| 第2章 日常生活と看護 第6節 身体の清潔 第1 身体の清潔と健康 1.健康な生活と清潔の必要性 ○入浴、手洗い、洗顔、含嗽、シャワー浴、歯磨き、洗顔、沐浴 目的:身体の清潔を保つ、爽快な生活を送る ○皮膚の構造 表皮⇒真皮⇒皮下組織 →表皮には毛や爪がある ○皮膚の役割 1.外界から内部の組織・器官の保護 2.汗を分泌して細菌繁殖を防ぐ 3.汗の分泌により体温を調節する ・垢…垢やフケは表皮の細胞、皮脂、汗、ほこりが混じったもの (4週間かけて表皮に到達し剥がれ落ちる。綺麗にしないと皮膚の働きを妨げ不快になる) ・口腔…粘膜で覆われている表皮に比べて表面が傷つきやすい。 唾液による自浄作用によって保たれている。汚れをそのままにするとう歯、悪臭、歯周炎の原因となる。 ⇒食事がおいしく食べられないと食事量が減り、低栄養状態となる。 2.清潔の習慣と生活様式 ・清潔を保つための行為は毎日繰り返し行われるため、間違った行為によってからだが本来備えている働きを損なわないよう気をつける。 3.患者の体の清潔 ・身体の清潔は一般的に温湯を用いて行う。しかし、患者の病態によっては過負荷となる場合がある。 →1)痛みや倦怠感により自分で行うことが困難になる。 2)入浴することにより水圧がかかり、シャワーに比べてエネルギー消費、呼吸、循環器系への負荷がある。 =疲労につながる したがって病状によって入浴の頻度、方法を選択し、病状を悪化させないよう実施することが必要である。 ※身体の清潔が保たれていないと 1)湿気や感想が生じる 2)不快な臭気 3)かゆみや不快感 4)頭髪が光って見える 5)口腔や陰部は特に汚れやすく見逃しやすい 第2.身体の清潔と援助 1.入浴と看護…入浴はもっとも一般的で効果的に清潔にできる ・効果:血液の循環を促し代謝を亢進させ、疲労の回復・神経の緊張を緩和し鎮静や睡眠を促す ⇒心身の安楽をもたらす ・マイナス効果:代謝亢進のよる体力の消耗、循環の促進による心臓への負荷 ○入浴による血圧の変化…入浴後一過性に上昇し、その後低下する 2.部分浴…全身の入浴ができない場合、身体の一部を温湯に入れて行う方法 ・適応:部分的な清潔保持が必要な場合や部分浴の効果を期待したい場合 ・目的:全身の血液循環の促進 苦痛の緩和 安眠への援助-足浴の実施で効果あり 薬液による治療-ヒビテンによる消毒(足浴) ・方法:1)足浴:洗面器に38~40℃のお湯を6分目くらいまで入れ、足を浸して行う。 2)手浴:〃、手を浸して行う。 3)座浴:〃、臀部を浸して行う。 3.清拭…入浴ができない場合、体を拭いてきれいにする(温湯だけの場合と石鹸を用いて行う場合がある) ・全身清拭…全身を拭く ・部分清拭…体のある一部分を拭く ・効果:1)皮膚を清潔に保つ 2)温熱刺激とマッサージにより血液循環の促進 ∟褥瘡予防になる 3)心身のリラックス ∟苦痛緩和や安眠への援助となる ○ポイント ・食後一時間以内は避ける ・不必要な露出は避け、保温とプライバシー保護につとめる ・室温は24±2℃とし、お湯は50~55℃のものを準備する ⇒お湯が冷めることを考慮して準備を行う ⇒患者の皮膚にウォッシュクロスが触れるときに快適な温度となるようにして行う ・お湯は時々差し湯をして温度を一定に保つ ウォッシュクロスの端が皮膚に触れないように注意する ○清拭の際の特徴 ・患者の肌に直接触れるケアであるため、思いやりやいたわりの心、原理・原則を踏まえた看護技術が必要とされる。 ・清拭の必要性を的確に判断・説明する ・患者に合った方法を選択する (手順、患者の体位、時間、場所、援助の程度、Nsの人員など) ・使用物品の確認 ・患者の安全安楽を念頭に置き、実施する ・皮膚・粘膜を観察する (発疹・発赤の有無や発汗、分泌物の有無、臭気の有無) ・患者の体力の消耗や苦痛・不安を最小限にする ・患者の自立を促す ・コミュニケーションの機会とする ・実施前・中・後の観察を的確に行う ・後片付けをしっかり行う <全身清拭> 順序:顔→頸部→上肢→腋窩→胸部→腹部→下肢→後頸部→背部・腰部→臀部→陰部 基本操作 ①清拭部位のタオルケットまたは綿毛布を除き、皮膚を観察しながらバスタオルで覆う ②タオルを洗面器の湯に浸して絞る ③タオルをたたんで握りこむ…患者の体に看護者の手指やタオルの端が当たらないように注意する ④清拭部位を露出する ⑤タオルを皮膚に密着させ、面を変えながら清拭する部位をしっかり支えて拭く ⑥タオルをゆすぎ、⑤を2・3回繰り返す ⑦バスタオルで押さえ拭きをして水分を取る ∟気化熱による寒気を引き起こさないため ⑧バスタオルを取り除き、清拭部位をタオルケットまたは綿毛布で元のように覆う 上肢・腋窩の拭き方 ①上肢を露出し、バスタオルで包む ②手関節・肘関節をしたから支えて上肢全体を拭く(抹消から中枢に向かって) ③肩関節を外転させ、腋窩を拭く 胸部の拭き方 ①バスタオルを胸腹部に広げ、タオルケットを臍まで折り返す ②胸部を露出し、乳房は円を描くように拭く ③胸骨上を拭く(胸部から頸部に向かって) ④側胸部は肋骨に沿って拭く 腹部の拭き方 ①タオルケットを恥骨上縁まで折り返す ②腹部を露出し、大腸の走行に沿って拭く ③腹壁中央部、鼠径部を恥骨結合部に向かって拭く ④側腹部を拭く 下肢の拭き方 ①下肢を露出し、バスタオルで包む(一方はタオルケットで覆う) ②膝を立て、膝関節を下から支え、下腿、膝窩、大腿と拭く ③足を拭く→汚れていれば足浴 後頸部・背部・腰部の拭き方 ①患者を側臥位にし、背部を露出する ②後頸部→腰部→脊柱に沿って方へ→上に向かう マッサージ効果 臀部の拭き方 ①ディスポーザブル手袋を装着し、臀部を露出する 陰部の拭き方 ①仰臥位に戻す ②膝を立てて両足を開いて拭く ③ディスポーザブル手袋を外して捨てる <石鹸清拭> ・洗浄作用がある石鹸を用いることで清拭を行う ・効果:細菌数が減少する 爽快感や石鹸の香りによる気持ちよさを与えられる (石鹸には皮膚の垢やほこり、衣類に付着した固体汚れや油性汚れを取り除く力がある) →アルカリ性の方が洗浄効果大 ・清拭との違い:清拭をする→石鹸を湯に浸し、タオルに付ける→石鹸清拭→拭き取り用のタオルで2・3回拭き取る →十分に石鹸を取り除く 注意点 ○汚れの少ない部位から多い部位へ ○拭く方向は抹消から中枢へ向けて拭く(快感効果が高いため) 4.頭皮・頭髪の手入れ <洗髪> ・目的:ほこりやフケを除去し、頭皮・頭髪の清潔を保持する 頭皮を刺激し、毛根への血行を促進する ○頭皮は皮脂が多く分泌される 汗やホコリで汚れやすい、衣服で汚れを吸い取ることができない ↓ 不潔になりやすい ・方法:1)入浴時に行う 2)洗面台で行う 3)ベッド上でケリーパッド、洗髪器、洗髪車を用いて行う ・方法の選択…温熱や流水の刺激、体温の放散による疲労、体位や移動動作の負担を考慮して選択する ・禁忌…頸部に創傷・湿疹がある 高熱がある 中耳炎の急性期 体位変換により血圧や呼吸が変動するおそれがある バイタルサインが安定しない ○ポイント ・室温は24±2℃とし、40±1℃のお湯を準備する ・お湯は時々差し湯をし、温度を一定に保つ ・寝衣を濡らさないよう、頸部にフェイスタオルを巻いて(5~10mm出す)からケープを巻く ・振動を与えないよう、頸部を片手で固定する ・指腹に力を入れ、適度な強さで洗う ・N/Z状に連動した動きで洗う 5.口腔の清潔 口腔粘膜、歯垢(プラーク) ⇒多くの細菌が常在しており、う歯や口臭の原因となっている。 舌苔 疾患…歯肉炎・歯周炎につながる ↓ 歯の痛みの増強…咀嚼の低下 食物残渣や、唾液、細菌、微生物、乖離した上皮が堆積して苔状になった状態。 放置しておくと、口腔内の最近は肺炎などの全身性感染症も引き起こす。 <歯ブラシの使い方> ・歯を清潔にする-スクラッピング法 ∟フォーンズ法 ∟ローリング法 ・歯肉を清潔にする-バズ法 <方法> 1.自力で行える患者…上半身を起こし、必要物品を使いやすい位置に置き実施してもらう (できない行為がないか観察) 2.自力で行えない患者…仰臥位か側臥位にして顔を横に向ける (麻痺側が上になるようにする=誤嚥防止) ・義肢-総義歯 ∟部分義歯 ・義歯を用いる患者⇒毎食後取り外して行う(できるだけ自分で行ってもらう) ※歯磨き粉は使わない 一般に販売されている歯磨き粉に入っている研磨剤が義歯に傷をつける⇒細菌の温床になる ○洗い終わったらガーグルベースンや専用容器に水を入れてつけておく |
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