ピリピリ乾燥肌はバリアを作ってケアする

冬場の乾燥した時期などに、ピリピリとした不快な痛みを伴う乾燥肌をお持ちの方は、その地味なつらさに頭を抱えておられるでしょう。ただ乾燥しているだけでもつらいのに、触ってつらいカサカサ感や風が吹いただけでも感じるピリピリ感など、乾燥肌のときの感覚は派手な痛さなどではないものの、地味にいつまでも続いて改善の方法もなかなか見つかりません。

スキンケア方法は数あれど、保湿にすぐれたクリームや化粧水はよく見かけますが、乾燥からくるピリピリを治してくれるものにめぐり合う確率はあまり高くはありません。また、ピリピリ時は肌が非常に敏感になっているため、通常の保湿クリームではしみてしまってつけられないといったこともよくある話です。

私も乾燥肌に悩む1人として、お風呂のときに保湿成分入りの入浴剤をたくさん集めてきていろいろ試してはいるのですが、どれもそれなりに効果はありますがピリピリ感をすっかり改善するまでには至りません。

乾燥肌からくるピリピリ感は、いつもの保湿ケアとはまた違うアプローチで臨まなければならないようです。この不快な痛みは肌のバリア機能が失われて神経が敏感になっている状態ですから、そのケアを集中的に行わなければならないことが、普段の乾燥ケアとは違う点です。肌バリアとピリピリ感のケアとの関係は、ただの保湿ではない特別なものがあります。

肌が乾燥しているときにピリピリ感を伴うのは、肌のバリア機能が乾燥によって壊れてしまい、角質層の組織がバランスを崩すことによって、その奥底にあった神経が敏感になっているためです。角質層がささくれ立ってしまったことで、ちょっとした刺激にも反応しやすくなっているのです。

このピリピリした嫌な感覚は、鋭い痛みではなく何となく生活自体はできるものの、その症状が気になって気が散ってしまうという事態も招くことがあります。このような地味な症状は、何とか我慢ができてしまうだけにわかってもらいにくいものです。我慢ができると言っても、ほんの少しの刺激でも顔をしかめたくなる痛みになることもありますし、何もしていなくても患部のピリピリは常について回って消えること当然ありません。常に不快感とともに毎日の日常動作を行わなくてはならないのです。

特に治りにくいとされている手の症状は、いろいろなものに触れたり水で洗ったりといった動作が多い分いろいろなものがすぐに取れてしまって、スキンケア効果が出にくいものでもあります。

このピリピリ感を抑えるには、何をおいてもまず肌を保護して刺激から守ること。その保護機能に優れたケア用品なら、手のように治りにくい箇所でもまずバリアを作ってしまうことで少しでも刺激から逃れることが可能になります。

何をおいてもこのバリアを先に作って肌を保護することから始めると、頑張って保湿だけを行う場合よりもてきめんな効果を発揮します。

乾燥肌のピリピリ感は、乾燥から来ているのだからとりあえず保湿をしておけばよくなるのではないだろうかと考えて、とにかく不快症状を我慢して保湿クリーム等を駆使してリッチなケアを行っているという方も多いのではないでしょうか。そして、頑張っている割にはピリピリが消えなくて困っているのではと思われます。

確かにこの不快なピリピリは乾燥して角質内の水分や脂質が失われたことに起因しますが、この時点で問題なのはちょっとした刺激にも不快な感覚をすぐに感じてしまうという状態です。乾燥しているだけではなく、普段感じないような感覚に過敏に反応するようになってしまっているのです。

その理由とは、角質層下の末梢神経が過剰な働きをすることにあります。肌バリアの機能が失われて角質層を守れなくなり、角質組織がささくれ立ってしまった状態においては、本来は角質層の下部の表皮と真皮の間の基底層にあるC線維という末梢神経が角質層ギリギリまで伸びてきてしまいます。その結果、ささくれ立った角質層の間から届く微細な刺激ですらキャッチして脳に伝えてしまうのです。

この仕組みは皮膚科学では通説であり、この神経反応がピリピリ感につながるとされています。また、乾燥肌の場合によくかゆみが起こりやすいのも、角質層が壊れたことによるC線維の過剰反応が原因であると言われています。

