1. Vegetarian/Veganに対する海外と日本の意識の違い

Vegetarian/Veganに対する海外と日本の意識の違い

近年、日本でもベジタリアン人口は健康意識と比例し、野菜をメインとしたカフェやレストラン、オーガニック食品を取り扱うところが増えてきました。

しかし、ファッション感覚として広がっている傾向が多く、海外に住んでいたことのある方は分かると思いますが、実際には飲食店や食品を購入するとなると、まだまだ日本ではベジタリアンの存在を身近に感じにくく、ベジタリアンが過ごしにくいのが現状です。
今回は「海外と日本のVegetarian/Veganの意識の違い」について書きたいと思います。
様々な民族と文化が混合している多文化主義では食も宗教も様々です。
そのため、欧米や一部の先進国を除いて ほとんどの先進国ではベジタリアンやVegan人口も多いため、食文化のニーズも日本より高く、特別な存在ではないのです。
カフェやレストラン、スーパーでもVeganや ※Halal対応、GLUTEN FREEという表示が豊富で日本よりも圧倒的に ベジタリアンの存在を身近に感じることができます。
(※イスラム教では豚、アルコールなどが禁止され、これらのものを含まないものがハラルとなります。牛、羊、鶏等は禁止はされていませんが、イスラム教の作法に沿って屠畜したもののみがハラルとなります。)

オーガニックや健康食品の専門店以外の一般店での取り扱いも多く、コーナー展開やプライスカードでの表示など、アイキャッチサインでわかりやすく伝えるための工夫もされています。

異なる文化をそれぞれの集団が対等な立場で 扱われるべきだという多文化主義のアメリカやカナダに対し、単一民族系国家の日本では、ベジタリアンが受け入れられないのは当然のことなのかもしれません。

オーストラリアでは、世界各地から多くの観光客やバックパッカーズが訪れ、多くの人種が住み、様々なレストランがあります。
他の国の方と食事を共にするときには、食文化の話題になります。
ヨーロッパ、欧米の人々と話すとビーガニズムのことに関しては、日本人と一部のアジア圏を除き、90%以上は知っているという感覚で、確実にVeganという思想は市民権を得ていたと実感しました。

オーストラリアの普通のスーパーでも様々なVegan対応の植物性のミルクがずらり。

パンもグルテンフリーからVegany対応まで。

風潮

これはベジタリアンに限った事ではないですが、アメリカだと個人の行動やアクションは個人の自由として受け入れるのに対し、日本では、団体行動を尊重し、1つのものに全員が合わせ「平均的」であることに安心する日本の社会文化の風習が根付いていることも一つの原因だと考えています。
肉食主義者や欧米の食文化が強い今の日本には菜食主義という個人の選択が認められる環境になりにくいのでは..?と感じます。

知識

日本ではVeganという存在自体がそもそも知られていないのもありますが、Vegetarian=宗教、健康というイメージが強いようです。
私自身も、出会った人にVeganというと、野菜しか食べないのですか?アレルギーを持っているの?と聞かれるのがほとんどです。
野菜のみ=味気ない、元気がないというイメージが強いかもしれません。
そもそも、ヴィーガンもベジタリアンも語は“Vegetable”(ベジタブル、「野菜」)ではありません。
ラテン語 の“Vegetus”ベジタス、「活気のある、健全な」に由来します。
20世紀半ばになってVeg(etari)anを短縮して作られた造語で、もともとは野菜を食べることが目的なのではなく、「健全な食事をする」ことが本来の意味です。
一般的に菜食者の理由としては、「健康」「宗教」以外に「動物・環境への配慮」などが挙げられますが、私がオーストラリアに住んでいたときに出会ったVeganの人々やレストランでは、「動物・環境への配慮」からお店の運営をするという考えの方が非常に多く、“健康はあとからついてくるもの”として捉えている人が多いのを強く感じました。
Veganにも様々な種類がある中で、ダイエタリーVeganというカテゴリーがあります。
Veganと同様に植物性の食事をするが、食用以外の動物の利用を避けようとしない いわゆる美容と健康ベースの菜食者というカテゴリーです。
帰国後、様々な菜食系レストランをまわって感じたのがこのダイエタリーVeganの人とお店が多いことでした。一般的に日本に多い菜食者です。
Veganと一口に言っても、海外では、その食生活は人や国・文化によって理由や距離感が人それぞれ異なり、一つのライフスタイルとして捉え、受け入れられやすいのに対し、日本の菜食者の多くは、美容と健康、流行りから来るもの。
そのため、一時的なものとして捉えられている傾向があるということから、菜食主義を受け入れるという点では後れをとり、海外と比べ、カミングアウトしづらい環境なのかもしれません。

