室山まゆみ
実家のあった熊本県玉名郡玉東町で中学生の頃から姉妹で漫画を描き、雑誌の漫画賞等に投稿をしていた。何度か受賞した後、妹の眞里子の高校卒業と共に上京。姉の眞弓はOL稼業をこなしつつ漫画家デビューを目指す。
同じコンビ漫画家としてはゆでたまごが原作担当と作画担当に分かれているのに対し、室山まゆみは2人とも話と絵の制作に関わる。ちなみに下絵担当は妹の眞里子、姉の眞弓はペン入れを担当している。
「ゆみまりこ」というペンネームでデビューするはずだったが、当時の編集部の担当者がペンネームが嫌いな人間であったため、勝手にほぼ姉の本名である「室山まゆみ」名義で作品が発表された。そのため、初期の読者の中には作者が2人だということを知らない人もいた。姉妹は「ペンネームの変更は出来ない」と思いこんでいたため不本意ながらこの名義を使い続けたが、やがてどうでも良くなってしまい、変更しないまま現在に至っている。
もともとは少女漫画家あるいはホラー漫画家志望であり、ギャグ漫画は得意ではなくデビュー前は数話しか描いたことがなかったのだが、編集部からの要望によりギャグ漫画で初連載することになる。これがヒットし、その後も代表作となる『あさりちゃん』などで、30年近くにわたり児童向けギャグ漫画を描き続けることになり、現在に至る。短命が多いといわれるギャグ漫画家の中でこれは希有のことであり、年数だけならば秋本治にほぼ匹敵するほどの長期連載を誇っている。代表作『あさりちゃん』も全100巻と、てんとう虫コミックスでは最長の発巻数を誇る。
作風として過激なギャグにも少女漫画風の美形が多数登場したり、本格ホラー的なストーリーが多数あったりと、かつての少女漫画家あるいはホラー漫画家志望を強く思わせるものが多い。
サービス精神が豊富で、コミックスの巻末や話の区切りに、近況報告やお手軽料理の紹介、読者の質問に答える書き下ろし漫画等を掲載している。またコミックスの書き下ろしが多い。この『作者のぺえじ』では2人共年齢を人に知られるのが嫌いと言っているが、自分からネタを振っていることも多い。
過去に読者から「内容が難しく理解出来ない」「あさりちゃんの面白さが分かるようでないと高校生とは言えない」などとコメントが寄せられ、内容が子供向けになっていないこと、子供にも分かりやすいストーリー展開になっていないことが悩みの種になっている。
また漫画だけでなく、ボーイズラブ的な要素を含む小説も幾つか発表している。
自身が主催する自身のファンクラブ「ざしきぶた倶楽部」(通称「ざぶ通」)が存在する。
2014年(平成26年)、「二人組による1コミックシリーズ最多発行巻数(女性作家)」としてギネス世界記録に認定された。
- アシスタントは基本的に取らない方針で、常に2人で作業をしている(本当に忙しい時に一時的に読者からアシスタントを募った事はある)。
- かなりの酒豪であり、姉妹で1か月のビール消費量が120本を越えた事がある。単行本で紹介する一品料理のレシピも酒の肴としてのものがかなりの割合を占める。
- ダイエット経験が本が出せるくらい(後述)多く、話題になったダイエット方法には殆ど挑戦している。漫画の中でも小学生向けに関わらず、ダイエットに絡んだエピソードが数多く登場する。
- 好物はエビフライとスパゲッティで『あさりちゃん』の作中でもエビフライが絡むネタが存在する。また古くからの激辛マニアであり、父親が「人間の食い物じゃない」と評する程に辛いレベルの料理を日常的に食している。
- 姉の眞弓は幼い頃に煙草で瞼を火傷しており、その為か、2人とも嫌煙家であり仕事場は全て禁煙としている。(過去には出版社の関係者などは喫煙を許可していたがその人物が帰宅した直後に慌てて換気や消臭をする為、たまたま忘れ物で戻った担当者にその現場を見られてしまい心を傷つけてしまったことから完全禁煙になった。)
- 学生時代からあだ名や呼び捨てで呼ばれるのを嫌っており、同級生に「ちゃんと名前で呼んで」「さん付けで呼んで」と言っていたが(これは家庭でも両親からさん付けで呼ばれて育った事に起因すると思われる)、現在は漫画の中で「まゆみかん」「おまりんご」と自分でニックネームをつけている。
- ギャグ漫画家へ転向した動機は、デビュー当時、少女漫画とギャグ漫画を掛け持ちで活動しようとしたが、当時の編集者に「二足の草鞋だと、どっちも下手のまま伸びない」と説得されギャグ一本に専念する事を決心した、と言うのと、雑誌社から来た初連載の話がギャグ漫画だったから、と言う2つの説がある。また、「ギャクマンガは連載であるケースが多いため、とりあえず安定した収入が見込める。だから今は一応ギャグマンガをメインにし、将来的には他にもいろいろなマンガを描いていこう、と二人で話し合った」というインタビュー記事も存在する。
