「猫の顎に黒いゴマのようなぶつぶつが沢山あるけど、これは何?」
「猫の背中に赤いぶつぶつが出来ているけど、もしかして皮膚病?」
こんな症状でお悩みではありませんか?
猫の皮膚にたくさんぶつぶつができていたら飼い主の方は何が原因なのかと心配になりますよね。
そこで今回は、猫の皮膚に赤い、黒いぶつぶつができる病気にはどんなものがあるのか、詳しく解説したいと思います。
猫の皮膚にぶつぶつがあった時のチェックポイント
猫の皮膚にぶつぶつしたものを見つけた場合、飼い主の方はどんな点に注意して観察したらいいのでしょうか?
後述する「ぶつぶつができる病気」の鑑別には重要な項目になりますよ。
ぶつぶつは体のどこの部位にできている?
同じぶつぶつでも見られる場所によって疑う病気が変わってきます。
全身なのか、顎などの口元や耳、背中などの局所的なものなのか、全身をくまなくチェックしましょう。
ぶつぶつは毛にあるのか、皮膚にあるか?
見えているぶつぶつは、皮膚のどのあたりにありますか?
皮膚には特に目立った異常はなく毛にぶつぶつしたものが絡んでいるだけなのか、それとも皮膚自体にぶつぶつとしたものがカサブタのようにくっついているのかをチェックしてみましょう。
また、ぶつぶつの色が赤いのか黒いのかも病気の特定につながりますので、近づいて確認してみましょう。
痒みなどの皮膚症状はないか?
猫が頻繁に後ろ足で掻いているなど痒がっている様子や、触ると怒ったりするなど痛がっている様子はありませんか?
また、ぶつぶつから出血を繰り返しているなどの異常はありませんか?
ぶつぶつがしこりのように腫れているということはないでしょうか?
このような症状が見られる場合は、できるだけ早めに動物病院を受診しましょう。
猫の皮膚に黒いぶつぶつができる病気とは?
猫の皮膚に黒いぶつぶつが出来る病気にはどんなものがあるのか、見ていきましょう。
猫のニキビ(ざ瘡)
猫の顎の毛をかき分けてよく見てみると、沢山の黒いぶつぶつ(例えるなら砂や黒ごまのようなもの)が見えることありますが、実はこれは“猫のニキビ”です。
正式な病名としては“ざ瘡(ざそう)”という皮膚病で、黒いぶつぶつの正体は毛穴に詰まった角栓になります。
猫の顎は分泌腺が多く存在しているところであるということ、顎は毛づくろいできない場所であるということがニキビのできやすい理由です。
ほとんどの猫はこの黒い角栓が付着しているだけで、何の症状も出ていないことが多いのですが、そこに細菌感染が起こると赤くイチゴのように腫れて痛みを伴うことがあります。
もし皮膚に赤みもなく黒い角栓が毛穴を塞いでいるだけならば、ぬるま湯をコットンにつけてふやかすように、そっとふき取ってあげるといいでしょう。
決して角栓を全部一度に拭ききろうとしたり、指や歯ブラシでこすったりして炎症を起こさないようにしてください。
すでに皮膚に赤みがあるなら、角栓をいじったりせずそのまま動物病院を受診するようにしましょう。
ノミの寄生
室外にでる習慣のある猫や拾ってきたばかりの猫の背中に、黒いゴマのようなぶつぶつが沢山毛に絡んでいるのなら、ノミの寄生が疑われ、この場合の黒いぶつぶつの正体は“ノミのフン”です。
ノミのフンの見た目は「砂かゴミかな?」と間違いやすいですが、水をぬらしたティッシュなどに黒いぶつぶつをとって潰してみて、赤いシミがでてきたらノミのフンです(ノミは猫の血液を吸って便を出すため)。
ノミは蚊と異なり年中草むらなどの暗くジメジメした場所に生息しているため、外出する習慣のある猫は感染リスクが高いです。
また現在は室内飼いでも、以前感染していたことがあると部屋の中でノミが繁殖して再感染する可能性もあります。
そのため外出する猫は常に予防しておく必要がありますし、一度ノミに感染したら長期にわたった駆除薬の投与が必要になります。
駆除薬の代表的なものに、フロントラインプラスやレボリューションといった商品がありますが、これらの駆除薬の多くがノミのサナギを殺すことができません。
「たった1回の駆虫では根絶することはできない」ということを覚えておきましょう。
なお、ホームセンターなどで購入できる市販薬(ノミ取り首輪など)は効果が弱いですので、前述のような猫用の医薬品を使用することをおすすめします。
基底細胞腫
もし皮膚に黒いぶつぶつをともなった“腫れやしこり”ができているなら、基底細胞腫という腫瘍の可能性があります。
基底細胞腫は皮膚の表皮の一番基底部にある細胞の良性腫瘍のことで、良性悪性を合わせた猫の皮膚腫瘍全体の中では最も多く見られる病気です。
メラニン色素沈着によって黒〜青色のしこりを作ることがあり、その見た目から悪性黒色腫(メラノーマ)と間違われることがありますが、メラノーマは猫では非常に稀な病気です。
同じ細胞由来でも悪性度が高いと基底細胞癌と診断されますが、どちらも頭部から背部にかけてできやすい傾向にあります。
治療方法は外科手術による摘出になります。
猫の皮膚に赤いぶつぶつができる病気とは?