週末には大きなマーケットが各地で開かれ、オーガニックフルーツや野菜がスーパーの1/3〜1/2程度の値段で購入できるのも快適な食生活を送るには大切な存在です。

ステーキ屋さんにもVのマーク(肉、魚、卵、乳製品も使用しないVegan対応のメニュー)が用意されています。

メディア

日本の芸能界でも仕事に影響するという観点から自分が菜食主義者である現実を秘密にする人が多く、日本で影響力を持つ菜食主義者は特に少ないように感じます。

動物・環境への配慮

前述のとおり、Veganの考え方として「動物・環境への配慮」という理由が一つ挙げられると記しましたが、日本の「うわべの動物愛護」という原因も広まらない理由だと感じています。
日本では年間で合計20万頭以上の犬猫が殺処分されていますが対してドイツは犬・猫の殺処分は「0」。保健所のような殺処分施設は存在すらしていません。
動物をかわいいと言いながら、ペットショップで売れなかった犬や猫を殺処分というかたちで処分しているのが現状です。
他にも様々な菜食者に対する海外と日本の意識の違いはあると思いますが、2020年のオリンピックへ向けても、菜食者向けの「おもてなし」ができる準備の必要性を感じます。
世界各国を結ぶ成田空港にでさえ現段階ではVegan対応ができるお店がほとんどないため、海外から来た菜食者の対応が必要となってくるからです。
一方、外国人観光客が多い浅草では、Vegan対応をするレストランが増え始め、豚肉を使った料理のイメージが多い沖縄でも、アメリカ人も多く住むため、菜食者向けの対応をするレストランがとても増えています。
沖縄本島にあるアメリカンテイストなVeganハンバーガーを食べられるGubGub’s Vegan Kitchen(ガブガブズヴィーガンキッチン)さんに伺った際は、お客様は全てアメリカ人でしたが、菜食者の方もいれば、そうでない方もいます。
Vegan対応がされていれば、菜食の人もそうでない人も一緒に食事を楽しめるメリットがあり、それが逆だと菜食者は食事ができないことになります。
肉、魚、卵、乳製品を使用しなくてもジューシーで美味しいVegan料理を大人から子供まで楽しんでいました。

GubGub’s Vegan Kitchenにて。

様々な国籍の人間や文化が入り混じっているアメリカやカナダ、オーストラリアのように多様性に満ちた国に「みんなで足並みを揃えて」という概念は存在しません。グローバル化が進んでいる日本で、食事も多様性が求められるのは当たり前の時代です。
一つの場所でどんな人同士でも選択ができる食事ができれば、場所を選ばずに楽しむことができますね。

まとめ

日本に帰国後、私にとって過ごしにくかった日本でのVeganベースの生活は、外食の際もサラダバーやVegan対応のお店が増え、楽になりました。
さらに食文化からその国の特色をより詳しく知ることができるように、食を通して相手の国の習慣やアイデンティティ、価値観を知る楽しさが生まれました。
これからもVeganというライフスタイルを通して異文化交流の醍醐味を感じていけたらと思っています。
次回のテーマ
次回は「 Vegetarianはマイノリティー?ソーシャルミックスという生き方。 」をお話ししたいと思います。
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瑠璃

Vegan Journey Around The Worldの執筆のほか、
2000年 健康番組レギュラー出演をきっかけにVegan中心のライフスタイルをスタート。
2004年オーストラリア、ノースクイーンズランド州でヴィーガニズムな環境で7年間生活し、趣味のスキューバダイビングと共にRawVeganベースのライフスタイルを送る。

2011年 帰国後、拠点を東京に移し、世界のVeganライフスタイルサイト「Vegan Lounge Tokyo」を立ち上げ、日本とオーストラリアを中心にフォトライターとして活動。

◇Face book Page ◇
https://www.facebook.com/biolapis/

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