でんぽう皮フ科クリニック:にきび
<にきび>
- にきびの悪化要因となる生活習慣(寝不足、不規則な生活、過剰なストレスの蓄積、運動不足、過食、糖分と脂分の摂り過ぎ、過度の飲酒、誤ったスキンケア・メイクなど)を見直して頂きます。
- 難治性の大人のにきびは、ストレスやホルモンバランスの乱れが原因となり、漢方薬の併用又は自由・自費診療を含めて治療法を検討して頂きます。
<美容形成目的の自由・自費診療>
- 光治療:皮脂・膿が出やすくなり、にきび菌を殺菌します。中等症以上の方。
- エレクトロポレーション:ピーリングプローブにより超音波で肌や毛穴の汚れをミスト洗浄し、アプレシエ(高浸透型ビタミンC誘導体)と水溶性ビタミンE誘導体を導入します。(オプションで他の美容成分も導入できます)皮膚の新陳代謝が促進し美白が浸透、抗酸化・抗炎症作用があります。軽症から重症までの方。
- イオン導入:アプレシエと水溶性ビタミンE誘導体を導入します。皮膚の新陳代謝が促進し美白が浸透、抗酸化・抗炎症作用があります。軽症、中等症の方。
- 光治療とイオン導入は、同日に併用出来ます。通常ピーリングを伴うエレクトロポレーションは、光治療の2週間後に行っています。
<重症度の基準>
- 軽症は、片顔に炎症性皮疹(赤いブツブツや黄色い膿を持つにきび)が5個以下
- 中等症は、片顔に炎症性皮疹が6個以上20個以下
- 重症は、片顔に炎症性皮疹が21個以上50個以下
- 最重症は、片顔に炎症性皮疹が51個以上 を参考にして下さい。
- にきびといえば尋常性ざ瘡をさしますが、新生児ざ瘡、男性ホルモン性ざ瘡、ステロイドホルモンなどによる薬剤性ざ瘡、毛包虫(ニキビダニ)性ざ瘡、集簇性ざ瘡、酒さ性ざ瘡、老人性面皰、日光暴露による夏期ざ瘡など多くの種類があり、病態を理解して適切な治療が必要です。
- 左は光治療、右はイオン導入を行った症例
- 発赤・色素沈着のにきび痕に、自由・自費診療として光治療、エレクトロポレーション、イオン導入が有効です。
- 凹みのあるにきび痕の治療に、炭酸ガスレーザー治療器を用いたレーザーアブレーションかフラクショナルレーザー治療をお勧めします。
尋常性ざ瘡(にきび)の外用治療薬
- 1)過酸化ベンゾイル(Benzoyl Peroxide:BPO)含有製剤:過酸化ベンゾイルは、角質剥離作用と抗菌作用により、にきびの炎症性皮疹(紅色丘疹:赤いにきび、膿疱:膿がたまった黄にきび)及び非炎症性皮疹(面皰・コメド、白色面皰と黒色面皰あり)を減少・改善させます。また、日本皮膚科学会尋常性ざ瘡ガイドライン2016では、炎症性皮疹を有するにきびに使用することを強く推奨しています。
- 過酸化ベンゾイル含有製剤の副作用によるアレルギー性接触皮膚炎は、1ヶ月以内に、比較的高頻度の2.7%(3例/110例)に発症することが、平成29年1月の学会誌で発表されました。アダパレン、次いで過酸化ベンゾイルとにきび治療薬が発売されてから、我々皮膚科医はにきびの始まりである面皰を予防するため、全顔塗布を勧めてきました。今回の発表は、使用1ヶ月以内は外用量を少なくし、炎症性皮疹と面皰に点々と塗布する外用指導が必要であるという、警鐘を鳴らしました。
- デュアック配合ゲル
- 2015年7月販売。過酸化ベンゾイル3%とクリンダマイシン1%の合剤で、角質剥離作用、抗菌作用、抗炎症作用を有しています。本剤の基剤には添加物として保湿成分が含まれています。
- 1日1回洗顔後外用。使用開始年齢は、12歳以上が望ましい。
- 全顔に塗布する場合の目安は、このチューブでは2FTU 約0.6g(1FTUとは人差し指の先から第一関節までの長さ)です。
- 冷蔵庫(2〜8℃)に保管。毛髪や着色繊維などを退色させる可能性があります。
- にきびの炎症性皮疹は、塗布2週間で62.5%、12週間で88.6%減少しました。
- デュアック配合ゲル1日1回塗布群は、クリンダマイシン1%(ダラシンTゲル1%)1日2回塗布群に対し、2週後より有意に皮疹数が減少しました。
- デュアック配合ゲルを用いた12週間を越える長期臨床試験は行われておらず、炎症性皮疹の大部分が改善する12週間を目安に、面皰治療を主体としたアダパレン単独又は過酸化ベンゾイル単独の外用治療に移行すべきとの見識があります。
- 主な副作用は、乾燥(9.8%)、接触皮膚炎(6.8%)、紅斑(5.8%)、皮膚剥脱(5.8%)、掻痒症(5,2%)でした。重大な副作用として大腸炎の報告があります。
- デュアック配合ゲルでは、クリンダマイシン耐性アクネ菌の検出株数は、ベースラインと比べ、12週時で減少していました。
- ベピオゲル2.5%
- 2015年4月販売。過酸化ベンゾイル2.5%。抗菌薬が配合されていないため、にきびが寛解した後、継続使用に向いています。
- 1日1回洗顔後外用。使用開始年齢は、12歳以上が望ましい。
