参考資料 事例
事例1
平成26年9月、甲は突然のインターフォンに応対すると、男が「トイレのメーカーの△△に頼まれて点検に来ました。」と言った。甲は製造元から直接トイレの点検に来るのは変だとは思ったが、玄関ドアを開けた。すると、作業服姿の男2人が立っており、1人が「シールズのAと言います。トイレの点検に伺いました。」と言った。
甲は2人を部屋に上げ、トイレに案内した。Aが「甲さんは、10年前に、トイレのタンクや便器を交換していらっしゃいますよね。以前、トイレ工事をした会社が倒産してクレームが多く、△△に頼まれて点検に来ました。」と言った。甲は以前トイレのリフォームをしたことをAらが知っていたので、本当に製造元から依頼されて点検に来たと思った。Aらはタンクや便器を点検していたが、その場では結果は言わず、1人が部屋から出て行き、Bを連れて戻って来た。
Bはタンクや便器と床との間を点検し、甲に「素人にはわからないが、内部で水が漏れている。タンクを交換したほうがよい。ほら、便器と床との間が黒ずんでいる箇所があるでしょう。これは、便器と足元との間にパッキンがあり、そこから、水が漏れているから黒ずんでいるのです。タンクや便器を交換しなければいけない。」と言った。
甲がBに「足元のパッキンを交換するだけで、用は足りるのではないの。」と尋ねると、Bは「そうは、いかないです。トイレ本体を交換しなければいけないです。水漏れしているので、これは、大変だ、階下に迷惑がかかる。水というのは、階下だけでなく、隣の部屋にも水漏れしたりすると、大ごとになる、10万とか20万円ではすまされませんよ。そうなる前に交換しなければいけない。」と言った。甲は、リフォームのプロであるBに強い言葉で言われ、階下等に迷惑をかけることは絶対避けなければいけないと思い、契約をすることに決め、購入申込契約書に記名・押印した。
契約書には「契約品名 トイレ便器タンク 単価・数量1 金額XXX,XXX円、温水洗浄便座、床/CF、総合計XXX,XXX円」などと記載されていたが、個々の単価や型番等は記載されていなかった。
その後、本当に水漏れしているか他社に点検を依頼した。結果は「特に異常なし。」とのことで、点検作業員からは「便器と床との間の黒ずんでいる所は、水漏れで発生したものではない。この箇所から水漏れすることはない。お宅の場合、タンクも便器も異常はなく、まったく水漏れの心配はない。」と説明を受けた。
事例2
平成26年3月、乙は玄関のチャイムが鳴ったのでドアを開けると、男Cが1人で立っていた。Cは「メーカーの△△から依頼されて来ました。風呂や水周りの具合はどうですか。近くを回っています。メンテナンスに来ました。」と言ったが、会社名や名前は名乗らなかった。乙は以前風呂や水周りのリフォームを行った関係で、リフォームをした会社の者が来たと思い、部屋の中に入れて風呂場に案内した。
Cは風呂場の点検を簡単に終えると、次にトイレ内を丹念に点検し、「今日、明日ではないですが床が傷んでいる。落ちる可能性がある。もし落ちた場合、水漏れして下の人に迷惑がかかる。」と言った。乙は水周りの点検の専門家から言われたので、これは大変なことになったと不安感を覚え、水漏れすると階下等に迷惑をかけると思い、それだけは避けなければいけないと思った。
乙はCに「修理するのにいくら位かかりますか。」と尋ねると、「上の者が近所を回っていますので呼んで来ます。」と言って部屋を出て行った。Cは10分位経った後、Dを連れて戻ってきた。Dも会社名や名前は言わなかった。Dは壁や便器や床等を入念に15~20分位点検し、終わるとトイレから出て、乙が契約するとも言っていないのに購入申込契約書を取り出し、何やら書き込んでいた。
Dは契約書を書き終えると、乙に契約書を提示した。乙は専門家が点検して床が落ちると言う以上、トイレのリフォームしかないと思い契約することを決めた。
契約書には総合計金額のみが記載されていた。また、便器やタンク等の型式や単価について契約書に記載されていないし、一切説明はなかった。
その後、乙が他社に点検を依頼した結果、「トイレは水漏れもしていないし、床も腐れやきしみもないし、まったく異常はないし、床は全然、傷んでいないよ。」と言われた。
事例3
平成26年4月、丙は玄関のインターフォンのチャイムが鳴ったので、玄関ドアを開けると見覚えがない男が立っていた。男は「シールズのEと申します。3年前に湯沸し器の点検をした会社の社員で、社員も一緒に別の会社に吸収されたので社名は違いますが、今回家の点検に来ました。」と言って名刺を差し出した。
