分子標的治療薬~肺がん~

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肺がんに使用される分子標的治療薬
イレッサ/タルセバ/ジオトリフでは多くの患者において皮膚障害が問題となります。
先日呼吸器内科病棟にて分子標的治療薬について勉強会を開催しました。その時に作成したスライドです。
皆様のお役に立てれば幸いです。

分子標的治療薬~肺がん~

  1. 1. Your logo分子標的治療薬 ~肺がん~国家公務員共済組合連合会 浜の町病院 薬剤部 古賀 清弘4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21
  2. 2. ・ 肺がんに対する薬物治療・ 分子標的治療薬について・ 副作用マネージメント4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21
  3. 3. ・ 肺がんに対する薬物治療・ 分子標的治療薬について・ 副作用マネージメント4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21
  4. 4. Ⅳ期の治療選択■ 進行非小細胞肺癌(Ⅳ期)の薬物療法EGFR遺伝子変異陽性ALK遺伝子転座陽性4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21小細胞肺がんSCLC (Small Cell Lung Cancer)男性:15% 女性:11%非小細胞肺がんNSCLC (Non-Small Cell Lung Cancer)男性:15% 女性:11%扁平上皮癌(Squqmous Cell Carcinoma)男性:32% 女性:14%腺癌(Adenocarcinoma)男性:40% 女性:63%大細胞癌(Large Cell Cacinoma)男性:5% 女性:3%EGFR遺伝子変異ALK遺伝子転座陰性もしくは不明EGFR遺伝子変異ALK遺伝子転座の検索は必須ではないプラチナ製剤 + a
  5. 5. ・ 肺がんに対する薬物治療・ 分子標的治療薬について・ 副作用マネージメント4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21
  6. 6. 肺癌治療に用いられる分子標的治療薬作用機序による分類 一般名 商品名 規格 外観 薬価(1錠/Capあたり) 投与経路 主な副作用ゲフィチニブ イレッサ 250mg 6712.7 経口 間質性肺炎、皮疹、下痢25mg 1978.3100mg 7272.5150mg 10642.620mg 5840.730mg 8547.4200mg 9690250mg 12026.420mg 901.740mg 1763.9100mg 46865400mg 178468血管新生阻害薬 ベバシズマブ アバスチン間質性肺炎、皮疹、下痢EGFRチロシンキナーゼ阻害薬アファチニブ ジオトリフ 間質性肺炎、皮疹、下痢、口内炎経口エルロチニブ タルセバクリゾチニブ ザーコリアレクチニブ アレセンサALK阻害剤経口経口点滴静注経口高血圧、タンパク尿、血痰間質性肺炎、肝障害、視覚障害
  7. 7. 皮膚障害4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21肺がんのターゲット分子
  8. 8. 18 19 20 21 22 23 24EGFR遺伝子688 728 729 761 762 823 824 875G719X 挿入変異 L858REGFR遺伝子変異4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21イレッサ錠タルセバ錠ジオトリフCap欠失変異
  9. 9. ■ イレッサ錠適応 : EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌用法用量 : 成人にはゲフィチニブとして250mgを1日1回経口投与する4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21EGFR mutation positive EGFR mutation negative
  10. 10. 12639781011●朝食12639781011●朝食食前 食後YAKUZAI4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21EGFR阻害剤における用法の違いタルセバジオトリフイレッサYAKUZAIタルセバジオトリフ空腹時 食後
  11. 11. ALK遺伝子変異4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21■ ザーコリCap / アレセンサCap
  12. 12. イレッサ 発疹・ざ瘡 64.9% 下痢 46.3% 皮膚乾燥 34.4% 間質性肺炎 5.3%タルセバ 発疹・ざ瘡 61.2% 下痢 21.4% 皮膚乾燥 9.3% 間質性肺炎 4.4%ジオトリフ 下痢 95.2% 発疹 61.6% 爪囲炎 56.8% 間質性肺炎 3.1%ザーコリ 視覚障害 61.1% 悪心/嘔吐 52.9% 下痢 46.8% 間質性肺炎 2.1%アレセンサ 血中ビリルビン増加 36.2% 味覚異常 34.5% 発疹 34.5% 間質性肺炎 1.7%アバスチン 好中球減少 24.7% 出血 19.4% 高血圧 17.9% 間質性肺炎 -その他副作用商品名1位 2位 3位分子標的治療薬の主な副作用
  13. 14. 副作用についての調査調査目的 : 当院でのタルセバ服用患者における副作用発現頻度と発現時期を把握する調査対象 : 2008~2010年 呼吸器内科にてタルセバを新規服用開始した患者(男性9名 女性12名 total 21名 平均年齢:64歳)調査項目 : 副作用(主に皮膚障害と消化器障害)
  14. 15. 0123451 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4下痢悪心口内炎副作用(消化器)の発現頻度
