大和総研 環境・CSR調査部 真鍋裕子
- 企業が解決を目指す課題の社会的重要性
- 社会的課題とミッションの妥当性
- ビジネスモデルとミッションの整合性
- ビジネスとしての持続可能性
本文:
1. ビジネスモデルと企業ミッション
池内タオル株式会社は、愛媛県今治市に本社を置く従業員26名の「オーガニック・テキスタイル・カンパニー」である。同社は、“母親が自分の命よりも大切にする赤ちゃんに安全なタオルを届ける”という基本理念のもと、「世界で一番安全なタオル」、「作り手としての理想のタオル」を追求した自社ブランドIKTを中心にビジネス展開を行っている。「世界で一番安全なタオル」というコンセプトは、客観的データにより証明されている。最終商品は、全化学薬品の安全性テストが行われる世界的にも極めて信頼性の高い「エコテックス規格(*2) 」の「クラス1」(=赤ちゃんが口にしていいレベル)を取得している。また、原料には、綿花畑だけではなく紡績工場まで含めて認定するEU規格のオーガニック・コットンを使用している。さらに、製造工程で利用する電力はグリーン電力として認証された風力発電による電力を利用している。
「作り手としての理想のタオル」を追求した結果は、“風合い”や“吸水性”として表現され、タオルそのものへの高い評価に結びついている。2002年米国NYホームテキスタイルショーでグランプリを受賞(*3) 。「ミラクルソフトネス(奇跡の柔軟性)」と言わしめた。同社の顧客の約50%がリピーターであることもまた、高品質への信頼の現れである。
同社が自社ブランドIKTを立ち上げた1999年は、日本のタオルの国内生産量が輸入量に逆転を許した年である(図表1)。その後、輸入品の比率は8割まで上昇するわけだが、当時はちょうど日本のタオル業界が危機感を感じていたときであった。日本のタオル市場は約8割がギフト需要という特異な市場であり、問屋依存の流通形態の中で海外デザイナーの名を冠したライセンスブランドのOEM製造が主流となっていた。タオルメーカーの個性はなくなり、海外の低価格商品の大量流入を許していた。同社の池内社長は、輸入タオルにはない独自のタオルに活路を見出そうとした。当時、タオルメーカーがファクトリーブランドを直販することは業界では異例のことであった。
2003年、同社に転機が訪れる。取引先問屋の倒産により、民事再生に追い込まれる。このとき、池内社長はまだ売り上げの僅か1%しかあげていなかった自社ブランドIKTで再生していくことを決断する。問屋依存のOEM製造を続けている限り、同じことの繰り返しになると感じたためだ。IKTに熱狂的なファンがいたこともまた、池内社長の背中を押した。倒産の危機を知り、「何枚買えば御社は助かりますか?」と問合せてきた顧客、銀行の頭取に直談判をした顧客などがいたという。以降、IKTはめざましい成長を遂げ、高級デパートや都内セレクトショップにも並ぶようになり、2003年の年商700万円から2010年には年商4億円をあげるまでとなった。
2001年、タオル業界は日本政府にセーフガードの発動を申し入れている。当時作成された「タオル業界構造改善ビジョン」では、輸入品との価格競争ではなく高品質を重視していくこと、また、問屋を介する流通形態を見直すこと、などが盛り込まれている。こうした業界変革をいち早く実行したのが池内タオル株式会社といえよう。変わることのできない日本のタオル業界への挑戦でもあった。
*1:株式会社大和証券グループ本社、ミュージックセキュリティーズ株式会社共催のカレッジ。2010年10月~2012年9月までの2年間で累計12回以上開催予定。詳細はこちら。
*2:健康に不安のない繊維製品を求める消費者・社会のニーズに応え、1990年代初旬に立ち上げられた試験・認証の規格。人間エコロジー(人間の健康と快適感に及ぼす繊維製品とその化学成分の影響)の観点から広範な分析試験を行う。4つの製品分類があり、クラス4はカーテンなどのインテリア材、クラス3はコートなど表面のごく一部を除いて直接接触しない繊維製品、クラス2は下着、寝具用品など直接肌に触れる繊維製品、クラス1は3歳未満児が直接肌に触れる繊維製品。
