ニキビ跡の色素沈着へのピーリングの効果
ピーリングで改善できる?
ニキビ跡が黒や茶色に色素沈着してしまっている状態を改善するためには、当たり前ですが色付いてしまった細胞を無くす必要がありますね。
その方法の1つとしては、メラニン色素によって染まってしまった皮膚をハイドロキノンなどの美白効果のある成分を配合したコスメで色素を分解して薄くするというものがあります。
また、より一般的な方法としては日焼けした後に皮が剥ける過程のように、ターンオーバーによって色素を排出することも可能ですね。
ハイドロキノンは肌への刺激もあって敏感肌の方には使いにくいものでもあるし、あくまでも症状を改善するだけなので、ターンオーバーを改善して色素の残りにくい肌にすることが根本的な対策になるんですね。
そのためには生活習慣の改善や運動などが効果的なんですが、運動をする時間がなかったり、仕事や子育てでしっかりと睡眠を取れなかったりすることもあるでしょう。
そんな方でもターンオーバーを強制的に早めることができるのがピーリングなんです。
ピーリングというのは、日本語で言えば「皮をむく」ということです。
いろいろな方法がありますが、基本的には皮膚の表面に残った古い角質層を人工的に除去することで、角質が溜まってしまうことによる毛穴の詰まりや、くすみなどの肌トラブルを改善してくれるわけです。
そして、ニキビ跡の色素沈着もターンオーバーが乱れて、黒くなった部分をうまく排出できない状態になってしまっていることが原因の1つであるため、ターンオーバーを強制的に促進してくれるピーリングによって改善が期待できるというわけです。
そこで、ピーリングに興味を持っている方のために、どのような仕組で角質を除去するのか、また市販のものがあるのか、皮膚科などに行った方がいいのかといった基本的な疑問を解決していきたいと思います。
どうやって角質を剥がすの?
ピーリングと一口に言っても、色々な方法があります。
酸を使って角質を溶かすものもあれば、スクラブ状のもので垢すりのように擦って剥がすもの、さらにはレーザーを使って真皮の働きを活性化させることでターンオーバーを促進させるようなものもあります。
ここでは、美容皮膚科で実施するケミカルピーリングや、市販のピーリング石鹸などで使われている酸を使ったピーリングを紹介しましょう。
酸を配合したピーリングであれば市販のものも多いし、自宅でも実施できて肌にも優しいので、初心者でも安心して実施できるでしょう。
角質を剥がすと言うと、ちょっと痛々しい感じがして気が引けてしまいますが、基本的には皮膚の表面の皮をちょっと酸によって溶かしているだけです。
よく使われる成分としてはAHA(アルファヒドロキシ酸)というものが使われています。
ピーリング効果のある市販のコスメによく「フルーツ酸」と書かれているのですが、見たことありませんか?
AHAというのはある天然成分から作られている酸の総称なんですが、フルーツ類に多く含まれている酸であるためフルーツ酸と呼ばれています。
ピーリングにはフルーツ酸の中でもグリコール酸という私たちの体の中にも存在する酸を使うので、アレルギーなどのトラブルが起こりにくいというメリットがあるのです。
ケミカルピーリングは医師だけが施術できるは医療行為
ニキビ跡の色素沈着を改善するために、先ほど説明したフルーツ酸を使ったピーリングをやってみようと思っている方に知っておいてほしいのは、皮膚科などで実施しているピーリングは医療行為であるということです。
市販のコスメなどを使って実施する分には酸の濃度がかなり低いので特に危険なものではありません。
しかし、一般的にケミカルピーリングと呼ばれているものは、酸を使って皮膚の一部を溶かすわけですから、皮膚の状態にあった酸の濃度や塗布時間など専門的な知識が必要になるわけです。
以前はケミカルピーリングに対する規制が甘くて、酸による火傷などが続出したために、厚生労働省により医師のいない施設での施術はできなくなっています。
そのため、メディカルエステや美容皮膚科のように医師免許を持った方がいるところは問題ないのですが、一般的なエステ(医師のいないところ)で行われているピーリングというのは、ケミカルピーリングではありません。
普通のエステで行われているピーリングは、市販の化粧品に配合が許されている程度の酸の濃度での施術なので、ケミカルピーリングほどの効果は期待できないでしょう。