  15. 16. 012341 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4掻痒感皮疹乾燥爪囲炎副作用(皮膚障害)の発現頻度
  16. 17. 食べ物による影響4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21■ イレッサ/タルセバはCYP3A4という肝酵素により代謝され排泄されます。CYP3A4■ グレープフルーツはCYP3A4を阻害するフルノクマリン類という成分を含むためイレッサ/タルセバの代謝が阻害され血中濃度が高くなる可能性がある。■ イレッサ/タルセバは胃酸により溶解され吸収されるためH2阻害薬やPPIとの併用によりAUCが約50%低下すると言われています。PPIは24時間制酸作用が持続するため可能ならばH2阻害薬を用いてイレッサ/タルセバと服用時間をずらす。ザーコリ/アレセンサもCYP3A4による代謝を受けるが添付文書には記載なし
  17. 18. 4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21食べ物による影響■ グレープフルーツと同様CYP3A4を阻害するフルノクマリン類を含む柑橘類影響のある柑橘類 影響のない柑橘類いずれの柑橘類も絶対食べてはいけない訳ではないので病院食に出てくる程度なら問題ありません。
  18. 19. ・ 肺がんに対する薬物治療・ 分子標的治療薬について・ 副作用マネージメント4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21
  19. 20. 4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21スキンケア保湿保清 保護ほ し つほ せ い ほ ご
  20. 21. 薬物有害反応に対する考え方不耐症、過敏症、アレルギー反応中毒反応副次的作用→ 症状をコントロールしながら継続コントロール不可能な場合は減量、中止4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21
  21. 22. 爪母細胞の分化異常角化異常皮膚障害のメカニズム■ 皮膚の構造■ 通常の状態角質層刺激物質炎症■ 角化異常の状態■ 炎症を起こした状態■ 保湿した状態EGFR皮膚・毛包・爪の増殖や分化に関与している活性化EGFRの著しい減少皮膚乾燥皮膚炎爪囲炎
  22. 23. 4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21事象本剤に対する処置継続 中止 休薬 減量発疹71.9%(1582/2199例)8.5%(186/2199例)5.8%(128/2199例)12.0%(264/2199例)皮膚乾燥85.9%(232/270例)3.0%(8/270例)2.6%(7/270例)7.0%(19/270例)そう痒症79.5%(105/132例)6.1%(8/132例)9.1%(12/132例)5.3%(7/132例)爪囲炎70.0%(147/210例)8.1%(17/210例)10.0%(21/210例)10.0%(21/210例)休薬・減量および中止状況■ タルセバの特定使用成績調査における安全性解析対象症例3488例の最終解析
  23. 24. 皮膚障害の重症度(グレード分類)
  24. 25. 4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21■ タルセバ錠適応 : EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌用法用量 : 成人にはエルロチニブとして150mgを1日1回 空腹時に経口投与するWacker, B. et al. Clin Cancer Res 2007;13:3913–21 国内第Ⅱ相臨床試験
  25. 26. 4D EGFR勉強会 スライド 2014.11.21予防的スキンケアの検討 ~STEPP試験~: スキンケア実施群: スキンケア未実施群Lacouture ME, et al : J Clin Oncol 2010 ; 28(8): 1351-7
  26. 27. 当院採用のステロイド外用剤
  27. 28. ステロイド外用剤の適正使用ステロイド剤 : 開始時期の影響 ステロイド剤 : Gradeの影響
  28. 29. ステロイド外用剤の適正使用FTU (Finger Tip Unit)顔と首 : 2.5 FTU体 (前) : 7 FTU片腕 : 3 FTU下肢 : 6 FTU足 : 2 FTU使用量の目安部位
  29. 30. 外用剤の塗る順番保湿剤 ステロイド剤化粧水保湿剤 ステロイド剤保湿剤化粧水保湿剤
  30. 31. 日焼け止め紫外線が当りだしてから日焼けするまで、大体5分~20分と言われています。例えば「SPF30」ならその時間を30倍(150~600分)遅らせることができるという意味です。■ SPF(Sun Protection Factor)■ PA( Protection Grade of UVA )主にUV-A(紫外線A波)に対する防止効果を表す目安の数値で、+/++/+++/++++の4段階がある。+が多い程防止効果は強くなります。日焼け止めはSPF30以上、PA++以上を目安にしましょう。
  31. 32. 塩酸ミノサイクリンカプセル100■ EGFR阻害剤によるざ瘡様皮疹はアクネ菌が関与するニキビとは違い無菌性です。塩酸ミノサイクリンカプセルは二次感染を防ぐ抗菌効果と抗炎症作用(好中球遊走能抑制作用を期待して予防投与が推奨されています(100mg / day)ミノサイクリンの副作用イレッサ / タルセバなどの有害反応と類似することが多いため原因薬の鑑別が難しくなる可能性がある。(発疹 / 嘔吐 /肝障害 / 下痢 / 食欲不振 / 口内炎など)まためまい感などによる転倒にも注意が必要となる。更にマグミットや鉄剤などミネラルとの相互作用もある。