丙は以前リフォームした業者が点検に来たものと思い部屋の中に入れた。Eは台所、風呂場、洗面所を点検していたが、数分で終わり「台所等は異常ありません。」と言った。最後のトイレは入念に点検し、トイレから中々出て来なかった。
丙は何か不具合を見つけて長引いていると思い、トイレ内を覗き込むと、Eは便器に向って右側の便器と床と接する隙間に帯状に幅X~Xミリメートル位、長さXXセンチメートル位の黒緑色のコケ様なものが付着した箇所を指し、「見て下さい。濃く緑色のコケ様のものが付いた箇所は、水漏れしているからです。もうダメですね、このままにしておくと漏水になる。下の階の人に迷惑がかかります。即、やらなければダメです。」と言った。丙はプロが点検して水漏れしていると言われて階下等に迷惑をかけるのだけは絶対に避けなければいけない、修理するしかないかと思った。
Eは「この現場を分かっている人が来ているから一緒に見てもらいましょう。」と言って携帯電話で連絡を取ると、直ぐにFが来た。Fは「以前、給水器工事を契約したとき訪問しました。」と言って名刺を差し出したが、丙は覚えていなかった。EがFに便器と床との隙間が黒緑色になっている箇所を指して説明すると、Fは「この黒緑色になっているのは、水漏れしているからです。あーダメですね、このままにしておくと漏水になる。下の家に迷惑がかかりますね。やらなければいけないですね。」と言った。丙は2人のプロがトイレの便器を見て「水漏れだ、すぐ直さなければいけない。」と同じ事を言ったことで益々不安になり、階下に水漏れすると大変だ、直すしかないかと思い頭の中がいっぱいになった。
Fは「壁や便器とタンクのトイレ全体のリフォームをすると必要となる費用はXX万円位かかる。」と言ったので、丙は「こんなにきれいなのに、なぜトイレ全体のリフォームが必要なの、便器だけの修理でいいです。」と言って拒否した。すると、Fは「このままだったら大変なことになる。」と言った。丙はFに「少し考えさせて下さい。」と言うと、Fは「今、やらなければいけない。階下に水漏れすると大変なことになる。」などと言った。丙はFが提案したトイレ全体については拒否したが、便器やタンク等についてのリフォームは渋々契約することを決意し、契約書に記名・押印した。
契約書には便器、タンク等とあり、合計金額は記載されているが、型式や個々の単価、数量の記載がなく、Fから商品について説明もないし、パンフレットの提示もなかった。
数日後、丙は、リフォーム関係に詳しい知人に相談し、トイレを点検してもらったところ、コケ様なものはクレンザーと歯ブラシで擦るときれいに拭き取られ跡形もない状態となった。知人は「これは水漏れで付着したものではない。便器と床との間にゴミ等が付着して出来た汚れだ。」と言った。
事例4
平成27年4月、丁は突然にインターフォンが鳴ったので玄関ドアを開けると、作業服を着た男Gが立っていた。
Gは「この地域の仕事が終わったので訪ねてきました。水周りの工事業者で点検を行っています。」と言ったが、会社名や名前は名乗らなかった。Gは部屋に入ると、トイレの点検を始め、「もし、トイレで水漏れがおきると下の階の住民に迷惑がかかります。そのためにも、トイレの壁を壊して中の配管を確認しないと水漏れしているか否かわからない。」と言った。そして、「この様な点検に詳しい上司が近所を回っているので、呼んできて点検をしてもらいます。」と言って出て行った。
数分後、Gは作業服を着た男Hを連れて入って来た。Hも「この建物は築年数も経っており、水漏れしている可能性があるので壁を壊して確認しなければならない。」などと言って、丁が契約するとも言っていないのに、契約書を取り出して記入を始めたが、部品・材料の名称及び総額のみで、具体的な部材の型番・単価・数量は記載されていなかった。また、契約書には、取締役の記載はあったが、代表取締役ではなかった。
丁は「契約は待って下さい。費用が高額なので、他の業者からも見積を取りたいと思います。」と言うと、Hは「見積は取らないで下さい。」と言って契約書を書くのをやめようとはしなかった。丁はHが契約書を書くのをやめようとしないため、本当に水漏れしているので契約を勧めていると思い、水漏れすると階下の人に迷惑がかかるので、やむなく契約をした。