*3:出展した世界32カ国約1000社のうち、受賞は5社。
出所:四国タオル工業組合公表資料を基に大和総研作成
2. 社会的課題とミッションの妥当性
同社は、IKTの製造にあたって、「最大限の安全と最小限の環境負荷」をポリシーとして掲げている。その主旨は、お客様には最大限安全な商品を提供し、生産・製造工程では最小限の環境負荷を図るということである。綿などの天然繊維は、ポリエステルなどの化学繊維と比較して環境負荷が小さいと思われがちであるが、実は綿製品の製造工程には様々な問題がある。池内社長は、タオル製造に携わる者として、綿製品が抱える多くの環境問題・社会問題に心を痛めてきた。
綿花の耕作面積は、世界の耕作面積のわずか2.1%にすぎないが、そこで使用されている農薬は世界の全農薬の6.8%、殺虫剤に限ると15.7%を占めており(*4)、農薬集約型の作物である。特に、綿花の収穫時には、機械で効率的に刈り取ることができるように生物化学兵器として知られる枯葉剤が用いられている。こうした農薬による農民の中毒死、気管支障害等の健康被害の問題が今でも続いている。また、大量の化学肥料の使用は、水質汚染、土壌劣化といった環境問題を引き起こしている。
オーガニック・コットン(有機栽培綿)は、化学肥料や農薬を使用せずに栽培された綿花のことを示す。世界各国に様々な認証基準があるが、各基準に沿った栽培を2-3年以上経た畑がオーガニックの畑として認証され、そこで収穫された綿花がオーガニック・コットンとして認められる。同社は、スイスのBIO-INSPECTA又は、オランダのCONTROL-UNIONが認証したオーガニック・コットンを使用している。これらEUの認証基準の場合は、栽培された綿花だけでなく、綿花が綿糸となる紡績工場まで含めて認証しているところがより厳格だという。
同社は、オーガニック・コットンを原料として使用することで、綿花栽培が抱えてきた環境問題・労働環境の改善に貢献している。
*4:Study on: Pesticide use in cotton in Australia, Brazil, India, Turkey and the USA, ICAC(国際綿花諮問委員会),2010
綿花栽培は、途上国における搾取的な労働の上に成り立っていることもまた、知られざる事実である。綿花栽培を始める農民は、遺伝子操作された高価な種や大量の農薬を購入するために、重い借金を背負うケースが多い。一方で、綿花の市場価格は、政府助成金に守られた米国等先進国産地の価格の影響を受け、必ずしも適正な価格で取引されてこなかった(*5)。1990年代後半より、市場価格の下落や不作の影響で借金が支払えなくなり、インドの綿農家で自殺者が急増したことも大きなニュースとなった(*6)。また、綿花は低木であることから、収穫時に子どもたちが駆り出されるケースもあり、児童労働問題としても指摘されている。
同社がオーガニック・コットンを購入しているスイス・リーメイ社では、フェアトレードの観点から「ビオレプロジェクト(BioRe Project)」を進めている。フェアトレードとは、生産者に適正な対価を支払い、彼らの社会的、経済的自立を支援する取引のことを示す。ビオレプロジェクトでは、有機農法の指導、教育を行い、収穫されたコットンを永続的に「市場価格+一定のプレミア価格」で買取ることを約束している。さらに、「ビオレ基金」を設立し、井戸の掘削や学校への学習設備の提供、各家庭へのコンロの提供など、地域の生活環境の改善を図っている。ビオレの契約農家は皆、農薬等による健康被害から開放され、収入が増え幸せに暮らしているという。
池内社長が「ビオレタンザニア」を訪れた際、農民に何か要望がないかと聞いたところ、何よりも「ずっと安定して買って欲しい」と答えたという。価格高騰時の一時的な買い付けや、価格比較ですぐに契約を打ち切られるようなケースに疲弊してきた農民の心の叫びであろう。「フェアトレードとは適正な価格で買うということだけでなく、継続的に買うということだ」と池内社長は言う。それは私達最終消費者へのメッセージでもあることは言うまでもない。
