ケーキやチョコレート、和菓子なんかを食べた後って、口の中が甘くなりますよね。
でも体の不調を起こしていると、何も食べていないのに口の中が甘くなることもあるのです。
今日はそんな、口の中が甘い時に考えられる原因や病気について解説していきたいと思います。
口の中が甘くなる原因
味覚障害?
味覚障害に見られる症状のほとんどは、味の感覚が鈍くなってしまう「味覚の低下」。
他にも、苦いものを甘く感じてしまう「錯味症」や、何を食べても甘く感じてしまう「異味症」などもあります。
亜鉛不足
味覚障害の主な原因は、亜鉛不足です。
ミネラルの一つである亜鉛は、細胞の新陳代謝を助ける働きを持っています。
細胞の中でも、味覚細胞は特に新陳代謝が活発なところで、亜鉛が不足すると影響が出ます。
ダイエットや、外食ばかりの生活をしていませんか?
薬の一部や、ポリリン酸という食品添加物には、亜鉛の吸収を妨げてしまう作用があります。
亜鉛はアルコールを分解する時にも大量に使われてしまうので、よくお酒を飲む方は注意して下さい。
亜鉛は以下の食材に多く含まれています。
- 牡蠣
- うなぎ
- 海藻類
- 大豆
- 牛肉
- 豚レバー
クエン酸とビタミンCを一緒に摂ると、亜鉛の吸収を助けてくれます。
レモンは、クエン酸とビタミンCの両方を含んでいるので、カキフライに添えるなどして取り入れたいですね。
人工甘味料
人工甘味料の取り過ぎも、味覚を狂わせてしまいます。
人工甘味料の甘さ
人工甘味料は、普通の砂糖の何倍も甘く作られています。
- アスパルテーム:160~200倍
- スクラロース:600倍
- ネオテーム:7,000~13,000倍
少し恐ろしくなるような数字ですね。
これらの甘さに慣れてしまうと、砂糖などの自然の甘味料では満足できなくなってしまいます。
その結果として、普通のものを食べた時に甘さを感じない、口の中が常に甘く感じるといった味覚障害を起こしてしまうのです。
カロリーゼロやノンシュガーに注意!
人工甘味料は、清涼飲料水やお菓子、アイスクリーム、砂糖を使うことのできないダイエット食品などに多く使われています。
特に「カロリーゼロ」や「ノンシュガー」などと書かれているものには要注意。
身体に良かれと思って選んでいても、実は砂糖の代わりに人工甘味料を使っているため、味覚を麻痺させるなど悪影響が出てしまっている可能性があるのです。
人口甘味料はコカイン以上に依存性が・・・
実は人工甘味料は、コカイン以上の依存性を持っているといわれています。
甘いものを食べるとドーパミンという快楽物質が放出されるので、砂糖の何倍も甘い人工甘味料は注意が必要ですね。
また人工甘味料には、身体のエネルギーとなる糖質が含まれていないので、エネルギー不足でイライラしたり、集中力が低下してしまうこともあります。
身体は甘いものを食べたと認識してしまうため、血糖値を下げるインスリンを分泌してしまいます。
しかし糖質が入ってくるわけではないので、糖質を求めて食欲が増加してしまい、結果的に太ってしまうのです。
ストレス
ストレスもまた、味覚を狂わせてしまう要因の一つです。
唾液の減少
舌の表面って、白い苔のようなもので覆われていますよね。
舌苔(ぜったい)と呼ばれるもので、口内の細菌や食べかすが舌の溝に詰まっている状態です。
舌苔が全くないのも良くありませんが、逆に厚くなすぎてしまうと舌表面にある味蕾を覆ってしまい、味覚の低下が起こってしまいます。
舌苔の原因である細菌は口が渇くことで繁殖しますが、過度のストレスがかかると唾液が減少し、口が渇いてしまいます。
繁殖した細菌によって、味蕾を覆うほどに舌苔が厚くなってしまうのです。
ほかにも口呼吸をしている場合にも、口が渇きやすくなるので要注意です。
味覚神経の異常
過度のストレスがかかると、身体は自分のことを守ろうとして、感覚を鈍くさせてしまうことがあります。
うつ病では、脳内の神経伝達物質の異常が見られますが、その中でもドーパミンと呼ばれるものが大きく関係しています。
ドーパミンは快楽物質であると同時に、神経の伝達も行っているのです。
うつ病の患者の中には、ストレスによって味覚障害が出ているという人もいます。
風邪
風邪を引いた時、微妙な味が分からないというのは多くの人が経験しているのではないでしょうか。
風邪を引いて鼻づまりのときに起こる味覚障害は、風味障害といいます。
鼻が詰まって匂いを感じる嗅上皮粘膜が腫れて、嗅覚の低下を引き起こすのです。
舌そのものに異常はなく、においを感じる嗅覚に異常をきたしている状態。
