過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)での洗濯
過炭酸ナトリウムでのお洗濯、漂白や煮洗いについて。活性酸素とアルカリのダブルパワーで汚れを落とします。
酸素系漂白剤としておなじみのアルカリ剤「過炭酸ナトリウム」、実はこれだけで普段の洗濯もできます。アルカリ剤は、油性汚れを自然乳化(けん化)して落とす働きを持ちますが、酸素系漂白剤はさらに、水に溶けたときに出る活性酸素が汚れを化学的に分解します。そのため、セスキ炭酸ソーダや炭酸塩といった他のアルカリ剤に比べてより洗浄力が高く、すっきりさっぱりとした洗い上がりになります。
また、セスキ炭酸ソーダや炭酸ソーダで行うアルカリ洗濯は3時間以上浸けおくほうが効果的ですが、過炭酸ナトリウムでは20分でも充分。この点も、忙しい人には嬉しいメリットです。
「うちの汚れ物はセスキでは力不足で」「長時間浸けおくのがちょっと面倒...」このような理由でアルカリ洗濯をためらっていた方はぜひ、過炭酸ソーダでの「楽してキレイ」な洗濯を体験してください。
なお、アルカリは脱脂作用があるので、手荒れしやすい方はゴム手袋をして作業すると安心です。
過炭酸ナトリウム洗濯に向いているもの
木綿、麻、化学繊維(白物、色もの、柄物)など。基本的に、酸素系漂白剤を使えるものなら何でも洗えます。合成洗剤から石鹸洗濯へ切り替えた直後にも適しています。
水の硬度が高くて石鹸が使いにくい地域でのお洗濯にもどうぞ。アルカリ剤は水の硬度に洗浄力がほとんど影響されません。
注 界面活性作用がないので、石鹸ほどの強力な洗浄力はありません。泥や油で激しく汚れたものは石鹸にまかせましょう。
過炭酸ナトリウム洗濯に向かないもの
酸素系漂白剤が使えない繊維製品は洗えません。過炭酸ナトリウム洗濯に向かないものは以下のとおり。
- 毛、絹などデリケートな繊維
- 自然素材の飾りやボタンが付いているもの(例:木製ボタンや留め具など)
- 金属の飾りなどが付いているもの(ボタンやバックルなど。ただし素材によっては洗えるものもあります)
- 草木染め、生成りなど色落ちしやすい布製品
ご注意
草木染めの製品には特に注意してください。染めの過程で金属を含む薬品を使うことがあり、その金属成分に過炭酸ソーダが反応して布が傷むことがあります。
過炭酸ナトリウム洗濯をはじめる前に
過炭酸ナトリウムは、水に溶けたときに出る活性酸素の力で洗濯槽クリーナーの働きもします。そのため、洗濯槽が汚れた状態で過炭酸ナトリウム洗濯を始めると、洗濯槽から剥がれてきた黒カビその他の汚れで衣類が汚れてしまう可能性があります。過炭酸ナトリウム洗濯に初めてトライする前には必ず、洗濯槽の掃除をしっかり行なうようにしましょう。
過炭酸ナトリウム洗濯を続けていると、洗濯槽がカビにくくなるという嬉しいおまけも付いてきます。詳しい洗濯機の掃除方法は「洗濯槽の掃除」をご覧ください。
基本の過炭酸ナトリウム洗濯
過炭酸ナトリウムの使用量
水30Lに対して過炭酸ソーダ大さじ2(約30g)
- 洗濯物の汚れ具合によって加減してください
- 合成洗剤から切り替えた直後の時期は少し多めに入れましょう
- 炭酸ソーダを小さじ1杯程度加えると、洗浄力が上がります
溶かし方
水に溶けやすいので、洗濯物と同時に洗濯槽に入れられます。ただし、色落ちしやすい衣類には直接振りかけないようにしましょう。
洗い
- ワイシャツの襟袖汚れや靴下のガンコ汚れなどは石鹸で予洗いし、石鹸分をざっとすすぎ落としておく。
- 洗濯物を洗濯槽に入れて水量を決める。
- 40度くらいのお湯と過炭酸ソーダを入れて、1~2分撹拌する。
- 過炭酸ソーダが溶けたら20分以上浸けおきする。数時間~1晩くらい浸けおいてもOK(注1)。
浸けおきなしでも洗えますが、その場合は洗い時間を15~20分と長めに設定しましょう。 - 浸けおきが終わったら、あとは洗濯機に任せる。「洗い」は1~2分で充分。
注1 浸けおきに向かない洗濯物もあります。詳しくは、浸けおきについてをお読みください。
お風呂の残り湯を利用しましょう!