フェアトレードによるオーガニック・コットンを継続的に使用し、生産者から消費者までの信頼関係を築きあげていくことは、途上国における持続可能な農業経営を支えることに繋がっている。
*5:2003年、ブラジルは、米国の綿花補助金がWTO協定に違反するとして訴えた。WTO紛争処理委員会は米国の綿花への支援がWTO上の義務に違反するとの判断を下した。米国の農業法は改正を迫られている。
*6:毎日新聞「インド・巨象の実像:第2部・壊れる農村」(2007/1/29~31)では、地元紙「ヒンドゥスタン・タイムズ」で1998年から2003年の6年間で10万人の農民が自殺したと報じていること、実際には、自殺者はさらに多いと言われていることなどが紹介されている。
同社は、製造工程における環境負荷の低減にも積極的に取組んできた。1999年にタオル業界初のISO14001を取得。その後2度の全面改訂を行い、2010年にはISO14001から卒業し、より厳しい自主基準で環境マネジメントしていくことを宣言している。
具体的な取組みをいくつか紹介する。1992年より協同組合で運営してきた染色工場では、瀬戸内海の厳しい排水基準に適応すべく、世界でもトップレベルの排水処理設備を導入し、瀬戸内海の海水よりもきれいな水(COD12ppm以下)を返している。2002年には、製造工程で使用する全ての電力を、グリーン電力証書の仕組み(*7)を活用して風力発電の電力に切り替えた(図表2)。2009年には、精錬漂白の工程を、化学薬品を用いる方式からオゾン漂白へと切り替えた。オゾン漂白は、従来の高温下で行う化学薬品による精錬漂白(*8)とは異なり、常温下で天然物質であるオゾンを用いることで、エネルギー使用量の大幅削減と化学薬品の使用低減に繋がる画期的な手法だ。
*7:グリーンエネルギー(風力、太陽光、中小水力、バイオマス、地熱など)から得られた電気を、「電気そのものの価値」と「環境付加価値」とに切り離し、「環境付加価値」を証書として需要家が購入することで、グリーンエネルギーからの電気を利用しているとみなす仕組み。日本では経済産業省が中心となり、利用の推進や認証制度の整備などが行われている。
*8:同社では、従来より安全性の観点から塩素ではなく過酸化水素を使用してきた。
出所:資源エネルギー庁等資料を基に大和総研作成
環境意識の高い企業として知られるようになればなるほど、「ここはやっていないではないか」という多くの叱咤激励を受けることとなり、それに絶え間なく応じてきた。2003年、IKTは「風で織るタオル」として商標登録される。風力発電の電力を使用していることから、「風で織ったタオル」としてメディア紹介されたことがきっかけであった。意図してつけたブランド名ではなく、同社が取組んできた環境対策の結果として、おのずとついたブランド名であるというエピソードが面白い。
3. ビジネスとしての持続可能性
同社が自社ブランドIKTを成功させた背景には、前述のとおり「最大限の安全と最小限の環境負荷」というぶれないポリシーが多くの人の共感を得たことにある。一方で、「安全」と「環境」に配慮しながらも「高品質」を両立させてきた技術力と創意工夫があることにも注目したい。ここでは、同社の技術力と同社を取り巻くマーケットの現状から、ビジネスの持続可能性を検証し、最後に、同社が社会的企業として成長する要素を持つ企業であることについて言及したい。
同社のタオル製造工程にはいくつものこだわりがある。繊維は、原糸から始まり、原糸加工(撚糸、染色)、整経、製織、染色、縫製、検品という工程を経て出荷される。同社では、そのうちの整経、製織、検品を行っている(図表3)。
出所:池内タオルホームページなどに基づき大和総研作成
織設計から手がける整経、製織工程は、「池内タオルに織れないものはない」と言われてきた同社が最も得意とする分野だ。池内社長の話では、タオルの品質の決め手となるのは、糸、織をどのように設計するかであり、原材料の差は僅か10%程度しか現れないという。通常、綿糸は細いほど高級でありYシャツなどの用途に用いられる。そして、最も太い綿糸が、ジーンズ、靴下、タオルに用いられる。しかし、オーガニック・コットンは、ハイエンドをターゲットにしていることから、高級な細い綿糸しか生産されていない。同社では、このYシャツ用の細い綿糸を用いてタオルの強度を実現するために、綿糸を2本合わせて織り込んでいる。また、柔らかさを得るためにタオルの起毛部分の長さを2倍にしている。もともと高価なオーガニック糸を、通常のタオルの4倍使用している。それでも最終価格を抑えられているのは、流通コストを省いているためだ。
