自分の基礎代謝や日常生活におけるエネルギー消費量を把握することは、食事でカロリー制限をするダイエットの基本。毎日、どれくらいカロリーを消費しているかを知らないと、ダイエットを進めることはできません。
基礎代謝は、もちろん男女差や体格の差、筋肉の量などによって異なりますが、身体活動によるエネルギー消費量は、職業によっても異なります。そこで今回は、立ち仕事の場合、どのくらいカロリーを消費するのかをみていきましょう!
自分の一日の消費カロリーは?
毎日の生活の中で、自分がどれくらいのカロリーを消費しているのかを知りましょう。
3つの代謝
人間の代謝には次の3種類があるといわれています。
1.基礎代謝(約60~70%)
最も多くを占めるのが基礎代謝です。基礎代謝とは、安静にしていても消費するエネルギーのことで、生命活動のために使われます。例えば、呼吸や心臓の拍動、体温の維持、内臓の働きなどです。主に年齢、性別、体表面積などによって変わってきます。
2.生活活動代謝(約20~30%)
日常的な活動によるエネルギー消費量です。これは、生活活動の強度によって変わっています。例えば、一日中歩き回っている運送業の配達員と、デスクワークの会社員とでは、大きくエネルギー消費量が変わってきます。
3.食事誘発性熱産生(約10%)
食事をしている最中に使うエネルギーのことをいいます。
自分の一日の消費エネルギー量を算出してみよう!
つまり、自分が一日に消費しているエネルギー量は、次の式で表すことができます。
総エネルギー消費量=基礎代謝+生活活動代謝+食事誘発性熱産生
しかし、生活活動代謝は、人それぞれ異なるため、なかなか正確には算出できないところがあります。また、食事誘発性熱産生はわずかなので、通常は含めません。
そこでよく用いられるのが、次の計算式です。
一日に必要なエネルギー量の計算式
基礎代謝(kcal)×生活活動強度指数
基礎代謝は、年齢別の目安の数値を用います。
日本人の基礎代謝基準値(2005年)
生活活動強度指数とは、4つの区分に分けられた活動量の区分です。この4つのうち、自分の一日の活動は、どれくらいの強度かを選びます。そして、強度の数値を基礎代謝とかけあわせることで、自分自身の一日の総エネルギー消費量の目安を知ることができます。
生活活動強度の区分(目安)
では、例として「32歳で52.7kgの女性の立ち仕事の人」を想定して計算してみましょう。
基礎代謝量(1,140kcal)×生活活動強度指数(1.7)=1,938kcal
この人は、一日に1,938kcalを消費するというのが、目安です。
これを元に、どれくらいを食事から摂取するかを決めることになります。カロリー制限をする場合には、ここから少し減らした量を摂取することになります。
実際の立ち仕事のカロリーってどのくらい?
ではここで、もう少し詳しく立ち仕事の消費カロリーをみていきましょう。
立ち仕事は、電車の中で立っている状態と同じくらいの活動量といわれています。例えば、一日に3時間、週に5日立って仕事すると、何と一年でマラソンを10回走るのと同じくらいのカロリーを消費するといわれています。
具体的には、「立っているときの消費カロリー=体重×2×立っている時間」で計算できます。例えば、45kgの人が8時間働き続けた場合で計算すると、年齢にもよりますが、消費カロリーは700~800kcalとなります。
45kg×2×8時間=720kcal
動かず、ただ立っているだけなら、消費カロリーはもう少し低くなります。
立ち仕事を続けて消費できるカロリー
一日3時間、座る代わりに立っていると、一年間で3万kcalも多く消費します。
普通に生活するよりも、立ち仕事を続けると1時間に50kcal程度、余計にカロリーを消費するというわけです。
立ち仕事を続けるとカロリーがより多く消費される理由は、心拍数が一分間に10回ほど多くなるからといわれています。
立ち仕事のメリット
このような立ち仕事は、慣れている人は当たり前のことですが、一日中座りっぱなしのデスクワークの人にとっては、大変そうに思えるかもしれません。
そこで、立ち仕事のメリットをみておきましょう。
カロリー消費がスムーズに行えるため太りにくい
立っている時間が多ければ多いほどカロリー消費ができるため、太りにくく、痩せやすい体質になることができます。
食後血糖値が元に戻りやすくなる