水温40度は、ちょうどお風呂のお湯くらいです。入浴後、すぐに浸けおきすると手間いらず。翌朝に浸けおき開始するときも、残り湯に給湯器のお湯を少し足すだけで簡単に40度になります。
すすぎ
縦型洗濯機ならすすぎは1回でもOK。すすぎ水に残ったアルカリが気になるときは、最終すすぎ時にクエン酸を少量入れても良いでしょう。
ドラム式洗濯機は縦型洗濯機よりも使う水の量が少ないので、すすぎ水も節約されています。そのため、汚れやアルカリが衣類に残って黒ずみや臭い、ベタつきなどのトラブルが起こることがあります。そのようなときは、すすぎを1回から2回に増やしてみてください。
洗いと違って、すすぎではお湯を使う必要はありません。
浸けおきについて
浸けおきに向かない洗濯物もありますので、ご注意ください。浸けおきに向かないものは以下のとおり。
- 水で色落ちするもの
- ポリエステル、ナイロンなどの化繊、化繊混紡のもの
- 絹やウールなど、アルカリに弱いもの
化繊や化繊混紡のものがつけ置きに向かないのは、一度繊維から離れた汚れがふたたび繊維に戻ってしまう「再汚染」が起こりやすいからです。
なお、上記に該当していても、浸けおきで問題が出ないケースもあります。失敗しても惜しくない洗濯物であれば、試してみてもいいでしょう。
ご注意
まれに、上記に該当しなくても問題が出ることがあります。絶対に失敗したくない大事な衣類など、心配なものについては浸けおきはやめておきましょう。
過炭酸ナトリウムを使った洗濯アイディア
衣類のつけおき漂白に
40度(入浴するぐらいの温度)のお湯3リットルに、大さじ2杯の過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を振り入れ、衣類をつけこみます。1時間ぐらい(お湯がさめるまで)置いて、すすぎます。フタのできる容器で作業するとお湯が冷めにくいので効果的に漂白できます。
衣類は、きちんと洗って汚れを落としてから漂白しましょう。洗濯で落とせるような汚れが残っていると漂白効果が落ちます。
綿や麻の白物は、40度よりももっと高温のお湯を使うとさらに効果的です。
たらいに入らない大きなものは、洗濯機の洗濯槽や浴槽を利用するとよいでしょう。フタをして、お湯が冷めないようにします。
液体石鹸や無添剤粉石鹸の助剤として
石鹸の助剤に適しているのは炭酸ソーダやセスキ炭酸ソーダですが、それらがないときの代用品として使えます。
無添剤の粉石鹸や液体石鹸で洗濯するとき、洗濯槽1杯に大さじ1~2杯を加えます。水分と反応した過炭酸ナトリウムから活性酸素が発生し、その残りの炭酸ソーダ(炭酸塩)が助剤として働きます。
過炭酸ナトリウムは活性酸素の力で漂白を行います。しかし石鹸と一緒に使うと、衣類の汚れに作用するより先に石鹸と反応してしまうので漂白作用は期待できません。漂白したい場合は、洗濯後につけおき漂白をしてください。
2016年6月改訂(2009年11月初出)