意味も無くなめ続けることで強い不安やストレスなどを解消しようとする『強迫性障害』という、犬の心の病気である可能性があるからです。
この病気は、自分がとても弱い存在であるということに強い不安やストレスを感じている為、そのストレスを取り除いてあげない限り、いつまでもなめ続けるという行為を止められなくなってしまうというものです。
怖がりであるなど気の小さい小型犬などが発症し易いと言われていますが、なめ続けて止まらないという傾向が見られる様でしたら、ストレスの改善に努めてあげて下さい。
謝罪・同意
●飼い主さんなどに怒られている時
●了解のサイン
こちらの場合にもオオカミの習慣の名残があり、相手への服従のサインである顔や口元をなめるという行為で謝罪の気持ちを伝えています。
また、服従という気持ちは信頼からも来ていますので同じ様な意味合いで、信頼しているという気持ちや了解のサインも表しています。
親愛
●飼い主さんなどが帰宅した時
●スキンシップを取っている時
●喜んでいたり、嬉しかったり、楽しかったりする時
●甘えたい時
●仲良くなりたい時
現代の犬が人間の顔や口元をなめる意味として最も多いと言われているのが、親愛の情を示したいという気持ちです。
飼い主さんが帰宅した際などに、激しく尻尾を振りながら顔や口元をなめてくるのはこの喜びの気持ちや嬉しい気持ち、飼い主さんがいるだけで楽しいなど、大好きな気持ちを伝えたいのです。
この傾向は、生まれた時から人間との関係が良好で、精神的にも健康的にも問題無く育っている犬に強く見られると言われています。
また、現代の犬は飼い主さんの存在を群れのリーダーではなく、母親などの保護者であるという視点から認識している場合が多い為、このような親愛の気持ちを示しやすい社交的な犬が多いとも言われています。
飼い主さんにだけでなく他の人間や動物などと仲良くしたいという時にも、顔や口元をなめることでその思いを伝えます。
落ち着いてほしい
●怒られた時
●飼い主さんや家族が喧嘩などをしている時
●誰かが大きな声を出している時
落ち着いてほしいということを伝える為に、顔や口元をなめている場合があります。
自分のことを怒っている相手にだけでなく喧嘩の仲裁など、そんなに怒らないでほしいとなだめているのです。
また、誰かが大きな声を出している際にも、なだめるという気持ちの延長線上で、どうしたの?と顔や口元をなめる場合があります。
顔や口元をなめることを止めさせる方法
犬に顔や口元をなめさせることを止めさせたい場合には、
●犬が顔や口元をなめてきたら、無言でその場を離れ犬が落ち着くまで無視をする
●なめずに落ち着くことが出来たら、きちんと褒める
の2点を徹底してみて下さい。
犬を無視して冷たい態度を取ることで顔や口元をなめても喜ばれないということを学ばせ、落ち着いたら褒めることで顔や口元をなめることは良くないことだということを、合わせて学習してもらうのです。
この時に、顔や口元をなめることを無理に止めさせようと犬を振り払ったり、大げさに嫌がったりしてしまうと、犬は喜んでもらえていると勘違いしてしまいますので冷静に対処して下さい。
『お座り』や『待て』が出来る犬ならその方法で一旦落ち着かせるのも効果的ですし、ケージやハウスに入れて落ち着かせる方法もあります。
飼い主さんは親愛の情を込めて顔や口元をなめられることを嬉しいと思ったりしますが、顔や口元をなめさせることを良しとしていても節度は大切です。
また、来客やお散歩中に出会う人の中には、犬に顔などをなめられることを嫌う人も少なくはないと思います。
始めは興奮して言うことを聞いてくれなかったとしても、何度かこの方法を繰り返すことで改善されていきますので、躾も兼ねて試してみて下さい。
顔や口元をなめることの注意点
犬の唾液はpHがアルカリ性で人間の唾液より殺菌力が高いと言われていますが、犬と人間は口内に保有する菌が違う為に、人畜共通感染症(ズーノーシス) と呼ばれる犬から人間に感染する病気が存在します。
犬が人間の顔や口元をなめることにより、この人畜共通感染症(ズーノーシス)の感染ルートになってしまう恐れがあり、特に子供や高齢者、妊婦さんや免疫力が低下している人は注意が必要だと言われています。
例えば、犬の75%が保有していて人間は保有していないパスツレラ菌に感染した場合には、健康な状態で感染したのなら無害ではあるのですが、上記した様な人が感染してしまった場合には気管支炎などを発症してしまうことも有り得ます。
また、コクシエラ菌という細菌による高熱が出る感染病や、回虫などの消化管寄生虫の犬から人へ感染も報告されています。
赤ちゃんや免疫機能の低下した人の口の中までなめてしまう様な過度のスキンシップを犬がしてしまわない様に注意したり、なめられてしまったら口内までキチンと洗うことが大切です。
まとめ
今回は犬が人間の顔や口元をなめる理由とその意味をケース別に、そして犬が顔や口元をなめることを止めさせる方法をお伝えしました。
顔や口元をなめる意味は、挨拶だったり、不安だったり、抵抗だったり、親愛の情だったりと、何かしらの気持ちを伝えたいということがほとんどで、本当に色んな意味がありました。
ワンちゃんは言葉が話せない分、行動で示してくれています。
どんな表情でなめているのか?何回位なめてきたのか?前後の行動はどうか?なども合わせてワンちゃんが何を伝えたがっているのかを考えてみる際に、この記事が参考になれば幸いです。
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