風邪が治ると自然に治りますが、風味障害が残った場合は時間が経つと治りにくくなってしまうので、早めに耳鼻科を受診しましょう。
妊娠初期の味覚異常
女性は妊娠初期、つわりの時期に味覚が変わりやすく、味が分かりにくくなる人が多いようです。
妊娠初期に起こりやすいとされていますが、妊娠後期でも起こることがあります。
はっきりした原因は分かっていませんが、亜鉛不足というよりも、ホルモンバランスの変化だと言われています。
出産後に味覚は元に戻るので、あまり心配する必要はありませんが、産後も続くようであれば産婦人科を受診することをおすすめします。
糖尿病
糖尿病は90%以上は食生活や肥満が原因とされています。
味覚神経へのダメージ
糖尿病の代表的な症状の一つである高血糖は、血糖値が高くなるもので、全身の神経や血管にダメージが出てしまいます。
舌で感じ取った味を脳へと伝える味覚神経にも影響して、脳が認識する味にも誤作動を起こしてしまうのです。
しかし糖尿病の専門医によると、典型的な糖尿病神経障害で「口の中が甘い」というのは、あまり一般的ではないとのこと。
むしろ「味がしない」「味が薄い」「苦く、渋い味がする」などを訴える方多いようです。
他の症状
糖尿病は進行すると、以下のような症状が現れます。
- 尿量が増える
- 喉が渇く
- 体重が急激に減少する
また腎機能の低下が起こると亜鉛の吸収率が下がってしまうため、味覚障害が起こります。
普段から炭水化物や糖分を摂り過ぎていたり、肥満気味という自覚があって、このような症状がある場合には、注意して下さい。
逆流性食道炎
胃がムカムカして気持ち悪い場合は、逆流性食道炎の可能性があります。
原因は胃に負担のかかる食生活や、飲酒喫煙、ストレスなどによって胃酸が過剰分泌されてしまうこと。
胃と食道を隔てている下部食道括約筋が緩んでしまうことで、胃酸が食道へと逆流してしまいます。
胃酸は甘い?
逆流性食道炎は、胃酸が食道へと流れてくる疾患ですが、さらに少量が喉にまで流れてくることがあります。
その時に胃酸を甘く感じて、口の中が甘いと認識してしまうことがあるのです。
胃酸は酸性ですが、口内はアルカリ性のため、対比で甘いと誤認してしまうとか。
スイカに塩をかけると甘く感じるというのをイメージしてもらうと、分かりやすいかもしれません。
その他の症状
逆流性食道炎の症状には以下のようなものが挙げられます。
- 胸部の痛み
- 胸焼け
- ゲップ
- 呑酸
- のどの違和感
- 空咳
肺がん
稀なのであまり心配しないで頂きたいのですが、「何を食べても口の中が甘い」と訴える患者さんを詳しく調べたところ、肺がんが見つかったケースがあります。(*1)
血液検査ではクレアチニン、亜鉛、尿素窒素、カリウム、血糖値などは全て正常値でしたが、ナトリウム濃度が基準値を大きく下回っていました。
低ナトリウム血症の状態でしたが、正常値に戻ると口の中の甘さは消え、低くなると再発したとのことです。
肺がんが抗利尿ホルモンを異常に分泌して低ナトリウム血症となり、口の中の甘さという味覚異常を引き起こしたと考えられます。
がんの化学療法でも口の中が甘くなる
抗がん剤の治療でも口の中が甘い、苦い、しょっぱいなどの味覚障害が起こります。
患者さんたちの血中亜鉛濃度は低いので味覚障害になりやすく、治療の回数を重ねるうちに苦味が強くなっていくようです。
漢方の考え
東洋医学では、口の中が甘い症状を「口甘(こうかん)」や「口甜(こうてん)」と言います。
味を感じ取る舌は、内臓と密接に繋がっています。
常に口の中に甘さを感じる場合は、東洋医学で「脾臓」と呼ばれる消化器系に不調が出ていると考えられるのです。
脾臓の不調は、さらに2種類に分けることができます。
実証
実証とは体力があり、エネルギーに溢れている人のことで、食欲があるため食べ過ぎてしまい、消化器系に負担がかかってしまうタイプ。
特に味付けの濃いものや脂っこい食事、塩分や糖分の摂り過ぎが心配されます。
実証で舌が甘く感じる場合には、「三黄瀉心湯」という漢方薬が効果的です。
虚証
虚証とは、体力がなく胃弱な体質の人のことで、食欲不振があり消化不良を起こしがち。虚証で舌が甘く感じる場合には、「晶三仙」や「六君子湯」が効果的です。
さいごに
口の中が甘くなる原因は色々ありますが、糖尿病やガンなど深刻な病気である可能性もあります。
亜鉛をとったり、人口甘味料を減らしてみても改善されない場合は、耳鼻咽喉科や口腔外科、味覚異常外来を受診することをおすすめします。