この状態を改善するためには、保湿も大切ですがまずは刺激から肌を守ること。皮膚科学でも健康な肌は皮脂等によって天然のバリアを作っているというのが常識ですが、これがすっかり失われた状態ではまず先にこのバリアを外的に作ってあげることで刺激を和らげることが先決です。

ピリピリしてつらい乾燥肌の対策としては、何よりもまず肌バリアを作って刺激から肌をカバーすることが第一です。ここで保湿クリームなどのケアを行っても、かなり角質組織が崩れた状態ですからすぐにその成分は肌から逃げてしまいます。その前にしっかり肌を保護しておくことで、まず先に肌が自然に回復するのを待つのです。

そして、ピリピリ感が治まってきたところで通常の保湿ケアに切り替えましょう。その順序を守ることで、より効率的に改善を図ることができます。

油分をたっぷり塗って肌にバリアを作る
ピリピリ状態の肌には、保湿するよりも先に油分のバリアを外から作ってしまうことが効果的です。ここまで症状が進んでいると、せっかくの保湿成分が逃げやすい状態になっているため、いくらたくさん塗ってもあまり意味がなくなってしまうのです。

このようなときは思い切って、化粧水や乳液、美容液といった普段のケアをしないで、肌バリアを作ることに専念してみます。この肌バリアの役割を果たすものとしては、ワセリンが配合された軟膏やクリーム、またはワセリンそのものが最適です。ワセリンの油分がしっかりと肌を保護してくれるため、肌に効果的にフタをして守ってくれるわけです。こうして強力なバリアを作ることで肌を外部刺激から守るだけではなく、これ以上の水分や脂質が肌から逃げてしまうのを徹底的にシャットアウトします。

ワセリンはその性質上若干のベタつきがあるため、そのベタつきを軽減したクリームなどを使っても効果はあります。また、天然成分由来のオイルを使ってもOK。いずれも肌に合う合わないが出ることもありますが、より低刺激で自分に合ったものを選びましょう。

普段の生活も見直してみる
上記は乾燥肌がひどくなってしまった場合の処置ですが、ここまでになってしまった原因について改めて振り返ってみましょう。肌が荒れてしまう原因は、外的な要素だけではなく体の内側や普段のスキンケアにあることも多くあります。

体調を振り返る
乾燥肌の場合はとかくその肌の調子にばかり目が行きがちですが、まず肌の調子を崩してしまった原因が何かないか考えてみてください。
・血行が悪い
・胃腸の調子が悪い
・ストレスが溜まっている
・生活リズムがばらばら
など、こういった地味な不調があるときは、体のシステムがうまく働かずに肌に充分な栄養が行きわたらないことがあります。そのため、必然的に角質細胞が崩れやすくなり、最終的に乾燥へと導いてしまうのです。

生活習慣や環境を見直す
健康な状態でも、普段やっている洗顔だったり部屋の環境だったりが悪影響を及ぼしていることもあります。
習慣
・洗顔時にゴシゴシこすってしまっている
・高温のお湯を使っている
・洗浄力が強すぎる洗顔料を使っている
環境
・暖房を使いすぎて空気が乾燥している
・空調に1日中当たっている
など、当てはまるものがあれば改善を試みてみましょう。意外とこれらの要因がなくなれば、肌の調子が上向きになってくるかもしれません。

肌のピリピリした感じは感動肌の特徴的な症状であり、これを改善するためにはかなりの根気が必要です。とにかく肌を守ることから始めて、一刻も早い肌本来の再生機能を取り戻さないと、なかなか改善に向かうことができないのです。

ピリピリした刺激を感じるまでに肌が傷んでしまったら、集中的にバリアを作って保護すること、そして肌の再生を促すことが何よりも大切です。

また、これを機に生活全般や健康状態を見直してみて、乾燥肌になってしまう原因は何か潜んでいないかをきちんとチェックしましょう。どのような保湿方法を使ってもうまくいかなかったという方は、このような身近にその大元の原因が隠されている場合も多くあります。

当然ながら肌は常に体とともにあり、体の調子が悪ければ肌にも顕著に現れます。体の健康なくしては肌の健康もなしです。また、ちょっとした生活習慣でも肌に刺激を与えている可能性が大いに隠されているため、スキンケアの方法や部屋のコンディションなどを今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。