- 全顔に塗布する場合の目安は、このチューブでは1FTU 約0.5g(1FTUとは人差し指の先から第一関節までの長さ)です。
- にきびの炎症性皮疹は、塗布2週間で36.4%、12週間で73.3%減少しました。
- 主な副作用は、皮膚剥脱(18.6%)、刺激感(14%)、紅斑(13.8%)、乾燥(7.4%)でした。
- エピデュオゲル
- 2016年11月販売。アダパレン0.1%と過酸化ベンゾイル2.5%の配合剤であり、各単剤よりも皮膚刺激が発現するおそれがあるため、本剤よりも先に各単剤による治療を考慮することとなっております。
- 1日1回洗顔後外用。使用開始年齢は、12歳以上が望ましい。
- にきびの総皮疹は、塗布12週間で77.3%減少しました。比較したディフェリンゲル0.1%とは統計的有意差(p<0.001)が認められました。
- 副作用の発現率は10.8%(女性は男性の倍近い)認められ、主な副作用は皮膚刺激(8.0%)、皮膚疼痛(0.9%)、アレルギー性皮膚炎(0.6%)でした。なお副作用により投与中断に至った症例は0.3%、投与中止に至った症例は2%ありました。
- 2)レチノイド外用薬
- ディフェリンゲル0.1%(一般名アダパレン)
- 2008年10月販売。日本皮膚科学会の2008年尋常性ざ瘡ガイドラインによると、軽症から重症のざ瘡に対し、アダパレン単独外用及びアダパレン外用と抗菌薬外用の併用は、強く推奨されています。また、炎症性皮疹が軽快したざ瘡に対し、アダパレン外用の継続を強く推奨しています。さらに面皰を早く改善させたい場合は、過酸化ベンゾイル含有製剤より適しているとの報告があります。
- 1日1回就寝前洗顔後外用、外用前に保湿をして下さい。使用開始年齢は、12歳以上が望ましい。
- 全顔に塗布する場合の目安は、このチューブでは1FTU (1FTUとは人差し指の先から第一関節までの長さ)です。
- にきびの炎症性皮疹は、塗布12週間で63.2%減少しました。
- 主な副作用は、皮膚乾燥(56.1%)、皮膚不快感(47.6%)、皮膚剥脱(33.5%)、紅斑(21.9%)、掻痒(13.2%)でした。副作用は通常軽度で、ほとんど使いはじめらか2週間以内にあらわれ、その後やわらいできます。副作用が強い場合は、ご相談下さい。
- 3)抗菌外用薬:4週間で効果が認められない場合は使用を中止する。炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しない。また、長期使用時の薬剤耐性菌出現が懸念されていますので、使用開始3ヶ月後に中止することが望ましいと言われています。
- アクアチムクリーム1%(一般名ナジフロキサシン):1993年9月販売。1日2回洗顔後塗布。4週間後の有効率は81.3%。
- アクアチムローション1%(一般名ナジフロキサシン):1999年6月販売。1日2回洗顔後塗布。4週間後の有効率は84.4%。
- ダラシンTゲル1%(一般名クリンダマイシンリン酸エステル製剤):2002年9月販売。1日2回洗顔後塗布。4週間後の有効率は72.5%。
- ダラシンTローション1%(一般名クリンダマイシンリン酸エステル製剤):2010年5月販売。1日2回洗顔後塗布。
- ゼビアックスローション2%(一般名オゼノキサシン):2016年1月7日販売。キノロン系合成抗菌化合物であるオゼノキサシンは、細菌のデオキシリボ核酸(DNA)複製に関与するDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣを阻害して抗菌作用を発揮します。尋常性ざ瘡や表在性皮膚感染症の病態に関与するアクネ菌、表在ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌を含む、各種好気性及び嫌気性のグラム陽性菌とグラム陰性菌に対して、強い抗菌作用(殺菌的に働く)と幅広い抗菌スペクトルを示します。
- 効能・効果:適応菌種は、オゼノキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌。適応症は、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、表在性皮膚感染症。
- 用法・用量:ざ瘡は、1日1回洗顔後に塗布する。使用開始年齢は、13歳以上が望ましい。
- 炎症性皮疹を伴う尋常性ざ瘡に対し、治療開始2週間後より炎症性皮疹は減少し、12週間塗布し炎症性皮疹の減少率は54.7%でした。これは、アクアチムローション1%と同等の結果です。
- 主な副作用は、掻痒感(1.1%)、乾燥(1.1%)、刺激感(0.9%)でした。
- 4)非ステロイド系消炎外用剤:面皰・掻痒を伴うにきびに試す。
- 5)イオウ含有製剤(イオウカンフルローション):面皰 、ニキビダニに有効。