ダイエット・運動
1.運動を謳うダイエットは、必ず食事指導をしている
(「運動指導者が断言。ダイエットは運動1割、食事9割」【森 拓郎】より引用)
私の今までの運動指導、ダイエット指導の経験を通して痛感することは、実はほとんどの人は、運動だけのダイエットで結果をだせないということです。
多くのクライアントと接するうちに成果の出なかった人の傾向が見えてきました。
彼らは、「好きな物を食べながら痩せたい」「食生活は変えたくない」・・・という食生活に問題のある人ばかりだったのです。
体の痩せるメカニズムを考えると、食事のコントロール以上に効果的なダイエット法はなく、そこに必要な分の運動を足すという考え方が適切です。
巷のダイエット本を手に取ってみても、ある特定の運動法の説明をしていても、食事について少なからず書いてあるものがほとんど。
ダイエット成功者は運動ではなく、食事でやせているのです。(補足:食事制限という意味ではありません)
(~略~)
体の綺麗なスタイルは運動がつくり、体重やサイズを減らしたいのであれば、食生活を中心に改善していくという大前提を理解し・・・
(引用以上)
これは私も伝えたかったことですが、運動の専門家の話のほうが説得力があるので引用させて頂きました。
”運動で痩せる”と謳っている本は、必ず途中から食事にかわります。
その内容と言えば、ジャンクフードを控えること、
低G.I.食や日本の伝統和食、代謝をアップさせる料理など様々ですが、最近の傾向としてはしっかり食べて運動するという様になってきているようです。(森氏もそうです)
しっかり食べて痩せたんだから、運動が痩せることにかなり貢献しているように思われるかもしれません。
しかしそれも誤解で、運動の消費カロリーはわずかであり、食事方法のみを変えることで痩せることは可能です。
運動はむしろ痩せた後の引き締まったボディーをつくると考えた方が良いかもしれません。
”食事を制限して運動をする”というのは、一見すると正しく思えますが、結局続かないばかりでなく、理論上は全く逆の行為です。
「飢餓のメカニズム」をつくりやすくし、リバウンドする率が高くなります。(このブログの「3」参照)
2.消費するカロリーの僅かな利益
(「人はなぜ太るのか?」【ゲーリー・トーベス著】より引用)
定期的な運動(身体活動)が健康のためによいという考えは、今や私達の中に非常に深く浸透している。
しかし私が調査したい問題は、それは私達が痩せている場合には体重の維持を、太っている場合には減量を助けるものなのか?ということである。
その答えはノーのように思われる。
(~略~)
1942年
ミシガン大学のルイス・ニューバーグ(Louis Newburg)が計算したところ、体重110kgの男性がひと続きの階段(20段)を上がるのに3kcalを消費する。
つまり、『パン1切れに含まれるエネルギー』を消費するために20の階段を上がる必要があるのである。
それなら、なぜ階段を上がることを止め、パンを抜いて1日を終えないのか?
(~略~)
(ちなみに3kcalはビスケット1枚の1/10) <参考:カロリーslismより>
▷またある専門家達は、ランニングなどの有酸素運動よりも、ウェートリフティングのような筋肉を増やす運動で体重を減らせると議論するようになった。
筋肉は脂肪よりも代謝的に活発で、より多くのカロリーを消費するため、脂肪を減少させたままでいることに役立つだろう。
しかし、専門家たちはこのような議論をするときに、いつも実際の数値を無視した。
それは数値が見栄えしなかったからである。
もし私達が5ポンド(約2キロ)の脂肪を5ポンドの筋肉に置き換えたとすると(かなりの成功者であるが)、エネルギー消費の増加量は1日当たり24kcalである。
この量はまたしてもパン1枚の1/4と等価となる。(注:日本の食パンだと約1/6枚)
そして、またしても
ウェートリフティングをやめて、1/4切れのパンを我慢した方が楽かもしれない
という見解に戻ってしまうのだ。
(引用以上)
(再び「ダイエットは運動1割、食事9割」から引用)
体脂肪というのは備蓄型のエネルギーですから、すぐには使わないようにできています。
ですから、強度の高い運動を行ったり、短期的に痩せようと頑張って運動しても、消費しているのは肝臓や筋肉に蓄えられている即効型エネルギーであるグリコーゲンです。