猫の皮膚に赤いぶつぶつが出来る病気にはどんなものがあるのか、見ていきましょう。
粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)
猫に粟粒(あわつぶ)のような細かく赤い発疹を作る病気を“粟粒性皮膚炎”と言い、猫の皮膚病の中でも非常によく見られる病気です。
粟粒性皮膚炎を起こす原因には、アレルギー(蚊やノミの唾液に反応した皮膚炎)や、感染症(皮膚糸状菌などの感染)が挙げられます。
それぞれの特徴を簡単にご説明しましょう。
蚊の刺咬症(しこうしょう)
蚊による吸血が原因の皮膚炎の場合夏に発病し、毛の薄い耳や鼻などに赤いぶつぶつができます。
皮膚炎の改善のためには蚊がいる時期の外出をさけ、炎症を抑える薬(ステロイド剤)を投与します。
ノミアレルギー
ノミが原因であれば季節を問わず見られ、背中を中心にぶつぶつができ、猫が痒がって舐めたり掻いたりする仕草が見られます。
フロントラインプラスやレボリューションなどのノミ駆除薬を投与し、皮膚の炎症を抑える薬ためにステロイド剤を投与します。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌であれば耳や足にぶつぶつができやすいですが、子猫などの免疫力の弱い猫では全身に見られることがあります。
また、ぶつぶつがなく単なる脱毛やフケが増えた程度の病変であることもあります。
治療法は抗真菌剤(イトラコナゾールなど)の内服に加え、シャンプー療法(マラセブシャンプーなど)を併用します。
糸状菌は一度感染すると胞子が環境中に数年以上も潜伏するため、室内をくまなく掃除するなど環境の正常化が重要になります。
扁平上皮癌
扁平上皮癌とは、表皮にある角化細胞が腫瘍化した病気のことで、猫の皮膚の悪性腫瘍で一番多いと言われています。
扁平上皮癌の初期は、皮膚の赤みやかさぶた、脱毛といった皮膚炎のような症状が出るため、前述の粟粒性皮膚炎と間違えないようにしなくてはいけません。
腫瘍が進行してくると、皮膚の一部が潰瘍化して出血してかさぶたができる、かさぶたが剥がれてまた出血する、といった症状を繰り返します。
扁平上皮癌は太陽光線を浴び続けていることが発症原因と言われており、毛の白い猫や色素の薄い猫に発生頻度が高く、毛の薄い頭部が好発部位です。
治療のためには外科手術による摘出を行います。
さいごに
猫の皮膚に赤いもしくは黒いぶつぶつが見られるのは“皮膚病のサイン”ということがお分かりいただけたでしょうか?
猫のニキビで症状がないタイプであればそのまま放っておいても問題ありませんが、その他についてはやはり動物病院での治療が必要です。
特に皮膚糸状菌症は人間にもうつる厄介な病気ですので、疑わしい症状が見られたらできるだけ早く動物病院を受診しましょう。
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