宿便を出すと痩せるは本当か?宿便は存在するのかしないのか
2017/06/13
インターネットの世界では有意義な情報と間違った情報が多数存在するまさに玉石混交の世界です。
この「宿便」についての情報はまさにそのことが当てはまるテーマと言えるでしょう。
ネットで「宿便」をキーワードで検索すると以下のようなタイトルのサイトが次々とヒットします。
- 宿便を出すと3~4キロ痩せる
- 宿便を出してダイエット
- 宿便の取りかた
- 宿便を出して美しさと健康を手に入れる
- 腸内洗浄で宿便を出して痩せる
- 断食で宿便を出す方法
では宿便とは何でしょうか?本当に存在するのでしょうか。
宿便があったら大腸検査は受けられない
検査前の腸内
大腸検査を受けるには腸の中を奇麗に空っぽにしないと検査は始められない。
そのため検査を受ける前日は消化の悪いワカメやコンニャクなど食物繊維の多いものは食べてはいけない事になっている。
ワカメなどが腸壁にへばりついていたりしたら、見落としが出るため検査が出来ないのだ。ましてそこに宿便なるものがあったら検査することは不可能だ。
とにかくスッカラカンにしないといけない。
もしも宿便なるものが存在するとして奇麗に出すのだったら、大腸検査を受ければ全て奇麗になるということだ。
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「宿便」というような便は医学的には存在しない
イメージ・水道管内部
腸の壁がひだ状になっているため山や谷がありその谷の凹へこんだ部分に便が溜まり長期間出てこない便が大量に貯まっていると説明されています。
医学的な見解はどうなのでしょうか。
消化管は、口側から肛門側へ向かって食べた物を移動させるため、蠕動(ぜんどう)運動をしています。常に動いているので、同じところがずっと谷ということはなく、凹にもなれば凸にもなります。
従って常にへこんだところに食べ物が何ヶ月も溜まり続けるということはありえないのです。
そしてまた腸の細胞は数日で新しい細胞に生まれ変わるため古い細胞は剥がれ落ち便に混じって一緒に対外へ排出されます。
ですから腸壁に便が留まることは難しいのです。 人の体はそのような不都合が起きない仕組みになっています。
ですからダイエット本などでよく言われている大量の宿便などはありえないことなのです。
大腸検査でファイバースコープを入れて中を検査することが行われていますが大腸にヘドロのようにへばりついている宿便というものを見たことのある医者はいないといわれています。
ではなぜ宿便なるものがテーマとして数多く取り上げられているのでしょうか。
その答えは「擬似科学」で人をあおり、商品を売ったり、施術をすれば儲かるからです。
「血液型」で人の性格が決まるというのも疑似科学、その他、「マイナスイオン」「ホメオパシー」「ゲルマニューム」などもっともらしく科学を装い一般消費者をターゲットにした商売がたくさんありますが化学的に立証されていません。
過剰な腸内洗浄や下剤の長期服用のリスク
「腸内洗浄」も「下剤」の刺激も身体が慣れてくるに従ってどんどん効き目が落ちてしまい、次第にもっと強い刺激がないと自然排便ができないようになってしまいます。
さらに便秘を促進してしまいます。
また家庭で出来る腸内洗浄のキットが市販されていますが、大きなリスクが伴います。
ノズルで腸の粘膜を傷つけて感染症を起こしたり、腸に穴があくといったケースもあります
宿便を出して痩せたというのは滞留していた便が出た分だけ体重が軽くなっただけのことです。
痩せたということとは違います。
その後食事をしたらその分また便が溜まるのだから、同じことです。食べないわけには行きません。
どうしても自力で排便することができなくなったような場合は、非常事態として自宅やエステなどではなく医療機関で受けることです。
腸内洗浄はれっきとした医療行為です。
疑似科学による腸内洗浄の危うさは下の記事を併せて読んでいただければ理解して頂けると思います。
なぜ断食をして食べていないのに便が出るのか
断食で宿便を出し健康にということが言われていますが、断食をした場合、人が生命維持活動をするためにはカロリーが必要です。
そのため緊急避難的に筋肉を構成しているたんぱく質をカロリー源として使用します。