- 学生時代、同人誌でやおい物を描いていたらしく、自身のファンクラブでその時の原稿を販売した事がある。
※一部書籍に代表作「NEXT ONE」と書いてあるがそれはチャップリンの真似で「NEXT ONE」という作品があるわけではない。「次回作が自分(たち)にとって最高の作品になるよう、常に全力を尽くす」という趣旨。
単行本収録作品
- やんちゃでお転婆な女の子浜野あさりの騒がしい日常を描いたギャグ漫画。秀才の姉タタミや怖ーいママ、さんごとのハチャメチャな展開が見所。主役のタタミ・あさり姉妹の誕生日と血液型は作者自身と全く同じ日付となっている。1978年(昭和53年)から2014年(平成26年)まで35年にわたって学年誌に連載された。また、本作のテレビアニメ版は東映アニメーション制作で1982年(昭和57年)にテレビ朝日系にて放送され、1983年(昭和58年)には同社制作で『あさりちゃん 愛のメルヘン少女』としてアニメ映画化もされた。さらにテレビアニメ版のDVDがコロムビアミュージックエンタテインメントから発売された(2005年11月30日から順次発売)。浜野一家のモデルは作者の家族で、この事は単行本第1巻の作者紹介の作者コメントに記載されている(ただし、実際は全然違っているらしく、このコメントを書き直した方がいいという趣旨の発言を後にしている)。
- 1986年(昭和61年)より約4年間、小学館の学年誌に掲載され、てんとう虫コミックスの単行本が全3巻発刊された(現在では絶版)。
- あさりVSどろろんぱっ
- 『てんとう虫コミックススペシャル 室山まゆみ傑作集 (1)』として単行本が発刊された(現在では絶版)。
- 室山まゆみ初の連載作品で、1977年(昭和52年)より約4年間、小学館の『小学五年生』『小学六年生』に掲載された。元気な小学5年生の女の子野々タンポポと親友の藪小路いばらが起こす騒動を描いたギャグ作品。藪小路いばらは後にあさりちゃんのレギュラーキャラとなる。また、『あさりちゃん』94巻に一部エピソードが収録されておりこれが初単行本化となる。
- 1983年(昭和58年)より約3年間、小学館の学年誌に掲載され、『てんとう虫コミックススペシャル 室山まゆみ傑作集 (2)』として単行本が発刊された(現在では絶版)。また、1986年(昭和61年)にシンエイ動画の制作でアニメ化もされ、テレビ朝日系で放送された。アニメ版では『あさりちゃん』の浜野あさりがアサリ売りに扮してゲスト出演を果たしている。
- ペンギンぱあてぃー
- 1982年(昭和57年)より約3年間、講談社の『なかよし』に掲載され、『てんとう虫コミックススペシャル 室山まゆみ傑作集 (3)』として単行本が発刊された(現在では絶版)。本作は後述の「ハッピー・タンポポ」のリメイク版とも言うべき作品で、設定や登場人物の性格が酷似している。
単行本未収録作品
- くるりんモモンガール
- 1995年(平成7年)より2年間、小学館の学年誌に掲載された。
- がんばれ姉子
- 別冊少女コミック。室山まゆみデビュー作。
- 深海魚
- デビューの頃の作品。ショートショートギャグ。
- はっぴいラブゴール
- 初期の少女漫画。
- キントトちゃん
- 学年誌デビュー作。
- 1・2とんぼ
- 学年誌掲載。
- トマトちゃん
- 学年誌掲載。
- いただきまあ〜す
- 学年誌付録。※トマトちゃん番外編。
- となりのひよ子
- 名探偵タンポポ
- よろしくタムタム
- 幼児向け。フルカラー連載。
- 赤紫タイフーン
- 60ページ読切。
- おじゃ魔っ子メフィスト
- 15ページ読切。
- 鬼門学園
- ちゃお掲載。全4話。
- コンコンポン
- 学年誌付録。2話程。
- ドラゴンSOS
- 学年誌付録。
- スネ湖のうつくっしー
- 学年誌付録。
- つくしの絵日記
- 学年誌付録。
- スルメちゃん
- 学年誌付録。
- 赤紫絵巻
- 学年誌付録。
- 走れ!たら子
- 学年誌付録。
- わたしはトンボ
- 学年誌付録。
- 不滅のバレー部
- 学年誌付録。
- らっきいドラコちゃん
- 学年誌付録。
- ドラゴンバスター ルコちゃん
- 学年誌付録。
- おじゃ魔キュララ
- 学年誌付録。6話程。ドラキュラギャルもの。主人公は大阪弁。
- おこげっ娘ラブ
- おこげっ娘パニック
- 双子の方程式
- ダイエットただいま全敗中!!
- 室山姉妹が過去に挑戦したダイエットの失敗談を紹介したエッセイ。