グレープフルーツとは
朝食フルーツやサワー類、お菓子のフレーバーから化粧品や芳香剤の香りまで、様々な形で私たちの生活に定着しているグレープフルーツ。近年は低カロリー・低糖なことに加え、食欲を抑える働きや美肌効果なども報じられ美容・ダイエット用としても注目を集めています。
「グレープ」とつきますが、その外見や風味からも分かるとおりミカン科に属する柑橘類です。ちなみにグレープフルーツという名前の由来は、ぶどうの房のように一本の枝にたくさんの実を付けるからという説が有力です。
アジア亜熱帯地域が原産と考えられていますが、現在の国別グレープフルーツ生産量は中国が第一位でアメリカは第二位、この二国で世界全体の60%を生産しています。日本ではアメリカ(カリフォルニア産、フロリダ産)が多く流通してしています。
グレープフルーツの種類は果肉の色によってホワイト種・ピンク種・ルビー種などと大分され、一般的にホワイトよりもルビー系種の方が甘みが強いと言われています。グレープフルーツとブンタンを交配した雑柑類のオロブランコ(スウィーティー)、タンジェリンと掛け合わせたタンゼロ類のセミノールやタンジェロなどもあります。
グレープフルーツの歴史
グレープフルーツというと欧米のイメージが強い方も多いかと思いますが、意外なことにアジア原産の植物。文旦(ブンタン)とオレンジが自然に交配して誕生したと考えられています。人類がその存在を知った植物としては歴史が浅く、1750年頃に西インド諸島のバルバドス島で発見されたのものが始まりとされています。発見当初からしばらくは食用ではなく観賞用として栽培されていたと考えられています。
1823年頃にオデット・フィリップ伯爵がアメリカへ持ち込み、フロリダにグレープフルーツ果樹園を作ったことから栽培・消費が拡大していきました。現在アメリカにはフロリダ、カリフォルニア、アリゾナに大産地がありますし、グレープフルーツは別名アメリカンフルーツと呼ばれるほどアメリカ人に愛されている果物となっています。
ちなみに日本への伝来は大正時代ですが、日本の気候は栽培に向かず定着しませんでした。昭和初期くらいには輸入が開始しますが「高級フルーツ」に数えられていたおり、グレープフルーツが一般的に食されるようになったのは大量輸入が出来るようになった1970年代以降。そう考えると、あっという間に食卓に定着したフルーツと言えますね。
グレープフルーツの主な栄養・効果
グレープフルーツは約90%が水分で、たんぱく質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、ポリフェノール類、クエン酸などを含みます。水分量が多く、グレープフルーツ自体1つ食べても70kcal~120kcalと低カロリーなため、上記効果と合わせてダイエットに向いているとされています。
【疲労回復・健康維持に】
クレープフルーツの酸味の主成分であるクエン酸は、クエン酸回路(TCAサイクル)と呼ばれる人間の代謝工程を動かすために必要な成分です。疲労物質と呼ばれている乳酸ですが、単なる悪者や老廃物ではなく代謝工程の途中に出来る物質で、運動等によって糖代謝が行われている証しでもあります。クエン酸を摂取するとクエン酸回路が活発化し、乳酸の分解(ピルビン酸への変化)が行われやすくなることで疲労や筋肉痛の改善に役立ちます。
クエン酸以外にもグレープフルーツにはビタミンC、「抗脂肪肝ビタミン」とも呼ばれ肝機能向上にも効果が期待されるイノシトールや、糖質、脂質、タンパク質の代謝補助・二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解するナイアシンなどが含まれています。これらの成分が複合して働くことでスッキリしない・体がだるいような状態の改善にも効果が期待できるでしょう。二日酔いのケアにも役立ちます。
【ストレス対策・精神安定に】
グレープフルーツ100g(大体半分程度)には36mgのビタミンCが含まれています。ビタミンCは様々な効果が期待されているビタミンですが、ストレス抵抗性を高める働きもあると考えられています。その他に苦味成分ナリンギンや香り成分のリモネンにも気持ちを和らげる精神安定効果、ストレス解消効果があり、不眠緩和にも効果的と言われています。
またイノシトールも神経細胞膜に多く存在するリン脂質の構成成分であり、神経の働きを正常に保つために必要な成分と言えます。セロトニン異常に起因するうつ病やパニック障害などの改善にも有効と考えられている成分です。
【老化防止・生活習慣病予防に】