立ち仕事の人は、食後の血糖値(血中のグルコース濃度)が元の数値に戻りやすくなるといわれています。食後の血糖値が下がらず上がり続ける病気が糖尿病です。糖尿病になると血管が多くの糖によって傷つき、手足のしびれや目のかすみ、全身のむくみや動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳卒中を起こします。ダイエット以上に、この立ち仕事は健康維持に重要というわけです。
ただ、デスクワークの人にとって、現実には一日3時間であっても、立っているというのはなかなかむずしいかもしれません。その場合には、社内で積極的に動く、通勤時に一駅分歩いて帰ってみる、エレベーターやエスカレーターは使わず、階段を利用するなどして、立ち時間、歩く時間を増やしてみるのをおすすめします。
立ち仕事で脚がだるくなったときの対処法
ところで、立ち仕事は消費カロリーを増やすことができる反面、長時間行うと、どうしても脚の疲れが気になるものです。そこで、立ち仕事で脚が疲れたり、だるくなったり、むくんだりしたときの対処法をご紹介します。
硬くなった体をほぐす
脚がだるい、疲れたというときは、一日中歩き回ることが多いものです。脚のマッサージなどを行う前に、凝り固まった身体をほぐすストレッチもおすすめです。
例えば、椅子に座った状態で両手を腰に当てたまま、左右に腰をひねりましょう。背中から骨盤、腰回りをほぐされます。腰痛がある場合も改善されるでしょう。
また、適度に開脚をして、股関節をやわらかくするのもおすすめです。
足枕で脚を高くして寝る
一日中、脚を酷使した日の夜には、脚を高く上げて、脚にたまっている疲労物質や老廃物を流してしまいましょう。ずっと脚を自力で上げているわけにはいかないので、タオルケットを丸めたものやクッションなどを足の下に敷いてそのまま寝るようにしてみてください。高さは10~15cmくらいがいいといわれています。
足指運動をする
一日中立ちっぱなしだった場合、脚全体が運動不足になっています。そこで、足指体操をして、血流を良くしてあげると足の疲れ解消に役立ちます。足の指を曲げたり伸ばしたりするグーパー体操のほか、タオルなどを足の指でつかむというのもおすすめです。
ゴルフボールを踏んで足裏の血行を促す
脚の血行を良くする方法はまだあります。椅子に座って、背筋を伸ばした状態で、ゴルフボールを足裏で転がしましょう。上から足の裏でボールに圧力をかけながら、コロコロと転がします。足裏全体をほぐすように意識して行いましょう。
ふくらはぎをマッサージする
直接ふくらはぎをマッサージするのもおすすめです。特に、ふくらはぎの内側にある、すねの骨に沿って、丁寧に指圧して、ほぐしていきましょう。
弾性ストッキングでむくみ・疲労ケア
一般医療用機器の弾性ストッキングなら、効果的に脚の血行促進につながり、むくみや疲労を解消することができます。特に目立たないのであれば、仕事中に着用してもいいでしょう。
立ち仕事の最新トレンド!スタンディングディスク活用
デスクワークの人は、どうしても運動不足になりがちで、健康・肥満リスクを感じるものです。そこで近年、注目を集めているのが、オフィスのデスクの高さを自由に変えられる、「スタンディングディスク」です。
スタンディングディスクなら、椅子に座る従来のスタイルから、高さを高くすることで、椅子なしの立ち仕事をすることもできます。
座りっぱなしの毎日では、死亡リスクが高まるという海外の調査結果もあるため、デスクワークの人は真剣に対処法を考えなければなりません。
労働科学研究所と岡村製作所が行った。仕事中の姿勢にまつわる実証実験では、「座り時々立ち仕事」をすることで、座りっぱなしや立ちっぱなしと比べて「眠気、むくみ、疲労」が抑制されることがわかっています。
スタンディングディスクがオフィスで導入されていない場合でも、このデータは参考になります。時々立って仕事をする、メールではなく、あえて歩いて書類を渡しに行く、エレベーターではなく階段を使って移動するなどして、「座り時々立ち仕事」を行うとよさそうです。
疲労軽減も大切ですが、ダイエットしたい、太りたくないというデスクワーカーの人は、ぜひ実践してみてください。
まとめ
立ち仕事は、やはり座っているよりも多くエネルギーを消費できます。また、肥満予防や健康促進効果も期待できます。デスクワーカーの人も、ぜひ時々自分から立つのを意識してみましょう。
しかし、立ち仕事は足の疲れも気になるところ。上手に対処して、明日に疲れを残さないようにしたいですね。
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