つまり糖質です。
そして、糖質が使われると、私達は早くそれを元の状態に戻したがるので糖質が欲しくなります。
(~略~)
体脂肪が燃えやすいと言われる有酸素運動でさえ、使っているカロリーの約半分は糖質です。
30分のランニングで消費されるカロリーは200kcalとお伝えしましたが、実はすべてが体脂肪ではなく多くても半分は糖質です。
燃焼効率がどんなによくても、その程度ということです。
ウォーキングのほうが、脂肪燃焼効率は上がりますが、運動量としては下がります。
ウォーキングは30分で約100kcal程度。
消費カロリーの少ない有酸素運動だけで、体脂肪1kg(7200 Kcal)減らすというのが、どれだけ至難の技なのかご理解いただけると思います。
(引用以上)
ここで注意しなければいけないのは、200kcalの半分の100kcalが脂肪としても、それを単純に毎日合計してはいけないということです。
このブログの(その1)で『出たエネルギーは必ず戻ってくる』という話を思い出してください。
消費カロリーと摂取カロリーは独立した変数ではないということもお伝えしました。
私達は1日を終えて、100kcal余分に食べないという保証はありませんし、
仮に摂取カロリーが同じとしても吸収率も高まるし、それくらいの減少分なら補おうとするのが人体です。
そう考えると、体重計が何も進歩を示さない理由も分かってきましたね。
(再び「人はなぜ太るのか?」より引用)
米国農務省(USDA)、国際肥満研究協会、国際肥満特別機関などは、毎日1時間程度の運動をすべきだと奨励しています(2007年時点)。
これら3つの機関が、『1時間の運動』を奨励する理由は、1時間以内の運動で効果があるというエビデンス(科学的根拠)が少ないことに基づいています。
毎日60分以上の運動をすると何が起きるか示す研究はほとんど存在しないため、専門家達はその程度の運動であれば効果が生まれるかもしれないと想像しうるだけです。
さらに3つの機関が運動することを奨励する理由は、脂肪を減らすことを促すためではなく、さらに太ることを避けるためである。
彼らは、運動のみで脂肪を減らすことは不可能であることを暗に認めている。
(引用以上)
3.『食事制限』と『運動』が続かないのは当たり前
ダイエットにはつきものとされる『食事制限』と『運動』ですが、それがいかに意味がないことかを説明します。
”食べないで動き続ければ、痩せる”(いつかは死んでしまいます)というのは真理ですが、
日常の生活を営む以上、最低でも1~2回は食べることは必要だし、その場合は真理ではなくなります。
(1)まず、「食べないようにしよう~」という我慢は、脳のメカニズムから言うと逆の結果を招きやすいのです。
潜在意識は否定形が理解できないために、「食べないぞ~」と思っても脳に映る映像は『食べ物』の映像です。
いくら意志の力(わずか数%)で決断しても、イメージで動いている潜在意識の力(97~99%とも言われる)に勝てないためにより食べたくなってしまう。
(2)好きな運動をやるのならいいが、嫌いな運動を嫌々やっても続かない。(森拓郎氏)
(3)運動によって吸収力や食欲が増し、さらに食べたいという気持ちは増幅されストレスだけが溜まる。
(4)人は運動量を増やすと、自然にそれ以外の生活で運動しないようになる傾向がある。(ジョン・ブリファ氏)
(5)長時間の運動は、コルチゾール濃度を持続的に上げることにもつながる可能性があり、このホルモンは脂肪の蓄積を促す。(ジョン・ブリファ氏)
(6)一旦は痩せるかもしれないが、これはボクサーの減量と同じ「絞る」という行為である。空腹で運動することは飢餓のメカニズムをつくりやすくし、元の生活に戻ったときにリバウンドする(さらに太る)率が高くなる。(私の理論)
【関連記事】→「なぜダイエット(食事制限と運動)は失敗に終わりやすいのか?」
つまりゲーリー・トーベス氏が言われるように、
”食事制限と運動は、我々が夜のディナーに備えるように、『もっと食べたい時』『もっとお腹をすかせたい時』にとる方法と全く同じである”
というのが、一番的確な指摘です。
そして、このような間違ったダイエットが未だに信じられている背景には、『食事』と『運動』の関係性を間違っていることが原因と考えます。
次回以降で、私の考える「食事」と「運動」「体重」の関係性についてお話したいと思います。