【イベント報告】轟木節子さん×東野翠れんさん×服部みれいさん トークショー 「夏の冷えとりと冷えとりファッション」(本店:7月11日)
「夏の冷えとりと冷えとりファッション」(本店:7月11日)
女の子たちの足元を見ていると『捨てるものがたくさんあるから、大変だ』と思う。(中略)
その先にあるのは、ある種の自由だと思う。
『murmur magazine vol.9』の刊行を記念して、編集長の服部みれいさん、スタイリストの轟木節子さん、東野翠れんさんをお招きしてトークショーを開催しました。
暑い、でもからだ冷やしたくはない。少しでもからだの声を聞きはじめた人なら、かならずぶつかるテーマが「夏の冷え」。暑い夏だからこそ「冷えとり」は最重要テーマです。でもね、おしゃれは手放したくない。それぞれの立場で冷えとりを実践している三人だからこそ、のお話が連発のトークとなりました。
当日、ABC本店では10月に刊行される「冷えとりガールのスタイルブック」(主婦と生活社)に掲載予定の冷えとりファッションスナップも開催(撮影は2009年年木村伊兵衛賞を受賞した写真家、浅田政志さん!)。それにしても足下を見ると、面白いくらいにわかるんですね。「冷えとりの人」と「そうじゃない人」と。そして、「冷えとりの人」たちのもつ空気のなんとかわいらしいこと。店内にどんどん「冷えとり」の人が集まってきます。そしていつになく柔らかな雰囲気になった会場です。
「冷えとり、名前は知っているけど、まだはじめてない人、いますか?」服部さんの声に、ちらほらと会場から手が上がります。「うんうん、でも大丈夫。うちの編集部でも、玄関入ったとたん『はっ!』と気づいて、『あ~、今日裸足で来ちゃった!』とかいう人いますもん。足もと見たらすぐわかるもの」前列のみなさんは思わず足下をもぞもぞ。一同爆笑。
まずはみなさんの当日の冷えとりファッションからお話がはじまりました。
「くつした4枚と、絹のレギンス、オーガニックコットンのレギンス、そして『えみおわす』のリスパンツ」という服部さん。
翠れんさんは「くつした5枚、とロングソックス。今日はちょっと控えめ(笑)」。
節子さんは「靴下4枚と、絹のレギンス、最近お気に入りの麻100%のレギンス。白が透ける感じがいいんです。とっても調子いい。シルクの上にはいて、かえって涼しい」。「そうなんですよね。夏にレギンスなんてはいて暑くないのか、て聞かれるけれど、かえって汗を吸ってくれて涼しい」と服部さん。冷えとりを続けていると汗の質も変わってきて、べたべたしない、さらさらのものに変わってゆくのだとか。冷えとりファッションは、下にいくほど厚く重ねてゆく。上は空気のように薄く。富士山のような形が基本。そうすると冷房がきつい場所でも楽に過ごせたり、春先でも薄着で過ごせるようになったりするのだそうです
轟木さんは、冷えとりをはじめてまだ4ヶ月ほど。年中タイツを愛用していた轟木さんは、はじめる前は「タイツをはきたいから、靴下4枚は無理かな」と思っていたとか。タイツをはかなくても大丈夫、という温かい時期になってはじめたばかり。
ファッションスタイリストでありながら、じつはレギンスが苦手だった轟木さんは最初はレギンスをタイツ風にしてみたりしたけれど、いまはタイツなしで大丈夫。くつしたのほかは、一日に夜と朝の二回の半身浴でリセットも欠かさない。
翠れんさんははじめて一年くらい。冷えとりは一度はじめると「まだ足りない。もっともっとやってもいいんだ」と思うようになったそうです。
「足りないことに気づくことも大きな変化だし、出会う時期もあるのだと思う」と服部さん。実はお母さまが冷えとり健康法の実践者で、くつしたの重ね履きをしていたので、実は18歳の時から「冷えとり」を知っていた。けれど、お父さんと一緒になって「重ねばきはダサイ!といじめていた(笑)」のだそうです。しかしそれから10数年後に得た難病の治療から冷えとりに改めて出会う。「人の話は、自分が求める時期にならないと聞こえてこないんですよね」と、自らも人に伝え進める役割をもつ服部さんの深い感想です。