ニキビ跡の色素沈着に悩んでいて、今エステなどでの施術を検討している方はちゃんと医師による施術かどうかは最低限確認しておきましょう。
過度の期待は禁物
ピーリングを検討している方でもっとも気になるのが、ニキビ跡の色素沈着が消えるのかどうか?ということですよね。
もちろん、改善を促進する効果はあると思うのですが、実施してすぐにシミや色素沈着が消えるようなことはありません。
メラニン色素というのは、肌の表面にある表皮と言われる0.2mmという薄い皮膚の中で作られます。
そして、ピーリングが効果を発揮する角質層と言われている部分は、0.2㎜しかない表皮の中の最も表層にあるわずか0.02mmの部分のことなのです。
つまり、メラニン色素が存在する可能性のある表層の0.2mmの皮膚のうち、10分の1の厚さの角質層のさらにほんの一部を剥がすのがピーリングなのです(角質層は肌を守る役割もあるため全部剥がすわけにはいきません)。
メラニン色素は表皮の最も深い部分で作られるため、いくら皮膚の表面をちょっと剥がしたところですぐに色素沈着した黒い部分がきれいさっぱりなくなるわけではありません。
そのため、色素沈着した細胞の一部を排出する効果は十分期待できるのですが、1回で綺麗になるというような過度の期待をしてはいけないと思います。
ピーリングの注意点、費用や期間はイメージ通りですか?
ここまで、ピーリングというもののおおよそのイメージができたと思いますが、いくつか注意点というか覚えておいて欲しい点があります。
時間もお金もそれなりにかかる
私がニキビ跡の色素沈着に悩んでいてピーリングのことを調べ始めた時は、とにかく早く治したいという思いでしたが、実際には施術完了するまでに結構長い時間がかかります。
美容皮膚科で実施する場合はだいたい3週間に1回、合計5~10回で1セットとなっています。
仮に1セットとして合計6回実施したとすると、18週間(約4ヶ月強)かかるわけです。
しかも、施術が終了したからと言ってきれいさっぱりニキビ跡の色素沈着が必ず無くなるわけではありません。
何度も言うように、治りやすいお肌の状態にすることは十分期待できるのですが、結構時間がかかる割に・・・という感じは否めませんね。
しかも、1回あたり1万円前後するものなので、本当に顔の一部にだけ色素沈着がみられるような方には向いてないかもしれません(ピーリングは基本的に顔全体に実施)。
酸濃度の高いものを使用する美容皮膚科でさえこのように時間がかかるので、自宅で市販のコスメを買ってピーリングをしても、当然ながら短期間での効果は期待できません。
肌質によってはできない
角質層というのは肌を刺激から守るバリア機能と、潤いを保持するための機能も持ち合わせています。
その部分を溶かすということは、例え一時的であってもお肌に刺激を与えることになりますし、刺激に弱い肌になるわけです。
そのため、もともと乾燥肌や敏感肌の方は角質層が薄くなってしまっていることが多いので、ピーリングによって症状を悪化させてしまう可能性があります。
また、ニキビ跡でも赤みのような炎症がひどい状態の時は、酸の刺激によって炎症を悪化させてしまう可能性があるため、刺激の弱い市販のものであってもピーリングは避けるべきでしょう。
自宅でピーリングを実施するならば、肌のバリア機能や潤いをしっかりと保護するためにも、洗顔方法には十分に気を使って、しっかりと保湿をするように心がけましょう。
まとめ
ここまで説明してきたように、ピーリングはターンオーバーを促進することができるため、ニキビ跡の色素沈着を目立たなくさせる効果が期待できます。
ただし、それなりの時間とお金がかかるので、今まで他の方法はいろいろと試してみたけど全然効果が得られなかったという場合や、レーザー治療のようなダウンタイムがある治療は避けたいという方が時間をかけてじっくりと施術しようという場合に選択するというイメージですね。
もしもお店などで施術を受けるときは医療機関(医師免許を持った人がいる)かどうかを確認しておきましょう。
まだニキビ跡の色素沈着の改善のために実際に何もしていないという場合は、費用や時間の面を考えるといきなりピーリングをするのではなく、基本的なスキンケアや生活習慣の改善などでターンオーバーの改善に力を入れてみてもいいと思います。