さらに、協同組合で行われている染色工程では、大量の水を用いて時間を掛けて丁寧に染色されている。この工程により、柔軟剤や吸水剤を用いなくても柔らかい、「何回洗っても最初の風合い」を持つタオルができあがる。当然排水は増加するが、前述の排水処理設備により品質と環境の両立を実現している。そして、「何回洗ってもほつれないタオル」にするために、縫製工程では日本製の良質な縫製を依頼し、自社の厳しい検品工程を経て出荷している。
従来、タオル産業は徹底した分業体制で行われてきた。しかし、意思疎通やリードタイムの長さが課題となっていた。1990年代後半、池内社長は業界のQR(Quick Response)(*9)化に着手、四国タオル工業組合のメンバーにはたらきかけ、ITを活用することで、糸の投入から製品の仕上がりまでに要するリードタイムを45日間から30日間に短縮する成果をあげた。同社では、こうした取り組みを通じて、企業間の綿密な意思疎通と効率化を推し進めてきた背景がある。それが今、IKTの品質を支える基盤となっている。
同社が他社と差別化される強みとは、環境・安全というピュアなイメージに加えて、品質とそれを支える技術力、生産効率化などの堅実性にもあると言える。
*9:1984年、輸入品に押されていたアメリカ繊維産業の業界運動に端を発している。取引企業間の対等なパートナーシップをベースに、適切な商品を適切な時期に適切な価格で適切な場において供給するシステムを、最短のリードタイムと最小のリスクで、最大の競争力を持つように構築すること。ITとともに進化してきた。現在では、SCM(Supply Chain Management)として、幅広い産業で実践されている。
同社の商品開発方針は“モデルチェンジをしないこと”である。固定客を最も重視し、彼らの期待を裏切らないためのポリシーだ。一方で、新しい市場を広げるために、タオルカンパニーからトータルオーガニックテキスタイルカンパニーへと大きく夢を膨らませている。IKTのノウハウはタオルだけに限ったものではない。国内の新たな分野として考案中なのはベビー商品だ。赤ちゃんのタオルだけが安全で、着ている服が安全でなくていいわけはない、と池内社長は言う。海外で検討しているのはベッドリネン分野だ。世界で最初にIKTの品質を認め、リネンにこだわりを持つ米国人だが、タオル以上にベッドリネンを贅沢に使用するという。タオル販売当初より「なぜシーツをやらないのか?」と熱いリクエストを受けてきた。他にも2007年、ロンドンのDECOREX INTERNATIONALでは、インテリア・テキスタイル(カーテン&椅子用)でNew Best Awardを受賞するなど、同社のノウハウを幅広い分野に広げようとしている。
世界におけるオーガニック・コットン市場は、不況にもかかわらず年率35~40%で成長している(図表4)。Nike、H&M、Adidasなど大手アパレルが積極的に商品展開を行っている。その背景には、消費者の環境意識の高まりとともに、認証制度等の充実によりオーガニックへの信頼性が高まったこともあり、今後も取り扱い商品が増加していくと見込まれている。同社は、この拡大するオーガニック市場の中で、オーガニックテキスタイル全般を取り扱う会社への飛躍を目指している。
出所:日本オーガニックコットン流通機構ホームページを基に大和総研作成