次に話題は、よく聞かれるからだの変化、においのことに。轟木さんは気管支が弱かったためか、はじめて2、3週間で咳や痰がたくさん出た。同じ時期に悪夢を見まくって、湿疹も出た。それはからだから毒が出たがっているから。だからかきむしっていいと(進藤義晴先生の)本に書いてあったから、安心してかきむしっていた。そうしたらいつのまにか肌もきれいになっていたそうです。同時に心にも変化が訪れて、いままでだったら気にならないような細かなことが急に気になったり、怒ったり。「携帯を投げつけるように怒ったりもして(笑)」。すかさず服部さんの優しいフォローが入ります。「この『怒りを外に出す』ことも『毒出し』のひとつなんです。怒るべき時に怒れないようなことも、心の毒として気づかないうちにたまっているから。出せてよかったね」まわりにも冷えとり仲間がいて、そういう変化を話せたことも大きかった、と轟木さんはいいます。
翠れんさんは、はじめて2~3週間ほど、からだがくさくなった時期が。そして、くつしたの特定の部分が何度も破れたそうです。これはからだの調子が悪いところと符号していて、においがなくなる頃には破れもなくなっていく。「毒出しのあいだは確かににおいがきつくなる時期もあるけれど、そのあとは体臭がいいにおいに変わり、足のにおいもなくなってゆきますからね。みなさん安心してくださ~い」
冷えとりが進んでゆくと、人としての輝きがましてゆくのですね。
半身浴は、まず20分の壁があるとのこと。20分で何かを越える。そしてそのあとにある5時間の世界(!)だそうです。そのあいだ、みなさんはどうやって過ごしているのでしょう?
轟木さんの最近のオススメは無印の防水DVDプレーヤー。「5時間を目指すんなら、このくらいないと」。半身浴に合う映画特集、面白そうですね。翠れんさんも服部さんも、仕事もお風呂に持ち込むそう。ふたの上に厚手のタオルを敷いて、その上に鉛筆とノート、赤ペンや修正液、汗ふき用のタオルや白湯まで用意して、すっかり仕事部屋。「前はコンピュータも持って入ってたけど、それはさすがにみんなに止められた(笑)」。お子さんがいる人は、朝起き出す前に半身浴をしたり、いろいろな工夫の興味深いお話もたくさんありました。
続いてファッション編に突入です。みなさんがそれぞれ愛用しているお店情報などもちらほら。ひとつだけご紹介すると、轟木さんは鎌倉・由比ヶ浜の「スクランプシャス」(古い英語で「ほっぺたがおちるほどおいしい」という意味だそうです!)のシルク100%の靴下を愛用しているそうです。このお店は、持ち込めばオーナーのお母さまがお直しもして下さるそうです。轟木さんがお願いしたくつしたは「お直しから、なんと、ボーダーになって帰ってきたんです!これはすご~い!」。
翠れんさんは、こんなにくつしたを重ねてはいたら靴がはけない、と思っていたそう。重ね履きをはじめたばかりの頃はサボを愛用していたけれど、「だんだんに靴に移っていった。
いまでは靴も十分履けると思う。ぜんぜんいける」。服部さんは、いままで無理だと思っていた大きめの靴なんかもあえて履いているそうです。
「もともとヒールが好きだったし、アンクレットも好きだった。ぺたんこのサンダルとか、女っぽい足下が好きだったけれど、冷えとりをはじめたらあまり気にならなくなった」という轟木さん。翠れんさんは「ある撮影のスタイリングで節子さんが靴下をかわいくはかせてくれて、それで目ざめた部分もあるかも」と。
そして今後のテーマは「色気と冷えとりを、どう同居させるか」。「裸足でパンプスの日もあるけれど、その日は半身浴をたっぷりする、とか工夫すればそういうファッションも楽しめる」と服部さん。「女の子たちの足元を見ていると『捨てるものがたくさんあるから、大変だ』と思う。でもそれも自分との折り合いの問題。その先にあるのは、ある種の自由だと思う。」
会場にお客さんとして来ていたアーユルヴェーダの蓮村誠先生に登場いただきお話いただきました。脈診すると、10人中9人は冷えているそうです。本人の自覚とは関係なしに、だいたい内蔵が冷えている。夏になるとアイスコーヒーやアイスティーを飲む機会が増えるけれど、氷で急冷した飲みものは温度以上にからだを冷やす力が強い。夏でも体温より少し高めの温度のものをとるように心がけたい。靴下をはく前に、足の裏に太白ごま油を少量塗ってマッサージすると足が冷えにくい……などなど。蓮村先生、すぐにでも活用できそうな情報をありがとうございました。
あっという間の二時間。こういう仲間がいたら、きっと冷えとりもはじめられる。そう思える、まるで友達の家でおしゃべりしているような楽しい時間でした。