グレープフルーツ特有の苦味の元である、ポリフェノール類のリモノイドやナリンギンには抗酸化力があります。またルビー系のグレープフルーツには赤色色素成分でカロテンの一種「リコピン」が含まれており、こちらも高い抗酸化作用があります。グレープフルーツに豊富に含まれているビタミンCにも抗酸化作用があることから相乗して老化防止(アンチエイジング)に役立ってくれるでしょう。
活性酸素による酸化を防ぐ以外にも、グレープフルーツには血中コレステロール値の低下作用や中性脂肪の低下・蓄積予防効果があることが報告されています。高血圧・動脈硬化・脂肪肝などの予防にも役立つと考えられていますから、生活習慣病が気になる方にも適しているでしょう。
【美肌作り・美白に】
グレープフルーツはビタミンCが豊富ですし、ビタミンCの吸収を高めるビタミンPも共に含まれています。ビタミンCは抗酸化以外にもコラーゲンの生成補助、メラニン色素生成阻害作用による美白効果など美容面で嬉しい効果がたくさんあります。近年ナリンギンにはメラニン色素を抑える作用(美白効果)があるという研究報告もなされており、グレープフルーツは美白効果が期待出来る果物として注目されています。
またグレープフルーツにはビタミンCやリモノイド・ナリンギン・リコピンなどのポリフェノールも含まれていますから美肌効果やシミ・シワなどの老化予防効果が期待できます。
そのほか造血作用のある葉酸や、代謝促進・血行改善に役立つクエン酸、血管内の脂肪やコレステロールの流れをよくすることで血流改善が期待出来るイノシトールなども美肌作りに役立ちますし、ストレス緩和によって肌荒れ予防にも効果が期待出来ます。総合的な美肌作りにアプローチが期待できる果物と言えるでしょう。
【グレープフルーツダイエットについて】
「グレープフルーツダイエット」が一時期もてはやされたことからも分かるように、グレープフルーツにはダイエットに役立つ成分も豊富です。クエン酸は糖や脂肪のエネルギー代謝を高め、血行を促進することで基礎代謝の相乗効果が期待できますし、苦み成分「ナリンギン」は脂肪の分解を促進する作用があります。
グレープフルーツに含まれている香り成分(精油成分)のヌートカトンとリモネンは交感神経を活性化して血行促進やエネルギー消費を高める、脂肪分解酵素リパーゼの分泌を促す、脂肪を燃焼させる働きのあるタンパク質(UCP)を増やすという効果もあると言われています。
これら成分が相乗して働くことで体が脂肪燃焼モードに入り、余分な脂肪を溜め込まない・蓄積された脂肪を燃焼させるように働くことで体脂肪や体重減少に有効と考えられています。
※グレープフルーツの食物繊維について
「グレープフルーツは水溶性食物繊維のペクチンが豊富で便秘に良い」と記載されていることがありますが食品成分分析表では100g中の食物繊維量は0.6g(うち水溶性食物繊維0.2g/不溶性食物繊維0.4g)で豊富とは言えません。何玉も大量に食べる場合はさておき、食物繊維の補給源としてはあまり期待しない方が良いでしょう。
グレープフルーツの調理ポイント・注意
グレープフルーツをカルシウム拮抗剤や睡眠剤(トリアゾラム)精神安定剤などと併用すると、薬が効きすぎてしまい具合が悪くなる場合があります。薬を服用中の方は注意しましょう。
グレープフルーツの外皮はそのまま芳香剤にしたり、お風呂に入浴剤代わりに入れたりと活用できます。グレープフルーツ風呂は血行促進・デトックス・むくみ解消・ダイエット・リフレッシュ・鬱っぽさの解消など嬉しい効能効果があります。
グレープフルーツが効果を発揮する「お悩み」
- 美肌作り・アンチエイジング
- ダイエット
- 冷え症の改善
- 疲労回復
- 不眠症・ストレスの緩和解消
- 目の粘膜の保護・強化
効果アップが期待出来るグレープフルーツの食べ合わせ
- グレープフルーツ+レモン・イチゴ・柿・メロン
⇒美肌効果・老化防止・ストレス解消 - グレープフルーツ+酢・昆布・セロリ・リンゴ
⇒ダイエット効果・血行促進効果 - グレープフルーツ+ナツメ・チーズ・ゴマ・セロリ・レタス
⇒不眠症の解消 - グレープフルーツ+紅茶・柚子
⇒血液サラサラ効果 - グレープフルーツ+トマト・ニンジン・ナス
⇒視力回復効果
活用方法・民間療法
ぬるく温めたグレープフルーツジュースを飲むと寝つきが良くなる。
刻んだグレープフルーツに卵黄を混ぜて塗り、10分後くらいにぬるま湯で洗い流すと肌にツヤが出る(※脂性肌の人のみ。シミができやすい肌の人はNG)
グレープフルーツのわた(白い部分)と外皮はキッチンの油汚れを落とすのに活用できる。(2層スポンジのようなイメージ)