ただ、市場が成長しているとはいえ、オーガニック・コットンの生産量は綿花全体のわずか1%にすぎず、まだ市場に浸透しているとは言い難い。オーガニック・コットンそのものの認知度を高めるためには、生産者、メーカー、販売者、認証機関などの努力が求められる。また、オーガニック・コットンは急に栽培量を増やすことができない。オーガニック綿畑と認められるまでには2-3年が必要となる上、収穫は2年に1度の輪作(通常の綿は1年で2回収穫)であるため収率を上げるには多くの土地を必要とする。オーガニック・コットン市場が広がれば、良質なオーガニック・コットンを確保することも厳しくなるだろう。スイス・リーメイ社の契約農家の中には、綿花価格の高騰に乗じて他の販売先と取引を始めてしまい、オーガニックの質やリーメイとの関係を維持できなくなるケースなどもあるという。生産者とメーカー、そして消費者に至るまでの継続的な関係づくりが益々重要となろう。
社会的企業による事業は、ミッション(社会的課題)およびコンセプト(解決の手法・商品)に共感する人々の協力によりスタートすることが多いが、そこで満足してしまえば、ある特殊な人々によるマーケットで終息してしまう。そうした事態に陥らないために、谷本(*10)はソーシャル・イノベーション(社会的問題解決のための商品開発)により、社会・個人の意識の変化や新たな社会的価値を創造していくことが必要だという。ソーシャル・イノベーションのプロセスは、(1)社会的課題を解決したいという“想い”が企業とステークホルダーにより共有されるプロセス、(2)“想い”が事業化されるプロセス、(3)“想い”を共有する人々が事業に参加できる社会的場の形成、(4)事業が認知され、制度と個人の価値・行為に変化を起こす、といった過程を経る。こうして生み出された新たな社会的価値により、再び社会的課題が発掘され、イノベーションの循環が起こる(図表5)。
*10:谷本寛治編著「ソーシャル・エンタープライズ 社会的企業の台頭」によると、ソーシャル・イノベーションとは、社会的課題の解決を意図したシステムや製品・サービスを供給もしくは提案することである。ソーシャル・イノベーションの焦点は、社会的課題の解決であり、その解決のためには顧客満足を獲得することのみならず、顧客やステークホルダーの意識の変化や新しい社会的価値を創造することにあるという。
出所:谷本寛治編著「ソーシャル・エンタープライズ 社会的企業の台頭」を基に大和総研作成
環境問題、南北問題など様々な社会的課題を取り込み、共感する人々を増やしてきた同社は、まさに、こうした社会的企業としての成長プロセスを経てきたといえよう。その成功要因の一つは、同社が、ステークホルダーとの関係づくりを重視している点にある。池内社長はソーシャルメディアを通じた顧客との意見交換を日々の楽しみにしている。モデルチェンジをしないことも、新たな環境技術を取り入れてきたことも、全て顧客を始めとするステークホルダーの意見によるものだ。社会的企業は、「一般企業に比べ市場規模や資金などが小さいために、様々な人々の知識や資金などによって支えていく必要がある(*11)」という。つまり「ソーシャル・イノベーションにとっては、ステークホルダーが重要な鍵(*12)」となり、ステークホルダーとの関係性なくして社会的企業の成功は難しい。池内社長は、奇しくも「IKTは意志を持った生物だと思う。今後どのように成長していくか私もわからない。」と述べている。この言葉は、IKTがステークホルダーとの関係性の中で“ミッション”と“コンセプト”を創造し、ソーシャル・イノベーションを起こしてきたことを意味しているのではないだろうか?同社がステークホルダーの想いを事業化するだけのチャレンジ精神とスキルを持つ企業であるという事実も含め、同社は社会的企業として発展するための重要な要素を持つ企業だといえる。今後、どのような社会的課題を手がけ、成長を続けるのか楽しみにしたい。
*11:谷本寛治編著「ソーシャル・エンタープライズ 社会的企業の台頭」
*12:谷本寛治編著「ソーシャル・エンタープライズ 社会的企業の台頭」
【参考文献】
- 池内タオル株式会社ホームページ
- 特定非営利活動法人日本オーガニックコットン流通機構ホームページ
- NPO法人日本オーガニック・コットン協会ホームページ
- タオル業界構造改善検討会「タオル業界構造改善ビジョン」平成13年8月
- 株式会社今治繊維リソースセンター「タオル市場調査報告書」平成16年2月
- 谷本寛治編著「ソーシャル・エンタープライズ 社会的企業の台頭」中央経済社 平成18年2月