その残りカスが腸内に排出されます。
そしてまた、人の腸内には一人当たり100種類以上、100兆個以上の腸内細菌が生息しており、腸内細菌の重さは1.0~1.5Kgにもなり、常にその死骸が便に混じり排出されます。
断食を行った後に出るのは谷間にたまった便ではなく食べ物のカス以外のこのような成分のものです。
タール状のもで非常に臭いの強いものになります。
人が生きているかぎり断食をしようが出てきます。
ダイエット本などではこれを「宿便」と言って写真付きで解説しているものもあります。
予約が3年待ちの便秘外来がある
順天堂大学付属順天堂医院で開いている小林弘幸医師の「便秘外来」の受診者数は既に2,000人を超え予約は3年待ちという状況だそうです。
便秘で悩んでる人がいかに多いかということですね。
小林先生によると便秘の根本的な原因は「自律神経のバランスの乱れを整えること」と「腸内環境」を整えることだそうです。
その小林先生は強度の便秘患者さんに対しても基本的には下剤は処方しないそうです。
その理由はいくら下剤を服用しても便秘を根本的に治すことは出来ないからだそうです。
便秘を治すということは、腸管の蠕動運動がきちんとリズミカルに行われるように腸内環境を改善することだそうです。
便秘を予防する基本は「運動」と「食生活の改善」が基本だそうですが、強度の便秘になってしまった人の場合、それだけではなかなか腸内環境まで改善するのは難しいようです。
そこで小林先生は便秘治療の効果を上げる「秘密兵器」を処方しているそうです。
その秘密兵器とは「乳酸菌」を主成分とする「整腸剤」だそうです。
えっ、秘密兵器ってそれなのという声が聞こえてきそうですが、ビフィズス菌など腸内の善玉菌を増やし、便秘によって増えてしまっていた悪玉菌を減らすことにより腸内細菌のバランスがとれ腸内環境を整えることができるとのことです。
残念ながら即効性のある便秘改善の方法はありません。普段の地道な努力が必要なようです。
宿便を出せば痩せるというサイトが多い中、最近になって宿便は存在しないというサイトもだいぶ増えてきました。
その中でも自分が大腸検査を受ける事になったのでモニターを見ていたけどそのどこにも宿便と言われるようなものは写っていなかったという実体験による記事も見受けれれるようになってきています。
無駄なお金を使い、健康を害するような「疑似科学」な宣伝文句に騙されないようにするには注意が必要です。
便秘の原因にはさまざまな種類があり、便秘を解消するためには、まずは自分の便秘の原因を知ることが大切です。間違った対処法をするとより便秘を助長してしまうこともあります。
「便秘外来」を設置している病院も増えてきていますので、あまりにもひどい便秘はやはり専門の診療機関を訪ねましょう、別の病が潜んでいる場合もあります。
宿便とは、Wikipedia(フリー百貨辞典)によると以下のように記載されています。
宿便(しゅくべん、Fecal impaction)とは、便秘により腸内に長く滞留している糞便のことである。滞留便(たいりゅうべん)とも呼ばれる。
必要な場合には治療として浣腸などが行われる。健康・ダイエット関係でよく用いられる「宿便」は、一般的な定義とは異なり、数週間程度以上の長期にわたり腸壁にこびり付いている便のことを指し、断食や腸内洗浄によってはじめて排泄されるとされる。
この手の言説では、こうして腸壁が清掃されるため断食に健康増進の効果があるとされるほか、断食しなくても宿便排泄に効果があるとされる健康食品の宣伝が行われることが多く、「疑似科学」の域を出ない。
便秘薬「酸化マグネシウム」で死亡例!厚労省が注意喚起
厚生労働省は2015年10月20日、便秘薬として広く使われている「酸化マグネシウム」製剤で、最近3年間に薬との因果関係が否定できない高マグネシウム血症を19人が発症、うち1人が死亡したと発表した。
酸化マグネシウムは、長く使うことなどで血液中のマグネシウムの濃度が高くなり、心停止などにつながる恐れもあるという。吐き気やめまいなどの症状が出た場合はすぐに服用をやめ、医療機関を受診するよう求めている。
厚生労働省は、特に報告の多かった高齢者の服用について、薬の添付文書で注意喚起するよう、医療用医薬品を製造・販売する17会社などに指示した。